戦いが終わったあとにどーなったかっていうのは、聞かないのがお約束かもしれないけど、どうしても気になるのが、名剣バルムンクの行方。
この剣はジーフリトが所有していた剣で、魔法の力は無いもんの、切れ味バツグン、名剣の名に相応しいくらい
人を殺しまくった剣である。
物語の中でバルムンクは、もともとの持ち主であるジーフリトが殺害されたあと、その加害者であるハゲネの手にわたり、さらにクライマックスの戦いにおいてはジーフリトの寡婦クリエムヒルトが奪い返してハゲネ殺害にも使われている。
もともとは普通の剣だったかもしれないが、この時点ですでに、えり抜きの英雄たちの血を吸い取った魔剣と呼ぶに相応しい品となっていたことは間違いなし。
そんな、類稀なるこの剣の、その後の行方が気になるのは、きっとオレだけではないハズだ!
文章中の表現によれば、「幅広で、柄には青い宝玉が埋め込まれている」ものだそうだ。かなり金目のものなので、捨てられたということは在りえない。「ニーベルンゲンの歌」には登場しなくとも、その続編的物語のいずれかには登場するのでは?
と、いうわけで…
探してみた。
【解決編】
持って行ったのは
ヒルデブラント師匠だ、という記述を発見。
その後、帰国したディートリッヒが自分の国を取り返す戦いにおいて、ヒルデブラント師匠がバルムンクを振るっていたという目撃情報(笑)が。
この話の出典もとは明らかではないのだが、原典はシドレクス・サガではないだろうか。なぜなら、シドレクス・サガは、「ニーベルンゲンの歌」の書かれたすこし後に編纂されたとされているからである。
当時その場にいた中では一番の剣の使い手ですし、フン族なんかに(なんかって…)持たせとくには惜しい品。師匠ならきっと持っていても違和感あるまい。
エッツェル王の国から持っていったということは、帰国後すぐの、実の息子・ハドゥブラントの折檻にも使われたということになる(笑)。
ヒルデブラントの死後は息子のハドゥブラントに受け継がれ、きっと血気盛んな一族の宝になったに違いない。名剣よ、ふわさしい主人が見つかってよかったねぇ…。
以上、「解決編」でした。