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エッセイ


描きたいものを自分に忠実に

1998.9.15 るうゑ通信No31

  ことし五月、東京銀座の画廊宮坂での個展を無事終え
て、ただいま小倉・画廊リブでの個展に向かって準備の真最
中です。今回は地元での開催ということで何となく安らいだ
心境での制作風景のようです。


  制作しながら感じることですが、作家はやはり制作しなが
ら自分自身の心の内奥に向かって少しずつ進んでいくので
はないでしょうか。そこには邪心もなければ難しいしがらみも
ありません。あるのは集中・執着する心と、葛藤・模索する自
分と、それをある時点でどうやら容認する自分があるようで
す。


  難しいことをいろいろ考えずに、描きたいものを自分なりに
忠実に描きたいものです。自分自身の心を投影させた作品
でなければ、相手の心に響くはずもないのです。そういうこと
を思いつつ制作をしています。


  また地方に住んでいるので機会はあまり多くはありません
が、美術館や画廊に行って感じることは、いわゆる綺麗な絵
が多いということです。技法的には申し分なく、上手に描いて
いるのですが、どうもこちらに感動が伝わってこない。もっとも
鑑賞するこちらに原因があるのかも知れませんが。


  また逆に、技術もないように思えるし、描き方も決して綺麗
ではないけれども妙に心を打つものもある。何かを訴えようと
して引き付けられる作品もある。また主張を少しおさえた東
洋的空の世界につらなる魅力ある作品もある。こういう作品
は中々飽きないものです。


  こちらも制作者の側に立っていますので、あまり批評を言
える立場ではありませんが、感じたことを自分自身の反省材
料として頑張りたいと思います。


銀座での初個展体験

1997.8.1 るうゑ通信No17(絵描きのるうゑ抄)

  去る五月二十六日より一週間、銀座七丁目の画廊宮坂に
て、画廊主の御好意により個展を開催させていただきまし
た。学生時代は東京在住でしたが帰郷後はずっと北九州住
いで、あまり東京に縁がありません。


  その銀座で自分を客観視して、また全国から集まるコレク
ターに方々の酷評を受けてみようと思い立った訳です。準備
期間は二ヶ月で慌しかったのですが、初めての経験としては
よいものでした。


  開催前にいろいろ御指導受けた中に、もし銀座で個展を開
いて全く関係のない他人のコレクターの方が一枚でも絵を買
って下さればよい方です。それほど銀座はきびしいものがあ
ります。まして初めての個展で知名度もありません。その当
初の目標は、どうにか画廊の御努力でクリアーしたようです。


  これからも画廊の方々に御迷惑をおかけしつつ、自分の心
の絵を、何を描いても自画像であると思われる絵を発表して
いこうと決意を固めているところです。


  高校時代に京都でピカソ展があり、先輩と見に行って以来
今日までずっと絵画を鑑賞してきた訳ですが、やはり感じる
事は日本人の絵は日本の風土、社会性、そして日本人の心
に根ざした作品が、表現の方法は様々あるでしょうし、技術
的な問題もあるでしょうが、一番相手の心を打つように思いま
す。


  最新の技術を駆使した絵よりも小学校一年生のぼくのお
父さんを描いた作品の方に心が打たれるものです。また西洋
に留学し印象派等の絵画の手法を学んで帰国された大家の
先生方同様に、ずっと日本にいて放浪のような生活をしなが
ら自分の心に忠実でありえた画家達にも心が引かれるもの
があります。


  21世紀は美学の時代と言われます。本物志向の時代で
す。お互い自分をみがいて美の道を追求しましょう。


 

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