2013年 12月 第131回 LET 関東支部研究大会(東京・千住)
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■日程 | 2013年 12月 14日(土) |
■場所 | 東京電気大学(東京都足立区千住) |
ミント音声教育研究所は、外国語教育メディア学会(LET)第131回 LET 関東支部研究大会(東京・千住)において、2つの研究発表をおこなう。
- 映画音声は聞きにくいですか?
- 音読が読解運用能力と英語学習観に与える影響
- 共同研究発表
- 山口 高嶺 (早稲田大学)
- 神田 明延 (首都大学東京)
- 湯舟 英一 (東洋大学)
- 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所)
- 池山 和子 (恵泉女学園大学)
- 鈴木 政浩 (西武文理大学)
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もくじ |
- 映画音声は聞きにくいですか?
- 音読が読解運用能力と英語学習観に与える影響
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表題 | : | 映画音声は聞きにくいですか? |
| | ―聴覚認知的観点から見た英語音声における |
| | 一息の言語情報量と発話速度― |
| | Are the English Movie Dialogues hard to understand? |
| | -- information volume and rate of speech |
| | at the point of Auditory Perception |
発表者 | : | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
時所 | : | 12月 14日(土) 10:00〜10:30 |
キーワード | : | 映画、単語出現頻度、リーダビリティ、会話、単語リスト |
| | english movie dialogues, rate of speech, breath group, |
| | auditory perception, classification table of wpm |
- 「映画の英語音声は聞き取りにくい」「しゃべるのが速い」との感想をよく見聞きする。そこで、本当に映画の英語は速いのか調査した。
- まずしゃべりの速さを主観ではなく客観的に判断するために約30時間の音声データベースからWPMを計量し、その分布特性から標準偏差を元に発話速度を極遅から超速まで7段階で区分する基準を設け、学校英語教科書の速度を映画と比較した。その結果、確かに映画英語音声は速めであるが、かと言って大学英語教科書とほぼ同等の速さ域でもあり、言語情報量を加味した聴覚認知的観点からはむしろ聞きやすいはず、との結果を得た。
- 聞きやすさを決定する要因は多様であるが、今回は音調音質音色を良とした上で、数値で計測可能な言語情報量に限定して考察した。具体的には音声継続時間(呼気段落、ポーズ)と発話の文字表現(単語数)である。認知的観点から重要なのは単位時間当たりの言語情報量(言語情報密度)とその継続時間である。言語情報密度には意味密度としての単語数を採用した。継続時間としては、意味と音声のまとまりとしての呼気段落(平均2秒程度のチャンクでポーズは含まない)と、この呼気段落が集まって思想の流れを形成した音声列(約*秒以上の朗読や会話でポーズを含む)を対象とした。
- 認知心理学ではワーキングメモリの音韻ループには2秒程度の制限時間があるとされ、実際の英語音声の観察からも一息の発話は平均2秒(最頻区間1〜2秒)とされる。こうした特性から見たとき、映画の音声は聞きやすい範囲にあり、大学英語教科書は逆に聞きにくい範囲にあることが分かった。
- 以上の分析からは、映画英語音声への聞きにくさは、会話独特の表現や音変化や声質に聞き慣れていないことに大きく左右されている可能性が高いと思われた。以上の内容を具体的な図表や音声を提示しながら報告する。
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表題 | : | 音読が読解運用能力と英語学習観に与える影響 |
発表者 | : | 山口 高嶺 (早稲田大学) |
| | 神田 明延 (首都大学東京) |
| | 湯舟 英一 (東洋大学) |
| | 田淵 龍二 (ミント音声教育研究所) |
| | 池山 和子 (恵泉女学園大学) |
| | 鈴木 政浩 (西武文理大学) |
時所 | : | 12月 14日(土) 11:45〜12:05 |
- 本発表では、日本人EFL大学生に対して一斉チャンク音読処遇を、2013年度の4月から7月までの前期の毎授業時に通算30分程度行った群の中で、英語力の異なる2クラス(高英語力(13高)群:TOEICスコア換算で730以上の26名と、低英語力(13低)群:TOEICスコア換算で280以上470未満の30名)を比較しながら、読解スコア、WPM、聴解力、自らのストラテジー使用と英語学習観などの変化について報告する。授業では、処遇方法の一貫性を確保するためにミントアプリケーションズによるマルチメディアプレーヤー・ミントを用いた。文章内容を把握した後で、模範音声と共にチャンク提示されたテキストを見た直後、聞き手に意味を伝えるような意識でチャンク音読をした。
- 2012年度に同様の音読処遇を受けた学習者は、4月から7月までの期間に、英語力が高い群で読解力の伸びが見られ(山口他, 2013)、低い群についてはストラテジー使用と英語学習観などについて肯定的な変化(WPM 上昇実感効果・チャンク意識効果・直読直解効果・音声化自覚効果・音読を得意と思わせる効果・読解への不安低減効果)が見られた(山口, 2012)。本発表は、同様な学習処遇を実施した場合、こうした傾向が2013年度にも見られるか検証するものである。
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