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湘南軌道を歩く  7
  東名をくぐると、秦野市から中井町になる。少し歩いて、Y字に分かれた左の道にはいると、これが軌道跡である。再び旧街道らしい雰囲気である。左手の離れたところには、先ほどのようななだらかな丘が続いているのが見える。あの丘の上を歩くのもいいかなと空想するが、現実には霊園があったり、ゴルフ場があったりすることが多い。だからこうして遠くから見ているうちがいいのかしらとも思う。
 井ノ口のあたりで、変わったお堂を見つけた。高さ50センチくらいのお堂が、石灯籠でも鎮座していそうな石造りの台にのっているのだが、お堂自体はなんとタイル製なのだ。屋根の反り具合、鬼瓦など、古典的な形なのに、銭湯の床や壁に使われているようなタイルで埋め尽くされているのがおもしろい。もしかしたら近所のタイル屋さんが作ったのだろうか。