更新日 2013年2月19日
フリテン巻頭言集
あれこれなフリマ

 

e

2012年度

@A辰(龍)のお話
B
妄想 消費税対策
C
身体障害者駐車禁止除外指定車証
D
フリマの目的 活性化
E
ホームページに訪れる人たち
F
お菓子など食品の販売
G
夏のフリマの必需品
H
それぞれな天気予報
I
大丈夫かな? 公共フリマ
J
サプリメントの危険性
K
困ったお客さんたち

2011年度

@世界の十二支と卯年
A
製造と販売と許認可
B
間違った常識のすりこみ
C有機野菜は安全か?
Dフリマで震災を支援しよう!
E中毒に注意!
F風評被害
G
いよいよ完全地デジ化スタート
H
フリマと税金
I
フリマとあてもの
J
バッテリー上がった!
K
お寺フリマ、神社フリマ

2010年度

@寅年の話
A
室内フリマと野外フリマ
B
フリマとネットオークション
C
聞かれても…困る質問
D
フリマとタバコ
E
テント出店 風に注意を!
F早く来る人達
G
フリマの違法を管理せよ!
I猛暑の夏
J
売ってはいけないもの、再チェック
K
手作り石鹸の販売

2009年度

@おめでとうございます
A
コピー商品がフリマをつぶす
B
いろんなものが飛んでくる春
C
無料フリマ
D
フリマと古物営業法
E
フリマの活性効果
F
勝手作り品の管理
G
フリマとペット
H
あれこれなフリマ 「表記のバラツキ」
I
あれこれなフリマ 「プロ・業者」
J
あれこれなフリマ 「出店条件など」
K
あれこれなフリマ 「公私の区別」

2008年度

F販売禁止商品売買 誰が悪いの
G
夏フリマのご用心
H
しっかり読もうよ出店要項!
Iフリマの電化製品
J
○○の秋とフリマーケット
K
古着輸入禁止の国々

≪2012年12月号≫            困ったお客さんたち

 主催者がフリマ開催で最も神経を使うのは出店者の違法商品、禁止商品の販売、そして禁止行為を連発する人達への対応です。本当に呆れ疲れます。出店要項の必読と遵守は大変重要なことで、主催者はこれに従い管理することになります。違反者に対し注意、退場、今後の出入り禁止、犯罪は警察通報などの処置はマニュアル化されています。もっと疲れさせてくれるのが、実は困った行動をするお客さんです。
 朝早くから来る客がいます。会場主との契約より早い時間に会場に入り込むことも。これらの人の殆どは、プロの業者で転売目的の商品買付けやネットオークションで商売する商品仕入れが目的の人達。そして、他の人より先に自分の欲しい物をゲットしようという自分勝手な人達。どちらも基本的にルールなど守る気配もない、自分だけ良ければよしという人種の方ですからいろいろなトラブルを引き起こします。
 まず出店準備に大変邪魔になること。準備に追われている出店者に販売を迫ったり、まだ売ってない商品の説明を求めたり、値段を聞いて値段交渉まで始める客も。邪魔者以外の何者でもありません。出店者がブースから離れている時に勝手に箱を開けて物色する非常識な人もいます。商品が盗まれた、箱ごとなくなったなんてこともあります。もはや泥棒以外のなんでもない客もどきも来ています。
 時間迄客の侵入をシャットアウトできる会場ならこんなことはないのですが、残念ながらそんな会場はなかなかありません。だからと言って警備を立てるとなると強そうな人をたくさん雇わなければならないので、100店規模のフリマではこれも難しい。せいぜい1人か2人が見張るくらいで精いっぱいでしょう。基本は、すべて出店者の自己責任となります。
 対策としては、出店者が貼紙などでスタート時間まで絶対売らないことを明示すること。あまり早く準備しないこと。ブースを離れる時などは物色出来ないよう商品をブルーシートなどで覆うなど。
 客の出店者へのいやがらせもよくあります。年配の男の客に多いのですが、女性の出店者にしつこく話しかけたり、無理な値引きを要求したり。拒むと豹変して大声を出したり凄んだり、終日まとわり嫌がらせをしたということも。最近、盗撮魔が現れました。肌を露出する服装は要注意です。
 帰ってから部品が足りない、不良品だったとクレームも多い。そんな人に限って買った店の場所もあやふやということが多く、販売者探しは一苦労。フリマでは商品の内容、品質はその場でしっかりチェックして納得づくで購入するのが常識です。
 買ったお店に荷物を預けたまま帰ってしまう客も。フリマ終了後に忘れ物が本部に届きます。落とし物結構多い。おかげ様で主催者の車は一時預かり物で年中ゴチャゴチャしています。

