南部縦貫鉄道を歩く 33

 国道4号線から分かれ、野辺地の中心部へ向かう陸橋で東北本線を跨ぐ。そのあたりの雑木林をふと見ると、「鉄道防雪林」と書かれた杭が転がっている。ここにもともと立っていたものが倒れたのか、それとも他の場所で使っていたものが打ち捨てられたのか、わからない。


 野辺地からは、次の宿泊地、むつ市へ行くため、大湊線に乗る予定である。その列車の時刻を気にしつつ歩いていたが、余裕で間に合いそうである。体中痛くなっているが、南部縦貫鉄道の20.9kmを歩きとおした満足感でいっぱいであった。野辺地駅の待合室に、ぐったりと腰を下ろした。まったく詰めが甘い私は、向こう側に南部縦貫鉄道旧ホームが見えているのに気づかず、使われなくなった跨線橋の階段の壁面に貼り付けられた看板をぼんやりとながめているばかりだった。

(終わり・2001年4月訪問)


(野辺地駅。)