2014年 8月 外国語教育メディア学会(LET)第54回 全国大会(福岡)
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福岡大学
■日程 | 2014年 8月 4日(月)〜 6日(水) |
■場所 | 福岡大学(福岡市城南区) |
■テーマ | グローバル人材育成に資するこれからの外国語教育のあり方 |
ミント音声教育研究所は、外国語教育メディア学会(LET)第54回 全国大会(福岡)において、3つの研究発表と1つのワークショップをおこなう。
- 読解速度自動計測ソフトの開発と教育利用の可能性
- 共同研究発表
- 山口 高嶺 (早稲田大学)
- 神田 明延 (首都大学東京)
- 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所)
- 湯舟 英一 (東洋大学)
- 映画場面検索サイトSeleafのリスニングドリル機能と学習効果
- 共同研究発表
- 湯舟 英一 (東洋大学)
- 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所)
- 1次的読解速度予測に基づく日本人EFL向けリーダビリティ公式とその教育的示唆
- 共同研究発表
- 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所)
- 湯舟 英一 (東洋大学)
- Seleaf という映画シーン検索サイトを使ったワークショップ
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もくじ |
- 読解速度自動計測ソフトの開発と教育利用の可能性
- 映画場面検索サイトSeleafのリスニングドリル機能と学習効果
- 1次的読解速度予測に基づく日本人EFL向けリーダビリティ公式とその教育的示唆
- Seleaf という映画シーン検索サイトを使ったワークショップ
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表題 | : | 読解速度自動計測ソフトの開発と教育利用の可能性 |
| | Reading Speed Measuring Software and its Pedagogical Prospects |
発表者 | : | 山口 高嶺 (早稲田大学) |
| | 神田 明延 (首都大学東京) |
| | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
| | 湯舟 英一 (東洋大学) |
時所 | : | 8月 6日(水) 10:10〜10:35 |
キーワード | : | リーディング、WPM、測定、アプリケーションソフト、操作性、ミューム |
発表の様子
- 発表者らはチャンク単位の読解訓練が速く正確に読む力につながるとの仮説に基づいた教室処遇において、読解速度WPMを指標に用いて学習効果を測定してきた。
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- その過程で、WPM計測方法の正確性、利便性、操作性を考慮した独自の計測ソフトmewmミュームを開発し、昨年度から運用を開始した。その後1年間の試験的運用を経て、今回最新版が完成した。本発表は、この自動読解速度計測ソフトが、個々の言語学習者の読解運用能力としての読みの正確さと速さを測定し、学習者にフィードバックすることで学習継続の動機付けを与え、かつ、指導の効果を教員が把握しやすいなど教育工学的な利点が多いことを実践研究として報告する。
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- このソフトは、windows環境で使用できる。以下にこのソフトを使って教室でデータを集計する際の作業をまとめた。先ず、読ませる文章と設問や選択肢などのデータをmewmの形式に落とし込む。次に、授業中に、完成したファイルを個々の学習者に配布し、読解作業を行わせる。その後mewmが自動的にデータを集計し、読解作業が終了すると個人の結果がフィードバックされる。授業終了後、結果を教員が回収し、表計算ソフトを利用して集計・分析する。読解速度は、テキスト文章を読んでいる時間と解答に要した時間がそれぞれ秒単位で別々に測定される。なお、個人の読解結果のデータが漏えいしないよう暗号化が施されている。
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- 過去1年間の試験運用を経て、学習者の操作性、教員の操作性、機能の拡張といった3点が改善された。操作性は、教員が望まない学習者の操作を極力生じさせないよう、また、教員の集計作業を極力簡便にするような改善が加えられた。また、客観式問題だけでなく、記述式・客観式のアンケートも実施できるようになった。
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- 発表では、この読解速度計測ソフトmewmを使用した授業における教育効果、今後の外国語教育研究や授業実践における利用価値、およびmewmを活用した読解指導の新たな可能性についても触れたい。
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表題 | : | 映画場面検索サイトSeleafのリスニングドリル機能と学習効果 |
| | English Movie Scene Search Site “Seleaf” and its Learning Effects |
発表者 | : | 湯舟 英一 (東洋大学) |
| | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
時所 | : | 8月 6日(水) 10:40〜11:10 |
キーワード | : | リスニング、Breath Goup、シャードーイング、チャンク |
- 発表者らは2013年度後期授業において、映画場面検索サイトSeleafのリスニングドリル機能を使用して、半年間の授業内トレーニングを行った。本発表では、Seleafのドリル機能の簡単な紹介、毎週15分程度のリスニング活動の内容、18名の授業参加者の事前・事後テストを通しての学習効果測定の結果、事前・事後に行った16項目から成るリスニングの方略使用や英語に対する意識に関する同一アンケートの推移やクラスター分析の結果、さらにリスニングドリルのログ履歴と上記データとの関連について報告する。