≪2012年11月号≫           サプリメントの危険性

 最近テレビや新聞でサプリメントの広告をよく見かけます。フリマに来られるちょっとご年配方の間でも、「関節痛にはグルコサミンやで」、「皺伸ばすんやったらコラーゲン」などと、ほんの10年前には聞いたこともなかった単語が飛び交います。テレビでは70、80歳の往年のスターがサプリのお陰と元気に野山を歩きまわり、海岸を走ったりしています。「コマーシャルに出る前から飲んでたわけやないやろ」と突っ込みを入れながらも、今まで膝が痛い、腰が痛いと毎日病院に通って関節を引っ張ったり温めたりの物理療法をしていた人達がサプリメントを買い込みます。もちろん美容とダイエットには若い人も買ってます。
 サプリメントは「健康補助食品」といわれ、普段の食事で不足しがちな栄養素を補う「食品」です。大きく分けると、ビタミンCやEみたいな「ビタミン系」、カルシウム・亜鉛などの「ミネラル系」、ノコギリヤシ・イチョウなどの「ハーブ系」、DHA・EPAなどの「不飽和脂肪酸系」、カテキン・イソフラボンなどの「ポリフェノール系」、そして「その他」にコエンザイム・セサミンなどがあります。美容や健康に良いとの大宣伝効果もあり年齢を問わず利用人口は年々増えているようです。
 でもこのサプリメント、ちょっと心配なことがあります。「食品」だからです。
 食品ですから今日飲んだからといって、明日には良くなるというものはありません。半年とか1年とか飲み続けないと「効くか効かないか分からない」というもの。また食品なので、薬のように細かい成分や原材料の表示、製造過程の明示が法的に義務付けられていません。当然、副作用の表示は皆無です。例えばグルコサミンの場合、エビやカニの甲羅が主原料なのは周知の事実ですが、ならばエビ・カニアレルギーの方はアレルギーを引き起こす可能性大ですよね。錠剤にするためのつなぎ材料や飲み易くする為の糖分、脂質なども結構含まれていて、糖尿病でインシュリンを処方する方、腎臓病でカリウムを制限している方などは注意が必要です。薬が効かなかったり、控えていた成分を知らずに摂ってしまっていたということも。食品ですので医者にも薬剤師にも相談できません。長期に摂取した場合の臨床データーもなく、障害が出て病院に駆け込んでも対応に時間がかかる可能性大。なにせ食品ですから自己判断、自己責任が前提となります。対策としては、信頼あるメーカーの作ったものを、成分をよく確かめてから食べるのが大切なポイントです。
 さて、フリーマーケット。こんなサプリメントをフリマで売る人が現れそうですね。医薬品じゃないし、食中毒の心配もなし、「売っちゃダメ!」の理由づけが難しそう。海苔やジャムみたいに欲しい人もたくさんいそうだし。さて、どうしましょうかね。

≪2012年10月号≫          大丈夫かな? 公共フリマ

 やっと暑〜い夏も終わり、フリマは徐々に秋のシーズンに突入。フリテンも、さすがに夏場は定期開催が目立ちましたが、10月からは一変します。市区町村、商工会議所など行政が開催する「秋祭り」、「収穫祭」、「産業祭」といった地域の恒例行事とセットされたフリマが急増し、さらに神社の秋祭りでのフリマが加わります。日本各地の大学では「大学祭」が真っ盛りで、フリマは大人気の催し物です。フリマは関係者だけでなく周辺からの多くの市民参加が見込め、中には費用捻出にも貢献し、祭りや行事の人出の演出、地域のふれあい交流イベントとして大きな役割りを果たします。
 こんな秋フリマですが、実はフリテンの情報収集が年々辛い作業になってきているのです。それは「掲載拒否」であったり、「募集は載せないで」だったり、「今年からフリマはやらない」といった返辞をもらうことが増えてきているからです。
 今年の極めつけは、「フリテンに載せたらガラの悪い人がいっぱい申し込んで来た。」と言われたことでした。申込みの時から、「客はたくさん来るのか?」「よく売れるのか?」といった、「非営利、業者不可」が参加資格なのに、商売丸出しの単語を並べるたてる人たち。出店資格も地域限定なのに、始まれば他府県ナンバーの車がやって来る。風体も商品も、誰が見ても露天商スタイル、露天商品。会場でタバコは吸うわ、祭りで客も飲んでいるとはいえ、ビール片手に販売。子どもの物を売っていても、子連れで近寄りがたい雰囲気。他の催し物に客が行ってしまうと、「客を呼んで来い」「売れない」と主催者に文句を言ってくる。という悲しい内容の話。「地域の広報紙とフリテンさんにしか載せてないので、多分フリテンさんの読者…。」とまで言われてしまいました。
 昨年、行政主催の秋祭りフリマを取材しました。やはり同じような光景を見ました。「業者不可」の募集でしたが、どう見ても半分くらいはプロ・業者が出店。地域制限なのにズルして知り合いの住所を借りて出店している顔見知りの業者も発見。断定はできませんが偽ブランドらしきものもチラホラ。怪しいあてもの、当たりは入っているのかな? 的屋さんに見えます。アイドル写真。これも無断複製品かな? 暴力団の資金源かも。
 ガラが悪い人が来たというより正に犯罪そのものの現場ですよね。
 何でこんなフリマが堂々と何事もないように行われてるのでしょうね? 分かりますよね、誰も「管理していない」のです。出店者の確認、商品チェック、犯罪・禁止行為の排除。普通の開催団体なら当たり前にしていることがなされていないのです。問題が起こるは「ガラの悪い出店者が来たから、だからフリマはダメだ」じゃなくて、あんたがちゃんと管理してないのが原因です。しないからさらにヘンな人が集まって来るのですよね。


