大変難しい質問である。オープンシステムで家を造った人しか、答えることができない。そして、良い方法であったという方と、悪い方法であったという方もあろう。または、この方法しか知らないから、比較できないという人もいるだろう.。

会員によっても、設計力、管理能力が違うし、専門業者によっても違う。また、設計者や施主の相性も結果に大きな違いがでる。損得以外に家づくりはいろいろな条件があり、信頼関係ができそうな気がするのは、最低必要条件であると思う。

大きく分けてトラブルになる要素としては、デザイン、計画などの施主が求める設計能力があるかどうか。施主の話し合いにて予算内に収める能力があるか。専門業者とともに工程管理と作業管理をして品質を確保する能力があるか。トータルとして施主の要望、希望をつみとり完成建物を満足してもらえるかどうかの能力はあるか。

ここまで書くとそんなこと本当にできるの。そんなこと約束できるのと。でもそのぐらいの覚悟がないと、オープンシステムにて建築などできない。そのぐらの気持ちが必要と思う。オープンシステムは現場がはじまると逃げることはできないし、やりとげるしかない。それが最低限やるべきことで、それで報酬をもらっているのだ。

友人にゼネコンの社員やその下請けの社員や工務店をやっている社長もいる。そんな方法はできるわけないと言われることがある。または、自分たちがやっていることと同じようだという。でも、いつも私は話す。高いオープンシステム業務料と同じ会社経費と現場経費を、下請け業者の発注金額を施主にしめせますか。私たちは、力量の差はあると思うが、原価をしめしていると話す。違う立場で仕事をしていると思う。

オープンシステムは、コンピュターシステムや生産システムのシステムと同じ言葉なのだが、少しちがう。ただのやり方のほうがしっくりいく。先ほどの建築のよいやり方の話にもどるが、依頼者、設計者、専門業者の家づくりであるが、かかわる人の性格、資質、考えかた、責任感等により、180度違う結果になりうる危険性も持っている。

第一に、施主の責任感とはなんであろうか。たとえば、分かりやすく、キッチンを決めるとしよう。国産メーカーあり、輸入品あり、オーダーメードありです。多くの選択肢のなかから、設計者販売店と価格、仕様、サイズ、すべて決めなくてはならない。施主と設計者は、これからの生活から、IHか。都市ガスか。設計者と相談しながら、きめる。決めて発注したら、当然変更はできない。お金も払はなくては、ならない。

設計者は、施主の要望を良く理解し、選択肢をある程度しぼりこみながら、ショウルームや、カタログ、メーカーの資料や施主の質問に答えながら、アドバイスし、満足の結果をださねばならない。今日のセミオーダーでなく、オーダー的発想で、間取りもこれから、大きさもこれから、なにからなにまで、自由なのだから。施主、設計者は決めることは両方の大きな責任がある。また、世間の工務店発注の原価で施主に提供することも予算管理の重要な責任である。施主の予算との相談も全体予算を把握しながら、考えるのである。家はあらゆるパーツ(部位)ごとに選択があり、選択の決定が終わって、予算オーバーでは、振り出しにもどってしまう。

専門業者も設計者と同様、設計者と協力し、コストや仕様の協力も必要になる。そのようなことが、面倒だという建主や、設計者、専門業者は、お互い良い結果をだす素質はない。お任せや、安請け合いなどのよい結果には、ならないだろう。価格の透明性と納得の家づくりとは、施主も設計者、専門業者もすべて良識と責任感は絶対条件かもしれない。

そうでなくても、オープンシステムによる家づくりはできるが、良い結果がでるとは、かぎらない。とはいっても、私も第1号のときも、そのようなことは考えもしなかったし、施主も同じであろう。つぎ、つぎと工事を経験してきたが、無我夢中であったし、施主もみんなOSなどはじめてで、意識などしていなかった。だだ、いえることは、いろいろな打ち合わせの中で、プラン、コストを共に考えている間に、施主も設計者もこの人ならと確信を持ってことに望んだのではないだろうか。

設計者である私も信じてくれる施主に納得してもらうよう努力は少しもおしまなかった。そんな姿をみて、専門業者さんも協力をおしまなかったと感じている。業者さんもいろいろな事情でで、当初の業者さんと現在進行している現場の業者さんも違うこともあるが、その現場、現場で、しっかりと責任をはたしてもらったと思っています。

はじめの“オープンシステムはよい建築方法といえるのか”の答えは、施主によっては、オープンシステムがもっとも良い方法になり得る可能がある。条件として、3者である施主、設計者、専門業者がお互い信頼しあってしかできない唯一の建築方法です。ただ単純に、オープンシステムで安く、良い家が建つとの考えは、間違ってはいないが、大きな誤解も含んでいる。

そんなことを書くと、オープンシステムは、あまりよい方法ではないと思われ方もいるでしょう。上記の説明は、工務店の一括請負にも当てはなることで、施主と工務店、ハウスメーカーも信頼は欠かせない条件にちがいありません。

信頼を得るために、こまめに動く営業マン、仕様を確認するためのモテルルーム、豪華なパンフレット、粗品がもらえるオープンハウスありとあらゆる手段で信頼、契約をしてもらうために必死である。しかし、私や専門業者は、そのようなお金も力もありません。

施主から依頼された家づくりをまっとうするしかありません。家を売るのではなく、いっしょにいい家づくりを共にすることで、信頼を得ることが唯一の方法です。

以上の文章の意味を理解できる人のみがよき理解者であり、唯一オープンシステムが結果としいい方法であるといえるのです。

その違いが理解できそうな方が、私たちの理解者であり、求める施主なのです。

  平成18年6月の私の考えであります。将来の経験や他の会員の状況により変わるでしょう。

オープンシステムはよい建築方法といえるのか。