10倍君でデジスコ   その2  −ACクローズアップレンズ利用の接眼レンズ−
        


 まずは、皆さんに感謝・感謝
 デジスコは使用するデジカメを選びます。つまりデジカメに適不適が有ります。 あまり適さないデジカメを使用するとケラレとの戦い(?)になります。 私が使用したC-3030Zはボーダーラインぎりぎりって所でしょうか。

一般的にデジスコに適するカメラとしては、ケラレの問題から
   ・レンズ口径が小さい
   ・絞りの位置がレンズ前端からあまり離れていない
といった事が条件になります。

適するカメラとしては、NIKONのクールピクス辺りでしょうか。 最近ではcp4300を使用している方が多いようです。 また、連写機能からSANYOのMZ3も結構人気があるようです。

いずれにしろ、C-2100UZやE-100RSのOLYMPUSの10倍機は、 デジスコに最も適さないカメラの中の1つだったと言ってもいいでしょう。
ところが……


 2002年の夏前頃から、おおこうちさんのサイト「なんちゃって写真館」では 何人かの方が自作でのテレコン(と言うよりスコープ?)製作をされていました。 光学メーカーからアウトレットのレンズを購入、これを接眼レンズ・対物レンズとして使用し、 塩ビのパイプを加工して鏡胴やアダプターにするという方法です。

レンズまわりやカメラとの接続部分の工作・自作パーツ作成は、光学知識無し・工作下手は私にとっては敷居が高く、 指をくわえてみているような状況でしたが、研究熱心な鉄人達の十数ヶ月に及ぶ試行錯誤の結果、 対物レンズ・鏡胴・正立プリズムにGioma52sを使用する方法や、 接眼レンズにクローズアップレンズを複数枚使用する方法が確立され、一気に敷居が低くなりました。

対物レンズに何を使うかによりますが、NO5のクローズアップレンズ2枚で3倍〜4倍くらいの倍率の接眼になります。 なんだ3,4倍かと言う事なかれ。 もともとカメラ側で10倍あります。35mm換算で1000mm強〜1500mm程度の焦点距離になります。 それでも一般的なデジスコの半分強程度の低倍率ですが、クローズアップレンズを3枚、4枚と増やすことで、 そのまま倍率を上げられる事も確認されています。

私のシステムも、52mm径のアクセサリー類をねじ込んで接続するだけで、全く無加工のパーツで構成されています。 光学知識ゼロの私がこんなことして遊んでいられるのも、研究熱心な皆さんのおかげです。m(_ _)m

   ※鉄人達の研究は現在も停滞することなく、今も続けられています。
    詳しくは以下を参照してください。
      なんちゃって写真館 「何でも画像掲示板」
      NIWAKKI



 私の接続方法
 私の場合、前出のページで紹介しているとおり、 52mm径を中心にしてKOWA664EDと10倍機の接続は既に出来上がっていたので、 52mm径のクローズアップレンズを2枚向かい合わせにして、 カメラとスコープの間にセットするだけで済みました。
上:TSN-DA1を縮めた状態
下:TSN-DA1を伸ばした状態
※各部、ばらした写真を載せようと思ったのですが、
 一部きつく締めてしまって
 はずれないパーツがあって諦めました。(^_^;)
左が接眼部分のアップ。 左側がスコープ側、右側がカメラ側になります。

A:KOWA TSN-DA1(内筒)
B:KOWA TSN-DA1(外筒)
C:KOWA アダプターリング(52mm)
D:Kenko DC-B4
  (FinePix4900用52mmアダプターチュープ)
E:52-55ステップアップリング
F:Kenko O/Mリング(凹凹)
G:Kenko ACクローズアップ NO5
  (逆付け)
H:Kenko O/Mリング(凸凸)
I:Kenko ACクローズアップ NO5
J:49-52ステップアップリング
K:46mmレンズキャップ(埃よけ)

kenkoの52mm径CLOSE UP NO5を2枚、間にOUリングをかませることで向かい合わせにセットします。 OUリングはネジの凹凸変換をするリングで、 私が買ったkenkoのものは逆に変換をするものとセットになっていました。

KENKOのFinepix用の52mm径のアダプターチューブと、それを付ける為のステップアップリング が無くても物理的には接続可能ですが、 スコープ側の対物レンズまでの距離に適切な距離というものがあるらしく、 これを挟んで39mm長くしただけで、最短合焦距離が約12m以上から4.5m程度まで短くなりました。 ちなみに下の写真のようにTSN-DA1を伸ばして使用すると、さらに約3.8mでピントが合うようになります。

 全体像 & 鳥、撮ってみました。
KOWA664ED+AC CLOSEUP NO5*2+C-2100UZ
F:3.5、SS:1/200
f:70mm (35mm換算で約380mm)
スコープ+接眼で約4.2倍(実測)なので約1600mm
トリミング無し。クリックで大きな画像。
レベル補正+アンシャープマスク

 あらためてこうやって見ると、途中で折れそうです。

素晴らしくバランスが悪いですが、 使用時は三脚はフリーで動く用にして、スコープの重みを支えてもらっているだけです。 左手はスコープのフォーカスノブのところを持ち、 カメラは右手で普通にかまえて手押しでシャッター切りました。 その程度のお気楽さで、結構まともに撮れるところが素晴らしい。


この方法で撮ったのが左のオオヨシキリです。 曇天だったのですが、手ブレでボツにしたカットは有りませんでした。 このシステムは、この倍率でさほどシャッタースピードが落ちないところも利点です。

しかも、全くケラレが出ないばかりか、結構引けます。 まだちゃんと調べてませんが、少なくとも43.5mm(テレ端は70mm)で撮った画像にケラレはありませんでした。 6割程度のズームでもケラレないという事になります。
2100UZ・100RSは絞りを開いた場合、テレ側でF3.5ワイド側でF2.8ですが、 これだけ引けるとカメラ側でF2.8が設定出来、その分シャッタースピードを稼ぐことが出来ます。


ピント合わせは、AFであれば大まかにスコープ側でピントを合わせた後、シャッター半押し。 マニュアルならば、カメラ側は無限遠の状態でピント用のボタンを押しっぱなして、 拡大表示された状態でスコープ側のピントノブで合わせます。

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