≪2012年9月号≫         それぞれな天気予報

 それは、地域によって様々だとは思いますが、今年の天気、なんだか雨が多くありません? しかも気のせいかフリマ開催のある土曜・日曜・祝日に限って雨だったり、やっかいなのは降るのか降らないのかはっきりしない、フリマ泣かせの天気が多いような気がします。
 ほとんどの主催者は、開催の最終決定は、開催日当日の早朝にしています。出店要項に明記されているはずですが、早く知りたくてたまらない出店者や出店要項を読んでない人が前日問合わせてきます。主催者の立場としては「当日朝発表です!」としか答えられませんよね。そもそもそうして問合せの電話を入れること自体が、「明日の天気がどうなるかわからない」と感じたからで、それは主催者も同じこと、神様じゃなし、それ以上に決められない状況にあるのです。天気予報が目まぐるしく変化していたりすると、決定時間ギリギリの最新天気予報で決めることになります。
 そんな天気の時は、当日にも一悶着あります。開催した場合は、「テレビの天気予報で雨ゆうてるやないか」、「降水確率80%やのになんでやるんや」、「今こっち降ってるのに」などの半苦情の声。すでに自分で今日は中止と決めて別の予定を入れる人も。中止の場合は中止の場合で、「なんにも降ってへんのに何でやらんのや」、「よそはやってるで」、「今日どっか出るとこないやろか」など、やっぱり不満の声。それぞれ各々違った天気予報を見ているので、いろいろおもしろいご意見も飛び出します。
 ある人は、テレビの例えば「京都」の天気や「京都南部」の天気だったり、京都がなくて「大阪」で間に合わせていたり、とんでもない人はdボタンで登録した自分の住所の天気だったりすることも。新聞の天気予報って、半日以上前の予報ですよね。
 降水率80%と言っても降る時間が問題です。開催時間避けて降ってくれる80%もあります。真夜中に1時間だけ降って100%ってりもありますね。今降ってなくても後で降り出すことも当然あります。他でやっていても、それは前日が雨の場合は会場の地面の状況もあります。出店者受付の時間までに会場の整備が出来なかったら中止するしかありません。どっか出るところは……取り敢えずフリテンを買って下さい。
 最近の主催者はたいていインターネットの天気予報を活用していると思います。よく利用されているのが「ウェザーニュース」。住所単位のピンポイントで1時間毎の天気の変化が予報されます。それから気象庁の「tenki」。こちらも3時間毎ですが、ピンポイント予報が見られます。一番頼りになるのは「雨雲の流れ」の予想。6時間先までの雲の流れの予測が見られます。どんな雲が開催地を何時頃通るのか予測できるので主催者の強い味方です。でも、所詮は天気予報、これが本当によく外れるんですよね。確率的にはゲタ投げより、少しましなぐらいですかね。

≪2012年8月号≫           夏のフリマの必需品

 カラフルな車がズラリと並び、テントが立つ。色とりどりのパラソルが一斉に開き、地面にはキャンプ椅子と机。子ども達はかけまわり、大人達は楽しげに机の上や地べたに持参のお気に入りだった様々なグッズを並べ、おしゃべりに興じている・・・。
 これが高原や水辺だったら、さぞかしリゾート気分ですがそうはいきません。ここはフリマ会場。ただただ暑いのみ。会場は駐車場や通路などの舗装地が多く、アスファルトは熱を吸い吐き出し、照り返しもきつい。予報最高気温より10度くらいはオーバーしてそうです。そしてその焼けた地面の薄っぱらなビニールシートの上に、1日の暑い時間だけ居座るのですから、夏のフリマは命がけです。
 この環境でテントやパラソルなしの出店を結構見かけます。確かにアウトドアが趣味でないかぎり家庭にテントがある方が不思議かも。タオルの頬っかぶりと麦わら帽子というカントリースタイル。「帽子忘れた」「ショートパンツにタンクトップ」なんて人は、出店資格なし。夏の出店には事前の十分すぎる備えが不可欠です。
 今年も熱中症で病院に運び込まれる人が増えています。熱中症の予防は、「水分補給」と「暑さを避けること」が大切なこと。ただでも暑いところに朝早くから荷物の搬入やお店づくりで多量に汗をかいているはず。脱水症状にならないように、充分な水分補給が必要です。
成人の場合、1日1.5リットル〜2リットルくらいの補給が目安ということ。こまめに少しずつ飲むのがポイント。ガブのみは胃にストレスを与えダメージが増します。汗っかきな人はナトリウム不足になりがちなので熱痙攣をおこしやすい状態になってしまいます。水分と一緒に塩分補給も必要です。成分表を確かめて合ったスポーツドリンクで補給するのがお勧めです。
お年寄りは、喉の渇きに鈍感になっていることがあるので、時間を決めて一定量きっちり補給するのがベター。また子どもは活発に動きまわって汗をかくので、専用の水筒を用意してすぐに飲めるようにするのと飲んだ量を把握するのが親の仕事です。
 暑さ対策は、有ればUVカットのテントがベスト。なければせめてパラソルでブース内に日陰を作りましょう。日傘や帽子、うちわは必携品です。日傘による紫外線のカット能力は50〜90%とすごいですよ。流行の黒は紫外線を最も吸収しますが熱もよく吸収するので暑さは増します。涼しげな色のUVカットのものがフリマではベター。最近のテレビ通販で目だけ出して頭をすっぽり隠す、アラブのヒジャブやブルカみたいなのを売っていますが、日焼けには超効果的、でもフリマの売上げにはどうかな? フリマは笑顔の勝負です。服は長袖で通気性の良い吸湿・速乾のものがお勧めです。車出店では、炭酸飲料やスプレー類の車内放置にお気をつけ下さい。爆発します。犬も熱中症になりやすいので注意!

