■ 野犬 ■

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 両足をこれと無い程に開いて、雄獣の胴に巻き付け、更に奥へと雄を誘う。


「やだあ…んっくう……やん…あんっ……もっと……」


 自分でも何を口走っているのかさえ分からない程に、セレムは翻弄されていた。

 ぐるるる…。


 雄獣の喉が鳴っていた。


「ああ…あんんっ……あんっあんっあんっあんっあんんっ」


 突き上げる間隔が短くなる。


 セレムも腰の動きを激しくする。


 狂った時間。


 野獣と少年が乱れ合う。


 そして――。


「――――――――っ! 」


 雄はセレムの中に欲望を解き放った。


 セレムは雄獣に縋り付き、雄獣の精が己の身に染み込んで来るのを感じた。


 どろりと、生暖かなそれは、セレムの体の中へと流れ込んで行く。


 深く、奥深くへと、セレムを染め変えるように。


 セレムは雄獣に、身の内にある雄を感じ入っていた。


 そんなセレムに柔らかな口付けが降って来た。


「……?」


 うっすらと目を開けると、そこに見慣れた端正な顔があった。


 あっと声を上げて、大きく目を見開くセレム。


「…レイ?」


 今、自分がしがみついているのは妖獣などではなく、レイヴァンだったのだ。


 驚きの表情を崩さないセレムに、レイヴァンはもう一度セレムに口付けする。


 セレムの頬がバラ色に染まった。


 繋がれたままになっている部分が、焼けるように熱く、熱く感じた。












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