雑感書評-雑感

省庁再編から一年


新しい年、平成14年になりました。昨年は、仙台の准看護士の事件とか色々ありましたが、やはり第1位は「中央省庁の再編」ってところでしょう(異論は有るでしょうが)。周知の通り、昨年の1月6日に新しい省庁体制が発足し、今までとは違う名前の役所が幾つか出来ました。具体的に言うと、総務省、財務省、厚生労働省、文部科学省、経済産業省、国土交通省、環境省、なんてところが新しい役所。取りあえず、本稿では省庁再編から1年経って、ということで振り返ってみましょう。とは言っても、普通に振り返ってみたのではこのサイトらしくないので、ずばり「名前」というかなり偏った視点から見ることにします。

<総務省>
総務省は、消防から郵政まで業務的にあれこれ詰め込みすぎ。総務省というより「雑務省」とした方が適当。余談だが、その昔、GHQが内務省を「雑務省」にしようとしたところ、鈴木俊一元都知事らの反対で潰えたという逸話があるそうな。

<財務省>
「大蔵省」という名前は随分と古くから有るらしいので、その名前が消えたというのは改革を象徴する一つの出来事かも知れないが、実は「大蔵省」の名前が消えたということで各方面に思わぬ影響が及んでいる。例えば「G7」を日本語では何と言う?と聞かれて「先進7カ国蔵相・中央銀行総裁会議」と答えたくなるところだけど、今は「先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議」でなければならない。英国にも「ブラウン蔵相」という人がいるけど、報道では既に「ブラウン財務相」という呼称にいつの間にか変わっているので注意。日本ですら「大蔵」という名前を使わないのに、外国に使う理由は無いわな。

<厚生労働省>
さて、厚生労働省に限らず今回の再編では4文字の役所が増えたのも特徴の一つ。それにしても、この「厚生労働省」というのはネーミングのセンスが全く感じられない。略称は順当に「厚労省」となるのだろうが、これが全く浸透してない。文字面で「厚労省」は見るけど、未だに「こうろうしょう」と発音している人は見掛けない。

<文部科学省>
文部科学省も「文科省」と略される。「もんぶ」と「もんか」は一文字しか違わないので、1年経ってみると、それ程の違和感なく受け入れられているような気がする。

<経済産業省>
経済産業省の前身は通商産業省、略して「通産省」。これは逆に通産省の正式名称は何だっけというぐらい浸透しまくっていた。しかし「経産省」はまだ馴染み薄し。何か「計算省」みたいなイメージ。一方で、「経済省」という略称もあるみたいだけど、これを使っているのは他ならぬ経済産業省の役人しかいないので、定着することはあるまい。厚生労働省を「厚生省」と略したらやっぱり変だろ。「産業」はどうでもいいのか。

<国土交通省>
国土交通省は略して「国交省」になるけど、これだと何か外交を担当する役所みたいなイメージが沸いてしまう。国交省がいつの間にか北朝鮮と国交を結んでたりしたらやだろうな。

<環境省>
環境省そのものはどうでもいいんだけど、省になったせいで「環境大臣」というのが出来たわけで、朝日ソーラー㈱の「環境大臣」はまだその名前を使えるのかというのが他人事ながら心配。

まぁ言うても、なんでんかんでん4文字にしてしまう日本人のこと、まだ数年は掛かるとしても、いつかは略称が定着するのではないかと予測しております。読者の皆様もそういう点に注目してて下さいな。

尚、省庁再編により業務が効率化されたかとか、融合が進んでるか、というような真面目な分析は他のサイトでご覧下さい。


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