2005年9月9日
「豊田市自然観察の森-9月(とよたししぜんかんさつのもり-くがつ)」
愛知県豊田市
地図
撮影 OLYMPUS E-10
自分の中で夏の区切りをつけるために、 豊田自然観察の森へ行った。 前回初めて行ったのは4月の終わりで、 そのときの印象は抜群によかった。 生き物で溢れかえっていて。 真夏に行ければ行きたかったのだけど、 都合がつかず、9月にずれ込んでしまった。 旬は逃してしまったかもしれない。 夏休みが終わった自然観察の森は訪れる人も ほとんどおらず、静かな雰囲気を取り戻していた。 しかし、まだまだ暑い。 セミの声もうるさいくらいだった。 ここではまだ夏は延長戦を続けていた。 |
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暑さとセミの声はまだ夏を思わせたけど、 空はやはりもう真夏の青じゃない。 薄い水彩の水色だ。 雲も固まらず、ちぎれて散らばっている。 |
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山の方を歩いていたら、道の真ん中で何やら 黒い物体が。ややや!? 姿形はまぎれもなくヘビだ。 しかし、色が真っ黒でピクリともしない。 なんだ? 黒こげになって死んでるのか? と思って近づいたら、うひゃ! 動いて迫ってきた! ひゃー! っとあわてて逃げ出す。 全長は1メートル50くらい。色は黒。何者だろう? こんな黒いヘビ初めて見た。 しかし、散策でヘビを見たのは初めてだったので、 ちょっと動揺した。足下注意だ。 <追記> 俗称「カラスヘビ」、シマヘビの黒化型のようだ。 |
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気を取り直して、散策を続ける。 これはミズギボウシ。 水着帽子じゃない。水着防止でも。 ……。 水擬宝珠だ。 ギボウシの仲間で、湿地帯に咲くからミズギボウシ。 オオバギボウシとかとの区別がついてないけど、 たぶん葉が違うのだろう。 |
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ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)。 アフリカ原産の帰化植物。 本来暖かいところに咲く花のようで、 最初九州で見つかって、だんだん東へ分布を 広げてきたようだ。 日本も温暖化してるから、そのうち関東より北でも 姿が見られるようになるかもしれない。 |
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春先に見たような花がつぼみながらまだあった。 これはなんだろう。 カキドオシはまさかこの時期咲いてないはず。 保留。 夏の宿題も終わってないのに、 これからまた秋の宿題がたまっていく。 |
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少し離れた地面に「オトコエシ(男郎花)」の プレートがあったから、これがそうなんだろうと思う。 オミナエシ女郎花の男版ということでつけられた 名前なんだろうけど、 ちょっとイメージがかみ合わない気がする。 仲間ではあるみたいだけど。 |
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近くに名前プレートがなければ、 ミゾソバだと思ったかもしれないけど、 これはアキノウナギツカミのようだ。 ミゾソバよりも葉っぱが細いかも? |
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この森で一番の見どころである、 奥の「トンボの湿地」に到着した。 幸い誰もおらず、ゆっくりじっくり観察して 写真を撮ることができた。 ここに吹いていた風は秋の気配だった。 |
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ミソハギ(禊萩)でいいと思う。 この花はこうして一部に固まって 咲いてることが多い。 この時期の田んぼ風景に彩りを添える。 |
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タマガヤツリ(玉蚊帳吊)? ただの枯れ草じゃないことは確か。 |
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水面からニョキッと顔を出した ナガバオモダカ(長葉面高)。 北アメリカ原産の帰化植物。 生態系を壊すということで、 場所によっては駆除の対象となってるらしい。 |
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遠目で見ると地味な白い花。 でも近づいてみると可憐な美しさを見せる。 ミズトンボ(水蜻蛉)。 これも初めて見る花で、 今回の中で一番気に入った。 |
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小さなヒマワリみたいなやつ。 ヒマワリなのか、そうじゃないのか。 花の直径は15センチくらい。 園芸品種かも。 やっぱりヒマワリじゃないな。 |
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うーうっうっ、とうなって結局分からない。 アキアカネじゃないような。 ヒメアカネのメスかなぁ。 意表をついてウスバキトンボだったりして。 羽の先のちょんとついた印が黄色いから。 トンボの見分けもあまり進歩がない。 難しい。 |
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ショウジョウトンボだと思うんだけど、 自信がない。 遠かったのでよく見えなかったのだけど、 ハッチョウトンボってことはないだろうな。 ガマの穂に対してハッチョウトンボでは大きすぎる。 やっぱりショウジョウトンボでいいと思う。 |
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葉っぱに捕まる様子が面白かった。 しがみついてる感じが。 でも顔だけだと正体が分かりにくい。 キリギリスか、ヤブキリか、バッタ類か。 |
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これも昔からよく見かけてると思うのだけど、 いざ名前はなんだと訊かれると分からない。 調べたけど判明せず。 イナゴの仲間だろうか。 |
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今日のキノコ・コレクションその1。 例によって名前は知らない。 キノコ熱はどうも盛り上がってこない。 |
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キノコ・コレクションその2。 白は本来きれいな色のはずなんだけど、 白いキノコは不気味な感じがする。 手で触っただけで何か悪いことが起きそう。 |
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野鳥観察小屋の窓から見たトンボの湿地。 この日も期待したカワセミは姿を現してくれず。 鳥もまだしばらく撮れそうにない。 木々の葉っぱが落ちてからだ。 声はそれなりに聞こえていた。 |
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ガマの向こうにおじさん発見。 この日初めて森で人に出会った。 と思ったら、ここの係の人だったようだ。 プレートを直したり、点検したりしてたから。 |
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ここはやっぱり生き物バンザイの面白い場所だ。楽しすぎて2時間くらいすぐに過ぎてしまう。 適度な広さと整備加減で、森の魅力がコンパクトにギュッと詰まっている。映画でいうと、1時間45分の良質の作品みたいだ(海上の森は3時間の大作で途中ちょっと間延びする感じ)。 ただ、季節としては9月というのはちょっと中途半端だったようだ。秋の野草にも、野鳥にも少し早く、夏はすでに終焉しかけていた。 ここは春から初夏にかけてが一番面白くてオススメだ。その時期に行くと、一歩歩くごとに生き物に出会えると言っていいほど濃密な生物たちが出迎えてくれる。 それにしても、今回咲いてるはずの花をたくさん見逃してしまった。ヤマジノホトトギスやツリガネニンジン、アカバナなどがあるという情報だったのに。うっかり歩いていたつもりはないけど、なかなか見つけるのは難しいものだ。 蝶のアサギマダラも見たかった。 夜はムササビがいるらしい。 しかし、ヘビには驚いた。 所在地: 愛知県豊田市京ケ峰2丁目2番地 時間: 4月〜9月は9時〜17時30分、10月〜3月は9時〜16時30分 休み: 毎週月曜日 入場料: 無料 駐車場: 無料(わりとたくさん) 散策時間: 1時間半〜2時間半 公式サイト |