2005年4月18日
「大正村-2(たいしょうむら に)」
岐阜県恵那市明智町
地図
撮影 OLYMPUS E-10
大正村-1の続き。 ここは有料の大正資料館。 大正時代の教科書、新聞、蓄音機などが 展示されているらしい。 入ってないので状況はよく分からない。 見ればそれなりに感じるものはあるだろうけど、 個人的にはそういう小物類よりも建物に興味が あるので、できればそっちでお願いします。 と、今さらながらお願いしてみる。 |
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資料館の隣にある大正の館。 格子戸のある二階建て家屋。 そうそう、こういうのを求めてた。 古い感じがとても素敵だ。 くぐり戸というんだろうか、入り口の扉が低い。 元々はこの地の名門、橋本家の住居らしい。 |
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大正資料館のあるあたりの通りが、 この町のメインストリート(南北街道)だと思う。 北へ向かうと岩村城へと続いている。 大正時代ではないけど、ここは昭和のムードを 色濃く残していて、なかなかに味わい深い。 この薬局はもうやってないのかもしれないけど、 薬局ではなく薬房だ。 いや、いい感じ。 |
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これまた古い旅館だ。 昭和の文豪の小説に出てくるような。 二階の窓の手すりが傾いているけど、 元々か? うっかり手をかけたら二階から下に転落の予感。 そもそもまだ営業してるんだろうか。 このあたりは中馬街道だったところだから、 宿場町だったのかもしれない。 |
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すぐ近くに別の薬屋発見。 そんなに薬が必要なのか、ここは。 という疑問はさておき、 懐かしさを通り越した古いホーロー看板がっ。 「家中みんなでオロナインH軟膏」 「ホイホイとれる ごきぶりホイホイ」など。 これはたぶん狙いではなく、単に外し忘れて 放置してあるだけなのだろう。 決して店の主人は面白がっているわけではない、 と思う。 |
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ここの有料のおもちゃ資料館。 中には大正時代のおもちゃなどが 置かれているようだ。 隣は閉まっていたけど、時間が遅かったからか。 カメラを持った私が通りかかったので、 当然入ってくるものだろうと、中で女の人が 立ち上がったのが見えたが、私は素通り。 女の人は拍子抜け(たぶん、きっと)。 |
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川沿いに桜並木があって、ほぼ満開に咲いていた。 でも誰一人気に留める様子もなく、 花見客などもいなかった。 思うに、桜だ、花見だと浮かれて騒いでいるのは 街の人間だけなのかもしれない。 三重の田舎も、考えてみたら昔から桜が咲いたと いってとりたてて遠くまで見に行ったなどという 話も聞かない。 桜に関しては都会人の方が熱いように思う。 |
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有料館最後のひとつは、大正時代館。 大正時代の絵やポスターなどが飾られている ようだ。 隣は喫茶店になっていたので、 そっちがむしろメインかもしれない。 |
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うかれ横町。 名前のわりには、うかれてる感じはなく、 普通の民家が並んでいた。 昔は飲屋街だったという話だ。 でも響きがいいな。 ちょいと、うかれ横町まで。 |
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うかれ横町にある、元カフェー。 残念ながら閉まっていた。 定休日だったのか、 夕方5時を前に営業時間が終わってしまったのか、 店自体が終わってしまったのか。 外観はとっても古めかしくて、味がある。 |
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えええー!? と、ちょっとひるんだこの光景。 道を挟んで、向かいの家同士が二階の 渡り廊下でつながっている。 公道の上にこれはいいのか? 許されるのか? こうして存在してるからきっといいのだろう。 問題ない。 問題があるとすれば、その強度かもしれない。 人が渡っているときにその下を歩くのはやめよう。 |
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旗本遠山家屋敷跡。 中に入ろうと思ったら、少年たちが庭で野球を やっていたので、遠慮してやめた。 そう、ここでは観光客が主ではない。 この町で生活してる人たちが主なのだ。 このあたりの関係性が、 大正村の一番ユニークな点と言っていい。 人が生活しているモデルハウスに見学に行く というのに少し似ているかもしれない。 |
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大きな蔵だろうか、違う建物だろうか。 板張りがちょっと珍しいと思った。 |
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古いレンガ風の煙突と、現代的な喫茶店。 このへんははずれなので観光客用というより 近所の住人用だろうか。 |
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そろそろ時間もなくなってきて、 最後に八王子神社へ向かった。 これはその途中に出会った光景。 わー、なんか、すごく懐かしい風景だ。 私が小学生だった昭和50年代はじめあたり、 こういう家並みが広がっていた。 トタン屋根と瓦屋根が混在してる感じ。 興味深かとです。 と、何故か九州弁でつぶやいた私であった。 |
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八王子神社という呼び名は、天照大神の 八人の王子が祀られているところから来てる のだとか。なるほど、それで八王子か。 東京などの八王子もそうなんだろうか。 それはともかく、この八王子神社は古く、 平安時代から1,000年もこの地にあるという。 |
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境内に柿本人麻呂神社があった。 なんでかと思ったら、明智光秀が柿本人麻呂好き だったらしく、それでここに神社を建立したという ことのようだ。 その前には光秀手植えの楓もあった。 |
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本堂はさすがに歳月を経た風格がある。 こりゃいいや。 神社仏閣に関しては、たいていのものは 古ければ古いほどいい。 ありがたみを感じる。 |
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上から見た大正村の町並み。 こうしてみると、大正村がテーマパークではなく、 普通の町だということが分かる。 しかも、民家の数は少なくない。 だから、全体の印象としては大正時代ではなく、 あくまでも平成の田舎町だ。 |
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大正村からの帰り道、車を走らせていたら、 巨大な何かの像が目に入ったので、 車をおりて確かめてみると、 巨大なコマ犬だった。 でかっ。 瑞浪市にある八王子神社の (明智のとは関係があるのかないのか知らない) 美濃焼で作ったコマ犬、自称世界一。 たぶん、地球一だと思う。 |
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参道に並べられた、美濃焼コマ犬コレクション。 | |
おお、これまたなんとも田舎の村落風景だ。 うちの田舎と似ている。 |
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大正村は、結論から言うと、おすすめの場所だ。 ただし、明治村のようなものを想像するとこける。 思っていたのとは違う部分で色々感じるところの多い場所だった。 有料館に入ってないので大正の空気をあまり感じることができなかったのだけど、それでも充分楽しむことができた。 いい意味での違和感があって、それが不思議な感覚を与えてくれる。 人が生活してる町に観光客として紛れ込むというのは、ありそうでない。これまでに味わったことのない独特のものだった。観光の町はどこにでもあるけど、ああいうのとは違う。 町で生活してる人たちがこちらに干渉してこないのだ。かといって煙たがってるというふうでもない。そういうものだと受け入れているのだろうか。 大正村は、なんだかとても不思議なところだった。 言葉では説明しきれない魅力がある。 お近くの人はぜひ行って確かめてください。 場所: 岐阜県恵那市明智町1884-3 営業時間: 午前9時〜午後5時 休み: 年末年始の2日間(ここらが普通の施設とは違うところ) 駐車場: 一日500円 入場料: 無料 ただし、4館共通入場券は500円 公式サイト |