■ じらされて ■
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「あ…」
途中でやめられたセレムの自身は、熱いものの出口を失った。
そんなセレムの下半身をチラリと見やって、レイヴァンはすました声で言う。
「じゃあ今夜はこのまま寝るか」
「えっ…」
セレムは声を上げて、その瞬間にレイヴァンの表情が変わるのに気づき、慌てて口をつぐむ。
「どうした? 欲しいものがあるんだろ?」
意地悪く言うレイヴァンに、セレムは顔を背ける。
顔が熱くなる。顔だけではなかった。全身が、そして己の中心がとめどない熱を持っていた。
「仕方ない子だ」
レイヴァンはそう言うと、ベッドサイドのボードに手を伸ばす。そこにある物を手に取り。
「正直に言えない子には、これで素直になってもらうとするか」
何かと思いセレムはレイヴァンの手にする物に目をやり、ギョッとする。
そこに、男性の性器を模した棒が握られていたのだった。
「な…っ!?」
何故そんなものがここにあるのかと言う疑問の直後に、この男はどこまでスケベなものかと半分あきれてくる。
「ま、こんなもので満足してもらうのも不本意だがな」
理解の苦しむことを口走りながら、レイヴァンはセレムの足を抱き上げる。
足を掴まれた時になって慌ててセレムは両足をばたつかせて抵抗を試みる。
しかし、レイヴァンはそんな些細なことを気にも止めなかった。
レイヴァンはあらわになったセレムの後ろの割れ目へ手に持ったものをあてがう。
冷たい無機質な感触が伝わる。
「や…だ…」
尚も足をばたつかせて抵抗するが、レイヴァンは口元に笑みを浮かべながら、ゆっくりとセレムの中へその器具を差し入れていった。
「やぁ…あっ」
ビクビクと、セレムの中で蠢くもの。その疑似的な動きに、セレムは人のものではない違和感を覚える。
「いや…レイヴァン…」
道具の紡ぎ出す律動に、セレムは却ってレイヴァンのものを想像してしまう。
「こんなの…いやぁ…」
見上げると、勝ち誇ったような顔があった。
レイヴァンはセレムの内股を滑らかに摩ってやる。
「何が欲しいんだ?」