国外オルガニスト編
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             N       U  W X Y 

ーリス・アドレー 1975.10.15 神奈川県民ホールにて
Morris Adley

1942年ニューヨーク生まれ。1965年カナダ・モントリオール市マギル大学でバロ ックオルガン音楽を学ぶ。1971年デンマーク・コペンハーゲンに於て国際的オルガニ スト、フィン・フィデロについてバロック奏法を学び、バッハ、ブクステフーデの研究を 続ける。コペンハーゲン市のルター教会オルガニストの職にあるかたわら、北欧、ソ連を 中心に広く演奏活動を行っている。日本オルガン研究会の招きにより初来日し、演奏や特 別講演を行う予定。
ミシェル・アラボー 1998.10.31 武蔵野市民文化会館にて
Michel Alabau

ミシェル・アラボーは、1957年生まれ。フランス国立リール国立高等音楽院で、ジャ ンヌ・ジュラン、後にジャン・ボワイエに学び、一等賞を得て卒業する。その後も、長年 にわたって発展してきた、オルガンの建造について研究を続け、フランスおよび海外のオ ルガンを調査するため膨大な旅行を行った。1972年から1986年までサン・マルタ ン・ド・カルヴァン教会のオルガニストをつとめた。また、彼の芸術を示す特権的場所と も呼ぶべきマルクのサン・ポール教会の終身オルガニストも務める。1988年に、アン ドレ・イゾワール、ミシェル・シャピュイなどの世界最高クラスのオルガニストが、オル ガニストを務めてきたフランスで最も権威と威信のあるオルガンを有するパリのサン・セ ヴラン教会の終身オルガニストに就任。演奏活動のみならず、後進の指導にも積極的にあ たっており、パ・ドゥ・カレのドゥヴラン・カレッジの教授、ノール県のフルミ音楽院の 教授を務め、多忙を極めている。1987年以来、エーヌ県の文化遺産クラスのカリキュ ラムの一環として、サン・ミシェル教会の歴史的オルガンを生徒達に見せることを依頼さ れ、責任者を勤めている。これまでに、5千人を越す生徒達にオルガン音楽とオルガンの 歴史を教えている。こうした生徒達はアラボーのコンサート・オルガニストとしての、ま た教師としての様々な才能に導かれ、多くの恩恵を受けている。音楽祭への参加も活発で、 ティエラシェのサン・ミシェル教会のバロック音楽フェスティヴァルにも出演している。 CDは評論家から高い評価を受けており、フランス国営放送のみならず、海外でも頻繁に 放送されている。トリトン・レーベルからリリースした、バッハ、ブクステフーデ、ベー ムなどのコラールとパルティータ集のCDはディアパソン誌で高い評価を受ける。同じく トリトン・レーベルからバッハの作品集のCDをリリース。最新のCDは、フランス国営 放送制作(配給はフランス・ハルモニア・ムンディ)の「オペラの場面より」で、レペルト ワール誌の1997年9月「今月の10枚」に選出されている。
マリー=クレール・アラン 1997.10.19 東京オペラシティにて
Marie-Claire Alain

マリー=クレール・アランは1926年、サン・ジェルマン・アン・レ教会のオルガニス トを父に、作曲家でオルガニストでもあったジャンを兄に持つ音楽一家に生まれた。既に 11歳で父の代理としてオルガニストを務め、パリ音楽院で学んだアランは、和声、対位 法、フーガ、オルガン、即興演奏のプルミエ・プリを次々と獲得、着実に実力を備えてい った。50年ジュネーブ国際コンクール、オルガン部門で入賞、以来世界各国で不断の活 動を続け、国際的に活躍するオルガニストの中でも、フランスを代表する第一人者として の地位を確立していった。51年パリでバッハ賞、74年レジョン・ドヌール勲章、76 年にはブクステフーデをはじめとしたドイツ・オルガン音楽への優れた解釈により、西ド イツリューベック市からブクステフーデ賞を得ている。アランは、世界中で演奏活動を行 っている世界最高のオルガニストである。彼女のオルガンについての造詣の深さは有名で、 世界中のあらゆるオルガンを熟知していると言われている。ルネサンス、バロックに始ま り、近代・現代のさまざまなタイプ、また民族楽器に近いものまでも弾きこなす事が出来 るのは、彼女をおいて他には無いと言っても過言ではない。アランのレパートリーは、バ ロック以前から現代音楽まで4世紀にもわたっているが、それらの作品を、研究に裏打ち された確かな解釈によって演奏するとともに、研究書も出版している。アランはまた、レ コーディングの分野でもめざましい活動を続けている。「バッハ・オルガン大全集」をL Pの初期と、78年〜80年に2回録音を完成し、特に2版目の全集は「決定的名盤」と 高い評価を受けた。さらにより高い完成度を目指して前人未踏の第3版に挑戦した。オル ガンの修復技術も進化を遂げ、また旧東ドイツのバッハゆかりのオルガンが演奏できるよ うになったことから、バッハ在世時代の「歴史的オルガンを使う」という構想をもとに、 85年から93年まで9年をかけて、J.S.バッハが弾いたと思われる、修復されたドイツ のオルガンの全てを弾いた。そして「バッハの手と私の手がそこに重なったとき、あわれ み深いバッハの心に触れることが出来た」と語っている。アランは現在、パリの聖マリア 大聖堂のオルガニストの地位にあり、パリ市立高等音楽院でも後進の指導に当たっている。 またオルガン音楽の研究者として、世界のオルガン・コンクールの審査員として幅広い活 動を行っている。
レオンハルト・アムゼルグルーバー 1996.01.05 武蔵野市民文化会館にて
Leonhard Amselgruber

1969年ドイツのバンベルクに生まれる。1984年、バンベルクでオルガンをM.ム ツィクに師事。1987年、レーゲンスブルクでオルガンをN.トゥヒテルに師事。ドイ ツの「若い音楽家のためのコンクール」にオルガン部門で第1位。1988年、フランク フルト音楽大学入学、オルガンをエドガー・クラップに学ぶ。1990年、ベルリンのメ ンデルスゾーン・コンクールにて連邦大統領賞を受賞。1991年、ハノーヴァーのドイ ツ音楽大学コンクールにて第1位。オルガン部門で第1位。マリー=クレール・アラン、 ダニエル・ロートの演奏家コースを受講。1992年第2回武蔵野市国際オルガンコンク ールにて第1位および邦人委嘱作品最優秀演奏賞を受賞。1993年、オルガンディプロ マを獲得。日本各地でオルガンリサイタルを行い好評を博す。パリで1年間ダニエル・ロ ートに師事。バンベルク市の文化賞を受賞。1994年ミュンヘン国際コンクール第3位。 1995年、フライブルクのアルス・ムジチ・レーベルよりデビューCDをリリース。
ブライアン・アシュレー 1999.10.20 日本聖公会神田キリスト教会にて
Bryan Asyley

アメリカ生まれ。ウィタチ州立音楽院卒業後来日。日本文化を学ぶ傍ら、オルガンを廣野 嗣雄氏に師事。その後渡仏。リュエイユ・マルメゾン国立音楽院でM-C.アラン氏に師事 し「優秀賞」を得て卒業。さらにドイツのフライブルグ音楽大学でZ.サットマリー、X. ダラスの各氏に師事し「最優秀賞」で卒業。1988年第1回武蔵野国際オルガンコンク ール第1位、あわせて「邦人作品最優秀演奏賞」受賞。現在、東京芸術大学、聖学院大学 で講師を勤める傍ら、内外のコンサートホール、教会、大学で広く演奏活動をおこなって いる。また水戸芸術館でバッハとフランス音楽のCDをリリース。
リスティーナ・バネガス 1995.6.20 カトリック下井草教会にて
Cristina Banegas

エクスエラ音楽大学教授、プロファンデス・アンサンブル芸術音楽大学校校長、国際オル ガンフェスティバル組織委員長を通して、南米のオルガン音楽の発展に寄与している。ま た、スイスのロレックス賞の受賞したり、スペインオルガン音楽論文コンクール審査委員 長を務める等、ヨーロッパでも幅広い活躍をしている。
アレシュ・バールタ 1998.06.16 横浜みなとみらいにて
Ales Barta

1960年生まれ。ブルノ音楽院でヨゼフ・プクルに、プラハ音楽アカデミーではヴァー ツラフ・ラバスに学ぶ。在学中に、チェコ国際コンクールにおいて初めて入賞し、注目を 集める。1982年、リンツのアントン・ブルックナー国際オルガンコンクールにおいて 第1位、1983年、ブダペストのフランツ・リスト国際オルガンコンクールにおいて 第2位、そして1984年、プラハの春国際オルガンコンクールにおいて、圧倒的1位を 獲得した。彼のレパートリーは、バロックから近代音楽までと幅広く、チェコを始め各国 の主要な作品を含む。共演したオーケストラは、プラハ交響楽団、プラハ放送交響楽団、 プラハ室内管弦楽団、チェコ・フィル等数多く、また、オーストリア、ハンガリー、ドイ ツ、フランス、スペイン、スイス、フィンランド、イタリア、ベルギー、ロシア、アメリ カ、日本など各国から招かれ出演してきた。そして、プラハ、ブラティスラヴァ、ライプ ツィヒ、イスタンブール、ベルリン、アビニヨン、東京、ロンドン、チューリヒ等におけ る国際音楽祭にも参加した。1995年より、プラハ放送交響楽団の専属ソリストとなる。 1996年3月、J.S.バッハの録音でスプラフォン・ゴールドスクを受賞。スプラフォン、 ポニー・キャニオンから1995年バッハの作品集を発表し雑誌「ステレオ」の同年の最 優秀録音に決定、今、最も活躍しているオルガニストの1人である。
アンリ=フランク・ボーペラン 1999.01.05 武蔵野市民文化会館にて
Henri-Franck Beauperin

1968年、ナント生まれ。ガストン・リテーズの最後の教え子の1人。パリ国立高等音 楽院で、オルガンをミシェル・シャピュイとオリヴィエ・ラトリーに、即興をロイク・マ リエに師事し、首席で卒業する。その後、特別奨学金を得て、ミシェル・ヴヴァールに師 事。1992年、第2回武蔵野市国際オルガン・コンクールで第3位入賞(第2位なし)。 1993年にはブダペストのフランツ・リスト国際コンクールで即興賞を受賞。1995 年の第1回パリ市国際オルガン・コンクールでは、満場一致でグラン・プリを獲得してい る。1997年にはラハティ国際オルガン・コンクールで第2位入賞を果たす。1998 年11月、アンジュ大聖堂のオルガニストに就任。現在、レンヌ教会音楽学校でオルガン 即興の教授をつとめている。また、マスター・クラスにも度々講師として招かれている。 フランス国内のみならず、海外でも多くの音楽祭に出演。パリの教会音楽フェスティバル では、ティエリー・エスケシュ作曲のオルガン協奏曲を初演した。CDの録音も多く、国 内外のテレビやラジオの放送録音も多々行っている。
アノー・ド・ボルガー 1998.12.17 東京カテドラル聖マリア大聖堂にて
Arnaud de Beauregard

1956年生まれ。14歳からオルガンを始める。ストラスブルク国立音楽院でピエール ・ヴィダル、リヨン国立音楽院でルイ・ロビリヤに師事。その後パリ・スコラ・カントロ ムに入学、1984年優秀な成績で演奏家特別証書を取得し、同校で2年間教鞭を執って いる。1985年にはパリ・ノートルダム寺院において定期的にリサイタルを開催し、同 寺院でのヘンデル生誕300年記念演奏会のオルガニストを務める。その後コンサートオ ルガニストとして、フランス国内はもとより、ポーランド、デンマーク、オランダ、スウ ェーデンなどヨーロッパ各国やアメリカ、カナダなど幅広く演奏活動を行っている。ボル ガーは、オルガンの演奏のみにとどまらず、ピアノなど他の楽器の演奏も行うことでオル ガン演奏技術の幅を広げ続けている。その演奏は華麗なだけでなく、力強く生き生きと説 得力を持って、聴く人を引きつける魅力に溢れている。
ウルリッヒ・ベーメ 1999.03.12 東京オペラシティにて
Ullrich Bohme

