Mode of life
オカメインコの生態

第二章 『オカメインコの解体新書』
◆鳴き声
◆嘴(くちばし)
◆鼻 〜嗅覚〜
◆目 〜視覚〜
◆耳 〜聴覚〜
◆舌 〜味覚〜
INDEXBACK  

 

 鳴き声
フィンチ類に比べると体が大きい分かなりボリュームのある鳴き声です。
普段は 「ぽいよ」 「きゅっ」 といった感じのチョット気の抜けた様な可愛らしい声で鳴きますが、飼い主や伴侶を呼んでピーピー鳴き叫ぶ時などは屋外からでも聞こえる程よく通った鳴き方をします。
この時ばかりは近所迷惑が気になるかもしれません。
それ以外は割と大人しく、セキセイインコやカナリヤの様に一日中ピチピチ、クチュクチュさえずっている事は無いので、集合住宅でも飼い安い鳥と言えるでしょう。

お喋り上手なセキセイインコに比べてしまうと、お喋りはあまり得意ではない様です。
当人(オカメインコ)に覚える意志がある時にキチンと教えれば喋る子もいますが、個体差による様です。
また覚えの良さに雄雌はあまり関係はなく、覚える子は雌でも覚えますし、覚えない子は雄であろうとまったく喋りません。

 

 嘴(くちばし)
嘴はホ乳類に例えると顎の部分が進化した部位ですが歯は退化して有りません。
オウム特有のカーブを描いた形状をしており、穀類を食するのに適した構造をしています。
種を与えると舌を上手に使って種をくるくる回し、剥きやすい位置に固定すると上顎と下顎を使って殻を割り中の実を食べます。
ヒエ等小粒の種を食べている時はキチンと殻を剥いているのか心配になる程プチプチプチプチと高速で殻を剥きつつ食べますが、麻の実程の大きい種を与えると上手に殻を剥いている様子が良く分かります。

小さいながら咬む力は大変強く、割り箸の先程度なら簡単に割ってしまいます。
本気で咬まれた場合、大人でも軽く皮膚に穴が開き流血する程なので、もし小さなお子さんが触れ合う場合はどんなに馴れた子でも何があるか分かりませんので、大人が付いて注意して見てあげて下さい。

 

 鼻 〜嗅覚〜
顔の正面、嘴と目の間にある大きな二つの小山の穴が鼻なのですが、その存在感に反比例して鼻(嗅覚)は殆ど役にたっていません。
鳥類の大半は空を飛びます。そうした行動の中で空中に四散した匂いを嗅ぎ分ける事は皆無です。
そこで鳥は嗅覚の代わりに視力を発達させて行きました。
敵を見つけるのも、仲間や餌を探すのも全て視力が頼りとなります。
更に空を飛ぶ為には出来るだけ体を軽くしておかなければならない為、あまり必要のない嗅覚器官が徐々に退化していった様です。

ではオカメインコの鼻は大して必要も無いのに退化もせず何故あんなにデカイのか?
デカイばかりに油断をすれば穴に粟玉が詰まってしまったり、抜けた羽毛が入り込んで鼻先で間抜けに揺れていたり、鼻を掻いている爪が穴に引っかかってジタバタともがいてみたり、大きくても便利な事など無いのではないかと思われるのですが、鼻を指で撫でてあげた時のうっとりした顔を見ると、どこかこう深い意味で彼等には必要な大きさなのかもしれません。

 

 目 〜視覚〜
視力は大変良く、物の形を見分けフルカラーで見る事が出来ます。
目は頭部側面に付いていて、捕食者に狙われる立場の特徴として視界も大変広く、頭を動かさずに真後ろを除く正面から側面後方までの広範囲を見る事が出来ます。
只、じっくり見たい時はやはり片側の目で見た方が良く見えるらしく、物音に驚いた時などその方向を片目で凝視していたりします。

瞳の色には黒目、ぶどう目、赤目があり、時に品種の分類にも使われます。
グレーの羽色を持つノーマル(原種)に近い種には黒目の子が多く、ルチノー(白オカメ)やアルビノ(白子)といった品種改良を重ねた種程赤目がちになっていく傾向があります。
他の動物と同じく、瞳の色が赤に近づく程視力は低下し、ノーマルに比べてルチノーの方が人一倍臆病なのは、視力が弱い為とも考えられます。

 

 耳 〜聴覚〜
耳は目の下にある赤いパッチ模様の辺りに有ります。
羽をかき分けると大きな穴が開いていて、ホ乳類の様な耳たぶは有りません。

聴覚は視覚に次いで良いと言われており、小さな音にも敏感に反応します。
人の声も聞き分け、口笛などの高音域を好んで音マネをしたりします。

 

 舌 〜味覚〜
味覚もかなり発達していて、甘い物を好む傾向にあります。
青菜等の微妙な味の違いも分かるらしく、好き嫌いをハッキリ示す個体も居ます。
但し、痛覚で感じとる「辛さ」というものは唾液を出さない特性上感じる事が出来ません。

また、舌は物を確かめる時にも使われる為、触感にも優れており、もやしのシャキシャキ感やブロッコリーのプチプチとした食感を楽しんだりもします。

 

INDEXBACK