有機体論 と 機械論

有機体論は、存在が外側に開いていることに注目し、
有機体論は、すなわち、存在と存在の間の「関係」や、「場」に着目します。

一方、機械論は、存在は内側に閉じていることに注目します。
機械論は、データが与えられると、アルゴリズムで処理する、
INとOUTで表現できる関数としてものごとを了解します。

 どちらの見方も、必要です。
 ロボット・生命科学・エコロジーは、有機体であることと機械的であることの
 双方の特性に着目せざるをえない分野です。

たとえば、
ロボットや生命は、プログラムやDNAによって、「あらかじめ」大きな条件を決定されています。
ほとんど、事後的な変更の余地がない、小型生命や、コンピュータソフトは、ケースに応じて
適用の結果が決定論的に決まりますから、生き物の場合は、何十万の子孫を残して、どれかが
適用できて生き延びれば良い、多産多死戦略をとりますし、コンピュータプログラムの場合は、
お客様ごとに、プログラマーが一本一本手間をかけて作って行くことになります。
しかし、大型哺乳類やインテリジェントロボットがそうであるように、より、「あらかじめ」
決めないで、「事後的」に考えようというケースは、ソフトウェア的な成長や適応な側面、
その後の教育の面が、重要になります。
  More→ ロボット・生命科学で議論されるあたらしい自然観を紹介します。

 エコロジーでも、系そのものをInとOutと関係がわかる制御関数でおくこともあります。
スーパーコンピュータを使ったシミュレーションや、繁殖や、保全生物学などはこうした
アプローチのものの見方をします。
 しかし、そもそも、泡だつ水のようにぼこぼこ生まれてくるのが生態系であるという
理解から、個別を定式化するよりも、現在のエコロジーを成り立たせしめている、
基礎条件は何で、どこをどう変えると、本質的な「相」が変化するのか?ということを
見る、全体主義的なアプローチもあります。
 More→ エコロジーで議論される代表的な内容の紹介をご覧ください。

                       2001/01/16 Hattori.