1956年生まれ。13歳の時、生地である旧東ドイツ、フォークトランド地方のローテ ン教会のオルガニストとして活動を開始した。そこで彼は歴史的なトランペリ・オルガン を演奏していた。72年〜74年ドレスデン教会音楽学校でハンス・オットーのもとで学 び、18歳で学士試験に合格した。その後ライプツィヒ音楽学校でヴォルフガング・シュ テリッヒ教授のもとでさらに研鑽を積み80年に学位を得た。79年〜86年には、チム ニッツの十字架教会にてオルガニスト兼合唱長を務める。85年には、ライプツィヒ聖ト ーマス教会オルガニストに、多数の応募者の中より選ばれた。すでに、ヨーロッパ、アメ リカ、日本への演奏旅行の他、ドイツをはじめ、その他の国々でのレコーディング、ラジ オやTVへの出演等、幅広く活動している。国際オルガン・コンクールの審査員を務めて おり、ライプツィヒの文化ジャーナリスト協会より批評家賞も受賞している。彼は歴史的 な古いオルガンをこよなく愛しており、古いオルガンを復旧する際に、しばしばアドヴァ イスを求められている存在である。
イメルダ・ブレッヒリーガー 1980.9.30 神奈川県民ホールにて
Imelda Blochliger

チューリッヒ音楽院でオルガンを専攻し、その後ウィーンにおいて、アントン・ハイラー 教授につき、ウィーン音楽院で演奏家として研究を積み、1968年卒業した。その後、 イギリスにも留学。スイス放送局のオルガニストとしてクラシック部門を担当し、プログ ラムプロデューサーとしても活躍している。ヨーロッパ各地、スイス、ドイツ、オースト リア、フランス、イギリス、イタリアまたイスラエル、オーストラリアにも演奏活動のた め広く招かれている。日本には1976年初来日し、ICU、東京カテドラル等で演奏会 を行った。
インゲ・ベネロプ 1999.10.20 立正佼成会大聖堂にて
Inge Bonnerup

1940年に生まれ、24歳の時デンマークの音楽界にオルガニストとして華々しくデビ ューした。登場するや否や、その活動は直ちにヨーロッパ全土に及び、北欧諸国はもとよ り、イギリス、フランス、イタリアなど多くの国々で次々と名声を獲得していった。教会 オルガニストとしての長いキャリアをもちながら、ベネロプのレパートリーは、バロック から現代作品にいたるまで、驚くほど広範である。現在は、トリニターティス教会のオル ガニストを務めながら、一方でデンマーク王立音楽院で熱心に後進の指導にあたっている。
ドゥニ・ボルダージュ 1998.04.19 国際基督教大学にて
Denis Bordage

フランス、ボルドー出身。ボルドー国立音楽院でオルガンをF.シャプレに師事。卒業時 に同市より名誉賞を受賞。ボルドー大学で音楽学を学び卒業後、トゥールーズ大学大学院 で修士号を取得。リヨン国立高等音楽院にてオルガンをX.ダラス、J.ボワイエに師事し、 1993年同音学院を卒業。1993年よりマコン国立音楽院およびリヨン市宗教音楽研 究所で教鞭をとるかたわら、フランス各地で演奏活動を行っている。1992年よりリヨ ン市聖贖主教会オルガニスト。

ミシェル・ブヴァール 2004.09.12 ミューザ川崎シンフォニーホールにて
Michel Bouvard

フランス・リヨン生まれ。ピアノを学んだあと、アンドレ・イゾワールのオルガン・クラスに入る。サン・セヴラン教会の専属オルガニストを務めながら、ミシェル・シャピュイ、フランシス・シャプレ、ジャン・ボワイエのもとで研鑽を積んだ。その後、10年以上にわたり、サン・セヴラン教会の正オルガニストを務めた。1983年、トゥールーズ国際オルガン・コンクールで最優秀賞を受賞。その2年後、グザヴィエ・ダラスの後任として、トゥールーズ国立音楽院のオルガン教授に就任した。コンサート・オルガニスト、教師としての活躍は20ヶ国に及び、数々の国際オルガン・コンクールの審査員としてもたびたび招かれている。95年、パリ国立高等音楽院のオルガン教授に就任し、翌年には、トゥールーズのサン・セルナン大聖堂の歴史的なカヴァイエ=コル・オルガンの正オルガニストに任命された。

ギ・ボヴェ 1997.09.21 東京オペラシティにて
Guy Bovet

1942年生まれ、スイスのオルガン、ハープシコード奏者、作曲家。62年ジュネーブ 音楽院を1等賞を得て卒業。スイス、ニューシャテルの教会オルガニストを務める。年間 70回におよぶリサイタル、世界各地の歴史的オルガンによる40点を越えるレコーディ ング、TV、ラジオ出演など国際的に活発な演奏活動を繰り広げている。一方、教育の面 にも力を注いでおり、スイスのバーゼル市音楽院、スペインのサラマンカ大学、ワルシャ ワのエルスナー音楽学校に講座を持つほか、世界各地のオルガンセミナーの講師として定 期的に招聘されており、また、主要な国際オルガンコンクールの審査員もつとめている。 作曲家としても多くの作品があり、オルガン作品をはじめ、映画音楽や劇音楽まで手掛け ている。米国のオレゴン大学教授、サザン・メジスト大学、シンシナティ音楽院、カナダ の西オンタリオ大学、フランスの国立リヨン高等音楽院客員講師。東京オペラシティコン サートホールのスイス、クーン社製オルガンの設計・製作の監修にあたった。
ジャン・ボワイエ 1999.02.26 アクトシティ浜松にて
Jean Boyer

1948年生まれ。トゥールーズ音楽院でグザヴィエ・ダラスに師事、最優秀賞で卒業。 その後、パリでミシェル・シャピュイ、アンドレ・イゾワールに師事。1972年パリの サン・ニコラ・デ・シャン教会のオルガニスト、1975年からはサン・セヴラン教会の オルガニストを務める。20歳で録音した最初のレコーディングがフランスレコード協会 の大賞を受賞。これまで、バッハ、グリニー、クレランボー、ブラームスなどを録音して、 同大賞を3度受賞した。ヨーロッパをはじめ、アメリカ、日本でもコンサート活動を行っ ているほか、数々の国際的なコンクールや音楽祭にも招かれている。1992年、リヨン 国立高等音楽院のオルガン科教授に就任。1995年芸術文芸勲章オフィシエ賞を授与さ れた。

メルヴィン・ジェームズ・バトラー 2004.11.26 立教学院諸聖徒礼拝堂にて
Melvin James Butler

シアトルの聖マルコ聖公会の専属オルガニスト兼聖歌隊指揮者。また、ワシントン大学のアーティストインレジデンスでもあり、そこで即興オルガンと教会音楽の教鞭をふるっている。1972年から1991年には、ニューヨーク、ロチェスターにあるダウンタウン長老教会のオルガニスト兼聖歌隊指揮者であった。その間、イーストマン音楽院で教会音楽の助教授、ロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団のヴァイオリニスト、ロチェスター・バッハ・フェスティバルの音楽監督・指揮者を務めていた。今シーズンは、サンフランシスコのグレース寺院、シアトルの聖マルコ寺院、スポーケンの聖ヨハネ寺院、ニューヨーク、ロチェスターのダウンタウン長老教会、そして東京、横浜で公演を行う。マスタークラスや講義も積極的に行っており、その内容も教会音楽、合唱指揮、聖歌歌唱、即興など、多岐にわたる。アメリカン・ギルド・オブ・オルガニストの大会で講師とオルガニストを務めている。ロフト・レーベルよりCDをリリースしており、タイトルは”French on the Flentrop” ”Out of this world”。両CDとも聖マルコ寺院で録音をしている。ノースカロライナ州のバーリントン出身で、オバーリン音楽院でガース・ピーコックの下、音楽学士を、デイヴィッド・クレイグヘッドに師事し、イーストマン音楽院より音楽学修士号・博士号を修得。
シェル・シャピュイ 1999.08.29 白根桃源文化会館にて
Michel Chapuis

1930年フランスノドールに生まれ、11歳にしてフランスノ歴史的なオルガンを有す るコレギアル教会のオルガニストに就任。17歳で数々の賞を受賞。パリの主要な教会の オルガニスト、ストラスブール音楽院、スコラ・カントルム、ブザンソン音楽院、パリ国 立高等音楽院の教授を歴任。現在ヴェルサイユ宮殿礼拝堂オルガニスト、白根桃源文化会 館名誉館長。フランス音楽にとどまらない多岐にわたる研究に対し、フランス政府よりレ ジオン・ド・ヌール勲章(文化勲章芸術部門)を贈られ、その豊かな感性と深い学識に基づ いた演奏で、既に世界的評価を不動のものとしている。また、バッハの作品解釈の第一人 者としても知られる。
イエンス・クリステンセン 1977.09.30 神奈川県民ホールにて
Jens Christensen

イエンス・クリステンセンは1946年生まれ、デンマークの誇る新進オルガニストであ る。デンマーク王立音楽アカデミーで学んだ後、リスボンでカストナーにイベリア音楽を、 パリでアランにフランス音楽を、またタリアヴィーニにイタリア音楽をそれぞれ学んでい る。レパートリーはバッハは勿論、それ以前の音楽から現代にいたるまで幅広く、ヨーロ ッパ各地で演奏会及び放送で活躍している。特にイベリアオルガン音楽については当地の 歴史的オルガンによる演奏活動を通して経験豊かであり、造詣も深い。コペンハーゲン大 聖堂の副オルガニストであり、また同地の王立音楽アカデミーでも教鞭をとっている。
ルイジ・チェレギン 1981.05.28 神奈川県民ホールにて
Luigi Celeghin

1931年ヴェネツィア生まれ。パドヴァのC.ポリーニ、ヴェネツィアのB.マルチェロ 両音楽院を卒業。S.オミゾロでピアノ、オルガン、合唱指揮、作曲のディプロマを取得。 又、シェナのアカデミア・ギジアーナの完成コースを修了。1958年パドヴァ音楽院で 教育活動に入る。1960年から1967年にかけて連続してイタリア・オルガンコンク ールに優勝。パリのN.ピッチーニ音楽学校、及びボルツァーノ、ミラノ、ヴェネツィア の音楽学校でオルガン作曲とオルガン科の専任教授を勤め、現在は、イタリアの名門、サ ンタ・チェチリア音楽院オルガン科主任教授。
ダニエル・コンゼンパ 1998.12.17 カザルスホールにて
Daniel Chorzempa

1944年ミネアポリス生まれ。ポーランドとアルザスの血をひくアメリカ人で、芸術的 ・音楽的な家庭の下、幼児期から才能の萌芽がめざましく、4歳でピアノを、7歳でヴァ イオリンを、また12歳でオルガンをそれぞれ始め、その後チェンバロやフォルテピアノ、 また作曲や音楽学を学び、15歳から20歳まで教会オルガニストを務めた。1955年 からミネソタ大学で学んだが、最初は建築家志望で、後に音楽科に転じ、在学中に同大学 のオルガン教師に任命されるに至った。1963年に最年少の学士で卒業後、博士課程に 進んだ。1965年にフルブライト奨学金を受けて、渡欧。ケルン高等音楽院で作曲を、 次いでウィーンでザイドルフォーファーにピアノを、ケルンでM.シュナイダーにオルガ ンを学んだ。1968年ライプツィヒの国際バッハ・フェスティバルでオルガン賞受賞。 1969年ロンドンデビュー、ロイヤル・フェスティバル・ホールでオルガニストとして、 ハンブルクとケルンでピアニストとしてもデビューして、いずれも大成功を収めた。メジ ャー・レーベルでの録音が大変多く、バッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、リス ト、フォーレ、サン=サーンス等のオルガン曲に始まり、ピアノ曲やチェンバロ曲の録音 も多い。オルガン曲のいくつかは、これまでにドイツディスク大賞、エディソン賞、フラ ンツ・リスト賞等を受賞している。特にフィリップスレーベルでの録音が数多い。199 7年にはズビン・メータ指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団とサン=サーンス・交響 曲第3番「オルガン」を録音した。コルゼンパは、今日優れた音楽家の1人として活動し ている。クラヴィコード、チェンバロ、フォルテピアノ、ピアノフォルテ、オルガンとい ったすべての鍵盤楽器に精通しており、コンサート・アーティストとして定期的に演奏活 動を行っている他、作曲家や指揮者としての活動も活発に行う等多方面での才能がめざま しい。マスターコースの講師として後進の指導に力を注ぐほか、国際バッハ協会の理事を 務めるなど活動は多岐に渡る。演奏活動は世界中に及び、ソリストとして、指揮者として すべてのレパートリーをこなし、オールラウンドな活動を行うに至っている。バッハ・フ ェスティバル(ロストク)、ルードヴィヒスブルグ音楽祭、ルツェルン音楽祭等に招かれ、 好評を得ている。1979年初来日。豊かな知性と感性によって生み出される流麗な表現 が魅力であり、ワーグナーの楽劇のオルガン編曲演奏など、幅広い才能に裏打ちされた多 彩な音楽観も特徴的である。最近では、1996年11月に久し振りに来日し、各地で好 評を得た。

