お台場へ
Kokoo(コクー)と
響のジョイント・ライヴを聴きに行ってきました。
1ステージ目は、
コクーの演奏でした。メンバーは、
中村明一(作編曲、
尺八)、
八木美知依(
箏/
20絃/
17絃)、
丸田美紀(
箏/
20絃/
17絃)
の3人ですが、
琴奏者の2人は、主に高音旋律部と低音部に分れていました。
ステージには、
キーボードスタンドを前後逆にセットして客席側に傾けた上に、合計5台の
箏が並んでいます。何故か水平に置かれた譜面台には、櫛や
ドラムスティックが置かれてお
り、特殊奏法に用います。まさか、
プリペアド・ピアノの奏法や、
エレクトリック・ベースの弦を
ドラム・スティックで叩く、
トニー・レヴィンの奏法を、
17弦で行なうとは思ってもみませんでし
た。
中村明一(火山学者の故中村一明氏と名前が似ている)氏は、超絶技巧尺八奏者として
知られています。1曲の中でも4本の
尺八を次々と持ち換え、音質や音程に変化をつけてい
ました。また、何と
尺八で循環呼吸を用いた、長尺フレーズを楽々と吹いていました。また、
「虚無僧尺八の世界」というタイトルのCDで、文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞して
います。
技巧的な話はこれくらいにして、演奏内容に触れます。
演奏曲は、ほとんどが2枚目のCD「
スーパー・ノヴァ」からの曲ですが、
ライヴ用に、ブリッジの編曲を書き足したり、ソロが即興に置き代わっていました。
1曲目から、
ピンク・フロイド、
キング・クリムゾン、
デビッド・ボウイなど、1970年代を代表す
るロックの名曲が並んでおり、力強く躍動的な演奏でした。ただ、ライヴハウスでありなが
ら、クラシックのコンサートのような雰囲気でした。各々の楽器で出せるあらゆるノイズを曲
に盛り込んだかのようは
ZOOMで、演奏の緊張感は頂点に達しました。
箏の胴を叩いたり、
弦を擦ったり、楽器が壊れそうなほどのスラッピング(プル)、
尺八の息の音だけを強調した
り・・・・。
そして、最後は期待通り
ゴジラで終わりました。
2ステージ目は、
響の演奏でした。メンバーは、
太田 綾(
歌、
鉦鼓)、
小野越郎(
津軽三味線、
三線、
ギター、
歌、
鉦鼓)、
小沢 剛(
篠笛、
尺八、
鉦鼓、声)、
片桐鎮子(
ドラムズ、声)、
古賀聡一(
キーボード、声、
太鼓)、
村田 恵(
ベース・キーボード、声、
太鼓)
の6人です。音楽監修は、
中村明一が行なっています。
ドラムは、いわゆるフュージョン世代以後のロックドラムで、堅実で上手い
ドラムでした。曲
は神楽のリズムや、ロック、ラップ、レゲエなどが、ごちゃ混ぜになっていますが、ステージと
しては、相当ライヴの場数を踏んでいるようで、ショーとして成り立っています。
クライマックスは、手作りの「
土器太鼓」(音としては
ジャンベに近い)を
ステージに5台並べて、
ドラムと5人の
太鼓打ちの編成になった時でした。
和太鼓のショーを
もっと楽しくしたようなステージでした。
そして、最後の1曲は、最後は
コクーと
響の合同演奏で盛り上がりました。
この曲では、巨体の
古賀聡一氏は
中村明一氏に倣って真っ黒なサングラスをかけ、モヒカン
刈りの
小沢剛氏は果敢にも
尺八で
中村明一氏に挑んでいました。