第3回 : テキサスホールデムを学ぶ - いざ、ポーカーの海へ -


第1回及び第2回を通じて、あなたはテキサスホールデムの基本的なルールと、それをプレーすることが出来る場所を知った。これで、あなたはいつでもテキサスホールデムの海へ飛び込める体勢が整ったことになる。すぐにでも、自分に合った形でポーカーを実践し、自由に泳ぎ回ってみてほしい。まずは、習うよりも慣れよ、である。

この回では、あなたがポーカーを実践していく中で役に立つとみられる情報をまとめてみた。実践しながら、もっとポーカーについて知りたくなった時は、いつでもこちらを覗きにきてもらいたい。きっと、何かのヒントになるはずだ。そしていつか、あなたなりのポーカーに対する「答え」が見つかったら、ぜひともテーブルの上で教えてほしい。


1) 各種ポーカーサイトへのアクセス
2) ポーカー関連メディア(雑誌、書籍、ソフトウェア、ビデオ)の入手
3) 映画鑑賞
4) ポーカーフォーラムの閲覧・投稿


1) 各種ポーカーサイトへのアクセス

ここ数年、国内外を問わず、ポーカーの発展においてインターネットが果たしてきた役割の大きさには目を瞠るべきものがある。もはや、ポーカープレイヤーたちにとって、インターネットの利用はあらゆる面で欠かせないものとなってきているといって良いであろう。とりわけ、カードルームの存在しないわが国において、それはポーカーに関する情報を正確に得る最も有効な手段といえる。
たしかに、全体からみれば、まだまだわが国においてポーカーというものに対する情報交換が活発になっているとはいえない。それは、ポーカーというゲームをすぐにブラフ(はったり)に結びつけたり、未だにポーカーといえばカード交換のあるドローポーカーと答える人が大勢を占めることなどを見れば分かる。しかし、インターネット人口の爆発的な増加により、ポーカーに関する情報交換が活発化しているのは間違いなく、この動きは今後も広がり続けていくものと思われる。
前置きが長くなってしまったが、要するにインターネットの登場により、わが国にいながらにして、我々はいつでもポーカーの「今」を知ることのできる、そういう時代が訪れた、ということを言いたいのである。そしてその準備は、もう当サイトにアクセスしている時点でいつでも整っている。
あなたはただ、当サイトを閲覧し、当サイトのリンク集へとアクセスするだけでいい。そこから、強くなるための戦略であれ、アクセスしやすいプレースポットであれ、憧れのプレイヤーたちの横顔であれ、目指すポーカーの情報をたやすく手に入れることができる筈だ。
なお、リンク集のほとんどが海外のサイトだが、第2回で述べた通り、国内のサイトはブログ形式の読み手を規定しない断片的な情報の羅列が多く、しかも数が多いため、これらの紹介は極力控えることにした。逆に、紹介してある日本語サイトはどれもチェックする価値があるものばかりなので、安心してアクセスしてもらいたい。その他の日本語サイトに興味があれば、検索をかけると数多くの関連ブログやウェブサイトが引っかかるので試してみてほしい。

こうしたポーカー関連サイトに対しては、単にアクセスし、アップしてある情報を受け取るだけではなく、分からないことがあれば、どんな些細なことでも尋ねてみてほしい。わたしを含め、すべてのポーカーサイト管理者諸氏は、皆さんからの反応を欲しがっている筈である。


2) ポーカー関連メディア(雑誌、書籍、ソフトウェア、ビデオ)の入手

ポーカー関連のホームページには、各種情報提供サイトの他、ポーカーに関するメディアを扱うサイトも多い。これらのサイトの登場によって、クリックひとつでさまざまなメディアを入手することが出来るようになった。
まずは何も言わず、 [ こちら ] のサイトをクリックして頂きたい。これは、ギャンブル関連のメディアを扱う有名サイトのひとつなのだが、とくに今ご覧頂いているのは、ポーカーに関する書籍、ソフトウェアを扱っているページである。「ポーカーなんて所詮運だけ」というイメージを持つ人たちにとっては、ポーカーに関するメディアがかくも多くあることに驚かれるかもしれない。
さらに、注目して頂きたいのは、ポーカーの中でもとりわけテキサスホールデムに関する書籍が多いという点である。これは、アメリカにおいてどれほどテキサスホールデムの人気があるかということを端的に示しているものといえよう。ポーカーをする理由は人それぞれであるが、負けることよりも勝つことを望むのは誰しも同じ。これらの本は、あなたの疑問を解く手がかりを与え、あなたが勝利者となる手助けをしてくれるかもしれない。
ただ、これだけあると、さすがにどれを選んだら良いのか判断に窮するのも確かである。ネット上には、ポーカー本の書評をウリにしているサイトもあるが(リンク集参照)、紹介されている種類が多すぎて、ともするとポーカーの世界に入りたてのかたがたを余計悩ませてしまいがちだ。そこで、ここでは手っ取り早く、主に初めて触れるポーカーのテキストとして有意義なものをいくつか選んでみた。すべてオンラインで注文が出来るので、自分に合ったものを上手く利用したい。

