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【とにかく無意味に1万歩】
健康や運動とはあからさまに関係なく、とにかく無意味に歩いてみます。
2,000歩ごとに店があったら迷わず入店したり、
無意味なことを色々考えたりします。そして1万歩を歩いたら、何があっても即帰宅!

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●第2回● 隊長東京方面へ向かう! 2001.11.17(出発地点:千葉県市川市・新原木中山橋)

●スタート地点:そんなネーミングは許さん! 

 今回の『隊長の無意味に1万歩』は、原木中山駅周辺地域と妙典、行徳地域を結ぶセンチメンタルな掛け橋“新行徳橋”からスタートする。(地図参照)

 しかしボクには、スタート前にやっておかなければならないことがあるのだ。

 地図を見ていただければ分かるのだが、原木中山地区と行徳地区をつないでいる(橋の建設当時、妙典駅はまだありませんでした)というのに、“新行徳橋”などという一方的なネーミングが許されてよいものだろうか? せせこましい島国意識など問題にすらならない、さらにさらにコンパクトなボクの地区意識が燃え上がる。怒りの意思表示として行ったのが次の行動だ。

身勝手すぎる名称を…

このように変更だ!

 もちろん上から貼った新ネームプレート(コピー用紙ですが)はボクのお手製。さあ、これでもう心残りはない。心も新たに1万歩を始めていこう。(※ここでタイトルの出発地点にご注目)

 さて今回のルートだが、じつはメッタヤタラと飲食店が密集していることで地元ではよく知られている。中でもラーメン屋の数は群を抜いて多い。行けども行けどもラーメン屋、そういう感じの道なのだ。
 ということは、今回の1万歩では下手をすれば5回のアクションポイント(以下、AP)で1杯ずつラーメンをすするという事態だって考えられる。キ、キツイ。それはキツイ。

 『備えあれば憂い無し』。この言葉の重みをしっかりと受け止め、昨日の夕食はナットウごはんに缶ビール1本のみ。開始時刻は午前11時30分。激食ルートに対して空腹感というアドバンテージ、もしくはリスクを保ちつつ、新原木中山橋(むふ)から東京方面にへ向かって1万歩を……空腹のため元気なくスタートする。


●0〜2,000歩目:売らなくてよかった! なくてよかった!

 さて1万歩をスタートさせて約900歩。橋を渡りきり本格的にルートへ突入する。今回は道の右側の歩道を歩くか、左側を歩くかで随分とAPでの行動に差がでるように思われる。

 しかしそこは無意味を信条とするこの企画。交差点にたどり着いたら青信号の方に素直に渡るという方法を採用することにより、偶然性を高めていきたいと思う。石材店の店先に飾られたドラえもんに心なごませつつ歩を進めよう。

 さてそうこうするうちに2,000歩目の第1APに到着。……なにもない駐車場。金網には無数の車、バイクによる融資の広告が目立つ。17台の駐車スペースに2台の車。約11.8%の駐車率に、日本経済への不安感、そして市政への激しい注意を喚起しつつ企画は続行される。個人的には休日をこのような企画に費やし、絶望感のあまり車やバイクを売り払うこともなく幸せだった! と感想を残そう。ボクは車もバイクも持ってないが、そう想像することはできる。そう。世界を変えていくのは、いつだってイマジンなのだ。


●2,000〜40,00歩:沸き上がる不安感

 空腹のまま歩を進めることしばし。今回のルートのキモである激食地帯に突入。ラーメン、ファミレス、回転寿司。さまざまな店を空腹のまま通り過ぎるのはじつにツライ。苦行とさえ言える。

 しかし次のAPにたどり着きさえすれば、なにか食える。この密集度なら間違いない。そう信じ歩き続けた4,000歩目のAP。そこには全国的に名の知られたチェーン店『札幌ラーメン どさん子』が! ……両脇の中華料理店、そば屋が元気よく営業する中、寂しく閉まっていた。空腹のまま歩くという積極策が裏目にでた決定的瞬間。もちろんこの次のAPまで飲まず食わずも決定だ。不安という言葉が、夏場の蚊のように頭の周りをまとわりついている。


●4,000〜6,000歩:無意味に、そして無駄遣いも!

 空腹は人の心を荒ませる。そんな心を加速させるのが、ラーメン店で楽しげに食事をする男女。ファミレスの階段から降りてくる家族連れ。そして今回一番がく然としたのが「反対(道の反対側)のラーメン屋にしようよ」と語り合っている女性の二人連れだった。そんなに気安く反対側で食べようなんて! もしボクが反対側の店で食べようとしたら、6,000歩ピッタリで店の前に着くために、この横断歩道を何往復しなければいけないと思っているのか! 

 そして怒りと空腹を抱え歩き続けた6,000歩目のAP。そこは無情にも金物店だった。

 運命に流されるまま、うなだれつつ入店し「合カギをお願いします……」と依頼。無意味なことをするばかりか、無駄遣いまでしまうハメになるとは。荒んだ心も萎えさせるこの出来事に、なんだか徐々に笑えてきたりするのだから人生とは気が抜けない。

 もうこうなったら勢いだけだ! ズンズン行くことを決意して歩を進める!


●6,000〜8,000歩:こんにちは浦安市

 空腹のせいで脳の回路に異変が起きたらしく、なんだか楽しくなって歩き続ける。7,000歩地点を過ぎしばらくすると、浦安市に突入。

 さらば市川市。こんにちは浦安市。

 日本における男女のつがいの一大繁殖地・東京ディズニーランド&シーがあることで、普段はキミに対してひねくれがちなボクも、今ならさわやかに挨拶できるよ。

 今回のAPは東西線・浦安駅前の三和銀行。ところが自転車に阻まれ、なぜか銀行自体もやっておらずアクションできなかった。無駄遣いしなかったという喜びと、アクションできなかったという残念感。

 例えるならば、新品の傘をさしたとたんに傘にハトの糞が直撃! といった所だろうか。しかしある意味では、どっちつかずという、もっともこの企画らしいAPであったとも言えるだろう。言えませんか?


●8,000〜10,000歩:あきれるほどジェントルに

 さあ、東西線浦安駅前を右折し、旧江戸川を越えればそこはついに東京都だ。グングンと歩を進める。そして約8,600歩目。ついに千葉県と東京都の境目に立った。ここで急進的かつ過激な原木中山ファンの方ならば、「この橋も新原木中山橋にしてしまえ!」と思われるかもしれない。確かに魅力的なプランとも言えよう。

 いや、しかしここはひとつ冷静になっていただきたい。新行徳橋を新原木中山橋にしてしまうという試みは、いわば一方的な行徳のネーミング押し付けに対する義憤であった。この橋にはなんの罪もない。

 ここはひたすら無意味に、そしてあきれるほどジェントルに歩を進めよう。

 さあ、ゴールは近いぞ。思いも新たにボクは首都・東京を行く!(1,400歩だけ!)


●10,000歩目:倒れるほどに……

 橋を渡りきり、道なりに歩くことしばし。今回の10,000歩目は、第1回目のAPと同じような名もなくさびれた駐車場で終わる。朽ちた女子プロレスのポスターがよりいっそうの無意味テイストをかもし出しているはずだ。

 ここまで読んでいただいた人は、あまりの無意味さに目まいすらおぼえたかもしれない。しかしここでもう一度思いだしていただきたい。今回一番目まいをおぼえたのは、ここまで飲まず食わずで歩き続けたボクだということを。

 今回も無意味なまま、そして倒れるほど空腹のまま企画終了。

  

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深く広く宇宙の如く飲む

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