![]() 新潮文庫 |
![]() 著者は精神科医であるが、本書は精神科医の目ではなく、患者の視線から描かれている点が特徴なんでしょうね。 (10/11) |
![]() 新潮文庫 |
![]() そうは言っても、土方の生き方そのものに共感できる場面は、局地的にはあったとしても、やっぱり大局的にはどうかねというところ。新選組の中では己の役割をしっかりと認識し、嫌われ役になっても隊をまとめるという使命感のようなものがあったが、これが箱館まで来ると、何だかもう死ぬことしか考えてない奴になってしまう。 一応、函館市の土方歳三最期の地というところに行って、お墓参りのようなことはしてきましたが。(10/11) |
![]() 集英社 |
![]() 表題作の「第三の時効」が一番緊迫感があるが、どんでん返しという点では「ペルソナの微笑」も捨て難い。「囚人のジレンマ」では捜査一課長ってやっぱり大変なんですね、という中間管理職かつ指揮官という立場の難しさがよく分かる。と言うわけで、どれが一番というのは難しい。それぐらい傑作が揃っており、相変わらず横山秀夫は上手い。 因みに、私の本は著者のサイン入りです。(自慢)(10/11) |
![]() 文春文庫 |
![]() でこの兄ってのがとんでもない奴。もう病気としかいいようがないくらい金にだらしがない。そんな兄に金を貸す弟(=著者)も弟だが、そこは兄弟が故の特殊な関係ってことで外部には分からないのかも知れない。でもそこが分からないと、結局、ひでえ兄だ、で終わってしまうような気もする。 よく読むと、なかにし礼の成功体験期として読めなくもない。(10/11) |
![]() 新潮新書 |
![]() 因みに、プーチンは大統領に就任した当初、BBCでは必ず「元KGBスパイ」という言葉とともに紹介されていた。しかし、本書を読む限り、プーチンはそれほど有能なスパイだったという印象は受けない。東独時代のドレスデンに赴任したりしていたが、途中でKGBに失望して自らレニングラードに戻っている。この辺は興味深い。 一口メモ。チェチェンへの軍事侵攻はプーチンの指導力を誇示する為の策略だったという元政府幹部の証言が紹介されている。 (10/3) |
![]() 新潮文庫 |
![]() 因みに、本書は旭川の三浦綾子記念文学館で買ってきたものです。どうでもいいけど。 (10/3) |
![]() 岩波新書 |
![]() 因みに、現在の外務省も、外交は情報が重要、情報収集は日頃からの個人的な友好関係の構築が重要、よってパーティーやレセプションが重要という発想から全く抜け出ていない気がする。 (10/3) |
![]() プレイブックス・インテリジェンス |
![]() 赤坂プリンスホテル旧館は、なんか新館に比べると味のある建物だと思っていたが、元は李王家の東京邸だったということは本書で初めて知った。 ところで、最近は、朽ち果てるに任されていた洋館を自治体が整備する動きが進んでおり、良い傾向だと思われ 。 (7/17) |
![]() ちくま新書 |
![]() 題名からすると、平和憲法万歳的な本のように見えなくもないが、そう単純な本ではない。中心的な議論は憲法改正論議に立憲主義の考え方を持ち込むべきであるというものだ。立憲主義とは、とっても簡単に言えば、異なる価値観を持つ人々が共存していくための理念・枠組みのことである。多数決と立憲主義は緊張関係にあり、多数決で決まったものを立憲主義がブレーキを掛ける関係にある。 例えば、最高裁には違憲立法審査権があるが、これはすなわち国民の代表者が国会で制定した(つまり多数決で決めた)法律を、民主政治のプロセスからは独立した位置にある裁判所が違憲と断じるという仕組みとなっている。 憲法9条改正論議については、9条は準則ではなく原理を示したものだとする。原理なんだから、細かいところまでは憲法上に書き込む必要はなく、よって自衛の為の武力の保持を認める云々の文言の追加・改正は必要ないとしている。これは、例えば、表現の自由は憲法上保障されているものの、実際には様々な制約(名誉、プライバシー等)がある。だからと言って、そうした制約があることを憲法に書き込む必要はない、なぜなら憲法21条は原理を示したものだから、というようなことらしい。この議論、分からんでもないが、やや決め付けの感がある。 その他、コンドルセの定理、比較不能な価値の迷路、線を何処に引くか合理的理由はなくても引かれた線を守ることには合理的理由がある、等の長谷部節が随所に出てくるので、気になる人は気になるだろうが、いずれ多数説にならないとも限りませんよ。 (7/17) |
![]() 新潮文庫 |
![]() 舞台は銀座の老舗デパート大松屋の外商1部。第2課の課長が主人公だが、キャラクターがはっきりしなくて、単なる真面目なサラリーマンというだけの気もする。で、妻の不倫、娘の万引きが絡み合って崩壊していく家庭と、左遷される主人公の模様が交互に綴られていく構成になっている。 因みに、嫌味な店次長が東大出という設定が安直。 (7/12) |