Jones, L. (2000), Winning Low Limit HOLD'EM, Conjelco
Sklansky, D. (1999), THE THEORY OF POKER, Two Plus Two Publishing
Sklansky, D. et al. (2004), Small Stakes Hold'em, Two Plus Two Publishing

Lee Jones の著作は、これから実際のカードルームでリミットポーカーを始めたいと思っている当サイト読者のかたがたには格好のテキストである。 オッズやポジション、手札の絞り方といった基本的なコンセプトの解説から状況に応じた手札の効果的なプレーの仕方まで、初心者の目線に立って詳しく手ほどきしてくれる。 また、レーキやトーク、ゲームに必要なバンクロールのヒント、それにゲームに臨む上での注意点といった「ゲーム周辺」の事情にも著者の目配りが行き届いており、初心者の皆さんにとってはかゆいところに手が届く内容になっている。ただ、当サイトを熟読玩味され、すでにオンライン等で実践を積まれているプレイヤー諸氏にとっては、 当サイトの内容と重なる部分が多いため、若干物足りなさを感じるかもしれない。また、フロップまでの戦術にかなりの紙幅が割かれているのに対し、フロップ以降の解説はごく少なく、ターンやリバーでの戦い方に苦しんでいる皆さんにとっては歯がゆさが残る内容だ。
David Sklansky の著作 THE THEORY OF POKER はポーカーの「教科書」として名高い。詳細なオッズの解説からさまざまなシチュエーションにおけるアクションの仕方まで、スタッドやホールデムなど各種ポーカーを引き合いに出しながら理論的かつ体系的にポーカーの戦略・戦術を紹介しており、なぜこの場面でこのアクションなのか、その「答え」を示してくれる。とりわけ示唆に富んでいるのがブラフの項。当サイトではあまり触れていないセミブラフの考え方も含め、何となくポーカーをしている人は目から鱗が落ちること間違いなしだ。こちらの内容を体得したら、その理論をテキサスホールデムに特化して実践的に戦略・戦術をまとめた Hold'em Poker for Advanced Players に進まれたい。こちらは、とりわけミドルリミットへの足がかりとして避けて通れないテキストである。
同じSklansky の著作でも、Small Stakes Hold'em は上述の著作とかなり色合いが異なる。初版が2004年、折りしもポーカーブームで多くの「にわかプレイヤー」がカードルームやオンラインに押し寄せた頃、こうしたポーカー初心者・初級者たちからいかに大きな利益を得るかに主眼を置いて書きおろされたのが本書である。「ポーカーはギャンブルである」という前提に基づき、期待値を最大限に高めるにはどのような戦い方がベストかについて詳細に論じている。従って、全編はいかにフォールドすべきかという「守り」ではなく、いかにベット(レイズ)すべきかという「攻め」の姿勢で貫かれている。最も注目すべき点をふたつ挙げるとすれば、全てのサンプルハンドが具体的なポットに基づいて提示されている点、そして扱いが難しいターンやリバーで野心的なほど多くの「処し方」を示している点である。さらに、ポーカーのテキストにありがちな、「場合によっては」とか、「適切な状況下では」といった「逃げ」を意識的に排除している点も好もしい。 ただ、それだけに、示された具体例には疑問符をつけたい部分もままある。また、こちらで取り上げられていないハンドタイプもごまんとある。本書に限らず、テキストはあくまでスキル向上のヒントとして捉えるべきで、それ以上のもの(例えば「必勝法」じみたもの)を求めるべきではない。加えて、当サイトのルールコンテンツにざっと目を通した程度のかたがたが背伸びをして本書を手に取ると、筆者の意図が十分に読み取れず、単なる猪突猛進型のプレースタイルに陥ってしまう可能性もある。ゆえに、当サイトの読者のかたがたには、読み進めるテキストの順序を間違えないようにしてもらいたい。
ポーカーはこれからだが、リミットだけではなく、ノーリミットのライブゲームやトーナメントにも手を伸ばしたいという無謀な、もといチャレンジ精神旺盛なあなたには、Ed Miller の Getting Started in Hold'em という手がある。タイトル通り、ゼロから基本理論やプレーの仕方を平易な文体で丁寧に指南してくれる。リミットの項については、ここで紹介した他のテキストと比べてとくに目新しいものはないが、ノーリミットについては原則として1ゲームを最大2ラウンドで捉えるショートスタックのオールインプレーを推奨しており、スタートラインの手法としては説得力がある。本書でノーリミットのコンセプトを身につけ、ある程度実践も積み経験値がたまってきたら、世界戦チャンプである Dan Harrington の Harrington on Cash GamesHarrington on Hold'em に移られたい。なお、後者はノーリミットのトーナメントに興味があるプレイヤー諸氏にも有益である。
ちなみに、紹介したテキストを理解するのに求められる英語のレベルについては、例えば英語版ウィキペディアで「テキサスホールデム」を探し、その内容が(できれば辞書を引かずに)おおよそキャッチできれば資格十分。当サイトでポーカー用語をある程度頭に入れておいた上で、センター入試レベルの英語力とそれなりの忍耐力があれば読破できるはず。まずは分量としても丁度いい Lee Jones の著作から始めてみよう。