ベルナール・クデュリエ 2005.10.22 中部学院大学にて
Bernard Coudurier

ストラスブルグ国立音楽院のミシェル・ブヴァールのオルガンクラスを1等賞で卒業。オルガン教授のディプロマを授与。現在、ブザンソン国立音楽院のオルガン教授として教鞭をとっている。フランス、ヨーロッパ各地においてソリストとしての活動の他、即興演奏、マスタークラスの講師、録音など、多彩な活動を行っている。また、アンサンブルとの共演も数多く、何れも高い評価を得ている。フランス文化庁委員。

ェームズ・ドーソン 1998.06.03 日本聖公会神田キリスト教会にて
James Dawson

アメリカ、オハイオ州クリーブランド生まれ。オベリン大学でオルガンをウィリアム・ポ ーター氏、ハープシコードをリサ・クロフォード氏に師事。スタンフォード大学で芸術修 士及び音楽博士号を取得。スタンフォード大学オルガニスト及び講師、カリフォルニア州 サン・ホゼのトリニティ大聖堂音楽監督を経て、現在立教学院諸聖徒礼拝堂聖歌隊指揮者 (助教授)。アメリカ及び日本各地で演奏活動を行う。
ンス−オラ・エリクソン 1998.11.27 日本基督教団高井戸教会にて
Hans-Ola Ericsson

1958年、ストックホルムに生まれる。ストックホルム、フライブルク(ドイツ)、アメ リカ、ヴェニス(イタリア)において、トルステン・ニルソン、クラウス・フーバー、ブラ イアン・フェルニホフ、エディット・ピヒト−アクセンフェルト、ジグモンド・サットマ リー、ルイジ・ノノに師事。ヨーロッパ、アメリカ、日本で広くコンサート活動。録音活 動も多く、特にメシアンのオルガン全曲録音は、1985年から88年にかけて、スウェ ーデンのグラモフォン賞を受賞している。1989年より、ピテオの国立音楽大学とルレ オ大学の教授として後進の指導にあたる。また、リガ・コペンハーゲンの音楽大学の客員 教授もつとめる。1996年より、ブレーメン国立音楽大学の教授に就任。1990年、 ダルムシュタットの現代音楽祭で講師をつとめ、音楽賞を受賞。ヨーロッパとアメリカで 多くのオルガン修復に参加し、また、数多くの講習に招かれている。ジョン・ケージ、ジ ョルジュ・リゲティ、オリヴィエ・メシアンの作品演奏に関し、彼らとの共同活動を行い、 信頼を得ていた。
フランソワ・エスピナス 1996.06.11 武蔵野市民文化会館にて
Francois Espinasse

1961年生まれ。ピアノ、パイプオルガン、和声楽、対位法、楽曲分析および室内楽を トゥールーズ音楽院において修める。1980年、同音楽院のグザヴィエ・ダラス(元パ リ国立高等音楽院学長)のクラスで、審査員満場一致による一等賞を得て卒業。1986 年、トゥールーズ市国際オルガンコンクール・現代音楽部門入賞。1988年、第1回武 蔵野市国際オルガンコンクール第3位。現在、アンジェ市国立音楽院で教鞭を執って後進 の指導にあたっている。また、フランス国立放送局の以来によって歴史的オルガンを用い た録音放送は多数にのぼり、フランス国内はもとより、スペイン、イギリス、日本などで、 ルネッサンス期からバロック時代を経て、ロマン派、現代曲に至るまでの幅広い演奏活動 を行っている。
ーク・フィッツェ 2005.04.28 立教学院諸聖徒礼拝堂にて
Marc Fitze

1974年、スイスのベルンで生まれる。初めての音楽教育は叔母のイレーネ・ヴェンガー氏から手ほどきを受け、後にピアノをアガーテ・リッツ=ヤッギ氏、オルガンをイェルグ・リータ氏のもとで学んだ。バーゼル音楽院オルガン科にてギ・ボヴェ氏に師事し、ソリストディプロマを取得し修了。その間アメリカのボストン・ニューイングランド音楽院へ留学し、林 佑子氏に師事した。1991年、ベルン市主催の「若き作曲家の為のコンクール」で入賞、2002年にはバーゼルオルガニスト連盟より年間で最も優秀な卒業演奏に対して贈られる「ハンス=バルマー賞」を受賞した。また、マリー=クレール・アラン、故ジャン・ボワイエ、ウィリアム・ポーター、ルイジ・フェルナンド・タリアヴィーニが講師を務める国際オルガンアカデミーに参加し、修了した。これまでにスイス国内はもとより、ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、メキシコ、アメリカ、日本で演奏活動を行っている。また、スイスとアメリカではラジオ出演、CD録音をしている。現在、ベルン音楽院オルガン科講師と、ベルンの聖ヨハネス教会のオルガニストを務めている。ジャン・アラン協会会員。

ベルナール・フォクロール 1994.08.12 サントリーホールにて
Bernard Foccroulle

ベルナール・フォクロールは1953年にベルギーのリュージュで生まれた。リュージュ 音楽院でオルガンをユベール・スーホンブロートに師事し卒業にあたって最優秀賞を受賞 した。卒業後は更にフランスではグザヴィエ・ダラスに、カナダでベルナール・ラガセに、 そしてオランダではグスタフ・レオンハルトに師事してオルガンの研鑽を重ねた。また、 作曲をパリ音楽院でベッツィ・ジョラスに学んだ。一方、現代音楽に強い関心を持ち、ア ンリ・プスール、ピェール・バルトロメ、フィリップ・ボエスマン等の影響を受けて19 74年と76年に参加したフランスのロワイヤン国際フェスティバルへの参加が国際的キ ャリアのスタートとなり以後10年間に60曲余りのレパートリーを持ち、その内20曲 は世界初演を行っている。彼は現代曲だけではなくルネッサンス、バロック、ロマン派の 音楽もその演奏活動の重要な部分を占めており、特にバッハの作品は今もなお演奏活動や CD録音を行い高い評価を得ている。フォクロールは幾つかのグループに加わりオルガン の他にハープシコードやシンセサイザーを演奏している。更に彼は作曲家、リュージュ音 楽院で音楽の分析の教授、ベルギー国立ロワイヤル・モネ・オペラ劇場の総監督、幾つか の著作も著す等大変幅広い活躍をしている。
ウンベルト・フォルニ 1999.10.15 聖イグナチオ教会にて
Umberto Forni

1953年、ボロニア生まれ。ステファノ・イノチェンティに師事して首席でオルガンの 学位を得た。ヨーロッパ各国で多くのコンサートを行い、著名なフェスティバル−ローマ、 ミラノ、ヴェネツィア、アヴィニョン、リスボン、サラゴーサ、ルーアン、マーストリヒ ト、インスブルック等で他の演奏家と協演した。イタリア、スイス、フランス国営テレビ に出演し、ボンジョヴァンニ、タクトゥス、ヌオヴァ・エラ、ナクソス、ストラディヴァ リウス等の各社からCDを出した。現在、ヴェローナ音楽院のオルガンとオルガン作曲両 コースの教授を務め、サンタ・マリア・イン・オルガノ教会のオルガニスト、ミラノとロ ンバルディア地方のオルガンと文化財保護委員にも就いている。
ルンハルト・グフレラー 1998.6.18 新宿文化センターにて
Bernhard Gfrerer

ザルツブルク出身。ウィーンでの活動功績により文化大臣から第一等の賞を獲得、国際オ ルガニストとしてヨーロッパ、アメリカなど世界各国の国際オルガン祭に出演。アメリカ、 ブラジルで修士号授与。オーストリアではプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス等と共 演。テレビ、ラジオにも数多く出演している。
ロレンツォ・ギエルミ 1998.07.13 カザルスホールにて
Lorenzo Ghielmi

1991年にユルゲン・アーレント氏製作のオルガンが設置された、ミラノ・サン・シン プリチアーノ教会のオルガニスト。これまでにジャン=クロード・ゼーンダー、ルイジ・ フェルディナンド・タリアヴィーニの各氏に師事。スポレート、インスブルック、グロー ニンゲンの各オルガンコンクールに入賞。その後、ヨーロッパを中心に各地でコンサート 活動を展開するなど、国際舞台で活躍する。ミラノ・サン・シンプリチアーノ教会のアー レントオルガンでは、バッハのオルガン曲全曲を演奏した。また、テルデック、ドイツ・ ハルモニア・ムンディ、ヌオヴァ・エラ、アルス・ムジチなどからCDをリリースしてい る。その他に、フレスコバルディ、およびミラノの作曲家の作品の楽譜を出版し、16世 紀から17世紀のオルガン建造を研究するなど、オルガンに深い造詣を持つ。これまでに、 トゥールーズ、スイス・オルガン・コンクール、ミラノなど各地の国際オルガンコンクー ルで審査員を務める。また、北ドイツ・オルガン・アカデミー、ミュールハウス音楽大学、 アローナ・フェスティヴァル、ルクセンブルク音楽大学、ボストン・ニューイングランド 音楽大学など、各地でマスタークラスを行っている他、ミラノ音楽大学で教鞭を執るなど 後進の育成にも力を注いでいる。
ジョジネイア・ゴディニョ 1998.11.08 バッハの森記念奏楽堂
Josineia Godinho

サンパウリ(ブラジル)に生まれる。1986年より1991年まで、サンパウロ・サンタ ・マルチェリナ音楽大学オルガン科に学び、同大学を卒業。奨学金を得て、1993年よ り1995年まで、ヴェストファーレン・ヘアフォード教会音楽大学でオルガンと合唱指 揮を学ぶ。1995年以後、ハンブルク音楽大学でオルガンをヴォルフガング・ツェラー に師事。1998年にハンブルクにおいて教会音楽国家試験Bに優秀な成績で合格。現在、 ブローダー・ヒリンク教会(ハンブルク)のオルガニスト。1986年以来、ブラジルとド イツ各地でオルガン・コンサートを開き好評を得てきた。今年、10月、11月の7週間、 バッハの森に滞在、合唱指揮とオルガンの担当をしている。
ルンハルト・ハース 1999.07.24 東京オペラシティにて
Bernhard Haas

1964年生まれ。ウィルヘルム・ブレッカーにオルガンを学ぶ。82年〜90年までケ ルンとフライブルクで教会音楽、ピアノ、チェンバロ、作曲を学び、オルガンをミヒャエ ル・シュナイダー、ジグモント・サットマリー、ジャン・ギューなどに師事し、研鑽を積 んだ。83年バッハ・コンクール(ヴィスバーデン)での入賞を皮切りに、84年マックス ・レーガーオルガンコンクール、86年リスト・オルガンコンクールに入賞するなど、各 地の国際コンクールで受賞している。演奏活動も活発で、ヨーロッパ全土のほか、ロシア、 アメリカ、日本なども訪れている。現在、シュトゥットガルト国立音楽大学のオルガン科 の教授として、後進の指導に当たっている。
ヨルク=ハンネス・ハーン 2002.12.02 洗足学園大学前田ホールにて
Joerg-Hannes Hahn

シュトゥットガルト国立音楽大学にて、教会音楽・オルガンをウェルナー・ヤコブ、ルトガー・ローマンに、DAAD給費留学生としてパリにてマリー=クレール・アランに師事。1989年教会音楽家A資格を取得。またニュルンベルク国際オルガンコンクールに入賞。1991年にはシュトゥットガルトバッハ合唱団の音楽監督に抜擢される。1996年国家演奏科資格を得てシュトゥットガルト国立音楽大学を卒業、その後同大学にて後進の指導にあたる。現在、そりすと・指揮者・講師としてヨーロッパ・南アフリカ・アジアの各国に招かれ、幅広い活動を行っている。特に現代音楽に精力的に取り組み、数多くの世界初演を手がける。1997年M.レーガーの、2000年にはJ.S.バッハの全作品の連続演奏会を行う。また、2002年南西ドイツ放送との共同製作でC.ファリーナのソナタ、C.P.E.バッハのオルガン作品をベルリン・カールスホルストの歴史的ミゲントオルガンで録音する。シュトゥットガルト・バート・カンシュタット市立教会及びマルティン・ルター教会音楽監督兼オルガニスト。
クラウス=エドワード・ヘッカー 2003.01.17 日本福音ルーテル東京教会にて
Claus-Eduard Hecker

