アイスランド・サガ −ICELANDIC SAGA

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第五話 ルーンフサルクの変遷など



 英語のアルファベットと同じように、ルーン文字にも、ひとそろいの文字セットがあります。それが「フサルク」です。
 なぜフサルクというかというと、ルーン文字をABCのような順番に並べた場合、最初にくる5文字の音が、
 意外と描きにくいのよルーン文字。→”フサルク”

 …に、なっているからなのです。ひらがなの50音を「あいうえお」と呼ぶのと同じ原理ですね。

 ルーン文字の形態や使用法が時代ごとに異なるのは、ここまでの話でも触れましたが、地域ごとにも違っていたようで、ルーンフサルクには多くの種類があります。文法のローカルルールまで含めると、ずいぶんな数になるでしょう。
 形は似ているけれど、よく見ると違う。主な種類を書き出そうかと思っていたら、すでに他のサイトですばらしく丁寧に紹介されていたので、止めました(笑)
 くわしく知りたい方は、このコーナーのトップにあるリンクから飛んでください。

 ルーン文字は、表音文字と表意文字の両方の役目を持っていた…と、いう説があります。
 漢字で「日」と書くと、太陽を表す場合と、「ヒ」という音を表す場合があるのと同じで、「m」をあらわすルーン文字は、「男」=mon、の頭文字であるとともに、略として、一文字で「男、人間」という意味も表す、といったものがそうです。ルーン占いの本などには、よく載っています。

 ただ、それらはある程度は推測であって、確実なものではありません。
 「一文字で意味をあらわす」ことが主要な使い方であったとは思えませんし(実際、表音文字として長文作成にも使われている)、単に文字を記憶する上で、意味をつけたほうが覚えやすかったからだ、という可能性もあります。

 ちなみに、「ルーン1つ1つに意味をもたせて占いをする」以外に、「ルーンで文章を作りたい」という欲求も、けっこうあるようです。
 英文をルーンに置き換えることは不可能です。

 何故かというと、ルーンは北欧語を表すための文字だからです。北欧語は英語とは発音が違います。英語には「存在しない発音」に充てられた文字がある反面、英語を表そうとするときに「足りない音」もあります。

 日比谷公園のルーン石碑
 ちなみに、東京都千代田区の日比谷公園にはルーンで書かれた石碑がありますが、元は英語では無いです。スウェーデン語。スウェーデンと日本の間の航路が開拓されてから10周年を記念して、建設されたものです。

 ラテン文字に置き換えると、こうなります↓

 skandinauer opnada luftuagen melan iapan vok europa ofer nordpolen den xxiv februari mcmlvii ok reste dena sten til hogkomst tio ar senare









この石碑ですが、スウェーデン語からルーンに直すのに、けっこうムリしてます。

拡大

 ←よく見ると、ルーンで書けなかった年号がMCMLVIIと書かれています。
 Mはミレニアム(千年)、Cはセンチュリー(世紀、100年)。MCMで1900年、Lで50年、VIIで7年、…かな? (間違ってたらスンマセン)

 1957年 と書きたかったようです。


 実際のルーン石碑は、こんなに文字が読みやすくは無いです。
 文字と文字の間ももっと込み合っているし、ヘタしたら隣の文字と合体してたりして。

 ※)ちなみに、この石碑のルーンは中世ルーンといって、文字数が増えた時代の文字です。




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