沖縄フェリー旅行記 A

<第4日目>7 月1日(金曜日)
  朝テレビをつけると、沖縄以外天気悪いとの事。不整脈は収まっている。
 昨日重いザックを背負って歩いたのに懲りたので、タクシーを呼んでもらう。那覇泊港着、午前8時前。いい天気。中学生らしき女の子が登校している・・・そう、今日は平日なんだと改めて思う。フェリーに乗船すると、もう結構乗ってる! 雑魚寝エリア、ほぼ満杯! 東京からの船がガラガラだったので、こんな様子は想像もしてなかったからビックリ。
 8時半、泊港発。自衛隊数人、仕事風多数、地元民風もっと多数、観光風ちょっと。ダイビングバッグを持っている人が一人もいない(ダイバーらしい人はいるけど)。最近、ギアは宅急便で送るんだな、きっと。慶良間まで、あちこち移動しながら写真、ビデオ撮影。ナギでそんなに揺れないけれど、けっこうシブキが飛んで来る。左舷側に安らげるベンチを発見。4 〜 5席連結で横になれる。
 10時半頃、渡名喜島に寄港。半分以上降りて、ガラガラになる。雑魚寝エリアが空いたので、やっと横になれる。

     何だ、この海の色は!
 久米島に近づくと、どんどん海の色が悪くなる。湾内に入ったら、ド濁り。少し前まで雨が続いた影響か? 何だか、嫌な感じ。
 12時半過ぎ、兼城(かねぐすく)港着。OTSレンタカーの迎えが来ていて、店へ。手続き中に魚突きの事訊くと、その兄ちゃん、漁協の組合員で、魚突きマニアとの事。素潜り手銛なら全く問題無いとの事。あらら! 問題解決! ポイントも教えてくれる。今日からエビ漁が解禁になったので、潜りを見かけても誰も何も言わないだろうとの事(昨日までは解禁前の神経質な時期だったみたい)。
 レンタカーはボロ車を想像していたら、ピカピカの新車。快適。予約は明日の午後5時迄。どうせ魚突きはそんなにいい状況じゃないだろうから、最終日はスクーバがスノーケリングツァーにでも参加するつもり。保険料込みでで6.300円(インターネット予約でほぼ半額)は安いねぇ。民宿久米島別館へ。307号室。海が見える側の部屋。
 レンタカー屋の兄ちゃんに教わったポイントへ行く。何だか、地の果てみたいな所。
 着替えてる時、押し棒を忘れて来た事に気がついた。ま、今日は下見と云う事でいいかと、エントリー。2mmウェット。
 白っぽいながら20m近く見える。期待してなかったんだけど、地形は素晴らしい。複雑で溝、棚が多数あり、熱帯魚系やイラブチャーの姿は見える。回遊魚を誘う小魚の群れは皆無。ま、予想通り。
 気がつくとダイビングウォッチを陸に忘れた。水温は27 〜 8度か? かなり高い。いい地形だなぁと思いながら泳いでいて、ふと、何か不気味だなと云う気がしてくる・・・そうだ、珊瑚地形なのに、生きている珊瑚が皆無に近い。総て死んだ珊瑚礁。沖出しすると白っぽくてイヤな感じに底が見えなくなるし(それでも透明度は15m以上はあったと思う)、レンタカー屋の兄ちゃんが鮫が多いと言っていたのを思い出し引き返す。
 気がつくと西へ向かって少し流れがある。湾内のような地形なのに・・・。沖の流れが反転しているのかもしれない。ウェイト無しで大丈夫かと思ったら、魚突きするにはちょっと辛い・・・。どこかで調達した方がいいな。
 シロダイ、フエダイらしき姿をチラッと見かけるが、射程に入れるレベルじゃないなぁ。大きなイラブチャーで珊瑚をガリガリしているのがいたけど、ああ云うのがラッキーで獲れるくらいか? 20cm位のイラブチャーは多いけど、そんなの獲ってもなぁ・・・。
 3 〜 40分、泳いで上がる。

       旧漁港のスロープ

      午後6時31分
  その後、車で島を右回り。比屋定バンタの展望台から今泳いだ辺りを見下ろすと、泳いだ辺り、真水の流れ込みで濁って珊瑚も死んでいるように見える。少し、左右に行くと、キレイな海域が見える。明日は右方向の岬へ行ってみるか。
 宿に戻りビール買って、6時過ぎ、海辺へ。まだ日はだいぶ高い(午後8時頃まで明るい!)。夕日は思ったより右手に沈む。海は思っていたより、だいぶ南向き。漁港の階段でビール。風が涼しく、沖縄と云う感じがしない。
 ふと見ると、漁船で何かさばいている気配。見に行くと、メバチ、シイラ、ツムブリ等大漁。
 7時過ぎ、宿に戻り、夕食。酒は飲まず。宿のご主人(と思われる人・・・思ったより若い)と少し話をする。魚突きに関しても、全然問題無いとの事で、明日、クーラーを貸してくれるとの事。シーカヤックのショップをやっている人を訪ねてみるといいと言ってくれる。次々と泊まり客が釣りから帰って来る。久米島は釣りのメッカみたい。
 食後部屋に戻り、写真を見たりしてたら、眠くてたまらなくなり、9時頃、寝る。