ハノーヴァーで教育音楽(ピアノをコンラード・マイスター教授)、教会音楽(オルガンをウルリヒ・ブレムシュテラー教授)を学びました。さらにギィ・ボヴェ、ミシェル・ラヂュルスキュ、ソルト・ガドニュル、ダニエル・ロートに師事しました。1986年から1989年までブラウンシュヴァイクの大聖堂で音楽監督とオルガニストの助手を務めました。1989年から1996年まで、オルテンブルクの監督教会で教区音楽監督を務め、児童、青年、成人の大きな聖歌隊の育成を心掛けました。1996年以来ブラウンシュヴァイク福音ルーテル教会の教会音楽総監督を務め、聖カタリナ教会の音楽監督、オルガニストでもあります。そこでは礼拝やコンサートにおいて、教会音楽活動に努め、オラトリオ演奏、オルガンコンサートシリーズ、礼拝でのバッハカンタータ演奏を続けています。放送録音のほか、オルガニストやチェンバロ奏者、ピアノ伴奏の活動もしています。
ジョン・ホルツ 1979.05.30 神奈川県民ホールにて
John Holtz

ウェスト・ヴァージニア大学でオルガンを専攻、卒業後ニューヨークでクレア・コッチし に師事。ミシガン大学でマリリン・メーソン氏、ロバート・ノエーレンしに師事。同大学 で修士を得る。コネティカット州、ハートフォード大学準教授。同大学音楽部オルガン、 宗教音楽ならびにハープシコード科主任。広く世界各地で演奏と講演活動を行っている。
ピーター・ハーフォード 1987.06.26 サントリーホールにて
Peter Hurford

王立音楽学院の後、ケンブリッジ大学に進み、音楽と法律を学んだ。1958年から78 年まで、彼は聖アルバンス寺院の楽長を務め、そこでかれは1963年に国際オルガンフ ェスティバルを創立、若いオルガニストの育成及びオルガンをメジャーな楽器として音楽 の主流に回復させることに力を注いだ。この20年間、アメリカ、カナダ、オーストリア、 日本、極東、そして東西ヨーロッパで頻繁に演奏活動を行い、又、プラハ、ハーレム、フ ィラデルフィア、ニュルンベルクなど多くの国際オルガンコンクールの審査員を務めてい る。シンシナティ、西オンタリオ両大学の客員教授であり、1979年から3年間はシド ニー・オペラハウスの客員専属アーティストであった。レコードではデッカの専属であり、 これまで50枚以上のレコードを録音している。特にバッハ・オルガン全集は1979年 の器楽部門でオルガニストとしては初めてグラモフォン賞を受賞した。テレビ、ラジオに もしばしば出演している。1984年O.B.E.を受ける。
ンナー・イーデンスタム 2000.02.14 サントリーホールにて
Gunnar Idenstam

1961年スウェーデン生まれ。ストックホルムのロイヤル音楽アカデミーに入学、86 年特別賞を得て卒業。在学中、パリ国立音楽院に留学し、M.-C.アラン、J.タディのもとで 学び、84年優秀賞、85年ヴィルトゥオジテ賞を授与された。84年には、オルガンの 即興演奏のコンクールである、フランスのシャルトル国際オルガンコンクールで優勝する。 86年よりコンサートオルガニストとして世界各国でコンサート活動を続け、バッハ、リ スト、デュプレ、デュリュフレ等、バロックから現代曲までの幅広いレパートリーと優れ た即興演奏で高い評価を受ける。とりわけ、ジャンルの異なる音楽をいくつも結びつける 即興演奏や、ほかのジャンルのミュージシャンとのコラボレーションといった現代的なセ ンスにあふれた演奏スタイルや活動で、大きな話題と人気を集めている。92年夏には、 イーデンスタムが作曲したオルガン、弦楽オーケストラ、打楽器、チェンバロのためのコ ンチェルトが世界初演され、北欧各地の音楽祭でも再演されるなど高い評価を得ている。 アトリウムレコードと専属契約を結んでおり、99年にCDをリリース。
ジョス・ファン・イマーゼル 1984.03.26 神奈川県民ホールにて
Jos van Immerseel

1945年アントワープに生まれる。1963年アントワープ王立音楽院ピアノ科卒業。 67年、同音楽院オルガン科卒業。72年、同音楽院チェンバロ科卒業。73年、同音楽 院チェンバロ科教授となる。同年パリで行われた第1回チェンバロ国際コンクールで第1 位。80年、アムステルダム、スヴェーリンク音楽院の古典科主任となり、82年には同 音楽院の三学長の一人として任命される。今日に至るまで鍵盤楽器のコンサートだけでも 既に1500回以上に及ぶ。彼の演奏は「即興」が常に主要な位置を占める。従って毎回 の演奏はそのつど新しい。「演奏する作品の語法でもって自ら作曲、あるいは即興演奏出 来ぬ限りは、その作品を充分に理解することも、またよく弾くことも出来ない」と彼は言 う。
アンドレ・イゾワール 1999.05.22 神奈川県民ホールにて
Andre Isoir

フランスのサン・デジェで生まれる。音楽教育はセザール・フランク校卒業、国立高等コ ンセルヴァトワールを卒業、1960年に審査員満場一致でオルガン及び即興演奏で一等 賞を獲得。レコードは約60枚出版。7年間連続して「レコード大賞」を受賞。フランス ・オルガンの黄金の本に対して「共和国大統領賞」を受賞。サン・ジェルマン・デ・プレ 教会のオルガニスト。フランス国叙勲による芸術・文学のシュバリエ賞を受賞。現フラン ス・オルガン界の巨匠。
ンス・オットー・ヤコブ 1998.07.06 カザルスホールにて
Hans-Otto Jakob

フランクフルト・アム・マイン・カイザー・ドーム(皇帝が戴冠式を行う教会)「聖バルト ロミウス大聖堂」の主任オルガニスト兼ドーム楽長、教会音楽ディレクター、ドイツ・オ ルガン専門家組合幹事。フランクフルトのオルガニストとして第一人者。
アラン・ジェームズ 1998.11.07 日本聖公会聖パウロ教会教会にて
Allen James

ベルギー王立ブリュッセル・コンセルヴァトワール(ソリスト・ディプロマ)、ウェリント ン大学(名誉称号)、L.T.C.ロンドンを卒業、学位取得。ベルギー王立ブリュッセル・コン セルヴァトワール・チェンバロ科教授、ブリュッセル王立礼拝堂オルガニスト、音楽監督。 欧州全体及び南西アジアでの演奏活動は、室内楽、ソロ、ベルギーのオーケストラとの共 演と多岐に渡る。CDは自身の室内楽CDの他、芸術監督も務めている。チェンバロ、ク ラヴィコードの製作家としても、展示会に招聘されている。オルガンの復元、修復も積極 的に行っている。
ヤン・ヴィレム・ヤンセン 1999.03.11 神田キリスト教会にて
Jan Willem Jansen

1950年オランダ生まれ。エンスヘーデ音楽院においてヤン・ヴァルミンクとヴィレム ・メスダッハに師事。1974年にデン・ハーグ国立音楽院でディプロマを取得。その後、 アムステルダムでトン・コープマンにチェンバロを学ぶ。更にフランスでオルガンをグザ ヴィエ・ダラスに学び、トゥールーズ国立音楽院で金メダルを受賞して卒業。1977年 インスブルック国際オルガンコンクール、1980年ナイメーヘン国際オルガンコンクー ル及び1982年エジンバラ国際チェンバロコンクールで優勝。現在トゥールーズ国立音 楽院オルガン科、チェンバロ科教授。トゥールーズでは古楽科の共同創設者であり、シャ ペル・ロワイヤル(パリ)、エスペリオンXX(バルセロナ)、レ・サックブティエ・ドゥ・ トゥールーズ、アンサンブル・モザイク(パリ)と共演等世界的に幅広い演奏活動を行って いる。トゥールーズ市ノートルダム・ラ・ドラド教会オルガニスト、オーギュスタン美術 館オルガニスト。
イワールス・カレイス 1999.12.05 横浜みなとみらいホールにて
Aivars Kalejs

ラトヴィア国立リガ音楽院の作曲科とオルガン奏者科を卒業。1989年ブリュッセルの 第10回国際オルガン週間、1991年ポーランドのカミエソ−ポモルスク第25回オル ガンフェスティバル、1992年はドイツ、イタリア、アメリカ、デンマークでの国際オ ルガンフェスティバル等に招かれた。オルガンのための作品を数多く作曲し、ラトヴィア のオルガンの歴史に関する論文も発表する。現在、リガ大聖堂と聖ゲルトルーダ新教会の オルガン奏者をつとめる。
ハネス・ケストナー 1983.05.31 神奈川県民ホールにて
Hannes Kastner

ハネス・ケストナーは、バッハが後半生の27年間カントールを務めたライプチヒ聖トー マス教会の首席オルガニストである。彼は、1929年ライプチヒ近くのマルクレーベル クに教師の子として生まれ、1940年、10歳の時から1948年までトーマス合唱の 聖歌隊員として過ごした。13歳から、当時トーマス教会のカントールであったギュンタ ー・ラミンにオルガンを学び、1948年ライプチヒ音楽大学入学後もラミンの指導のも とで教会音楽を修め、1951年同大学卒業の直前、トーマス教会のオルガニストに任命 された。現在、彼はライプチヒ音楽大学でオルガンとチェンバロを教えており、ライプチ ヒ・オルガン楽派の代表であり、またドイツ民主共和国の最も優れたオルガニストの一人 である。これまで、国内はもとより、西ドイツ、フランス、イタリア、オーストリア、ハ ンガリー、チェコスロバキア、ユーゴスラビア、ソ連、スウェーデン、フィンランド、デ ンマーク、カナダ、アメリカに演奏旅行し、海外でも広く知られている。また、ライプチ ヒ国際バッハコンクールのオルガン部門の審査委員長もつとめている。
ピート・ケー 1998.10.17 東京オペラシティにて
Piet Kee

1953,54,55年オランダのハーレムで行われた国際オルガン即興演奏コンクール に連続優勝した。52年からアルクマールの聖ローレンス教会、また56年からはハーレ ムの聖パーヴォ教会のオルガニストを務めている。教育者としてもアムステルダムのスウ ェーリンク音楽院の教授として後進の指導に当たり、バッハやスウェーリンクの演奏解釈 と即興演奏を教えていた。武蔵野国際音楽コンクールや松本市国際音楽フェスティバルの ために来日しており、日本のオルガンファンにはおなじみである。彼は活発な演奏活動の 他、作曲家としても活躍しており、その作品はレコード・放送を通じて広く紹介されてい る。
カレヴィ・キヴィニエミ 1999.02.20 武蔵野市民文化会館にて
Kalevi Kiviniemi

カレヴィ・キヴィニエミは、1958年フィンランドのヤラスイェルヴィ生まれのオルガ ニスト。彼の演奏活動はスカイ・ロケットのようにとどまるところを知らない。ヴィルト ーゾ的なテクニックと、楽器を操る能力の高さで知られるキヴィニエミは、伝統的なオル ガン曲から、非常に思い切った実験的なものまで、大変幅広いレパートリーをもち、これ までに大きな成功をおさめている。1981年にカントール・オルガニストの資格を得た 後、1983年にシベリウス・アカデミーでオルガンのディプロマを取得。同アカデミー では、オルガン演奏をエーロ・ヴァェテェイネンに、即興演奏をオッリ・リニヤマに学ぶ。 フランス、ドイツ、オランダでも学んでいる。1984年に、ヘルシンキのフィンランデ ィア・ホールでリサイタル・デビュー。フィンランド、ノルウェー、イギリス、ロシアイ タリア、ドイツ、フランスなどヨーロッパ各国でリサイタル・ツアーえお行い、1991 年には日本で、1994年にはアメリカでコンサートを行っている。また即興演奏を得意 とし、1996年にはドイツのニュルンベルクの国際オルガン即興演奏コンクールの審査 員をつとめた。フィンランド、ハンガリー、アメリカのテレビ番組にも出演し、フィンラ ンド放送、フランス国営放送、エストニア放送、欧州ラジオ放送組合(E.B.U)などに多く の放送録音を行っている。これまでにリリースされたCDは40枚にのぼり、フィンラン ディア・レコードと1995年より3年間、ソロ・レコーディングの契約を結んでいる。 主なCDとして、フィンランディア・レコードより「ザ・バトル」「プーランク:オルガ ン協奏曲」「ヴィドール:トッカータ」「剣の舞」などが、MILSレーベルより、「リス ト:オルガン作品集」「デュプレ:オルガン作品集」トランペットのカリ・カルヤライネ ンとのデュオで「ジュピター」「ファンファーレ」がリリースされている。キヴィニエミ はフィンランドのラハティ・オルガン・フェスティバルの監督もつとめ、1998年の同 フェスティバルではウィーン国立歌劇場などで活躍する世界的バリトン歌手のヨルマ・ヒ ュンニネンとメリカントの作品集を演奏している。
イルメンガルト・クニトル 1975.11.11 神奈川県民ホールにて
Irmengard Knitl