≪2012年7月号≫            お菓子など食品の販売 

 関西は例年並みの6月8日に梅雨入り。フリマでは、これから約1ケ月半、全国各地で雨との壮絶な戦いが繰り広げられます。また、この梅の実のなる長雨の季節は、高温でじめじめした湿気が雑菌を繁殖させ、食べ物にカビや腐敗のダメージを与え、食中毒が多発する季節でもあります。
 毎年この季節がやって来ると心配になることがあります。フリマや市での食品販売です。特に最近は手作り市などで、ケーキなどのお菓子の出店が増えています。食品販売には、それなりに法律や決まり事が沢山ありますが、さて、大丈夫でしょうか?
 手作りお菓子などの食品を製造販売するには「菓子製造業」という営業許可の取得が必要です。他にお菓子関係では、「あん類製造業」、「アイスクリーム類製造業」、「乳製品製造業」、「清涼飲料水製造業」、「氷雪製造業」などがあります。そして、お菓子を作る場所は、家庭や家族の汚染を商品に持ち込まないために、自宅の生活空間と完全に区別した別の専用キッチンでの製造が義務づけられています。手洗い器やシンクなど、衛生を確保するための設備の設置や基準をクリアしなければなりません。
「食品衛生責任者」の資格も必要です。食品を製造するのに衛生知識がなかったり、問題が起こった時に責任を負う人がいなかったら大変なことですよね。そして、安全のための「包装」と「表示」の義務もあります。製造したお菓子を汚染から守る「包装」は大切です。また、どんな材料を使っているのか、アレルギー食品や添加物を使っているのか、賞味期限は何時までか、責任は誰がとるのか、などをお客様に知らせる「食品表示」も義務付けられています。
 よくフリマや手作り市の出店要項で「飲食出店は保健所の許可が必要です」と簡単に書かれたを見かけますが、これは年に1、2回やる町内のお祭りや学園祭の模擬店レベルの飲食店ゴッコの話。手作り市で毎月、何ケ所も出店する人は、手作り商品を販売する作り手さんと同じでプロ・業者です。フリマや手作り市といえどもれっきとした大人のマーケット、商売の場です。そして「業」をすれば当然確定申告も必要です。
 製造許可を受けた業者が製造した包装された菓子やパンなどの販売は届け出の必要はありません。但し、ケーキ類は、冷蔵保存が可能な設備が義務づけられています。市販品に生クリームなどのトッピングも不可。ポップコーンや焼きイモの調理販売、野菜や果物など農産物の販売は許可不要です。ですが、その場で果物の皮をむいたり、カットして販売することは違法です。サンドイッチ、惣菜パンなどの調理パン、おにぎりは菓子製造業許可では販売できません。生ジュースも露店では製造販売できません。
 フリマや手作り市での食品安全度は、主催者の知識と意識レベルに比例します。

≪2012年6月号≫          ホームページに訪れる人たち

 15年程前にLIPS京都のホームページを立ち上げました。(以下HP)当時使っていたパソコンの付録で付いていた「Frontpage Express」ソフトで作っています。何しろこんな仕事なので「速く出来る、お伝えする、変更する」というコンセプトで運営しています。出版書籍、フリマ知識・情報などを掲載、素人の手作りですが、お金がかかっていない分、愛情をいっぱいかけて作っています。ご覧いただけたら幸いです。
 こんなHPですが、毎日1000アクセスくらいあるんですよ。ほとんど直接のアドレス入力や「お気に入り」からや、フリマ名称などの単語検索で来場してきます。そんな中に1%ほどの方ですが、意味深なワードの検索でHPにたどり着く人達がいます。短い検索語なので本意は解りませんが、勝手に想像して笑ったり、怒ったり、ゾーッとしたりして楽しんでいます。最近の1ケ月程に来たものをご紹介したいと思います。
 「フリマ出店するには 京都」「フリマ出店 コツ」「フリマ出店の値段のつけ方」「一人で立てられるテント フリマ」。これらは多分、開催情報や出店のコツ、仕方、出店グッズを探している人達かな。「フリマで売ってダメな物」「テレビをフリマで売っていいの?」「刀を個人で売ってもいいのか 法律」「ハンドメイドで販売してはいけないもの」「手作り包丁 フリマ販売」「ピアス 注意書 販売」「フリマ 服 品質表示 手作り」。これらは多分、販売するにあたって、販売可能かどうか調べている人かな。手作り包丁はダメ、家で作っている姿を想像するのもコワイ。「本物と間違えて販売してしまった ブランドコピー」。コピー商品持っていたんだねこの人。「ダビングされたものとは知らずに購入したら違法か」、買った人までが悔やんでいる。中には「フリマ 儲ける 当てくじ」「暴力団 合法ラインぎりぎり」「フリマ ただ 商品 いただく 方法」なんて言葉で検索している人もいました。
最も多いのはコピー商品に関するもの。「ブランド名を変え 腕時計 違法」「ポケモンぬいぐるみ 偽物」「カセットテープ模造品売る」「手作り商品でアニメキャラクターを使うのは違反?」「サンリオ正規品のリメイクは違法か?」「クレヨンしんちゃんハンドメイドぬいぐるみ」「ブランド まねて売る」。
 個人のコピー商品制作に手を染めようとしている人かなー。「法人 罪 売ってはいけない商品を販売したら」。会社ぐるみでコピー商品の企画をはじめたのかなー。中には、「フリマでテントが飛んだ賠償は」と切実な調べ物をする人、「一般人が銃を撃ってしまった場合の罰則」、なんでこれがうちのHPにやってきたのか? 不思議なものも。

