はじめに
住宅を計画されるされる方は、設計事務所に相談する方は非常に少ないと思われます。
では、どのような経緯で当社に相談にこられたのでしょうか。
- 建物が老朽化して、建て直す事を考え、ハウスメーカーの展示場へ言ったところ、頼まないのに無料でプランと見積もりを数社が自宅もってきた。要望もきちんと話さないのに、価格が先行して、高いので予算では難しいと思っていたところ、共通の知り合いから一度相談したらと言われこられました。
- オープンシステムの事をラジオで聞き、すぐ本を買って、オープンシステムの説明を聞きに来られました。一生一度の買い物ですので、色々見たほうが良いとの言葉で住宅展示場や近くの工務店に足を運びましたが、ある工務店でプラン図面の変更は3回までと言われ、ご夫婦の要望の家づくりは出来ないと思い当設計事務所に来られました。
- インターネットでオープンシステムを知り、連絡が入りました。現在の住まいと建築現場が遠いので、現場監理を重視しているかの質問がありました。週一回ぐらいかとの質問で、ほとんど毎日ですとお話したら、事務所に相談にこられました。
- 昔からの知り合いで土地の購入の件で相談に来られ、オープンシステムの本お貸ししたら読んでくれて、家を造る事となり再度相談にみえました。
- ある建設会社に外構工事を依頼しましたが、説明がなく依頼主の望んでいたのとは違った物がつくられ、住宅建設に対し不信感をもっており、住宅の建設は棚上げになっていました。本屋さんで、オープンシステムの本に出会い、何度も読まれていて、相談にこられました。
- 同級生の集まりで、オープンシステムの話をしたところ、クリアーでよいとの事で相談にきました。
- 知り合いから、一般の請負方式と違った方法でやっているとの話を聞き、どんな方法なのかと相談にこられました。
これらの経緯は、依頼者との打ち合わせの中で、私が聞いた範囲での言葉です。共通点らしい物はありませんが、個人の理想を描ける、良いものを安く納得した価格で家づくりをしたいのではないでしょうか。先日大工さんから、水村さんの依頼者は家づくりを楽しんでいる人ですねと言われ、なんとなく依頼者の共通点を見たように感じました。これからの一生の住みかを職人さんの顔が見える、設計士の顔が見える家づくり。職人さんと設計士は建主の顔が見える家づくりを通し、生きがいを感じるのではないでしょうか。
最後に価格の見える家づくりの第1ページにオープンシステムの説明があり、一番分かりやすいと思いますのでで引用します。
オープンシステムを一言で言うと、ハウスメーカーなどの元請会社に退いてもらったということです。つまり、従来の一括請負方式から、建築主主導の分離発注への転換です。建築主の委任を受けた設計事務所が代理人となって、建築のプロセス全体を統括しながら建物を完成させます。オープンシステムの設計者は、計画から完成まで建築主にとってどのような選択が最善かを常に考えながら、価格も含めて全ての情報をオープンにして建築が進められます。
平成16年6月記
上記の赤は価格の見える家づくりに書かれていることですが、私の言葉で説明いたします。オープンシステムは建築主、設計事務所、各元請専門業者による家づくりです。設計事務所と依頼者はパートナーであり、建築現場では、設計事務所は施主の目をもった施主代理人として、専門業者には、現場代理人として対応します。情報をオープンにしなければ、選択はできませんし、オープンンシステムにより建物の完成はできません。施主と設計事務所、専門業者のシンプルな関係の家づくりで、従来のハウスメーカー、工務店などの一括請負方式とは、発想も考え方もまったく違います。
以上