1934年ウィーン生まれ。ウィーン音楽院でピアノをヴィオラ・テルン教授に、オルガ ンをアロイズ・フォーラ教授に学び、優等で卒業。ウィーン近郊のシュヴェーハット音楽 学校でピアノとオルガンを教えているかたわら欧米で演奏活動を続ける。演奏のレパート リーは、16〜17世紀のイタリアにおけるオルガン音楽からドイツ、フランスの現代曲 までと広いが今回は母国オーストリアとチェコのオルガン音楽曲中心のプログラムでの演 奏が期待されている。
ディック・コーマンス 2011.05.06 日本基督教団鳥居坂教会にて
Dick Koomans

アムステルダム・スウェーリンク音楽院にてオルガンをクラース・ボルト氏に、チェンバロをアネケ・アウテンボシュ氏に師事。1982年に同校を最優秀の成績で卒業、演奏家ディプロマを取得。演奏家、教会音楽家として活躍する傍ら、長年に渡り後進の指導にもあたった。アルバート・シュバイツァー国際コンクール(オランダ)優勝、ナイメーヘン国際オルガンコンクール(オランダ)第2位入賞、ブルージュ古楽コンクール(ベルギー)、オーデンセ国際オルガンコンクール(デンマーク)入賞。作曲家としても活躍しており、1993年には2台のチェンバロのための作品が”Buma・プライス”を受賞、アムステルダム・ルッキ・スターダスト・クワルテット委嘱作品”The Jogger”は世界中で演奏されている。又、プロデューサー、エンジニア、エディターとしても数多くのラジオ番組、CD制作に携わっている。2011年1月には、妻である長山 結氏とともに”Rex Music”を設立した。Flentrop Orgelbouw(フレントロップ・オルゲルバウ)整音師。オランダ・ハーレム市メノナイト派教会オルガニスト。
トン・コープマン 1999.06.13 東京オペラシティにて
Ton Koopman

1944年、オランダのスヴォレ生まれであるトン・コープマンはハープシコード奏者、 オルガン奏者、そして指揮者として1970年代から世界的評価を受けている。1979 年には世界中から優れた演奏家を集め、自らの手でアムステルダム・バロック・オーケス トラを結成した。1992年には新進気鋭のオランダ人歌手たちによるアムステルダム・ バロック合唱団も設立し、アムステルダム・バロック・オーケストラとの組み合わせで数 々の意欲的な企画に取り組んでいる。また、客演指揮者として、ロイヤル・アムステルダ ム・コンセルトヘボウ管弦楽団のほか世界各地のオーケストラから招かれており、199 4年にはオランダ放送室内管弦楽団の首席指揮者に任命されている。また、ハーグ王立音 楽院のハープシコード科教授、ロンドン王立音楽院の名誉会員としても活躍している。そ のようなコープマンの長年にわたる古典音楽への貢献に対して、1989年には3M賞、 1992年には大阪のザ・シンフォニーホール国際音楽賞クリスタル賞、1993年には エジソン賞、など多くの賞が贈られている。1994年からはバッハのカンタータ全曲を エラート・レーベルに、オルガン全曲をテルデック・レーベルに録音する計画が進行中で あり、1997年9月バッハのカンタータの録音によりドイツ・シャルプラッテン賞を受 賞。今後の活動に目が離せない音楽家である。
イェンス・コルンドルファー 2006.07.13 サントリーホールにて
Jens Korndorfer

1978年ドイツ生まれ。14歳よりオルガンを学ぶ。2002年−03年、パリ国立高等音楽院オルガン科において、ミシェル・ブヴァール及びオリヴィエ・ラトリーに師事し、オルガン解釈を学ぶ。03年にオーベルヴィエリのノートルダム・デ・ヴェルテュ教会専属オルガニストに就任。04年、バイロイト音楽院を最優秀の成績で卒業。音楽院で学ぶ一方、ミシェル・シャピュイ、トン・コープマンらにも師事、研鑽を積む。フランスのブールジュ大聖堂、ドイツのザールブリュッケンのキリスト教会堂などでリサイタルを行うなど積極的な演奏活動を展開している。05年9月、札幌コンサートホールの第8代専属オルガニストに就任。

レオ・クレーマー 1998.11.17 府中の森芸術劇場にて(公演中止)
Leo Kramer

1944年、プットゥリンゲン(ザール)生まれ。トゥリアー並びにザーブリュッケン音楽 大学で教会音楽を学ぶ。1966年にはブルージュ(ベルギー)とベルリン(ドイツ)で、1 967年にはプファルツ(ドイツ)で、1970年にはオアスタ(イタリア)で開かれた国際 オルガンコンクールで優勝。1971年、ヨーロッパでも屈指のカテドラル、シュパイヤ ー大聖堂の教会音楽総監督兼オルガニストに就任。また、毎年行われる国際音楽祭の総監 督となる。その他、世界各国の国際オルガンコンクールの審査員として招かれる。199 2年〜1994年、エストニア・フィルハーモニーの総指揮者となる。1995年にはロ シアの三大オーケストラのひとつ、ミンスク(ベラルーシ)のフィルハーモニーにゲスト指 揮者として出演。また毎年、サンクトペテルブルク・カンマーオーケストラの定期演奏会 に指揮者として招待される。その他数多くのラジオ、テレビ、CDにて活躍している。1 975年以来、現在にいたるまでハイデルブルク、マンハイム、ザーブリュッケン国立音 楽大学でオルガンクラスを持ち、学生に教会音楽、オルガンを教えている。サンクトペテ ルブルク・カンマーオーケストラ常任指揮者。ザーランド州立音楽大学教授。
エドガー・クラップ 1997.07.15 新宿文化センターにて
Edgar Krapp

1947年6月3日、旧西ドイツ、バンベルク生まれ。1966年、ミュンヘン国立音楽 大学でフランツ・レールンドルファーに師事し、オルガン、チェンバロ、音楽教育を専攻。 1971年、ミュンヘン国際オルガンコンクールオルガン部門1位、1971〜72年、 パリ音楽院のマリー=クレール・アランの下で学ぶ。その間、パリ、ドイツ・プロテスタ ント教会のオルガニスト、ミュンヘン国立音楽大学講師に就任。1974年、フランクフ ルト音楽大学で、大オルガニスト、ヘルムート・ヴァルヒャの後任として、教授を務める。 同時に、ザルツブルク・モーツァルテウムの客員教授も務める。1983年、学術的、芸 術的活動に対して、フランクフルト音楽賞を授与される。1993年、ミュンヘン国立音 楽大学の教授となる。これまでに、ドイツ・レコード大賞グランプリを3回受賞する実力 派で、教授を務める傍ら、欧米、日本で精力的な演奏活動を展開。高度なヴィルトゥオジ ティ、際立った様式感覚で知られている。レパートリーはバロックから現代まで幅広い。
ニコラス・キナストン 1979.02.24 神奈川県民ホールにて
Nicolas Kynaston

1941年イギリスで生まれた。15歳の時にイタリアでFernando Germaniのもとで勉 強。その後、ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックでRalph Dowhesに師事。1961年ウェストミンスター大天主堂のオルガニストに任命される。1966年のロイヤルフ ェスティバルホールでのデビューリサイタルをきっかけに国内外で活躍。1971年には シャルトル国際オルガンコンクールの審査員として招かれ、1976年にはロイヤル・カ レッジの名誉会員となった。
ァッサン・ラスロ 2005.07.05 日本大学カザルスホールにて
Fassang Laszlo

ハンガリー出身。1998年リスト音楽院にてオルガン奏者、オルガン教授の資格を取得。在学中、オルガンをセルゲイ・フェレンツ、ルッペルト・イシュトヴァーンに、またピアノをプルーニ・イロナに師事する。同年9月パリ国立高等音楽院のオルガン科に入学、オルガンをオリヴィエ・ラトリー、ミシェル・ブヴァールに、即興演奏をロイク・マリエに師事。2000年−01年、札幌コンサートホール第3代専属オルガニストに就任。演奏活動、教育活動に携わるほか、ホールオリジナルCD「バッハ&リスト オルガン名曲選」を録音する。さらに、日本各地で演奏を行い、研鑽を積む。クラシック音楽におけるオルガン作品の演奏に加え、ジャズや民族音楽を採り入れた即興演奏を行うなど、多才ぶりを発揮している。帰国後、ヨーロッパを中心に各地で演奏を行うほか、04年シャルトルの国際オルガンコンクールでグランプリ受賞。現在はブダペストを拠点に演奏、教育活動を行っている。

スタフ・レオンハルト 1999.10.21 カザルスホールにて
Gustav Leonhardt

1928年アムステルダム生まれのチェンバロ・オルガン奏者、指揮者。バーゼル・スコ ラ・カントールムでエドゥアルド・ミュラーに師事(チェンバロ、オルガン)し、最高栄誉 付ソリスト・ディプロマを得て卒業。ウィーンで音楽学を修め、1952年、24歳でウ ィーン国立音楽アカデミーの教授に任じられた。1955年、職を辞し、郷里アムステル ダムに帰り、現在はスウェーリンク音楽院で後進の指導にあたるほか、ニーウエケルク教 会のオルガニストを務めている。1967年、旧西ドイツ・イタリア合作映画「アンナ・ マグダレーナ・バッハの日記」では主役のJ.S.バッハを演じ、各方面に強い衝撃を与え た。1980年、18年の歳月をかけてバッハのカンタータ全曲録音をした僚友であるア ーノンクールとともに、ヨーロッパ・エラスムス賞を受賞。1983年と1984年の二 度にわたってアムステルダム大学より名誉博士号を贈られている。
ルトガー・ローマン 2000.02.26 東京オペラシティにて(公演中止)
Ludger Lohmann

1954年生まれ。ケルン大学でオルガンとチェンバロを学ぶ。数々の主要なオルガンコ ンクールの入賞歴を持ち、コンサートオルガニストとして国際的な評価を得ている。ケル ン大学で数年間後進の指導をした後、シュトゥットガルト音楽大学の教授に任命され、同 時に大聖堂のオルガニストとなる。1989年にはコネチカット州ハートフォード大学の 客員教授もつとめる。コンサートオルガニスト、教育者、コンクール審査員などで、世界 的に活躍する一方、音楽学の分野でも博士号を持つローマンは、オリジナル楽器演奏の権 威のひとりとしても高い評価を得ている。最近は、ドイツ・ロマン派オルガン音楽の演奏 法の研究に取り組んでいる。また、スウェーデンのエーテボリ大学にあるエーテボリ・オ ルガン・センターの主任研究員としても活躍している。
アンドレ・ルイ 1984.11.20 神奈川県民ホールにて
Andre Luy

1927年生まれ。ノイエルブルク、そしてその後ジュネーブで学ぶ。ラ・ショードゥ・ フォー・モルジェ、サンイミエーでオルガニストを務めた後、1957年ローザンヌ・カ テドラルの名誉オルガニストに任ぜられ、今日に至る。又、ローザンヌ、西ドイツのザー ルブリュッケンの音楽大学教授。ローザンヌ・カテドラル・コンサート協会の発案者。同 カテドラルにおける18回バッハ全曲(1963〜64,1971)並びに「フーガの技法」 (1964,68)演奏会、ソロコンサートだけでなく、トランペットのモーリス・アンド レとの共演、リュトゥリーのバッハコンサート、スイスラジオ放送合唱団、ミッシェル・ コルボ指揮のローザンヌ・ヴォーカルアンサンブル等とも数多く共演。スイス国内はもと より、外国においても多数のコンサート、録音を行っている。1982年にはローザンヌ 大学より名誉博士の称号を受けている。
テュー・マニュゼスキ 2005.05.17 日本大学カザルスホールにて
Matthieu Magnuszewski

