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三姓穴

地域;済州島 出典;?



 済州島には、三姓穴と呼ばれる不思議な穴がある。
 かつて、この島に人がまだ住んでいなかった時代、この穴から3人の神様たちが現れたという伝説の穴だ。
 神は島に人や馬や鳥を増やしたかったが、どうすればいいのか分からなかったので、とりあえず釣りでもしてみることにした。(おいおい…そんなんでいいのか神様)

 すると、あるとき、凪で鏡のように静まり返った海の向こうから、何か箱が流れてくることに気がついた。
 この箱を岸辺にひきよせて開けてみると、中から出てきたのは、紫色の衣を着た白い髭の老人で、さらに箱の中にあったもう一つの石の箱を開けてみると、中から青い衣を着た3人の娘たちが現れた。
 白い髭の老人は、自分たちは倭国から娘たちの供をして来た者だとつげ、光とともに去ってしまう。島の3人の神様たちは、それぞれに娘たちを娶り、島を豊かにするために働き出した。人数が増えたので名前もつけて、島の神様たちはそれぞれ、「良乙那(りょうおつな)」、「高乙那」、「夫乙那」と名乗ることになったという。
 さらに3人の中で、誰が王様になるかを決めるために石に弓を当てる競走をして、高乙那が王様になった。
 やがて島には生き物が満ち、子供もたくさん生まれて繁栄するようになったそうな。
 めでたし、めでたし。


 …それにしても、箱で日本海を越えるとは。
 さすが神様? 船は作れなかったんでしょうかね…。^^;

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