主な称号
殺戮の主人、シェセメト(孔雀石)の国の主人、異国の後継者
主な信仰
エジプトの東の国境である下エジプト第20ノモスを本拠地とする。
人型で描かれるときはアジア人的な外見をしているが、外来の神ではなくエジプト土着の神で、西アジアとの境界であることから後世に人型で描かれるようになった際にアジアニックな雰囲気となった。ピラミッド・テキストでは死せる王の化身とも扱われ「ケスベトの木の下にあるもの」と呼ばれているが、この呼び名の由来は不明。
第20ノモスの位置は以下の地図を参照。州都「ペル・ソプドゥ」(ソプドゥの都)は現在のサフト・エル=ヒンナー付近。
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第20ノモスが独立した証拠があるのは末期王朝時代で、それ以前は第8ノモスの一部だった。
●戦いの守護者として
殺戮の主人、という名が示すように戦いの神。第20ノモスはエジプトとシリアの接するあたりで、外国から敵が攻めてくるとしたら真っ先に攻撃される場所だから当然とも言える。ソプドゥは国境の守護者である。[王に捕虜を引き渡すもの]という役割で、カルナック神殿などの壁画に描かれることがあるが、基本的に下エジプトの地方神である。
外国(主に西アジア)の敵を打ち倒すもの、という役割はセト神やシュウ神とも重なっている。
元々はうずくまるハヤブサの姿で表現されていた。ツタンカーメン王墓から出てきた金箔のハヤブサ像が有名。これが本来の姿。
良く似た姿かつ役割の神に
ゲメへスがいる。
●東方鉱山の守護者として
紅海を渡ったエジプトの東側にあるシナイ半島では、鉱山の守護神。ハトホル女神とともに、シナイ半島の鉱山に祀られた。ただしハトホル女神との家族関係は知られておらず、イシス女神と結び付けられることが多かった。東方砂漠ではイシスの夫または息子と扱われ、<イシス・ソプドゥ・ホルス>の聖家族を形成することがあった。
●別名について
ネフェルバウ、セムセルー、「東のホルス」はともに、古代文学作品「シヌヘの物語」の中でソプドゥと習合した神々の名として、別名扱いで登場するもの。
主人公シヌヘは東の異国であるシリア付近に移住しているため、エジプトの中でも東の国境に近い地域の守護神であるソプドゥの加護を祈る必要があったのである。
神話
・
ソティスの項も参照のこと。
ソプドゥがオシリスと同一視されるときはイシスの夫、ホルスと同一視されるときはイシスの息子になるという複雑な関係。
・ハトホル女神と同僚関係なのにハトホルとの結びつきを示す神話がない謎
聖域
ペル・ソプドゥ
DATA
・所有色―火、大気
・所有元素―黄
・参加ユニット―三柱神<ソティス、サフ、ソペド>、東方砂漠での聖家族<イシス・ソプドゥ・ホルス>、本拠地での妻はヘンシト女神
・同一化―
・神聖動物―ハヤブサ
・装備品―ウアス杖、羽毛冠