■アイスランド・サガ −ICELANDIC SAGA |
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ちなみに、恋愛はシアヴニと呼ばれるが、これは男女の心を愛に向ける女神シェヴンからきている。
男女の禁じられた恋を認めるのは女神ロヴン、男女の誓いやとりきめに耳を傾けるのは女神ヴァール。
フレイヤ以外にも恋愛の女神は存在する。あるいは、フレイヤに頼むより、彼女たちのほうが良い回答をくれたかもしれない…。
ともかくも、歴史なんてものは所詮、男の目から見たもので、女は学問をやることすら許されていなかった(その暇が無かったともいう)のが、一般的な古代社会だ。
世界的に見ても、女性の手による文学や、女性の私生活に関する記録が古い時代から存在するというのは滅多にない。平安時代から女流作家が活躍していた日本など、珍しいケースだという。
「エッダ」に記された記録もまた、男性が中心の世界だ。
ゲルマン世界は戦いが主な話題なので、女性には、あまり活躍の場が無い。中には男装して戦う女性もいたようだが、それは女性が男性社会に入ってきたということなので、女性社会ではない。
よって、フレイヤおよび他の女神たちが信仰されていたであろう、女性社会の細かな記録は、どこにも残されていない。
ゲルマンのご婦人がたがどのように恋占いをしていたのか、どのように恋バナで盛り上がっていたのか、フレイヤ女神へのお伺いはどのようにしてたてていたのか、etc…。
知りたいところだが、誰も記録しなかったんだから仕方がない。主な歴史の語り手である男性陣は、そんなことに興味は無かったんだろう。
ところでフレイヤというと、猫に引かせた馬車(馬じゃないけど)を愛用している女神さまだ。
兄キのフレイ神のがイノシシ車なので、この兄妹のマイカーが並ぶと、すさまじく笑える情景になること請け合い。どういう選定なんだ、と思うが、たぶんそれって乗り手の性格を表しているんだと思う。
エジプト神話でも、気まぐれな猫は恋の女神さま(バステト)の象徴。ひとなつっこく、魅力的だが時々手痛いしっぺ返しもくらわす存在、それが猫。猫を最初に家畜化したのはエジプト人なので、ゲルマン神話に猫が出てくるということはエジプト方面から猫と、猫に関する信仰が渡っていったことは考えられる。
もちろんフレイヤ=バステトではないが、猫の気まぐれな性格と恋の女神、という属性が、なんらかの形でフレイヤと猫を結びつけるヒントになったのではないか…。
しかし証拠は無い。北欧の猫は、かなり猫らしくない猫なので、どこまで共通点があるかも、疑問の残るところだ。
とにもかくにも、恋はどこの社会においても、女性の大問題だ。
もしも博打をうつことが怖くないのなら、あなたも迷わず、恋の悩みはフレイヤ様にお・ね・が・いv(彼女の性格を考えると…あまりオススメしませんが。^^;)