1981年生まれ。8歳でピアノを始める。サントメール国立音楽学校を審査員全員一致の金メダルで卒業、国立ランス地方音楽院でも金メダルを獲得。2002年パリ国立高等音楽院のオリヴィエ・ラトリー及びミシェル・ブヴァールのオルガンクラスに入学。サンジェルマン・デ・フォセ・コンクール、アンジェ芸術アカデミー・グランプリのファイナリスト。2002年からオーベルヴィリエのノートルダム・デ・ヴェルテュ教会大オルガンの専属オルガニストの一人として活動。2004年9月、札幌コンサートホール第7代専属オルガニストに就任。

ミケーレ・マンガネッリ 2006.01.12 東京カテドラル聖マリア大聖堂にて
Michele Manganelli

イタリア・シエナ生まれ。ローマとフィレンツェでピアノフォルテ、作曲、オーケストラ指揮のディプロマを取得、オルガン・教会音楽作曲・コーラス指揮の教職課程を修了、グレゴリオ聖歌のディプロマを取得。1995年にフィエゾーレ大聖堂の公認オルガニストに任命され、現在も同大聖堂でオルガンを演奏、コーラス指揮、作曲を担っている。各地の大学でオルガン、グレゴリオ聖歌、コーラス指揮、ピアノフォルテの講師として教鞭をふるう傍ら、ヨーロッパ各地で多数の演奏活動を行っている。2005年よりトスカーナ地方に数多く点在する歴史的・芸術的価値の高い教会のオルガン修復にも力を注いでおり、フィエゾーレ大聖堂、パッサジャーノ修道院の他、多数の教会の歴史的オルガンの修復に着手している。

パスカル・マルソー 1999.12.23 サントリーホールにて
Pascal Marsault

1972年フランス中部ブロワ生まれ。トゥール国立音楽院でオルガン、作曲、音楽教育、 初見演奏のプルミエ・プリを、トゥール大学で音楽学修士を得る。91年から5年間M-C. アランのもとで学び、スイス・カルージュ、パリ、シャルトル等のオルガンコンクールで 上位入賞を果たす。その後、フランス国内はもとより海外でも演奏活動を続けるかたわら、 さらに研鑽を積むためパリ国立高等音楽院に入学し、ミシェル・ブヴァールとオリヴィエ ・ラトリーに師事する。98年9月、札幌コンサートホールの初代専属オルガニストに就 任、日本各地のホールにも招かれ演奏を行い、好評を博した。
ロベルト・メニケッティ 1998.10.03 フェリス女学院大学緑園キャンパス礼拝堂にて
Roberto Menichetti

ピサ生まれ。フィレンツェとボローニャの音楽院でピアノ、オルガン、チェンバロを学ぶ。 1991年よりスヴェーリンク音楽院にて、G.レオンハルト教授にチェンバロを師事し、 1993年ソリスト・ディプロマを取得。その他、L.F.タリアヴィーニ、H.フォーゲル、M. ラドゥレスク各氏によるオルガンマスタークラスに参加し、研鑽を積む。1990年ミラ ノオルガンコンクール第2位。1991年オランダ・アルクマール国際オルガンコンクー ル最終選に進む。ブリュージュ国際古楽コンクールでは1994年オルガン部門第3位、 1995年チェンバロ部門第3位(1,2位なし)。1994年ピストイアのイタリアオル ガン音楽アカデミーにてオルガン、チェンバロ及び通奏低音の講師を務める。現在、ロヴ ィーゴ音楽院オルガン講師。またオルガン、チェンバロ奏者としてイタリアをはじめ、日 本、ドイツオランダ、スウェーデン各地で演奏活動を行っている。
ジャン=フィリップ・メルカールト 2008.04.11 日本聖公会聖パウロ教会にて
Jean-Philippe Merckaert

1980年生まれ。最初はベルギーで音楽教育を受け、1998年、ベルギー全国音楽コンクール「プロ・シヴィターテ」で第1位。2000年パリ国立高等音楽院に入学、オルガンをオリヴィエ・ラトリー、ミシェル・ブヴァールに師事して2005年に卒業。和声・対位法・フーガなど音楽理論も学んだ。また、ブリュッセルではジャン・フェラーに師事。2003年札幌コンサートホールKitaraの第6代専属オルガニストに就任。1年間の任期中は、日本各地でソロやオーケストラとの演奏会を行うとともにオルガンの指導にもあたった。2007年ジルバーマン国際オルガンコンクール第2位。

トーマス・マレー 1999.03.14 白石市文化体育活動センターにて
Thomas Murray

アメリカを代表するオルガニストの1人。カリフォルニア州生まれ。特にロマン派の作品 解釈と多彩な音色を生かしたトランスクリプションは高く評価されている。オルガン演奏 をジョン・スチュアートとクラレンス・メイダーに師事。AGO(米国オルガニスト教会) のコンクール優勝。以後、世界各地でリサイタルや講演を行っている。1986年、AG Oのアーチスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。1981年より、イェール大学にて教鞭 を執る。1989〜94年、同大学合唱団指揮者。1990年より、同大学(Yale Institute of Sacred Music)教授ならびに専属オルガニスト。LP、CD録音多数。1990年初来 日、東京サントリーホールにてリサイタル。今回2度目の来日。なお、マレー教授がオル ガニストを務めるイェール大学講堂のオルガンは、166ストップを持ち、北米で最も優 れたシンフォニック・オルガンと呼ばれている。
ャック・ファン・オールトメルセン 1998.04.26 東京オペラシティにて
Jacques van Oortmerssen

1950年生まれ。67年からロッテルダム音楽院でオルガンをアンドレ・フェアヴァー ルトに、ピアノをエリー・サロメーに師事。73年特別栄誉賞を得て卒業、即興演奏に対 しても特別賞を受賞。74年からパリ音楽院でマリー=クレール・アランのもとでオルガ ン奏者として研鑽を積み、76年に最高位を受賞する。79年から、アムステルダムのス ウェーリンク音楽院のオルガン科教授となる。また、エーテボリ大学(スウェーデン)、ヘ ルシンキのシベリウス・アカデミー(フィンランド)等世界各地の音楽院や大学から客員教 授として招かれ、94/95年のシーズンにはオックスフォード大学に於けるオルガン・ スタディのベッツ・フェローとなっている。82年にはグスタフ・レオンハルトの後任と して、アムステルダムのフランス改革派教会(Waalse Kerk)の首席オルガニストに就任し た。オールトメルセンは「BBCプロムス」等多くの国際フェスティバルに登場、バッハ と古楽の作品解釈で国際的な名声を得ている。レコーディングの分野ではブラームスと C.P.E.バッハのオルガン作品全集をBISからリリースするほか、様々なレコード会社・ 放送局に多くの録音を行っている。95年にはヨーロッパにある最も重要な歴史的オルガ ンを使って「J.S.バッハ:オルガン作品全集」録音(ヴァンガード・クラシック)をスター トさせている。
ュテファン・パルム 1998.03.25 日本聖公会聖パウロ教会にて
Stefan Palm

1952年アーヘンに生まれる。5歳でピアノを始め、11歳で初のコンサートを行う。 1981年よりケルン音楽大学でオルガン演奏と宗教音楽を、アーヘン音楽大学でチェン バロとピアノを学び、オルガン、チェンバロ、ピアノのコンサート試験に合格。3種の楽 器で3種のコンサート試験に合格したのはこれまでにシュテファン・パルム氏ただ1人で ある。1986年〜87年に、ドイツの奨学金を得てニューヨークのジュリアード音楽院 でチェンバロとオルガンを学びMASTER OF MUSICとなる。アメリカでは更にリンカー ン・センター基金とルイ・ベンベルトン財団より奨学金を受ける。1981年に旧西ドイ ツの青年音楽コンクールのオルガン部門で1位となったのを始め、1988年のブダペス トのフランツ・リスト・コンクール、イギリスで行われたヨーロッパ・オルガン・コンク ールの入賞を含め、10回のコンクールで1位ないし入賞を果たしている。その間、ドイ ツを始めヨーロッパ各国およびアメリカに演奏旅行を行い、テレビやラジオ放送にも多数 出演。CDにはマックス・レーガーのオルガン曲、J.S.バッハの作品のペダルチェンバロ 演奏、ドメニコ・スカルラッティのソナタなどがある。
カレル・パウケルト 1980.11.29 神奈川県民ホールにて
Karel Paukert

チェコ音楽院、及びベルギー王立音楽院でオルガンを専攻、オランダ・ハーレムの国際オ ルガン即興演奏コンクールに招かれ国際的に知られるようになった。その後アメリカに移 り、セント・ルイスのワシントン大学、イリノイ州ノースウェスタン大学で教え、多くの オルガンフェスティバル、講習会を主催し、また講師として積極的に活躍している。東欧 の作品の紹介も多く、またメシアンと特に親しく、その作品のよい解釈者としてメシアン 作品の演奏、またリストなどのロマン派の優れたオルガニストとして知られている。クリ ーブランド美術館の音楽監督として多くの音楽シリーズを企画、自らも演奏している。
ローマン・ペルツキー 1998.06.09 宝塚ベガホールにて
Roman Perucki

世界で五指に入るオルガンが設置されているオリヴァ大聖堂の主任オルガニスト。イタリアのカルテルン国際オルガンコンクール審査員。バルティック・ナショナルフィルハーモニー芸術監督。オリヴァ国際オルガンコンクールの「ミジカ・サクラ」会長。ポーランドのオルガニスト第一人者。
ミヒャエル・ポール 1998.07.04 神奈川県民ホールにて
Michael Pohl

ベルリン・プロテスタント・ドーム、オルガニスト。ベルリン・パンコウの希望教会のオルガニスト兼カントール。プロテスタント教会音楽大学、オルガン演奏芸術の助教授。当時の東ドイツ、ソ連、オランダでコンサート活動。
ペーター・プラニアフスキー 1978.05.30 神奈川県民ホールにて
Peter Planyavsky

1947年ウィーンに生まれる。ウィーン音楽院にてオルガン、作曲及び即興演奏をA. ハイラー教授に学ぶ。1966年修士課程修了。翌年、教会音楽ディプロマを取得。ヨー ロッパはもとより、アメリカ、南アフリカ、オーストラリア、日本など各地で演奏活動を 行い好評を博している。1976年にはウィーンの都市音楽賞及びSANDOZ文化賞を 受賞。1977〜78年には、オーストリア国内、英国、フランス及びオーストラリアで 行われた国際オルガンコンクールの審査員を勤めた。又、作曲家としても高く評価されて おり、すでに20曲近く発表されている。ウィーン聖ステファノ大聖堂オルガニスト。
ルック・ポネット 1995.06.15 カトリック下井草教会にて
Luc Ponet

母校であるレメンス音楽院で教壇にたつかたわら、トンゲンルンの教会にある、ル・ピッ カール製作の記念オルガンの演奏者を務める新進のオルガニストである。ソロ、交響楽と の共演を通して、バロックから現代の作品をこなしている。特に、現代音楽に対しての熱 心な研究を積み重ねていることから、彼のための委嘱作品も数多い。
メアリー・プレストン 1998.10.17 横浜みなとみらいにて
Mary Preston

カリフォルニア生まれ。ノース・テキサス大学、イーストマン音楽学校でオルガンを学ぶ。 欧米各地で幅広い演奏活動を行っている。1994年よりフィスク社製オルガンを備えた ダラスのマイヤーソン・シンフォニーホールのオルガニストに就任。ダラス響との共演、 レコーディングなど活発に活動している。98−99年のシーズンには、ダラス響と共に カーネギーホールでのコンサート、英国へのツアーを予定。最近の演奏会では「見事な演 奏に聴衆は強い感銘を受けた。すばらしいオルガニスト、最上の演奏だ。これぞ真打ち (The American Organist誌)」と激賞されている。
ゴットフリート・プレラー 1995.06.26 新宿文化センターにて
Gottfried Preller

バッハが演奏していたアルンシュタット福音ルーテル教会の後継者として、専任オルガニ ストを務める。J.S.バッハ教会の音楽監督、アイゼナッハ教会音楽学校教授。バッハの伝 統を次代に引き継ぐべく、1993年よりチューリンゲン地方で、「バッハ・オルガン・ コンクール」を主催している。
サイモン・プレストン 1999.09.18 東京オペラシティにて
Simon Preston

