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中王朝時代 第12王朝
Amenemhat V
王朝の首都;イチイタウイ
埋葬地;ハワラのピラミッド
出身地;不明
家族構成;父/センウセルト3世 妻/ヘテプティ、アアト 他 息子/アメンエムハト4世 娘/ネフェルウプタハ、セベクネフェル、ハトホルヘテペト、ヌブホテペト、スィトハトホル
●迷宮と呼ばれたピラミッド
軍事的な活動記録はほとんどないが、建築王としての業績を多く残した。スネフェル王以後はじめて、自分のためのピラミッドを複数建設。(※自分用+王妃用、などはよくある)
中でも、ハワラのピラッドとそれに続く葬祭殿はギリシアの歴史家たちによって「ラビリントス(迷宮)」と呼ばれ、クノッソス宮殿の伝説と比較された。ちなみに「ラビュリントス」という言葉自体、アメンエムハトの即位名「ニマアトラー」の変化したものという説もある。このピラミッドの周壁は中王国時代に作られた中で最大の規模である。
●ファイユームの灌漑事業
アメンエムハト3世の時代、経済成長は中王国時代のピークに達する。ファイユーム地方での農業に感心が高まり、湖に流れ込むナイルの水をせき止める灌漑事業が行われた。
ファイユーム地方の灌漑にともない、その地方の地方神セベクの地位が高まり、キマン・ファリスに神殿が築かれる。この神殿は、セベクと老ホルス(ハロエリス)が半分ずつ分け合う奇妙な形になっていた。
●遠征
鉱物を求めて、継続したシナイ半島への遠征が行われた。そのためか、この王に関する資料はほとんどが外国で発見されている。
シナイ半島など外国の採石場では、ハトホル女神が信仰されており、ハトホル信仰が広まった。このときハトホル女神とともにシナイ半島に持ち込まれたヒエログリフが、採石場の異国人労働者たちの間で崩し文字として使われるようになり、アルファベットの基礎が誕生したという説もある。
ヌビア領土の完全な支配もこの王の時代からで、上エジプトのセムナには防衛拠点となる要塞がいくつも築かれた。
<おまけ>
・アメンエムハト3世はカラスを伝書鳩代わりに使っていた? 伝承の出所を調べてみた
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