2005年3月30日
「明治村、再び-1
(めいじむら、ふたたび)
愛知県犬山市
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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明治村のチケットがもう一枚あったので、
前回でほぼ回り切ったとはいえ、
せっかくなのでもう一度行くことにした。
さすがに5日しか経ってないと、
お馴染み感が強い。
この前の続きみたいに思える。
この日は天気もよく、学校も春休みということで
人がたくさんいた。
前回が少なすぎたのだろう。
これくらい賑やかな方がかえって落ち着くし、
安心感もある。
前回、帝国ホテルの中に入らなかったので、
今回は入ってみた。
ここは喫茶室になっているスペースと、
その他の展示、再現コーナーとに分かれている。
写真のこれは、ポーツマス条約が締結された
ポーツマス講和会議で使われた実際のテーブル。
ビリヤード台ではない。

帝国ホテルのテーブルを再現したもの。
上品だけど、なんとなく昼メロを思い出す。
何故昼メロなんだ、私?
こんな繊細なグラス類がたくさん並んでいる
ようなテーブルでは私は落ち着かない。
マチャアキだって、こいつのテーブルクロス引き
は成功しないだろう(いや、するのか?)。
新潟にあった、高田小熊写真館。
サツキとメイの家みたい。
白とピンクのカラーリングと、
三角屋根の形が。
あれは日本家屋に洋館を建て増しした
という設定だったと思うけど、
これが当時の木造洋館としては
ひとつの典型的なスタイルだったんじゃないか。

前橋監獄の雑居房。
ちょっと江戸時代風にも見えなくもない。
監獄というより、レトロな牢屋といった感じだ。
一部中に入ることができて、
入獄気分がちょっとだけ味わえる。
あまりにも何もない部屋の中を見ると、
これじゃあ誰か人でもいないと退屈でやって
られないなと思う。
独房の方が気楽でいいと思ったりするけど、
実際独房は思っている以上につらいのだろう。
こちらは金沢監獄の独居房。
見事に何もない。小さな洗面所だけで。
こっちでは独居房入獄体験ができる。
朝昼晩の食事はこれだけ。
これだけでは私でも少なすぎる。
食いしん坊バンザイの人は耐えられない。
かつての監獄はこんな少ない食事だったのか。
映画『刑務所の中』を観ると、
最近の刑務所の待遇はものすごく
よくなっているようなんだけど。
東京駅警備巡査派出所。
これまた洒落た建物だ。
いいことだと思う。
最近は地域によって個性のある派出所も
あるけど、あまりにも愛想がなさすぎる。
庶民のための警官、派出所というなら、
もっと庶民に親しみやすいスタイルにしたら
どうだろう。
明治村の建物を見てると、日本人はいつから
建物に対してこんなに鈍感になってしまった
んだろうと思う。
小那沙美島燈台。
小型灯台だ。
瀬戸内海の宮島の隣、
小那沙美島という小さな島のものだったらしい。
天童眼鏡橋。
メガネの形をしてるから、眼鏡橋。
ちょうどいいタイミングで白鳥が通りかかった。
偉いぞ、白鳥。撮影慣れしてるな?
将棋の駒で有名な山形県天童市にあったもので、
正式な名前は多嘉橋。
こういう形のものを総称して眼鏡橋というようだ。
隅田川新大橋。
こんな頑丈な橋が必要だったのか?
と思ったら、この上を市電が走っていたのだ。
それなら納得。
鉄材はすべてアメリカ製らしい。
デザインは無骨だけど、どこか品がある。
こちらは、東京蒲田と神奈川川崎の間の
六郷川に掛かっていた、国内初の複線用鉄橋
ということだ。
現存する最古のものらしい。
デザインは見慣れた感じのものだけど、
そういういわれを聞くと、へえと思う。
今回の目的のひとつに、走る蒸気機関車を撮る、
というのがあったのだけど、
残念ながらいい写真が撮れなかった。
やっと撮れたのがこの一枚。
運よくいいタイミングでいい場所に
通りかかったら撮ろうというのでは、
ちょっと甘かった。
ホントにちゃんと撮りたければ、
運行時間を調べて、撮影ポイントで
構えておかないといけないだろう。
工部省品川硝子製造所にある、
ガラス製品ショップ。
なかなか心惹かれるものがあったけど、
買うのは我慢しておいた。
お土産にはいいけど、自分用だと買うだけで
結局使わないような気がするから。
隣ではデンキブランという名物カクテルなどを
飲ませてくれる汐留バーが営業している。
ここも前回行けなかった、
日本赤十字社中央病院病棟。
西南戦争のときにも使われた病棟らしい。
しかし、なんだか人の出入りが激しく、
あわただしくて様子が変だ。
中で何かの作業をしている。
見学できる室内が何やら物置のようになってる。
何してるんだ、と張り紙を見ると、
映画『春の雪』の撮影準備のため、
一部公開できませんというよりなことが
書いてある。
なんだ、『春の雪』って?
外でもかなりの人数がセットを組み立てたり、
準備をしたりしていた。
ちょっとしたシーンの撮影に使うというより、
ここらの建物を含めた空間ごとセットにして
大がかりな撮影をするようだ。
たくさんの機材が持ち込まれたり、
トラックなども入っていた。
すれ違いざま、
おお、行定勲監督だ!(先頭の左側)
と驚いた。思わず振り向いて写真を一枚。
少し前なら『GO』、最近なら『世界の中心で、
愛をさけぶ』や『北の零年』の監督といえば
分かる人も多いんじゃないか。
テレビや雑誌で見るそのままの雰囲気だった。
帰ってきてから知ったのだけど、
『春の雪』は三島由紀夫の小説で、
妻夫木聡と竹内結子主演で、公開は今年の
秋だという。
もう少し遅ければ撮影風景も
見られたかもしれない。
同い年の「若き巨匠」行定勲監督に会って、
若干動揺しつつ、
明治村巡りを続ける。
ここは第四高等学校物理化学教室。
(のちの金沢大学)
古い大学講義室も入れるようになっている。
入ろうと思ったら先客のカップルがいたので
素通りした。
東松家住宅の室内だったと思う。
油問屋の店先だろうか。
昔の商家の作りで、番頭さんが座るところが
入り口から入ってすぐのところにある。
この日はやたらドイツ人がたくさんいた。
あ、異人さんだ、と見ると、
ほとんど全員ドイツ語を話していた。
みんな数人で行動してたけど、
たぶんツアー客だったのだろう。
愛知万博とのセットだったのかもしれない。
ドイツ人は旅行好きでも有名だけど、
日本人同様、おばちゃん、おじゃちゃんは
楽しそうにしていた。
一方で、若い女の子などは
少し退屈してるように見えた。


 続けざまの二回目ということで、あまり収穫は期待してなかったのだけど、前回回り切れてなかった建物が思った以上にあって楽しめた。
 それと、行定勲監督と会ったのは思いがけない収穫だった。
 いやぁ、ここは楽しいなぁ、とあらためて思った。

 そして、まだ明治村、再びは続く。
 明治村、再び-2へ。

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