<第5日目> 7月2日(土曜日)
  今日もいい天気。テレビつけると中国四国地方、大雨なんだと! 
 宿のご主人が氷入りの大きなクーラーボックスを貸してくれる。プレッシャーだねぇ・・・。
 9時過ぎに出て、宿のご主人が紹介してくれた上里氏のカヤックショップに立ち寄り、色々と海の話を聞く。南西側のポイントとか、色々と情報を教えてもらうが、「そこは潮の流れが速くて島のベテラン海ンチュが5人、帰って来ない」とか、「そこはボートが近くを走るので轢かれる危険性がある」とか、ヤバそうな話が多かった・・・。
 つい話し込み、昨日下見した海に着いたのは11時頃。今日も誰もいない海。

  右手の湾内を泳ぐ(東シナ海)
   (比屋定バンタの展望台より)

 白化現象。
 珊瑚の大半はこのように死滅・・・
 入ってすぐ、30cm位のイラブチャー、水面近くから射程に入ったので、撃つ・・・外して、押し棒曲がり、銛先が曲がる。あ 〜 あ。
 水温計が29度を表示! 28度は確実にあるね。生ぬるいくらい。
 写真を撮りながら暫く行くと、ハタ?・・・スジアラだ! 50cmくらい! そ 〜 っと潜ると、少し逃げて、こちらに向き直り、ホバリング。射程に入った! と思い、撃つ体勢に入ると、ゆっくり逃げ始める(殺気が出たか?)。しかし、まだ近い。追いかけて撃つ! やった! と思ったら、スカッ! 何故だ? 押し棒がかなり曲がったから強く当たった事は間違いない・・・銛先が鋭ければ刺さったか? 当たる角度が悪かったか? 細い押し棒はこう云う事があるのか? 慣れない道具は何か要領を得ないな・・・。
 穴に入ったので、その辺りを探すが姿がない。千載一遇だったかなぁ・・・。


 ※珊瑚が死んだのは、沖縄全域がやられた
  高水温のための白化現象と、オニヒトデの
  せいとの事。久米島でもちゃんと珊瑚が
  残っているのは一部しかないらしい。
 その後右手方向へどんどん泳いで行く。地形が面白く飽きない。ホント、珊瑚が生きていたら、ここは素晴らしいのに・・・。
 何やら回遊魚だ! と思ったら30cm位のアオチビキ、数匹だった。割れ目の間に、40cm位のホシタルミが数匹見える。何度も潜るが、その割れ目、どこかへ抜けているようで姿が消えた。
 その後、50cmくらいの鮮やかなアジアコショウダイを発見。割れ目の中、何度も狙うが姿が消えた・・・。
 他に見た魚と云うと、クマザサハナムロ数匹(こいつがいると云う事は、沖だしすると回遊魚の可能性はあるな)、チギ(バラハタ)の20cm位の子供。
 約1時間東へ進んだので、戻ることにする。昨日より緩いが少し西への流れがある。帰りは殆ど獲物らしき姿なし。イラブチャー位獲らなくちゃ、と思うが、逃げること! 一度射程に入ったと思い、鼻先を狙って撃つがかすりもしない。的が小さい・・・。
 エキジットポイント近くで、30cm位のイラブチャーを浅瀬に追い込み、穴に入ったので勝ち! と思ったら、長銛で穴撃ちは辛い・・・銛先が痛まないようにそ 〜 っと撃とうとしたら、右手の握力が弱っていて、誤射・・・逃げられた。それで、スッキリ、諦めがついた。ま、いいや。充分、楽しめたじゃん。

    素晴らしい地形が延々と続く

        戦いすんで・・・
 明日もここに来たい気もするけど、昨日、レンタカー屋が客に「日曜日は予約でいっぱい、空き車はない」と言っていたから、延長は出来ない・・・ちょっと残念だけど、握力疲れたし、体力的にもいいところかな。
 上がったのは午後1時過ぎ。さすがにちょっと疲れた。睡眠不足もある・・・。
 スロープで仮眠しようとするが、暑い! 寝付けず悶々としていると、若者がスクーターでやって来た。色々話す・・・。
 湘南出身、沖縄本島のホテルで働いていて、魚突きが趣味。休みを利用して久米島に来たとのこと。何と、伊豆の中木が一番好きなんだと! 沖縄に来て、簡単にオカズの魚が獲れないから中木の夢を見ると言っていた。そんなもんなんだね。
 そう、その彼、何と、よしたけ君のことを知っていた! 一緒に奄美大島で潜った事があるとのこと。 
 彼は今日、こちらが泳いだ所のずっと左手の方で潜り、スジアラとカスミアジを目撃したそうだ。穴撃ち用のミニ水中銃を持って来てしまったので、射程に入らなかったと悔しがっていた。
 2時頃から4時近くまで話し込む。
 宿に戻り、ご主人に、惜しかったもののダメでした、と言ったら、そうだと思ってましたよ、魚突きは難しいですからね、だと! チキショー! 目にもの見せてやりたかったなぁ・・・その可能性があっただけに口惜しい!

                <ここまでのスライドショー>

               ※「沖縄フェリー旅行記 B」へ続く

               ※「沖縄フェリー旅行記 TOP」に戻る

 

                 < T O P に 戻 る >