イギリスが世界に誇るオルガニスト。バロックから近・現代までと、そのレパートリーは 幅広い。ケンブリッジのキングス・カレッジで聖歌隊指揮者として過ごした同時期にオル ガンを学びはじめ、同カレッジや王立音楽院で研鑽を積んだ。1970年からオックスフ ォード・クライスト・チャーチのオルガン奏者兼聖歌隊指揮者に就任、81〜87年には ウェストミンスター大寺院のオルガン奏者及び聖歌隊指揮者として活躍した。オルガン奏 者、また指揮者として引く手あまたの人気を誇り、ベルリン・フィル、ボストン響などと 共演のほか、最近はウォルトン「ペルシャザールの饗宴」を指揮し、喝采を受けた。ハー デンベルガーとは度々共演、日本の聴衆にも感銘を与えている。
アン・クイン 1995.06.17 カトリック下井草教会にて
Iain Quinn

14歳でルダンダフの聖ミシェル神学大学の史上最年少の音楽監督に任命される。伝統あ るイギリスの典礼音楽を着実に研究する一方で、現代作品も多く手掛けている。
ヒャエル・ラドゥレスク 2008.09.17 日本基督教団渋谷教会にて
Michael Radulescu

音楽家の両親のもと早期より音楽教育を受け、ウィーン国立音楽大学でオルガンをA.ハイラー、指揮をH.スワロフスキー各教授に学んだ。1968年より40年間ウィーン国立音楽大学でオルガン科教授を勤める。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、韓国、日本に於いて数々の演奏をし、マスターコースの講師として活躍している。オルガン、室内楽、オーケストラのために作曲。J.S.バッハ、P.ホーフハイマー、G.ムファットの研究者としても高く評価されており、楽譜改訂者としての出版が多数ある。国際バッハコンクールをはじめ、数多くのコンクールの審査員として招かれており、日本での国際コンクールの審査員としても2回目の来日である。

リオネル・ロッグ 1997.12.02 カザルスホールにて
Lionel Rogg

リオネル・ロッグは1936年、スイスのジュネーブに生まれた。ジュネーブ音楽院でピ エール・スゴンにオルガンを、ニキタ・マガロフにピアノを学び(マルタ・アルゲリッチ と同期生)、1961年にオール・バッハ・プログラムで10回のリサイタルを行うとい うセンセーショナルなデビューを果たし、これが大評判となり、20代にして世界的オル ガニストの地位を確立、これが機縁となって世界のメジャーレーベル・EMIが18枚組 の「バッハ・オルガン曲集」という超大作の録音に彼を起用するという大英断を行い、一 躍オルガン界のスターとなった。その内の「フーガの技法」はACCディスク大賞を受賞 し、当時の2大巨匠ヘルムート・ヴァルヒャ、カール・リヒターの後を継ぐ存在として各 地で絶賛された。現在では、演奏活動の他にジュネーブ音楽院の教授を務め後進の指導に も当たっている。ロッグの音楽は、オルガンを通して人間の持っている情熱、暖かさ、優 しさ、強靱さを表現しようとするものである。1993年、来日時のサントリーホールの 演奏会で、彼は集まった聴衆にその円熟した音楽性をいかんなく発揮し、卓越した表現力 と味わい深い音色で音楽の根元的な素晴らしさを教えてくれたのである。レパートリーも 大変広く、ルネッサンス、バロック、古典派、ロマン派、近代、現代と極めて多彩であり、 1995年には4つのホール(東京芸術劇場、新宿文化センター、川口リリアホール、府 中の森芸術劇場)のオルガンをそれぞれ弾きわけるという画期的な試みも行い、大きな評 価を受けた。また、ロッグを語る上で忘れてならないのは、作曲と編曲の分野での活動で ある。作曲ではオルガン協奏曲、オルガン・ソロ曲は勿論のこと、ピアノ、室内楽、声楽 など多岐の分野に及んでいる。今回の公演でもタケミツ・メモリアルと銘打った今秋オー プンしたばかりの東京オペラシティ・コンサートホールで「武満へのオマージュ」が演奏 される。その作風は前衛的でも、古臭いものでもなく親しみやすい中にも、ロッグのエス プリが込められたものである。編曲作品もオーケストラ曲、ピアノ曲など広範囲に及び、 今回、「ブルックナー交響曲第8番」の全曲編曲という超大作に取り組み、オルガン愛好 家だけでなく、すべてのクラシックファン注目の中、京都コンサートホールで世界初演さ れる。教師としてのロッグも大変有能で、数多くの優秀なオルガニストを育てている。特 にその気さくな人柄は日本人のオルガニストからも慕われており、毎夏、ジュネーブでオ ルガンセミナーを開催、世界各国から受講生が参加、日本人オルガニストも世話にならな かった人はいない位である。本人も大の日本びいきで、彼の流暢な日本語には驚かされる はずである。
ロベール・ロジェ 1981.11.28 神奈川県民ホールにて
Robert Rogier

1946年、ニースに生まれる。ナンシー音楽院で学び、その後パリのスコラカントルム にすすみ、オルガンと即興演奏をJ.ラングレーに、チェンバロをH.ドレフュスに、音楽 理論、作曲をJ.シャイエーに師事した。ヨーロッパ、南アメリカ、ソ連等に演奏活動を行 い、1975,76年にはベルリン交響楽団と協演した。1966年以来、ナンシーの聖 フィアクル教会オルガニストをつとめている。
デヴィット・ロート 1985.12.19 神奈川県民ホールにて
David Rothe

カリフォルニア州立大学においてオルガン音楽を専攻し、在学中から数多くのコンクール に入賞。さらに、スタンフォード大学において演奏法、音楽史を研究、同大学の教会副オ ルガニストを務める。同大学在籍中、スタンフォード=ドイツ政府研究費を与えられて北 ドイツに留学し、バッハのオルガン作品の演奏法について研究を行う。盛期バロック時代 の古典演奏法、オルガン建造法、ならびに作品の研究を基礎として、米国の教会・大学等 において幅広い演奏活動を行っている。とくに北ドイツ・バロック期の演奏で著名である。 カリフォルニア州立大学音楽学部オルガン教授、セント・ジョン聖公会教会オルガニスト。
アンドレアス・ロートコップ 1998.08.01 横浜みなとみらいにて
Andreas Rothkopf

1955年ドイツのディリンゲン生まれ。5歳よりピアノを始め、66年にはディリンゲ ンの教会でオルガニストとしての第一歩を踏み出す。ザールランド音楽大学、ケルン音楽 大学で学び、81年にはマリー=クレール・アランに師事。81年シュパイヤー国際オル ガンコンクール第1位。83年フランツ・リスト国際オルガンコンクール第1位。86年 よりザールランド音楽大学で後進の指導にあたっている。コンサートオルガニスト、ピア ニストとして活躍。シューマンのオルガン作品、ブラームスとシューベルトの室内楽(ピ アノ)のCDがある。
ルティン・ザンダー 1999.08.12 サントリーホールにて
Martin Sander

1963年ベルリンに生まれる。84年からハノーヴァーの音大で、オルガンをウルリッ ヒ・ブレムステラー教授に、ピアノをゲリット・チッテルバルト教授に師事した。また、 フロー・ペータース、ハラルド・フォーゲル、L.F.タリアヴィーニ、ダニエル・ロートの 諸教授のもとで研鑽を重ねた。1983年に、フランクフルトでのコンサートのライブが 放送されたのをかわきりに、ドイツ国内だけでは無く、ヨーロッパ各国のTV、ラジオに 数多く出演している。中でもJ.ロイプケのオルガンソナタの番組は大変好評で、CD化さ れ、「ドイツ評論家賞」が贈られた。コンクールでは1986年ドイツ国内でもっとも権 威のある、ベルリンのコンクールで優勝して「メンデルスゾーン賞」を受賞。リンツのブ ルックナー・コンクール2位。1987年ミュンヘン国際コンクール2位(1位なし)。1 988年武蔵野国際コンクール2位。ライプツィヒ・J.S.バッハ・国際コンクールで優勝 し特別賞を受賞。1989年プラハの春オルガンコンクール優勝。1988年から、本格 的な演奏活動を始め、ドイツ国内はもとより、オーストリー、チェコ等々広い範囲に亘り、 90年には旧ソ連に招かれ、モスクワ、サンクトペテルブルグを始め主要都市でリサイタ ルを行い絶賛を博した。一方オーケストラのソリストとしても、ベルリン・シンフォニー ・オーケストラ、シュトゥットガルト・バッハ=コレギウム、バーゼル・シンフォニエッ タ、ハノーヴァー・ラジオ・フィルハーモニー等と共演している。CDも数多く、上記の ロイプケの他に「北ドイツバロック音楽」「マックス・レーガー作品集」「トランペット とオルガンのための20世紀の音楽」等があり、1998年夏に発売したバッハの作品に よる「哀愁と歓喜」と題するCDはとても評判が良く、売れ行きも好調のようです。ザン ダーはゲティンゲン大学で化学を専攻し、1987年には化学修士となり1992年に博 士号を取得した異色のオルガニストです。1991年、「バッハ・オルガンスペシャル Vol.3」に出演、好評を博し翌92年にも同シリーズVol.4に出演した他、度々来日し、そ の度に評価を高めて、今回は5回目の来日となります。
ハイデェ・シェック 1981.04.30 神奈川県民ホールにて
Heide Scheck

シュトゥットガルト・バルガー教会オルガニスト。フライブルク音楽大学でハンス・アル ノルド・メッガー教授のもとで勉強し、卒業後マリー=クレール・アランに師事、その後、 種々の国際マスターコースに参加。西ドイツ放送局、南ドイツ放送局に出演、又ヨーロッ パ各地、アメリカで演奏するなど活躍している。
トーマス・シュメークナー 1997.06.28 府中の森芸術劇場にて
Thomas Schmogner

ウィーンに生まれる。ウィーン国立音楽アカデミーでオルガンをヘルベルト・タヘツィに、 チェンバロをゴードン・マレイに師事し最優秀で卒業。またストラスブルグ音楽院にてオ ルガンと即興演奏をダニエル・ロートに師事する。その後、1986年のニュルンベルク 国際即興演奏コンクールで第1位を受賞したのをはじめとして、多くの国内外の賞を受賞 した。1992年にはシャルトルの国際オルガンコンクール即興演奏グランプリのファイ ナリストに輝いた。1990年以来、ウィーン音楽院で演奏指導教授の任にあるほか、ウ ィーン国立音楽アカデミーでも指導をしている。コンサートオルガニスト、チェンバリス トとして広くヨーロッパ、アメリカをツアーしており、またウィーン旧大学教会のオルガ ニストであり、またバウムガルテンの聖アンナ教会のオルガンでも演奏を行っている。と りわけフランスの交響的作品、交響曲のオルガン用編曲、オーストリアの現代作品の演奏 を集中的に行っている。日本へは今年2月、京都コンサートホールで開かれたレクチャー 付コンサート「パイプオルガンの世界」せ初来日し、ヴィエルヌのオルガン交響曲第2番 とメシアンの「栄光の御体」を演奏し、大絶賛を博した。
ヴィクトール・ショルツ 1980.07.30 神奈川県民ホールにて
Viktor Scholz

1935年ロシアに生まれる。1947年〜1954年エッセン音楽大学でハインツ・ギ ルハウスに学ぶかたわら、アーヘン教会音楽研究所に於ても教会音楽の研鑽をつみ、同大 学オルガン及びピアノ科を最優秀をもって卒業。1958年メンヒェングラートバッハ・ ミュンスターのオルガニスト兼合唱指揮者として演奏活動を始める。かたわらデュッセル ドルフ音楽大学でオルガン科オルガン学の、アーヘン教会音楽研究所ではオルガン科、ピ アノ科の講師を務める。また、カトリック教会アーヘン教区(ノルトライン・ヴェストフ ァーレン州)のオルガン鑑定師でもある。ヨーロッパ各国において定期的に演奏会が開か れているが、ローマ、パリ、ケルン、ベルリン、ハンブルク、ウィーン、ザルツブルクな どではとりわけ好評を博した。ローマ教会音楽週間にバッハオルガン部門の独奏者として 招かれ好評。西ドイツでは各地の放送局からの放送と数多くのレコードでその名が知られ ている。
アルノ・シェーンシュテット 1980.04.30 神奈川県民ホールにて
Arno Schonstedt

