ライヴ見聞録 
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2000,12/21 コクー



 お台場へKokoo(コクー)のジョイント・ライヴを聴きに行ってきました。

 1ステージ目は、コクーの演奏でした。メンバーは、
   中村明一(作編曲、尺八)、
   八木美知依/20絃/17絃)、
   丸田美紀/20絃/17絃
の3人ですが、奏者の2人は、主に高音旋律部と低音部に分れていました。
 ステージには、キーボードスタンドを前後逆にセットして客席側に傾けた上に、合計5台の
箏が並んでいます。何故か水平に置かれた譜面台には、櫛やドラムスティックが置かれてお
り、特殊奏法に用います。まさか、プリペアド・ピアノの奏法や、エレクトリック・ベースの弦を
ドラム・スティックで叩く、トニー・レヴィンの奏法を、17弦で行なうとは思ってもみませんでし
た。
 中村明一(火山学者の故中村一明氏と名前が似ている)氏は、超絶技巧尺八奏者として
知られています。1曲の中でも4本の尺八を次々と持ち換え、音質や音程に変化をつけてい
ました。また、何と尺八で循環呼吸を用いた、長尺フレーズを楽々と吹いていました。また、
「虚無僧尺八の世界」というタイトルのCDで、文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞して
います。
 技巧的な話はこれくらいにして、演奏内容に触れます。

 演奏曲は、ほとんどが2枚目のCD「スーパー・ノヴァ」からの曲ですが、
ライヴ用に、ブリッジの編曲を書き足したり、ソロが即興に置き代わっていました。
 1曲目から、ピンク・フロイドキング・クリムゾンデビッド・ボウイなど、1970年代を代表す
るロックの名曲が並んでおり、力強く躍動的な演奏でした。ただ、ライヴハウスでありなが
ら、クラシックのコンサートのような雰囲気でした。各々の楽器で出せるあらゆるノイズを曲
に盛り込んだかのようはZOOMで、演奏の緊張感は頂点に達しました。の胴を叩いたり、
弦を擦ったり、楽器が壊れそうなほどのスラッピング(プル)、尺八の息の音だけを強調した
り・・・・。
 そして、最後は期待通りゴジラで終わりました。

2ステージ目は、の演奏でした。メンバーは、
  太田 綾鉦鼓)、
  小野越郎津軽三味線三線ギター鉦鼓)、
  小沢 剛篠笛尺八鉦鼓、声)、
  片桐鎮子ドラムズ、声)、
  古賀聡一キーボード、声、太鼓)、
  村田 恵ベース・キーボード、声、太鼓
の6人です。音楽監修は、中村明一が行なっています。
 ドラムは、いわゆるフュージョン世代以後のロックドラムで、堅実で上手いドラムでした。曲
は神楽のリズムや、ロック、ラップ、レゲエなどが、ごちゃ混ぜになっていますが、ステージと
しては、相当ライヴの場数を踏んでいるようで、ショーとして成り立っています。
 クライマックスは、手作りの「土器太鼓」(音としてはジャンベに近い)を
ステージに5台並べて、ドラムと5人の太鼓打ちの編成になった時でした。和太鼓のショーを
もっと楽しくしたようなステージでした。

そして、最後の1曲は、最後はコクーの合同演奏で盛り上がりました。
この曲では、巨体の古賀聡一氏は中村明一氏に倣って真っ黒なサングラスをかけ、モヒカン
刈りの小沢剛氏は果敢にも尺八中村明一氏に挑んでいました。





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