Wilson のシミュレーションソフトも有用である。さまざまなレートを設定できるほか、勝率やオッズについてのサポートも整っている。リミットゲームだけでなく、近年盛り上がりを見せているノーリミットのキャッシュゲームプレイヤー向けのソフトも用意されている。書籍もソフトも、amazonで入手するのが一番手っ取り早い。
戦略やテクニックだけではなく、もっといろいろと本場の情報が知りたいという人には、ポーカー関連情報誌の購読をお薦めしたい。Card Player 誌はオンライン上でもすべての記事を閲覧できる。
また、映画「ラウンダーズ」でテキサスホールデムを知った人も少なからずいると思うが、そこで出てきた1988年の世界戦(WSOP)のビデオ等も、簡単にオンライン上で手に入れることができる。今では YouTube でも面白い動画が多数アップされている(WSOPからWorld Poker Tour, High Stakes Pokerといったテレビプログラムまで)ので、いろいろと検索してみるのも面白い。

以上、ポーカーに関するメディアへのアクセスについて見てきたわけだが、たとえこれらのメディアを用いても、実践が伴わなければ意味がない。まずはネットポーカーサイトにアクセスし、座りたい席をクリックしてみることであり、まずはイベントに行き、ポーカーテーブルについてみることである。先ほど、「習うより慣れよ」と述べたが、すべてはそこから始まる。
さまざまなメディアを試してみるのは、(これは一概にはいえないけれども、わたしの経験上では)ある程度ゲームに慣れ、そこでいろいろと疑問が生じてきた時、すなわちポーカーへの興味が膨らんだ時まで待っても決して遅くはない。逆に言えば、ある程度オンラインポーカーで勝てるくらいになったら、ぜひこうしたメディアを利用してもらいたいと思う。
ポーカープレイヤーの中には、「自分が一番」という意識が邪魔をしてしまうのか、熟練者の意見に耳を貸したがらない人たちもいるようだが、自分よりも長くポーカーの経験や実績のある人たちの考え方を知るのは決して無駄ではない。一部のポーカープレイヤーたちのように、ある特定の著者の信奉者になってしまうのはばかげているけれども、読まないうちから拒絶するのは柔軟性に欠けるし、ひょっとしたら大きな損さえしているかもしれないのである。また、英語が苦手だからという理由で雑誌や関連書籍、それにソフトウェアの利用を避ける人もいるようだが、それは、わたしに言わせれば ポーカーへの愛情が足りない
ポーカーはアメリカ人が培ってきた文化である。従って、ポーカーを好きになったからには、その文化の土台である言語を避けて通るわけにはいかない。


3) 映画鑑賞

ポーカーの白熱した雰囲気をリアルに感じ取るには世界戦のビデオorDVDを見るのが一番なのだが、それなりの英語力がないと、すべてを楽しみながら観るのは難しい。その点で、映画は、ポーカーの雰囲気を手っ取り早く掴むに格好の材料である。また、映画はストーリーとして洗練されているから、あまりポーカーに馴染みがない人でも楽しめる。恋人と一緒に観る時、世界戦のビデオならば呆れられてしまうかもしれないが、映画ならば大丈夫。ということで、ここでは誰でも楽しめるポーカー映画をいくつか紹介してみたいと思う。もしも、ここで挙げたもの以外であなたのお気に入りの作品があれば、教えてほしい。
まず、現地ではどんな風にポーカーをやっているのか、ということを知るには、マット・ディモン主演、ジョン・ダール監督の「ラウンダーズ」が役立つ。ここで出てくるポーカーは、当サイトが扱っているテキサスホールデムなので、興味を持ったら観てほしい。ラスベガスでもとくに有名なポーカールームを持つカジノのひとつ、ミラージュでのプレーの様子も収められている。
次にお勧めしたいのが、スティーブ・マックイーン主演の「シンシナティ・キッド」である。これは、大きなレンタルショップならば置いてあると思うので、ぜひとも一度は観てもらいたい。勝負の世界に生きてきた男たちの格好いいことといったら。レイ・チャールズが主題歌を歌っているのも泣かせる。この映画は当サイトが扱っているテキサスホールデムではなく、ファイブスタッドポーカーというルールであるが、ポーカー自体の持つ迫力は十分に伝わってくると思う。ちなみに、同タイトルで小説も翻訳されている。
この2本が、ポーカー映画の中では双璧だと思っているのだが、他にも「カジノロワイヤル」(テキサスホールデムのゲームシーンあり)「スティング」「テキサスの5人の仲間」など、ポーカーの場面が随所に出てくる作品は多い。


4) ポーカーフォーラムの閲覧・投稿

普通の情報だけでは物足りなくなってきたら、RGP2+2AllVegasPokerのポーカーフォーラムを覗いてみよう。ここでは、日々流れるポーカーの情報をいち早く掴むことができる。検索窓をうまく使って、目的の情報を拾い上げよう。


[ 前のページへ ] [ 次のページへ ]



メインページへ戻る