御蔵島の歴史

平安時代
 御蔵島の歴史を見ていくときに、縄文時代前期以降〜江戸時代までが語られることが無い場合が殆どです。
 しかし平安時代まで来ると既に海上交通が盛んになっていた時代ですし、源為朝(〜1177年)は船を使って伊豆諸島を勢力下に治めていました。御蔵島にも源為朝の矢が届いた場所とか、息子を殺害した岩礁などの伝承が残っていたりすることから、既に人は住んでいてこれらを後世に伝えたのでしょう。
 平安時代末期、源氏に破れた平家の落武者が大きな軍船に乗って御蔵島にも流れて来たという伝承(氏義神社縁起)もあります。源平の戦で壇ノ浦(1185年)の合戦の際に軍船が使われましたが、おそらくその辺りから敗走し、黒潮に流されて漂着したと考えられます。御蔵島の南郷には、落ち武者となった平家の武将とその妻を奉った氏義神社があります。既に平安時代末期には村落があったと伝承から推測されます。
平家の落ち武者伝説が伝わる南郷の氏義神社神社の場所