2008/05/31 「連判状は一人の手になる」という通説批判（２）

2008/05/31 「連判状は一人の手になる」という通説批判（２）


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５月３１日の研究会では、４月に引き続き、会員の田淵さんから「連判状の署名は、各人の手によるのではないだろうか？」と言う問題提起の第２弾がなされた。今回は菊地村連判状「郎」の字を取り上げたものになった。 ⇒資料文書「郎」の字は署名者３０名のうち１２名で使われていて、その全てが名前の末尾である。この日の出席者は少なかったが、太田から参加している佐藤さん（大総代佐藤三喜蔵の子孫）はプリント（⇒資料文書）を見るなり「確かにこれはそれぞれ違う人が書いたようだ」と感想を述べていた。「郎」の字の書き方の特徴は、その字体が大きく２系列に分類されたことだ。それは良の字の後半（カタカナの「ム」の形をしている）部分に現れていて、ひとつはアルファベットの小文字の「ｎ」のようになっていて（１、５、６、７、９、１２番）、もうひとつはアルファベットの「ｗ」を斜めに傾けたようになっている（３、４、８、１１番）。このことは例えば、字を習う時に手本にしたものが２系列あったことを物語っている。最初は田淵さんの提起に懐疑的であった会員も、通説への疑問を次第に高めたようだった。連判状の書き手の調査分析は、今後さらに周辺の村落のものへと広げていくことや、当時の寺子屋の様子を調べてみることが確認された。
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