(1) 朝の散歩 07:30にバイキング形式の朝食を摂りました。出張中、ホテルの朝食は総てこの形式でし た。朝食の内容は充実していましたが、ハムは少し塩分が多いかナ。 100年以上前に作られたゴンドラ(エレベーター)に乗って高台に登り、市街を遠望しまし た。このエレベーター(カナリーナヒッセン)は、19世紀には既にソーデルマイムの丘に上が るために使用されており、1935年に再建されました。むき出しのエレベータの箱がワイヤ ーでぶら下がっており、黒人のエレベーター・ボーイ(?)に、お金を払って乗ります。 街は海岸に隣接する棚部(ソーデルマイムの丘)と台地部に分かれ、その境界の崖に は、岩盤を削った階段や、直接基礎のビルがあり、上下に行き来できます。つまり、ビル へは海側の1階から入りますが、裏側は5〜6階から入るようになっています。台地部の 地下には、立体交差を目的としたトンネルが建設されています。これは、高速道路に限ら ず、地下鉄や国鉄ですら、市街地は地下トンネルになっています。高架という発想は無い ようです。そのため、古都の景観が守られています。
(2) ストックホルム市内視察 09:00 ホテルロビーに集合し、8人でゾロゾロと散策しました。
1) 宿泊地であるスルッセン(堰)の地名の由来である、外海と湖の境界に位置する堰を見 ました。堰のある部分でフィヨルドが狭く、淡水と海水の境界になっているのですが、両方 とも景色が似ているため、どちらが海なのか5分くらい悩みました。バルト海までの距離が 何10kmもあるため、ストックホルム周辺の地図を見てもどちらが海か解らず、スウェーデ ン全体の地図を眺めて、ようやく東側がバルト海に繋がっていることが解りました。(でも、 今見ている堰の右と左の、どちらが東なの?)
2) 旧市街地(ガラムスタン)を国会議事堂まで歩き、石畳道路や路地を興味深く見ました。 街には電柱が存在せず、道の両側に建つビルの間に張ったワイヤーから、道路中央部に 街灯をぶら下げています。この電灯交換作業は、作業員が乗った高所作業車で、ブーム を伸ばした状態のまま走り回って作業をしていました。小型トラック(高所作業車)には、ア ウトリガーすら存在しません。しかも、作業員はヘルメット非着用。安全に対する考え方 が、日本とは異なるようです。(命の値段が安いのか?自己裁量が徹底しているのか?)
3) 10:00の衛兵交代に合わせて、王宮に行き、建物内部や宝物を見ました。大聖堂を見 学した後、新市街にある市庁舎まで、道路視察という名目で、散歩をしました。道路の鉄 橋は、鋼鉄の固定にボルトではなく、リベットを用いていました。市内の建物の1階部分に は、人がようやくすれ違える程度の、細い路地が貫いています。市内の道路には、石畳舗 装が現在も多く残っており、歩道を通るベビーカーは、石の隙間に車輪をとられないよう に、車輪の直径が30cm程度もありました。日本製のバギー(小さな車輪のもの)では、走行 不能と思われます。歩道の段差などを無くすため、横断歩道では車道に段差を付けて、歩 道の高さになっています。歩行者のバリアフリーと、車の速度制御を兼ねた設計思想は素 晴らしいと思いますが、凸凹の著しい石畳は、バリアフリーを損ねています。首都機能を持 った観光地である以上、これ以上景観に手を加えることはできないのでしょう。
4) 市庁舎に到着後、タワーに登って市街を遠望しました。市庁舎の建物は、1923年に完 成したスウェーデンを代表する建物で、建物にからみついた蔦が、年代を感じさせます。こ こで、毎年ノーベル賞受賞の祝賀パーティーが催されています。壁は厚さが30cm以上あ り、漆喰の剥がれた部分では、中の煉瓦が露出していました。
5) 昼食は、市庁舎の食堂で、バイキング。カボチャスープとハンバーグが美味しい。当然 のようにビールを飲みました。食後、中央駅を見学し、歩道を占拠するカフェテラスを発見 しました。今後、多くの街で同様の占拠店舗を見ましたが、これは元来南欧の習慣というこ とです。北欧では、こんな寒いことをする発想は無かったのですが、ヴァカンスで南欧へ行 った人たちが、夏の間の習慣として持ち帰ったということです。
6) 14:30 から、船で「歴史運河ツアー」に出発。運河両岸の歴史建造物を見ました。また、 建設中の高速道路の橋梁も見ることができた。標高1m付近から建物が存在しており、堤 防などというものは全くありません。この国には、海の干満や河川の洪水などは無縁と思 われます。実際、潮汐は月の引力によって生じるため、高緯度地方では干満の差が小さ いようです。さらに、フィヨルドの奥深くのストックホルムでは、さらに外海の干満の差が届 かないようです。運河に架かる橋梁は下部アーチ橋が多く、台地部の側端崖で岩盤トンネ ルの坑口に繋がっている場合がほとんどでした。運河の脇を平行して走る道路は、石積 の盛土であり、土が少ない国であることを伺わせます。ただ、運河に面する石積(捨石?) は、施工年次の古いものは植生に覆われ、多自然型河川工法に似た効果が発現してい ます。運河を横断する橋も両岸に並ぶ建物も、岩盤の上に直接基礎で建設されているよう です。
7) 国立美術館(17時まで開いている施設はこれだけ)まで、市内道路視察を行いました。 移動途中のカール12世広場の公園では、トランポリンとバンジージャンプを組み合わせた ような遊具が営業していました。美術館は、16世紀の王が芸術品を収集したことに始ま り、現在の建物は1866年に建造されものです。展示されている絵画は、全体に淡い色調 のものが多く、唯一明るい色彩であった、街の火事の絵が印象に残りました。雪の絵は2 〜3枚程度と少なく、抽象画と宗教画、イコン、ブローチ内の肖像が多く展示されていま す。
(3) 17:00解散〜夕食
1) 美術館前で、17:00に解散後、地下鉄に乗ってみました。改札で切符を買って、そのまま 乗る形式です。地下鉄の電源は車輌の下部横からとる、日本の古い地下鉄と同じタイプで す。車内は、扉の部分と座席の部分がガラスで仕切られていおり、JR北海道の快速エア ポートに似ています。ドアは、ワゴン車のスライドドアが両開きになったようなもので、戸袋 はありません。乗客は結構多いのですが、1/3程度は黒人が占めます。
2) 新市街でCDショップに入ると、フィリップ・カテリーン(ベルギーのジャズ・ギタリスト)の、 見たことのないアルバムがあり、思わず購入。ストックホルムの町並みの絵がジャケットに なったCDがありましたが、試聴してみると何と中身はアラビアン・ポップス!購入却下!
3) 19:30 8名全員が集合してホテルを出発し、ホテル近くの店で夕食を摂りました。4人が 魚料理、M・K・S各氏がパスタ、O氏はビーフを注文。魚(鱈?)は大味でしたが、一緒に盛 りつけてある小エビや西洋わさびと混ぜて食べると美味しい。ポテトは確かに美味しいが、 量が多すぎる。ビールを2杯飲んでしまいました。 |