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過去の無意味に1万歩  ●○●

●第1回● 隊長工業地帯を行く 2001.09.22(出発地点:千葉県市川市・東西線原木中山駅)

●スタート地点 行楽の秋からの逃避行

 行楽の秋の3連休。そういった言葉から逃げさるように始るこの企画。とにかく今回は日々利用している東西線・原木中山駅から『無意味に1万歩』はスタートする。
 この企画の相棒となる万歩計には、東京磁石工業株式会社の製品(税別2,800円)をセレクト。午前10時45分。どんよりと曇った天気が、この企画の“無意味”感をいやが上にも高めていく。“旅行”“お出かけ”という華やかな言葉とはかけ離れたベクトルに、早くもへこたれそうになるボク。

●0〜2000歩目  おもわず社会奉仕

 原木中山駅を出ると、東京方面、千葉方面に東西にのびる道路がある。ここでは迷わず千葉方面を進む。その理由は・・・東京方面にある不動産屋の店頭で、仲むつまじく部屋を探している男女のつがいを見てしまったからだ。逃げ去るように(いや逃げて)歩を進め、1000歩ほどで真間川を渡る。しばらく進み、京葉道路付近で進路を南へとむける。千葉県市川市南側といえば工場地帯だが、幸せそうなカップルの残像がボクを閑散とした場所へ導いたのかもしれない。

 連休中という言葉だけでは説明しけれないほど人通りの少ない道を進んでいくと、2000歩地点で東京経営短期大学に着いた。初めて聞く大学名・・・しかも千葉にありながら“東京”を名乗るあたりにディズニーや成田空港のような欺瞞とフェイクを感じてしまう。この企画では、2000歩ごとの地点で、なにがしかのアクションを起こすことにしているのだが、周りは工業用車が猛スピードで走る道路があるのみで、早くもこの企画の行く先が不安になる。・・・男女のつがいを無視して東京方面に進めばよかったと思うが、もう遅い。

 この短大の側には路地があり、その脇に捨てられている看板を見つけた。『立ち入り禁止』という重要な文が書かれたこの看板を真っ直ぐに立て、この企画最初の行動とする。

  これを>こう直した 

・・・なんとも言えない感じだが、もうあと戻りはできない。このまま路地を突き進むことにする。

●2000〜4000歩 しなかった。されなかった。

 この路地をズンズン進むと、なにやら巨大な住宅地に到着。『国営住宅』という看板に、(なんだ?)という感想を持つが、こんなところでうろうろしていては危ない。ボクは早くもこの住宅地の親子づれに不審の目で見られているのだ。逃げ去るようにこの住宅地を突っ切る。ボクは怪しくありません! と言い切れない自分に困惑。

 そうこうしているうちに『二俣新町駅』への地下道発見。4000歩地点が駅ならば電車に乗ってしまいたいのだが、どうやらこの地下道の中で4000歩を迎えそうな気配だ。しかもその地下道は圧倒的に人の気配がなく、しかも20メートル間隔で防犯用の電話が設置されている。誰にも通報されなかった。誰も通報しなかった。この2点をもって4000歩の思いとしたい。

●4000〜6000歩 キノコにも裏切られて

 駅に設置されていた周辺地図により、先程の巨大住宅地が自衛隊の人々の住宅であることが判明。(危なかった)と、まるで犯罪者スレスレの感想を持ちつつ先へ進む。ところがこれからが市川の工業地帯のど真ん中。連休中ということもあり工場地帯には人影というものがまるでない。
 そうこうしているうちに、6000歩近辺の会社の庭に地味なキノコをひとつ発見。お前も一人か、俺もなんだよ・・・と心優しくなり数歩進むと、そのキノコがなんと群れて生えていた。例えようもない裏切られ感、これが6000歩目の感想だ。

●6000〜8000歩 うかれて撮影会

 人通りのなさすぎるプレイス。そしてその巨大な意味のなさ・・・そんなむなしさに打ちひしがれるうちにボクの足は自然と東西線西船橋駅の方向に向かっていった。そうこうするうちに8000歩のアクションポイントに近づいていったすると! そこには!“酒”というビューティフル・ワードが目の前に!!すぐさま入店、ウイスキーとビールを購入。嬉しさのあまり近くに咲いていたヒマワリの根元にウイスキーを置いて撮影。わはは。ボクのうかれ具合が分かっていただけるだろうか。愛用のバックパックに入れた酒の重みを喜びに変えて、最後の2000歩を踏みしめたい。酒ひとつでこの喜びようは、ヤバイとは知りつつもですが。

●8000〜10000歩 通り抜けて西船橋

 ここからは出発地の原木中山駅の隣にある西船橋駅に向けて歩を進める。人も多く、気分も爽か・・・になると思った。しかし、そこが罠! 3連休の初日ということもあり、親子連れ、友達同士、そして憎きカップルまでが楽しそうに歩いている。背中に感じるウイスキーの重みのみを友として歩き続けた。
 1万歩目はちょうど西船橋駅! と、うまくいくはずもない。歩数は約9100歩。どうするか? 決まっている、駅を通り過ぎ900歩歩くのだ。これがこの企画なのだから。

●10000歩目 最後まで無意味に

 駅を通り過ぎ、しばらく行った細い路地でついに10000歩目! 持ってきたチョークで『10000歩 ミラクルレバー』と書くが、アスファルトの目が粗くこんなギザギザに。最後まで無意味なこの企画は、この企画の意図そのままに無意味に終わる。今後も「雪の日に1万歩」「クリスマスに1万歩」などを企画して、さらに無意味に自分を追いつめていきたい。無意味が不気味に変化する直前での寸止め。これが楽しいのだ! ・・・楽しいのか・・・? 疑問のまま企画終了。




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