沖縄旅行記 2001年9月 迷走颱風(5)

「おばぁは大和の言葉が喋れないから、ウチナー口と半分ずつ混ざるから、みんな解らないねぇ。」と謙遜して仰いますが、ほとんど標準語でお話しして頂きました。おばぁの家は亡くなったおじぃが建てられたそうで、その後改築をしているのですが、ほぼ沖縄伝統家屋です。Kの名前の上半分の漢字をカタカナにするとそのままおばぁの名前になるからか、おばぁはKのことを「ひこぉ」と呼んでいます。
「ひこぉ〜。これ持っていくさや〜。おばぁが取ったバンシロー(グァバ)、ちゃんと運ぶさや〜」と声を掛けます。それを運ぶKはわざとか?と思うような良いタイミングで、グァバをバラバラとこぼします。それを見たおばぁが嬉しそうに
「仕方ないねぇ〜。それじゃ、おばぁが運ぼうねぇ〜。」と拾うのだ!おばぁと孫は良い雰囲気で、おばぁはまるで初恋の人に出会った少女のような可愛らしさなのだ!そ、それってナビィの恋・・・・!!
おばぁが台所に戻ったきり、出てこなくなってしまった。そのうち、台所からジュージューと何かを炒めている音と美味しそうな香りが・・・。まだ11時前なんだけど、、まさかおばぁ!お昼ご飯を作ってくれようとしているのでは!?一同沈黙。もう私は耐え切れずに笑ってしまった。イキナリ押し掛けてご飯まで作ってもらうのはあんまりなので、Kにおばぁを止めてもらうようにお願いしました。
「今日は商店が休みだから、畑で穫った茄子くらいしかないのよぉ〜」とおばぁがKに運ばせてきたのは茄子とエビの中華風味噌炒め。エビは殻を綺麗に剥いて、切られている。きっとKを喜ばせたくて、ホテルから帰ってすぐに支度をしていたのだろうな・・・と思うと、私は早くにおばぁの家へ来なかったことを、ちょっとだけ、昨日宜野座村へ行ったことを後悔した。(←ちょっとだけだもんね〜!)
おばぁはKの事を「この子は大人しい子なので、このままでは結婚できない」と心配していて、一同苦笑。おばぁの前では大人しい子らしい。おばぁはもう一人の男性には「こちらのにーにーさんは幾つなの?結婚されているの?」と聞いてきたが、私たちには何も聞かないでいてくれた。さすがおばぁ、お心使いありがとうございます!
Kがおじぃにお線香をあげたいというと、「それじゃ、言葉はおばぁが言おうね。」とのこと。さて、なんだろう?と見ていると、おばぁは手を合わせると微笑んで仏壇を見つめ、何か心の中で言っている様子。その表情や目元はまた愛らしくて、沖縄のおばぁはホントに可愛いのだ!
そろそろ空港へ向かわなくてはならないので、お暇することにしました。おばぁも見送ってくれて、みかんの実を「食べられないけど、記念に持って帰るさや〜」と幾つも幾つももいでくれようとした。んが〜、その時放し犬(大きめゴールデンレトリーバー)が出てきてしまい、パニックに。「おばぁは犬が嫌いよ!カーカーよ!」と叫んでいたら、近所の親戚の人が出てきて犬を連れてってくれました。ふぅ〜。落ち着いたおばぁはKに「次来るときは、お嫁さんと一緒にねぇ」と小指を立てて話していました。それまた可愛い〜!Kがその約束を守れるかは不明ですが、一度沖縄式披露宴に出たいので、応援することにした。
「Kちゃんさ〜、もしも結婚できたらさ〜、沖縄でおばぁの為に披露宴してあげるの?」と聞いたら一同凍り付き!ごめんなざいね〜、また嫌みったらしく言っちゃった!テヘ!

おばぁが作ってくれた茄子とエビの中華風味噌炒め。お皿位は洗わねば〜と思い台所に入って、アホマナ驚愕!なんとおばぁのゴミ分別は完璧だった。沖縄の女性はホント働き者のです。そんなおばぁの年齢は「80と余る〜」そうで83歳!これからもお元気でいて頂きたいです。