あたらしい科学的自然観

 科学の世界では、従来、多体を扱う問題は稀でした。
 主に内容の解析を行ってきたのです。
 しかし、東洋でいう、「関係性のあり方」について、近年「システム」というキーワードで
 発達し、技術としてはIT、科学としては、場の理論、複雑系の理論として整備されつつ
 あります。

ロボットと場の記述



Photo:Bandai's Roblt (WonderBorg)
ワンダーボーグは、バンダイが発売している、シーケンシャル・プログラミング可能なロボット。
互いに呼び合ったり、相手をみつけたときの動作を記述できるため、相手を捜し求め、出会ったら踊る!というプログラムも可能だ。

ワンダーボーグ複数匹でつくり出す「場」は、現象記述の第一歩でもある。


生物と場の記述


「DNAだけで生命は解けない:〜場の生命論〜」


 場の生命論
「生き物とは何か?」〜系の進化の科学

 
 わたしたちは、あたらしい時代をわれわれは生き物である、というところ
  から出発にしようと思います。
  そこで、生き物に潜むさまざまな現象や謎について、考え、同時にわたしたちの社会はどうあってゆくのだろうか?について考えます。
生き物は、DNAだけでプログラミングされていてそれを実行するだけのクローズ(閉鎖的)なシステムであるとは限らない。生き物が生きている環境と相互作用するオープンシステムといえる。
本書は、そうした観察結果を分析し、
  「場」「協同現象」から”質の科学”にアプローチします。
  1章 生物界にいったい何が起きたのか?
      遺伝的プログラム
      形をつくること
  2章 ヒョウはその班をどのようにして獲得したか
      生物の死
      隠喩に隠れた神話
      班が姿を消すとヒョウも同じく姿を消す
  3章 生命、その励起媒体
      無から形をつくること
      化学的な波
      異なる分子、その相互関係の類似パターン
      パターンの動物園
      非常に励起しやすい器官:心臓
      脳波
      においとカオス
      アリとその知恵を考える
      アリのコロニーのモデルをつくる
  4章 系の生成と生命系
      歴史と構造
      パズルの断片
      形態形成の場
      属に特有な形態
  5章 「属形態」の進化
      植物におけるパターン
      フィボナッチ数列と黄金分割
      遺伝子と属特異性
      ホメオティックな「形態変換」
      遺伝子の活性パターンと形態形成
      外肢における形態形成
      「等価」による分類
      ホメオティック変異体
      両目はそれを持っている
  6章 新しい方向と新しい隠喩
      主体と動因
      部分の適応か全体の動力学か
      競争と協調
      「創発的秩序」の進化:カオスのエッジにおける生命
      錬金術と生命の起源
      アリはカオスのエッジで生きるか?
      遊びと遊び様行動
  7章 質の科学
      遊び、創造性、そしてその関係
      関係の「場」としての文化
      フンザにおける健康
      ベックハム実験
      「健康」の生物的基礎
      心の単一栽培
      質、価値そして法



系の科学
システム科学

●開放系システム論〜

システムに「階層化」の考え方をとり入れてそのふるまいについて考えてみるのが
複雑系の科学・場の科学です。

この科学からは、従来のコンピュータシステムとは若干ちがったものが生まれてくるかもしれません。

 LINK [複雑系&生物](www.goo.ne.jpより)
 LINK [複雑系]Santafe研

●閉鎖系システム論〜

サイモン博士が「システムの科学」でまとめたように、人間の能力の限界がシステムを生み出している。宇宙船地球号やある企業の情報処理システムなど、システムを閉鎖系と考える場合、エントロピーの考え方や、情報処理の数学が適用できます。

エントロピーの定義式
   
H=ΣP(ei)logP(ei)
  
i=1

「複雑適応系」の特徴
 〜インターラクションが
       生み出すもの〜


(1)自律分散性
 複雑適応システムは、大規模で複雑ではあるが、そのシステム形態は分散している。つまり、個々のシステムの要素(部品)は強固な連結性を維持しているのではなく、分散している部品の機能による弱い連結性でシステム全体となる。
 すなわち、「自律分散性」を持つ。

(2)自己組織性
 自律分散性を持つここのシステム要素は、従来の精密機械や電子機器のように厳密な設計図によって構築されるのではなく、自分で組織化する「自己組織化」という機能を持つ。この自己組織化は厳密な設計図なしで複雑なシステムの構築がなされていることを意味し、複雑すぎるシステムの設計困難性に対する工学的なヒントを与えてくれている。

(3)創発性
 システムを構成する個々の要素の機能の組織化が変化を起こして、従来では考えられない機能性を発揮すること。下位層の部品が、的確に上位層の部品を的確に表現せず、下位システムの機能は以前のまま変化しないが、その部品から構成される上位システムは、著しい変化をおこすような発展性を持つ。

       
 人工生命の基本思想
       【コレクショニズム】


         大局的な 秩序
          挙動・構造
        ←       →
       ↓   ↑↑↑    ↓
       ↓   創 発    ↓
       ↓   ↑↑↑    ↓
   境界条件 →        ← 境界条件
          局所的に相互
          作用する要素群


             「複雑系の理論と応用」オーム社 より
                      ISBN4-274-03509-3
「創発」
 
ものが意味をもつのは、その時間的な配置ではなく、空間的な配置によって意味や機能をもつものがある。

 因果関係は、要素間が、時間的な関係を持たせた決定論である。
 共時性は、要素間が、空間的な関係を持たせた決定論である。
 A男が、科学者になった原因は、遠い昔の父の言葉かもしれないし、
 たまたま職業を決めるときに目の前にころがっていたビーカーかも
 しれない。

 機能も同様で、DNAによって生物の形質はすべて決まらず、たまたまあったいろいろな部財によって生物の形質は決定されてゆく。
 創発がおこるとは、あるパターンがとつぜん意味を持ち始めることをいう。

 「創発」を制御する
  創発は、ある意味決定論である。
  だが、どのような因果で行われているかの研究は上記理由でできない。
  どうしたら、それを予期できうるかというと、
  できるかぎり多くのパターンをシミュレートすることである。
  空間的な決定論だからだ。


※科学と地球環境問題とシステム
進化システムと科学 あらゆるものを、まるごと「システム」で
考えてみると、科学もそのシステムのひとつであり、人間がつくりだしたものと、地球の従来ものとの不適合こそが、地球環境問題とみる見方も可能である。


参考)ロボットと生命工学

  <ロボットのLINKs>
Selfcontrol , Robot (1999)


+ YAHOOで検索した「ロボット」へのリンク
   + 「
日本のロボット研究」リンク
  +
複雑性の指標と有機的プログラミングへのリンク
    大域情報学研究グループ  (中島 秀之 氏)

LINKs


<BioTechnology>
▼生物改良/改造技術の解説
 @
http://www2s.biglobe.ne.jp/~yamabio/ry/RY.htm
 A
http://www.t3.rim.or.jp/~thama/index.html
▼生物改良/改造技術の先端
 @
http://biotech.nikkeibp.co.jp/BIO.shtml
 A
http://www.nlbc.go.jp/