≪2012年5月号≫            フリマの目的 活性化

 フリマを開催するの目的ってなんでしょうか? いろいろあるとは思いますが、よくいわれるのがまず「リサイクル」。「リサイクルフリーマーケット」という名のフリマがたくさんあって、「プロ・業者出店不可、家庭のリサイクル品のみ、手作り品ダメ」と売り手と商品を限定するものがたくさんあります。公共の清掃工場やリサイクル施設が開催するものは、間違いなくリサイクルが主目的と納得ですが、それ以外の主催者の開催は、主目的というより開催の大義名分にリサイクルに選んだって感じがします。だってその主催者がフリマ以外のリサイクル活動をしているのを見かけません。
 そもそもリサイクルという言葉もヘンです。空き缶やガラスを回収して溶かして元の原料にもどし再製造に使うのがリサイクル、衣類や家具を他人に再利用してもらうのはリユースですよね。昔、誰かが間違って使った言葉が、間違ったまま一人歩きしてしまいました。でも、間違っていても主目的でなくても、老若男女、大人から子どもまで、リサイクルの大切さ、モノを大切にする心が全国に広がったのは、フリマの偉大な誇るべき成果であることには間違いはありません。
 次に多いフリマ開催の目的は「活性」です。大抵のフリマの名前には、開催場所や施設の名前が付けられています。どんなにヘンピな場所でも、舌を噛みそうな覚えにくい名前の施設でも、数回開催をするとフリマの代名詞となって、口々に親しみ深く伝わっていきます。たくさんの人に施設や場所が知れ渡ります。イメージアップして人が集まり名物会場になることも。これがフリマによる「活性」のメカニズム。人が寄り付かなかった施設やお店が繁盛したり、空いていたテナントにお店が入ったり、締っていた商店街のシャッターが開くようになったり、何年も売れなかった不動産が売れたり。(この場合フリマは終了)
 活性は、フリマの最も大事な効果です。しかしこの効果、両刃の危険を含みます。例えばそこでコピー商品などの違法商品が売られたり、盗品の売り場になったり、無認可で製造されたもの、保健所に届けなしに食品が売られたり、無資格の施術が施されたり、いわゆる犯罪行為の場となること。
 家庭のリサイクル品販売は合法ですが、プロの仕入れたリサイクル品販売は古物商免許が必要です。持たない業者はもぐり業者。店舗の在庫処分は脱税がらみの裏販売という可能性もあります。手作り品の出店は全てプロ。アタリのないあてものなどする的屋まがいの出店の可能性も。違法なものを求める質の悪い客も集まります。
 フリマの開催には法知識と管理能力は不可欠なもの。残念なことに遊び感覚、商売感覚の主催者が多いのも事実。そんなフリマは「活性」の、何の役にも立ちません。

