巨匠マリオ・バーヴァの後期代表作にして『13日の金曜日』シリーズの元ネタとして知られる本作、私はついつい見そびれてしまっていた。このたびDVD化されたのを機に見てみたら、なるほど、スプラッター描写が『13金』シリーズに丸パクリされている。斧で顔面をザックリやったり、おセックスしている男女を槍で串刺しにしたりと、あたかもリメイクであるかの如くそっくりである。
どうしてこれほどまでにそっくりなのだろうか?。
本作は実は、アメリカでは『鮮血の美学2(LAST HOUSE ON THE LEFT PART II)』として公開されたのである。ショーン・S・カニンガムが製作した『鮮血の美学』の続編という体裁である。
で、そのカニンガムが後に監督したのが『13日の金曜日』。
そこで思うに、カニンガムは本作が勝手に自作の続編として公開されたことをよろしく思っていなかったのではないだろうか?。それでこれ仕返しとばかりにパクリ返したのである。そして『13金』は大ヒットして、カニンガムは「マスター・オブ・ホラー」に名を列ねることになる。彼の仕返しは大成功に終わったわけだが、しかし、それにしても偉大なる先人バーヴァに対して随分と不遜な行為である。
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