Mode of life
オカメインコの生態

第一章 『オカメインコってどういう鳥?』
◆名前の由来
◆オカメインコの魅力
◆オカメインコの歴史
◆オカメインコの故郷
◆オカメインコはインコ?オウム?
◆オカメインコの寿命
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 名前の由来
学名: Nymphicus hollandicus
英名: Cockatiel(コッカテイル)
和名: 片福面鸚哥(オカメインコ)

学名の Nymphicus hollandicus には「ニュー・オランダの妖精」という意味があります。
その昔、オーストラリアに入植したオランダ人が、オーストラリアの事を新しいオランダ「ニュー・オランダ」と呼んでいた事から、その大陸に住むオカメインコの事を「ニュー・オランダのオウム」と呼んでいましたが、1832年に妖精の様に可憐で美しい姿からドイツの生物学者ヨハン・ゲオルグ・ワーグラー氏によって正式に名付けられ紹介されました。

英名の Cockatiel は、ポルトガル語の「Cacatilho(小さなオウム)」に由来します。

日本では、顔にあるオレンジ色のパッチ模様を片福面(おかめ)に見立てたところからこの名が付けられました。

 

 オカメインコの魅力
体長は長い尾羽を含めて全長約30cm強。 広げた翼は全長約40cm程。 (注:個体差があります)
オウム特有のカーブを描いた優美な嘴に、丸くつぶらな瞳。
頭には立派な冠羽を持ち、名前の由来ともなった頬のパッチ模様は愛らしく。
愛嬌のある顔とは裏腹に、細くしなやかな尾を伸ばしスラリと立つ姿は凛々しく、それはもう実に美しい姿をした鳥です。

(著者はオカメ大好き人間ですので大げさな描写もご容赦下さい。)

美しい容姿もさることながら、人にも馴れやすく、穏やかで大変愛情豊かな鳥です。
飼い主を慕ってスリ寄って来る姿は正に愛おしいの一言。
「頭を撫でて」と人の手に自分の頭を押しつけていつまでも待っていたり。
肩に止まったまま、人の頬に寄りかかってウトウトしたり。
包み込んだ手の中で安心しきって全体重を預けてくつろぐその姿を体験したら、もう離す事は出来なくなるでしょう。

自分の足につまずいてコケる様なおっちょこちょいのノンビリ屋さん。
寂しがり屋で臆病なところもあるけれど、家族の為には猛禽類の様に敵に戦いを挑む強さも持っている。
本当に一言では語り尽くせない程魅力的で、愛情を注げば注いだ以上に返してくれる素敵な鳥です。

 

 オカメインコの歴史
明治の頃から飼鳥として輸入されており、古くからペットとして親しまれて来ました。
只、戦後の一般家庭でも広く飼われていたセキセイインコ等に比べると日本での知名度は割と低かったようで、オカメインコという名前すら知らぬ人も多く、ショップで見かける事も希でした。
1980年代には日本での品種改良も進み、その後のペット・ブームに乗りアマチュア・ブリーダーが増えた事も手伝って、今では様々な色変わりを楽しめる人気鳥となりました。

 

 オカメインコの故郷
原産地は、日本とは赤道を挟んだ反対側、南半球にあるAUSTRALIA=オーストラリア大陸です。
オーストラリアは日本でも馴染みの深いセキセイインコを初め、モモイロインコやキバタンといった55種類にものぼるインコ達の故郷でもあります。

オカメインコは主に乾燥した草原地帯に小さな群を作って暮らしており、木のウロなどに巣を作ります。
主な生息地である西オーストラリアでは、オカメインコが電柱に群れなして止まっているところが見られる等、日本で言うところの雀の様な存在だそうです。
農村地帯では畑の穀物を荒らす害鳥として上げられる事もありますが、やはり愛らしい姿や人懐っこい性格から現地でもペットしての人気は高い様です。

 

 オカメインコはインコ?オウム?
インコの仲間を大きく分類すると、コンゴウインコ等の『大型インコ』、ホンセイインコ等の『中型インコ』オカメインコもこの中型に入ります。
そしてセキセイインコ等の『小型インコ』の3つに分類されます。
しかしこの分類方法に基準はなく、ボタンインコ位の大きさになると、中型に入ったり、小型に分類されたりします。

そしてインコとオウムの分類も難しく、名前にインコが付いているからインコか? と云うそうでもなく。
オカメインコは学術的に言えばオウムの仲間に入ります。

学術的分類で表すと以下の様になります。
動物界>脊索動物門>鳥綱>オウム目>オウム科>オカメインコ属>オカメインコ種
(以下オカメインコの品種が続きます)

一概には言えませんが、頭に冠羽が有るものをオウム、無いものをインコと分類するとほぼ間違いは無いと思います。

 

 オカメインコの寿命
寿命は飼育環境によって異なりますが、一般的に15〜20年。上手に飼えば30年は優に越える事の出来る長寿な生き物です。
過去には35歳を越えたという報告も残っています。

生後半年で成鳥と成り、交尾、産卵が可能となります。
繁殖安定期は1歳半〜3歳まで。5歳を越えると卵詰まりなどの危険性が高まるので出来るだけ無駄な発情はさせない様に注意して下さい。

10歳を越えると身体も安定し、風邪などの小さな病気に掛かる事も少なくなります。
長寿の秘訣は幼鳥期に出来る限り疾患を取り除きしっかり育て、栄養バランスを保ち、出来るだけストレスを与えない様にする事です。

メンタル的な話になりますが、
私は必ずしも長生きさせるという事が全ての幸せに繋がるとは思っていません。
もちろん長く幸せに生きて行く事は幸福な事でしょう。
でも、たとえそれが5年でも10年でも、飼い主が納得しうる範囲で可能な限り一生懸命育て、振り返った時にその日々が鳥にとって幸せであったと思える事、それこそが彼等にとって価値有る寿命であり、生きた証であり、幸福な時間だったはずです。
大切なのは時の長さではなく、どれだけ精一杯共に生きたかと言う事ではないでしょうか。
後悔先に立たずという言葉があります。だからこそ今、彼等の全てを大切に感じ取ってあげて下さい。

 

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