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- Seleafは、名作映画15本のすべての場面映像、音声、台詞がリンクする検索サイトで、発表者の一人が開発したクラウド教材である。台詞は呼気単位Breath Group(BG)毎に音映像を再生できる仕組みになっており、繰り返し音読やシャードーイング訓練に適している。Seleafには、ドリル機能が付いており、IDとPWで個人認証されることで、学習履歴を残すことができる。
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- 我々はこの教材を使い、埼玉県内の大学2年生(TOEIC 400点程度)24名に対し、英作文の授業で全10回のリスニングトレーニングを行い、無欠席者18名、平均13分、26問、正答率75%を得た。学生はドリルに取り組む過程で、文整序問題や各語の先頭の文字のみ入力していくディテーション問題を通して、BG単位の英語音声を大量に文字化する作業を行った。その結果、英検準2級のリスニング問題20問を利用した事前・事後テストにおいて、平均14.5点から16.3点に上昇した(t(17)=2.11、p<0.01、d=0.96)。
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- このことから、発表者らがこれまでにLET学会誌等で主張してきた「BGをチャンクとした音声訓練を文字と関連付けて行うことがリスニング力を強化する」という教育的示唆に対する1つの実証的データを得ることができた。
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- さらにアンケート結果から、会話をBG ごとに聞き取るドリルには、チャンク意識を自律的に向上させる効果(ウィルコクソン符号付順位和検定、Z=1.92、p<0.05、r=0.45)や、読解において直読直解の習慣が付く効果が見られた。
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表題 | : | 1次的読解速度予測に基づく日本人EFL向け |
| | リーダビリティ公式とその教育的示唆 |
| | A Readability Formula for Japanese EFL Learners based on |
| | Estimated Phonologicalcoding Time and its Pedagogical Implication |
発表者 | : | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
| | 湯舟 英一 (東洋大学) |
時所 | : | 8月 6日(水) 9:30〜10:00 |
キーワード | : | 音韻符号化、Flesch-Kincaid Grade Level、1次的読解速度、 |
| | WPM |
- 我々は、WPMとして計測する読解速度を、既知の語彙、文構造、背景知識、文脈に支えられた、音韻符号化の速度に強く依存する「1次的読解速度」と、未知語、難文構造、背景知識不足等による返り読みや長時間停留などの比較的自由度の高いメタ認知的読解方略を含む「2次的読解速度」に分けて測定する方法を模索している。なぜならば、パラグラフを読んでWPMを測定した場合、それが主に1次的読解速度か2次的読解速度によるものか特定することが難しいが、仮にそれが特定できれば、個人の読解力に合わせた読解指導が可能になるからである。
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- 上記目的の一環として、音韻符号化に掛かる時間という予測音声の時間的要素を決定因子の1つとするEFL向けリーダビリティ指標 Mint Grade Level forJapanese (MGJP) と、英語母語話者向けテキスト用の指標 Mint Grade Level for English (MGEN) を開発し、それらをFlesch-Kincaid Grade Level (FKGL) 等の主要な8つのリーダビリティ公式と比較検証した。
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- その結果、FKGLとMGENとの相関係数は0.96であった。すなわち、音韻符号化に掛かる時間を変数としたリーダビリティ指標と、センテンス中の単語数や音節数などのテキスト情報に基づく指標が高い相関を示したことから、音韻符号化に掛かる時間と読みやすさには関係があり、さらに読みやすさは1次的読解速度にも影響を与えると考えられた。
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表題 | : | Seleaf という映画シーン検索サイトを使ったワークショップ: |
講師 | : | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
時所 | : | 8月 4日(月) 15:00〜16:30(予定) |
備考 | : | 参加者にウェブを使って実践していただく講習です。 |
定員 | : | 35人 |
プログラム | : | ⇒当日配布文書 |
キーワード | : | 映画映像コーパス、映像検索サイト、台詞、ト書き |
ワークショップの様子
- ウェブのオープンサイト映画映像コーパス検索サイト・セリーフ Seleaf; http://www.mintap.com/を利用します。事前にアクセスしても体験できます。
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- 単語熟語の検索、正規表現、ファンクション教材、音声変化、英米発音の違い、シャドーイング、なりきり英会話ペアレッスン、リスニングドリル、時間があれば「・・・を当てよう」などのゲームも披露します。
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- 会話 dialogue 中心だった昨年の続編、今回は動作や状況 stage direction に焦点を当てます。
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- ブラウズは Google Chrome または IE9 以上に限られます。
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- 当日は全員に体験いただけるよう準備を進めていますがCALL 教室の都合で自由にお使いいただけない場合もあります。ネットアクセス可能なノートパソコンやアンドロイド搭載の端末を持参していただくと楽しく学んでいただけます。
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