2008/05/07 「連判状は一人の手になる」という通説は本当か？

2008/05/07 「連判状は一人の手になる」という通説は本当か？


..[↓] 1
４月１９日に行なわれた研究会で、会員の田淵さんから「連判状の署名は、各人の手によるのではないだろうか？」と言う問題提起がなされ、”５万石騒動連判状は（村ごとに）誰か一人の手になる」という通説は本当か？ --- 菊地村連判状「吉」の字に見る真相”と題するレポートが提出された。 ⇒資料文書従来の説によると連判状の署名は、誰か筆達者な農民が代筆したと言うもので、理由は連判状全体の印象がよくまとまっている全体をぱっと見たときに一人の手に見える当時の農民で名前の書けるものは少なかっただろうと言うことのようだ。しかし、今回署名を１つ１つデジタル処理しながら解読作業をしているととても同じ人物の手による字とは思えないものが多いことに気付いたのだ。菊地村の連判状には３０人の署名があるが、その中で「吉」と言う字が最も使われていて８人の名前に含まれていた。先のレポートはその「吉」の字に焦点をあてたものだ。確かに１画目の横棒を水平にしてそろえたとき、３画目の横棒の方向が右上がりから水平かやや右下がりのものまである（赤線）１画目の書き出しの筆の入る方向が、１画目の横棒に対して、斜め上からの場合、水平の場合、斜め下からの場合とばらばらである（青矢印）最後の１画の方向には、ほぼ水平のものから、右下の方向に急角度のものまでいろいろあるまた江戸の末期では農民と言えども寺子屋などもありかなり字が書けたはずだ当時の農民は商人や親戚などからかなり借金をしており証文などに署名捺印していたはずだ命がけの決起を約束する連判状に代筆と言うのは筋が通らないと言うことも考えられる会合では、「違うと言われれば違うようにも見えるが、同じだと言われれば同じにも見える」「従来の説を覆すにはもっとたくさんの字や他の村の検討も必要だ」と言う意見が大勢を占め、今後さらに検討していくこととなった
..[↑] 2
関連記事 ⇒2008/04/20 五万石騒動連判状の解読を始める ⇒2007/10/13 連判状一挙１７枚公開展示 / 高崎五万石騒動 ⇒ミント学習教室のトップページへ ⇒ミントアプリケーションズのトップページへ