≪2012年4月号≫     身体障害者駐車禁止除外指定車証

 ケータイをしたり、イヤホンで耳をふさいだまま自転車に乗っていたり、法令で定められた通行区分を走らない自転車が原因の人身事故が大変増えています。それを踏まえ昨年より警察が、罰金を含む厳しい取り締まりを始めたことはニュースなどで周知のことと思います。
 そもそもこれらは自転車取得時に「道路交通法など法令の徹底が充分になされていないこと」、そのため「違反者の取り締まりがなおざりになっていたこと」、そしてその結果、法令を守れる「道路の整備が充分になされなかったこと」が根底にあるのでは。残念なことに日本人は「罰則の甘い法律は守らない」という性質を持った生き物のようです。
 フリマでも、自転車の来場者が交通に支障のある道路や人の通行の妨げになる施設の出入口に停めたり、人ごみのフリマ会場を自転車に乗ったまま進入してきたりと、フリマ運営上の重要な監視点です。今後の警察のさらなる取組みに期待するものです。
 それに似た話で、「身体障害者駐車禁止除外指定車証」というのがありますね。なんともお役所特有、漢字ばかりで15文字、よほど健康でないと一息で読めない長い名前の正式名称の、そうですそうです、水戸黄門様の印籠みたいな、要するに天下御免の駐車禁止免除ステッカーのこと。
 最近この御札をつけた車が増えたと感じませんか。そして、悪用しているのじゃない?と思うことってありませんか?
 交通量の多い道路や通学路への駐車、狭い道に停めて対面通行ができなくなったり、歩行者、自転車が危険な思いをして車をよけて通行することも。夜間、道路を駐車場の代わりにしているのも見かけます。
 本当に身障者の方だったら協力したいと思うのですが、元気そうな家族だけだったり、丈夫そうな人が停めて買物していたりするととても腹が立ちますよね。フリマでも、御札を掲示してどうどうと路上に停め、颯爽とフェンスを飛び越えて会場に入って買物をする客を見かけたことがあります。
 この御札を授かれるのは、視覚障害1級から3級、下肢不自由者1級から4級、上肢不自由者1級と2級などなど、かなり重い身障者のみのはず。ですから前例は、家族などの「悪用」ということになります。
 この御札は「住民が文句を言いにくくなる」という効力はありますが、法律的には違法行為です。法律では、「本人が必ず乗っていること」、「駐停車禁止、法定駐車禁止場所は不可」、「長時間駐車、駐車場的な道路使用は不可」などの遵守が前提に認められているものです。違反には罰金も定められています。交通規則は、「すべての人の安全達成」を目的としたもの。たとえ身障者であっても他の人が危険になる行為が許されるものではありません。身障者の違反行為、御札を悪用する家族をのさばらせてはなりません。

≪2012年3月号≫           妄想 消費税対策

 消費税率のアップが着々と進んでいますね。現在の5%から平成14年に8%、15年に10%というもの。でも、それでも7%足りないというのだから、日本財政はかなり深刻です。もっと上がる可能性大。一昨年のガソリン(石油製品)、小麦粉(小麦加工品全般)の一斉値上げ、そして今度は電気、ガス料金の値上げと、庶民生活はどうなるのでしょうか。にもかかわらず年金の支給額は減額に。法律通り物価指数に応じた「正常値に正す」とのこと。国民には値上げが次々と続き、物価が下がっているようには見えません。もしかしたら統計の取り方も時代からズレているのでは。いずれにしても、政治と経済の失敗を昨年の地震や津波、原発事故を形にして、国民負担を強いる環境作りをしているようにも見えます。
 ユニクロを代表とする衣類、280円の牛丼チェーン、発泡酒・第3のビールの発明、100円ショップ、200円弁当などなど、企業の「1円でも安い商品づくり」への努力は素晴らしく、日本企業は世界一だと思います。しかし、国や学者は、モノの低価格化、いわゆるデフレが諸悪の根源かのように言います。インフレにならないと給料は上がらない、雇用は生まれないと。さて、どうなのでしょうね。
 企業の論理から言うと、「モノは高く売れた方が良い」し「会社が儲かる」ということになります。でも私達庶民の論理は、「モノは安い方が良い」に決まってます。言いかえると「会社が儲かる」は、「株主が儲かる」ということで、「従業員が儲かる」ことではありません。だって「従業員の給料を安く抑える」も「会社が儲かる」一因なのですから。かつての日本企業は「会社は従業員のためのもの」という考え方がありましたが、今ではすっかりアメリカンナイズされて「会社は株主のもの」、さらに「株主創業者一族のもの」といった状況で、ここに大きな所得格差が生まれ、どんどん大きくなっていきます。格差是正という観点から考えると、ハイパーインフレ(13000%のインフレ)でも起これば、資産家の資産の価値が下がり格差是正されるかもしれませんが、それは日本で起こる可能性は相当に低いので、それならば、庶民は中途半端なインフレよりデフレの方が幸せなハズ。
 さてフリマですが、この厳しい経済下、ますます頼りになるイベントですよね。消費税なんて取ってる人はいません。格安商品を捨て値で庶民に提供します。買い手にも売り手にも簡単になれ、家計の援助、起業も可能です。妄想ですが、出店者はいっそ税務署に営業届けを出して、年間売上1000万円以下の小口経営者となり、消費税を消費者から取ることも、国から取られることもないマーケットを広げるのが、庶民に残された、崩壊寸前の資本主義制度に対抗する手段かもしれませんね。

