英国情報-名所旧跡関係

戦時内閣執務室

Cabinet War Rooms


 日本のガイドブックには余り載っていないと思われるが、英国では結構な人気スポットとなってるこの「戦時内閣執務室」についてのお話です。ここは第2次大戦中に首相官邸の地下に造られた防空壕兼臨時内閣執務室で、1945年8月16日に撤去されて以来、忘れかけられていたのをサッチャー政権の時に公衆に開放したもの。再現したものではなく、当時のままの状態で保存されていた本物、というところが味噌。前述の帝国戦争博物館の分館という位置付けとなっている。

 入口には土嚢が積まれており戦時下だぞという雰囲気を出している。中では音声ガイド(日本語はなし)を借りて、その指示と解説を聞きながら進む手筈が整えられている。先ずは簡単な戦争関係の展示。これを見て復習をしてから中へ進めということか。チャーチル、ルーズベルト、スターリンの写真と、その反対側にヒトラー、ムッソリーニ、昭和天皇の写真が並べられて、連合国と枢軸国との対決ムードびしびしという感じを出している。でその写真のキャプションを見てつくづく思うのだが、何故に英国人(に限らず欧米人)は昭和天皇を"Hirohito"と呼び捨てにしてやがるんかねえ。自分等の王様が名前だけだからってって、勝手に一緒にすんなっていうの。日本の生粋の左翼でもなかなか「裕仁」とは呼んでないと思うのだがどうだろう。まとにかく、もっと"Emperor Showa"を普及させるべきだと思う。まさか欧米人も日本の最初の天皇を"Kamiyamatoiwarehikonomikoto"などと言いたくはないだろう。余談だが、"Hirohito"は英国でも抜群の知名度を誇っている。クラスの英国人は「日本人で知ってるのは一人だけ、Hirohitoだ。」と言って憚らなかった。さすがにこいつあほかと思ったが。

 全く話がずれたが、そんなこんなで進みますと、閣議が開かれていた部屋(画像。暗かったので粗いです)を見ることが出来ます。英国の博物館に必ずある蝋人形付きで。但し、ガラス張りとなっていて中に入ったりは出来なくなっている。 そして長い廊下を渡り、ガラス越しに閣僚達の部屋を見学。この部屋はベッドと机と電話が有るだけの粗末なもの。ベッドが有るということは、戦時下ではここで寝起きしていたということである。チャーチル用の部屋にもベッドが有るが、これは他の人の部屋とは違って格段に立派に造られている。ま首相だからしょうがない。

 他には無線室や地図室等がそのまんま残されている。特に地図室には極東の地図(画像)が大きく掲げられ、対日戦線を如何に戦うか思案を巡らしていた当時そのままである。解説によれば、"VJ day"(1945年8月15日)の翌日に閉鎖されたときのままとのこと。こんなものを公開してしまうところが英国らしい。 尚、地図をよーく見ると東京のところに"Tokio"と書かれていた。「トキオ」を発明したのは糸井重里ではなかったのだ(全くの余談)。

 結局のところ要するに、チャーチル達はこういう苦しい地下の生活を続けながら戦争を指導してついには大英帝国を勝利に導いたのですパチパチ~(拍手)、という宣伝な訳で、英国人の愛国心なり大英帝国への郷愁を誘うところが人気の秘密なのではと勝手に詮索してみたが、よく考えれば当たってる筈である。ここもそうだけど、戦争そのものをどう考えるかという思索は全くなし。売店では呑気に戦車のプラモ売ってる。

 日本も大本営を残して公開すれば面白かっただろうに。

場所 Clive Steps, King Charles Street, London SW1A 2AQ Westminster or St James's Park
値段 £5.40(£3.90)
電話 020 7839 5897


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