神話つまみ喰い−”OtherAreaMyths” サイトTOPへ2号館TOPへコンテンツTOPへ

”闇の館”−さあ、六つの館巡りをはじめよう


イシュプールプヴェック;
うこそ、罪人どもよv
俺の名は、フン・カメー様とヴクブ・カメー様のお庭番、イシュプールプヴェックだ。ここは何所かって? それはもちろん、地下世界シ・バ・バル・バーに決まってる。 
プフユー;
うっひょぅ。やってくれるね、イシュプールプヴェック。ずいぶんご機嫌なご登場じゃないか。いいのかい? そんなに張り切っちまって。
イシュプールプヴェック;
なあに、無知な人間どもには分かるまいよ。ここは四色の道が十字に交わる、その西の方角にある地下の国。シ・バ・バル・バーとは、<モグラが人間に恐怖を与える場所>という。かつてここに来た者で、生きて帰った者はいない。
プフユー;
死んで川から流れ出て行ったもんの、転生して戻ってきた奴らはいたっけね。
イシュプールプヴェック;
余計なこと言うな、プフユー。とにかく俺たちは、死の国の王たちの命令に従って、ここに迷い込む人間どもを、きりきり”六つの館”でいためつけてやればいいだけさ。
プフユー;
まあ、そんなもんだね。
六つのうち、いずれの館も特注スウィートだ。かつて、フン・フンアフプーと、ヴクブ・フンアフプーの二人を打ち負かした素敵な館さ。さぁ遠慮せずに、たっぷりと眠れぬ夜を過ごしてくれたまえ、きひひ。
イシュプールプヴェック;
と、いうわけで…だ。
まずは、この六つの館について説明しておかねばなるまいよ。
プフユー;
おうよ。そうだった。このコーナーは、マヤ神話を、マヤの歴史とあわせて、文章化された唯一のマヤ神話「ポポル・ヴフ」を中心にして語ってゆくコーナーだぜ。全6回(予定)。最後まで館を潜り抜けられるかな?!
イシュプールプヴェック;
ちなみにポポル・ヴフってのは、正しくは「ポップ・ヴフ(共同体の書or聖なる時間の書)と、いうんだ。ポッポが”時間、出来事”を意味し、ヴフが”紙、本”を意味する。世界的に「ポポル」で知られてるが、実はこれは、最初に本を出版したフランス人宣教師、シャルル・エティアン・ブラシュール・ドゥ・ブールブール氏が、「ポポじゃカッコ悪いじゃ〜ん?」ってな理由から、勝手に「ル」をつけたのが原因なんだと。
プフユー;
わあ、ぶっちゃけ投げやりな理由だよねブラシュール!
これは嘘でも冗談でもなくてマジな話。フランス人ってコトバの響きには煩いんだかね。でも彼が語学の天才だったおかげで、この神話は完訳版として世界に登場したのさ。
イシュプールプヴェック;
「ポポル・ヴフ」というタイトルも、ブランシュールがつけたもんなんだがね。
日本で唯一の完訳本は、中公文庫から出てる「マヤ神話 ポポル・ヴフ」−林屋永吉・訳…だ。この本は、世界的に最も流通している、アドリアン・レシーノスのイタリア語テキストからの重訳になっている。このコーナーは、完訳文庫にプラスして、他のマヤ資料を織り交ぜながら展開するぜ。4649!
プフユー;
ひゃっほう! 地獄めぐりのフルコースだぜ。楽しみだねぇ〜!
イシュプールプヴェック;
まず第一の館は、この「暗闇の館」…。今はまだ、何も見えない盲目にも等しい知識の暗闇の中だろう。だが、お前に松明を一本くれてやろう。さ、この焔を、朝まで消さずに行くんだぜ。
プフユー;
燃え尽きてしまったら、アンタの負けだ。
シ・バ・バル・バーの王たちに、生け贄にされてしまうからな!
心していくが良い、人間よ。今まで、すべての館を生きたまま通り抜けた者は、いないのだから。

次の館へ挑む

※説によって違う。言葉がわからんのでどっちが正しいのか検証できない…。


リタイヤ。