■ 野犬 ■
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が、何時まで経っても妖獣は襲って来なかった。
その代わりに、下腹部に動物の毛のような物が触れてきた。
ハッとして目を開けると、妖獣はじっとセレムを見下ろしていた。
セレムを跨ぐ格好で、前足をセレムの両脇に置き、広げたままのセレムの股の間に後ろ足を据えていた。
妖獣はその後ろ足をセレムの内股に引っかけて、それを前方へ押しやった。
「あっ…」
セレムの足は妖獣の後ろ足によって上方へ持ち上げられる。
そして、ゆっくり腰を降ろして来る妖獣の体に押されるように、セレムの両足は自分の両脇にその膝を納めるような格好になった。
仰向けになり、腰を曲げ、尻を天上に向けて押し開く、そんな淫らな様になってしまった。
そして、そこに触れるモノ。
堅い剛毛の中に、脈打つ何かがセレムの秘部に触れてきた。
セレムのそこを弄る、熱をもった太いソレは正しく雄の印だった。
「いやあああああ―――――っ 」
気付いて、セレムは身を引こうとしたが、男を迎え入れる為のその体勢では無理だった。
それでも何とか逃れようと腰を動かした瞬間。
「う……あ…………っ」
妖獣の男根はセレムの秘肉をこじ開け、中へと侵入してきた。
「はあああ……ん…うぐ……う……」
妖獣は、欲望のままにセレムの中を弄り、突き進んで行った。
「いや…いやあ……」
セレムは涙を浮かべる。
自分の内で蠢き、突き上げて来る妖獣のモノを感じる度に、このまま舌を噛み切って死んだ方がマシだと思えた。
が、その時、感じた。
何故かこの妖獣のものが、愛しい人のものと酷似して感じられたのだった。
その一瞬の躊躇が、セレムを地獄へ陥れることになった。
雄獣は己のモノをセレムの中で猛らせ、震わせた。
その度にセレムの漏らす声は甘く変化していった。
「ふ…うん……あはあ…ん……やぁあん…」
雄獣の動きに合わせてセレムは腰を動かした。
感じていたのだった。