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はしらのはなし・41番

 モノレール撤去作業の中でも、府中街道をまたぐ部分の鉄の橋、これを壊して片づけるのが手間らしいです。道路を通行止めにしなくてはならないからね。手間がかかることは、どうしても後回しになりがちです。というわけで、鉄の橋を担ぐ私ら3940,41番は長いこと残されていました。
  だから、わたし41番は、ほかの「はしら」よりも長いこと、いろいろ考えていました。

 ・・・隣の42番が背の高い「きりん」だとするならば、ちょっとずんぐりしてグレーの私は「ぞう」といったところかな。

 ・・・道の向こう側の39番とわたしは同じ形だけど、逆向きのr字型なのはどうしてかな。同じ向きでモノレールを支えたら、傾いてしまうのかな。

・・・どうしてわたしはr字型なのかな。まっすぐなI字型の「はしら」にも、なってみたかったな。

・・・わたしの頭の上でいつも一休みしていた鳩は、私たちが壊されてしまったらどこへ行くのかな。

 いろいろ考えていたといっても、「はしら」ですから、まあこれくらいなものです。