≪2012年1月・2月合併号≫     辰(龍)のお話

あけましておめでとうございます 本年もよろしくお願いいたします

 今年は「辰年」、西暦年を12で割って余りが8になる年が辰の年だそうです。
日本人は日常「たつ」を「辰」や「龍」、「竜」の漢字で表し、年賀状をもらっても、街中に書かれている文字を見ても、老若男女、皆、何も考えずにためらいもなく「たつ」と読みます。きっとこれは外国人には理解が難しい、日本の不思議ではないでしょうか。文字の本当の意味まで知る、知らぬは別にして、日本人のDNAに刻みこまれ、無意識に発揮している識字能力です。改めて考えると干支って日頃の表記と違いますよね。去年の「兎」も「卯」だし、その前年の「虎」も「寅」でした。十二支全部ですよね。毎年この時期に改めて考えて見ると面白いものです。
「辰」はもともと、年・日・時刻・方位などを表す言葉。十二支の5番目で、辰の方位は東南東(やや南寄り)、辰の刻は午前8時の前後2時間、辰の月は陰暦三月のこと。文字自体の意味は、「震える」「動く」「伸びる」「天体の総称」「北極星」などの意味を持っていて、「奮い立つエネルギーの象徴」とされています。そう言えば、「震」や「振」の字にもしっかり「辰」が含まれています。
 十二支で動物にあてはめたのが「竜」。「龍」は人名用漢字で、もともと「竜」から発展してきたものとのこと。「竜」は中国人が創造した最も神聖な生き物のイメージで、神霊の観念を形に表したもの。歴代中国皇帝のシンボルになっています。
 十二支の動物といえば、どれも食料や農耕に関係するものなのに、なぜ想像上の動物の「竜」が入っているのでしょうね。
 竜は、神話・民話にも数多く登場し、天をつかさどる神の化身であったり、神様や仙人の乗り物であったりします。何より歴代皇帝は竜の化身だということです。古代中国では、竜が現れると良いことの起きる前兆、皇帝の政治が正しい証しだというような記述が多くあるそうです。当時の中国人にとって、支配する者もされる者も、竜は単なる想像上の生き物ではなかったのですね。このようなことが、竜が十二支に加わった理由のように思えてきます。
 日本には中国から「竜」が伝わりました。数多くの「竜」が日本の建築物や物語に登場します。沖縄の首里城の正殿は竜そのものを表現しています。昨年、国王夫妻が来日した平和と幸福の国ブータンの国旗は、真ん中に竜の紋章が描かれています。「ブータン」はチベット語の方言で「龍の地」という意味だそうです。
さてフリマ、「龍神さま、どうぞ今年はフリマ中、風だけはご勘弁くださいね!

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≪2011年12月号≫     お寺フリマ、神社フリマ

 フリテンに毎月掲載している情報の中にお寺や神社で開催されているフリマや市がたくさんあります。昔から続いているものは(25年位以上かな)、骨董・ガラクタ市や露店商さんの食べ物や縁起物、生活雑貨などが並ぶ「なんでも市」みたいなのが多いです。でも、それ以降のものは、フリーマーケットや手作り市が圧倒的にたくさん開催されています。お寺や神社のフリーマーケットは、ひたすら買物に励むだけでなく、他にも実に文化と親しめるのがいっぱいあります。皆さんはそんなお寺や神社に、フリマ以外の目的で足を踏み入れたことってありますか?
 お寺フリマ、神社フリマには、寺社が直接主催しているものと、イベント業者さんに場所だけ提供しているだけというものもありますが、どちらも休日開催というものではなく、神様仏様のご縁日に開催していて、宗教行事と絡むものがほとんどです。ありがたいお経や説法を聞いたり、儀式や宝物を見たり、おふるまいやお祓い・祈祷をいただけることがあります。また、ご縁日のお参りは、普段の何倍ものご利益があるそうで、願い事のある人はこの日のお参りは効果的。ぜひぜひ参加をお勧めします。
 そもそも神社・仏閣には歴史がギッシリ詰まっている所。時代時代の歴史との係わり、歴史的事件・人物の営みが息づいています。特に京都は、時々の天皇、平安京の人々、聖徳太子の足跡、源平の武将、室町の公家衆、そして信長、秀吉、幕末の志士たちの駆け抜ける足音が聞こえる寺社がたくさんあり、そこでフリマや市を開催しています。今、あなたがフリマのお店を広げている場所、値段交渉をしている場所が、まさにその場所だったかもしれません。そして、歴史のみならず、縁起や神話、法話、伝承、歴史小説に描かれた風景があちこちに散在し私たちを楽しませてくれます。
 神社・寺院の建物も興味が尽きません。千年を越える歴史的建築物が当たり前のようにフリマの周りに建っています。国宝・重文も見られる宝物展を催していることも。素晴らしいお庭を有するところも多いです。フリマや市の日でなかっても改めて出向き、ぜひ拝観したいものです。
神社やお寺が直接主催するフリマでは、氏子さんや檀家さんがうちこぞって餅をついたり飲食の提供をしたり、ステージの音楽やダンスイベントの企画をしたり、ご用達のお店が参加して名物が買えたり、近隣の農家の農作物産直市が開かれることも。古くから神仏のご縁でつながる町衆の風景が覗えます。
こんな歴史舞台のお寺や神社のフリマに行った時には、歴女や歴史オタクのおやじでなくとも、ぜひ境内の隅々まで散策してみてはいかがでしょうか。

≪2011年11月号≫       バッテリー上がった〜!