1913年ドイツのテューリンゲンの小都市ゾルデンスハウゼンに生まれた。1932年に学業を終えた後、1934年から1937年にかけて、ライプチヒでギュンター・ラミ ン、ヨハン・ネポムク・ダヴィート、カール・シュトラウベに、ベルリンでフリッツ・ハ イトマンにそれぞれ師事し音楽を専攻した。1937年、かつてバッハがオルガン奏者と して奉職したライプチヒの由緒ある聖トーマス教会の副オルガン奏者となった。翌年同市 の聖マタイ教会に転じたが、1945年、正オルガン奏者として再び聖トーマス教会に迎 えられた。1947年、西ドイツのウェストファーレンのヘルフォルトに移住、ウェスト ファーレン教会音楽院の教授兼ミュンスター大聖堂オルガニストとしてヨーロッパのオル ガン界の第一線で活躍。演奏旅行はドイツ、イギリス、スイス、オランダ、ベルギー、ス ウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドさらにアフリカと広範囲にわたって おり、1961年には有名な合唱団ウェストファーレン聖歌隊に同行、初めてアメリカに 渡った。その後3度アメリカ、カナダ演奏旅行を行っている。ヨーロッパやアメリカでは 演奏会のほか放送やレコードを通じ広く知られている。
ウォルフガング・ザイフェン 1998.04.17 東洋英和マーガッレト・クレイグ記念講堂にて
Wolfgang Seifen

1956年生まれ教会音楽をアーヘンとデュッセルドルフで学ぶ。アーヘンの聖ニコラウ ス教会オルガニスト、ネッタール−ロベリッヒの聖セバスティアン教会オルガニスト兼音 楽監督を務める。1983年、ケヴェラルの聖マリア・バジリカみ招聘される。ヨーロッ パ各地で客員講師、またトゥールーズ国際オルガンアカデミーの客員教授を務めるかたわ ら、シュトュットガルト国立音楽大学で即興演奏と礼拝オルガン奏法を教える(1989 −1992)。1993年、デュッセルドルフのロベルト・シューマン音楽大学に移り、 即興演奏と礼拝オルガン奏法のクラスを指導して今日にいたる。1995年、教授に昇任。 またアルテンベルク国際オルガン即興アカデミーの創設メンバーであり、常任講師である。
ユーゼフ・セラフィン 1997.11.12 東大駒場900番教室にて
Jozef Serafin

1944年5月1日生まれ。ポーランドのクラクフ国立高等音楽院でルツコフスキー教授 のもとに学び、優秀な成績で卒業。つづいてウィーン高等音楽院修士課程をアントン・ハ イラー教授のもとで修めた。ワルシャワ全国オルガンコンクール(1967)、ニュルンベ ルク国際オルガンコンペティション(1972)その他多くのコンクールで優勝。その後ヨ ーロッパ各国、アメリカ合衆国、カナダ各国で演奏し、またラジオ、テレビ、CD(Polskie Nagrania,Veriton,EMI/Electrola,Motette,Aulos)に録音している。現在ワルシャワ音楽アカデ ミー教授。1979年からはカミエン・ポモルスキの国際オルガン・室内楽フェスティバ ルの芸術監督をつとめている。
スコット・ショウ 2004.01.23 東京オペラシティにて
Scott Shaw

アメリカ、ワシントン州スポケーン出身。シアトルのワシントン大学においてオルガンとハープシコードを学ぶ。ニューヨーク州、ロチェスターのロチェスター大学イーストマン音楽院にてオルガン、合唱指揮法、音楽史を学び1987年に修士号、1991年に演奏博士号を取得。ウォルター・アイキンガー、キャロル・テリー、ラッスル・サンダース各氏に師事。1979年より1989年までアメリカ各地の教会音楽監督者として活動。1989年から2002年まで長崎活水女子大学音楽学部教授、同大学及び短期大学チャペルオルガニストを勤める。アメリカ各地及び、日本国内では、サントリーホール、カザルスホール、東京芸術劇場、京都コンサートホールなど各地でソロオルガンリサイタルを行う。専門的研究はイギリス教会音楽、特に18世紀から19世紀のイギリスオルガン音楽及びエドワード・エルガーの作品。現在、立教学院教会音楽ディレクター・諸聖徒礼拝堂聖歌隊隊長、及び立教大学文学部キリスト教学科教授。

エルンスト=エーリッヒ・シュテンダー 1995.06.28 新宿文化センターにて
Ernst-Erich Stender

ブクステフーデが演奏していた、リューベックの聖マリア教会の主任オルガニストを、2 0数年務める。バッハの作品だけでなくブクステフーデを始め、由緒ある聖マリア教会の 先輩オルガニストの全作品を演奏するなど、北ドイツのオルガン文化を担う国際的なオル ガニストである。
ジグモンド・サットマリー 1999.04.10 甲南女子大学芦原講堂にて
Zsigmond Szathmary

1939年、ハンガリーに生まれる。ブダペストのフランツ・リスト音楽院を首席で卒業。 1960年、ブダペストのオルガン・コンクールで第1位。その後、ウィーン、フランク フルトでオルガン奏法の研究を続け、特にフランクフルト音楽大学では巨匠ヘルムート・ ワルヒャに師事。1970年、ハンブルクのルター教会音楽監督・オルガン奏者に任命さ れる。1972年、ハンブルク市のバッハ賞奨学金を受ける。その間、リューベック音楽 大学講師を務め、バッハ及びリストのオルガン作品の演奏家として高く評価される。一方、 前衛オルガン音楽作曲家・演奏家としての地位を確立する。その後、ブレーメン大聖堂の オルガン奏者を経て、1978年、西ドイツ有数のフライブルク音楽大学オルガン科教授 に招かれ現在に至っている。その間、大阪芸術大学の客員教授も務める。また、近年は日 本を含む各国で指揮者としての活動も行っている。ハンブルク芸術アカデミー会員。彼の レパートリーは古典から前衛に至るまで、その幅は広い。活躍の場もヨーロッパとどまら ず、世界的な評価を受け、世界各地で数多くの演奏会、放送出版、CD録音など極めて精 力的に演奏活動を行い、絶大な人気を博している。1980年NHKより招かれ来日、N HKホールでの感動的な名演奏の話題を始め度々のNHKテレビFM出演で日本でもその 名は広く知られている。1994年、第1回ザ・シンフォニーホール・オルガン・オーデ ィションの唯一の海外からの審査委員として来日、これを機に開催した、ザ・シンフォニ ーホールでのリサイタルでは、日本経済新聞により絶賛の批評を得た。また、1995年 の来日の際にはNHKにより収録され、NHK−FMにより1996年2月、3月に放送 された。1997年には、いずみホール、水戸芸術館、サントリー音楽財団の招聘で来日、 1998年、東京オペラシティのオープニングシリーズで来日の際にも、NHK−FMに より録音、放送された。
ィヴィッド・ティッターリントン 1998.02.15 武蔵野市民文化会館にて
David Titterington

ディヴィッド・ティッターリントンは、オックスフォード大学の奨学生としてパリでマリ ー=クレール・アラン及びスーザン・レンデールに師事。ルイユ・マルメゾン音楽院で、 オルガンの一等賞ならびに優秀賞を全員一致で受賞。同世代のオルガニストの中では第一 人者で、コンサート楽器としてのオルガンの地位を上げ、膨大で多岐にわたるレパートリ ーを広げてきた。彼自身のレパートリーもロマン派から現代オルガン音楽まで幅広く、そ のヴィルトゥオーゾ的なテクニック、直感的な感受性や音楽性は大きな賞賛を得ており、 偉大な才能と洞察力を持つ演奏家として誰もが認めるところである。協奏曲、リサイタル、 マスタークラスは人気が高く、世界の最も重要な場所で演奏を行い、多くのコンサートツ アーを行っている。最近では音楽祭、協奏曲の契約により、ヨーロッパ各地はもとより、 イスラエル、極東、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどでも演奏している。 また、ダイアナ・バーレル、ナジ・ハキム、ペトル・エベンなどの作曲家の多くの重要な 作品を初演し、こうした作曲家達と大変密接な関係を維持している。BBCのために多く の録音を行っており、その中にはフランス・カーンのサン・エティエンヌ寺院からのセザ ール・フランクのオルガン作品全曲演奏が含まれている。ルネッサンスからバロックのレ パートリーで、スペインのパンプローナやレオンでの音楽祭をはじめ、いくつかのヨーロ ッパの古楽フェスティバルに参加してきた。イギリスを拠点とするヨーロッパ・オルガン ・フェスティバル(1992年創設)の芸術監督、ミュンヘン国立音楽大学の国際オルガン 週間の監督、また1996年4月からはロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・ミュー ジック(英国王立音楽院)のオルガン科主任をつとめている。またダーリントンの国際サマ ー・スクールでも定期的に演奏し、後進の指導にあたっている。
エトロ・ヴェスコヴィ 1998.01.05 武蔵野市民文化会館にて
Pietro Vescovi

1969年、イタリアのパルマ市に生まれる。12歳より演奏活動を始め、パルマ市アッ リゴ・ボーイト音楽院を最優秀賞を得て卒業。1989年、バーリ市ドナート・マッロー ネ国際オルガンコンクール第1位。1992年、第2回武蔵野市国際オルガンコンクール 第3位。1996年、ドイツのゲルゼンキルヒェン国際オルガンコンクール第2位。ニュ ルンベルクのバイエルン放送局でのラジオ放送や、サントリーホール6周年記念コンサー トへの出演、各国のオーケストラとの共演など、国内外で活躍。また、パレルモ市ヴィン チェンツォ・ベッリーニ音楽院で、オルガンと作曲で後進の指導にあたっている。
ハラルド・フォーゲル 1999.04.04 日本基督教団筑波学園教会にて
Harald Vogel

1941年、ドイツ・オッテスベルク生まれ。ヴェストファーレン教会音楽学校およびハ ンブルク大学に学ぶ。バロック時代の北ドイツオルガン音楽に関心を持ち、ハンブルク大 学時代には、北ドイツ地方に残る歴史的オルガンおよびクラヴィコードを訪ね歩き、15 世紀〜18世紀における鍵盤奏法を体得、その学問的裏付けと体系の研究に没頭した。そ の後、歴史的な運指法やペダリングを用いて、それまでのオルガン演奏のあり方を問い直 すほどの大きな衝撃と深い感銘を与えていく。1972年にはオストフリースランドに研 究、教育機関「北ドイツ・オルガン・アカデミー」を設立し、北ドイツオルガン音楽の伝 統的な演奏を教授するほか、歴史的なオルガン製作に関する研究への協力も積極的に行っ ている。これまでに、地元ドイツだけではなく、アメリカなどの大学においても教鞭を執 り、多くのオルガン講座に招かれて、幾多の優れたオルガニストを世に送り出している。 また優れたオルガン学者であり、歴史的オルガンの修復プロジェクトにも指導的役割を担 ってきた。現在北ドイツ・オルガン・アカデミーディレクター、ハノーファー国立音楽大 学、ブレーメン芸術大学教授。ドイツ福音改革派教会、西北ドイツ地域全体の音楽監督。 ブクステフーデ全集、北ドイツオルガン音楽、オルガン紹介など、CDを多数製作してい る。
ォルフガング・ツェラー 1999.06.01 カザルスホールにて
Wolfgang Zerer

ドイツ・パッサウ生まれ。1980年からミヒャエル・ラドゥレスクにオルガンを、カー ル・エステルライヒャーに指揮を、コルドン・ムレイにチェンバロをそれぞれ師事。オル ガン、教会音楽、チェンバロのディプロマを受け、その後もさらにオランダで研鑽を積む。 82年のベルギー・ブルージュの国際オルガンコンクールに優勝したほか、83年のオー ストリア・ホーフマイアー・コンクール、スイスのフレスコバルディ・コンクールでそれ ぞれ第2位(1位なし)を獲得。これまでにシュトゥットガルト音楽大学、ウィーン音楽大 学で教鞭を執り、89年以降はハンブルク音楽大学でオルガン主任教授を務めている。各 地でマスタークラスを行い、またいくつかの主要なオルガン・コンクールの審査員も務め ている。ヨーロッパ、アメリカ、日本などで演奏活動も行い、97年10月には、開館1 0周年を機に設置されたカザルスホールの「アーレントオルガン」こけら落とし公演「オ ルガン・プレミアコンサート」に出演、端正な演奏で絶賛を浴びた。
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