 朝、フリマ開始前の受付をしていると、「車のバッテリー上がって少し遅刻しま〜す」と連絡電話。夕方、フリマが終わって、出店者は荷物を片付けてどんどん帰っていく中に、会場にポッリと残る車が1台。「バッテリーが上がってJAF待ちで〜す」。また、慣れた人は一直線に本部にかけ込んで来て、「ケーブル貸して下さ〜い!」。フリマでのバッテリー上がりは本当に多く、1台も無かったという開催は数えるほどです。
 JAFの救援出動回数の第一位もやはり「バッテリー上がり」で、約4割、年間90万件を超えるそうです。原因は電気の使い過ぎなのですが…。最近の車には電装品がやたらと装備されていて、快適・安全・便利の恩恵は、電気の消費量と正比例します。
 フリマでよく有るのは、「子どもが電源を入れてしまった」というもの。フリマに退屈して車内でテレビやDVDを見たり、照明を点けて本を読んでいたなんてことも。おまけに暑いわ、寒いわとエアコンまで入れれば、フリマの終わる頃にはすっかりバッテリーが上がっているのは当前のこと。子どもにキーを渡してはダメですね。
 大人に多いのは、朝、薄暗い時間に出発してスモールランプの消し忘れ。渋滞に巻き込まれてのろのろ運転で充電できてないのにエアコン・オーディオ・ライトの大判振る舞い。ライトオンにしていてルームランプが点いたままハッチバックドアを開けての販売や半ドアが多いようです。
たまにしか乗らないという人のバッテリー上がりもよくあります。バッテリーは使わなくても少しずつ自然放電します。電装品は、使わなくてもバックアップ電流(メモリーが消えないようにしている)が流れているので、少しずつ電気を使っています。
振動検知タイプの防犯装置は、振動の多い場所に停めていると、しょっちゅう動作してしまい、電気を消耗することがあります。長いことエンジンをかけないで電装品だけ動かしていると、バッテリーのパワーはドンドン低下してしまいます
 冷房をよく使う夏が電気をよく使う季節と思いがちですが、冬の方がバッテリー上がりのトラブルは多いそうです。気温が下がるとバッテリーの性能が下がるからです。
冬場は夜が長いので、それだけライトを点ける機会も多くなります。
 トラブルの根底には、メンテ不足があります。特に液量点検は重要です。寿命的には2〜4年ということですから、車検時のプロの判断は無視できません。寿命間近の症状としては、セルの回転が弱々しかったり、ラジオに「ジー」「ヒューン」などというノイズが入ることもあります。JAFには絶対加入しておきましょう。無料で対応してくれます。業者だと、呼ぶだけで1万円くらいかかってしまいます。

≪2011年10月号≫        フリマとあてもの

 フリマの出店受付をしていると、「あてものをしたいのですが、いいですか?」との問い合わせがくることがあります。突然、当然のようにブースであてもの屋さんを開店する人に比べるとありがたいことです。
あてものと聞くと、どうしても良いイメージと悪いイメージが交錯します。リサイクルフリマでは趣旨が違うので禁止は当然。他のフリマでも禁止の方がうんと多いです。
 あてものの良いイメージとはどのようなものでしょうか? やはり、「値打ちのあるものが、よく当たる」ということではないでしょうか。町内会や子ども会などで、家庭用品や電化製品、おもちゃやゲームなど、様々な景品をクジで公平に分けることは、古くからの平和な日本の良いルールです。子どもに台所のものが当たったりして恨まれることは多々ありますが、家族の誰かが喜べば円満解決、また来年に期待が膨らみます。絶対に何かが当たり、そして当たったものが投資した金額を上回っていること、これはあてものの楽しさに欠かせない魅力的要素です。
 では、悪いイメージってどうでしょう?やはり昔、子どもの頃に経験した地域のお祭りや縁日で、的屋さんがやっていたあのあてものではないでしょうか。特等賞、一等賞、二等賞・・と雛壇に、子どもの欲しがるキャラクター人形やおもちゃが並び、子ども達は期待に胸を弾ませました。「次はきっと当たる」と、随分と人生の授業料を納めた経験をお持ちの方は多いハズ。大人になって考えると、上位の賞は何年も同じものが並んでいて、ブームに陰りのあるキャラクターがいたり、昼間見ると薄汚れていた。「当たった当たった」と騒いでいた人は、知らない人ばかりで、その後も何十年も町で見かけることはない。多分、「さくら」の皆さんだったようです。くじのあてものの他にも、わなげ・的あて・射的・弓・ダーツ、球あてなどの「当てもの」、金魚・亀・スーパーボールなどの「すくいもの」、ヨーヨー・鯉・うなぎ・ひよこなどをゲットする「釣りもの」、お宝が一杯詰まってそうな「福袋」などなど、「大人になったらくじを全部買い占めてやる!」と子ども心の願いは、「当たりくじはたして入っているのか?」という疑問に変わるのに、それほど多くの時間はかからなかったのではないでしょうか。
 さてさてフリーマーケット、フリマであてものをやりたいという人は、どちらに近い行為なのでしょうね。子ども達の喜ぶ顔が見たくて献身的にやっている人もいそうだし、ただただ売上げ向上のための人もいる。景品のドラえもんの頭より小さいわなげのわっかを子どもに渡す輪投げ屋のおっちゃんもいそうだし、「あてもの」を無制限に許可できる状況はないという現実があります。そこで主催者としては、「あてものは、射幸心をあおる販売方法」ということで禁止せざるをえないのですね。

 

≪2011年9月号≫           フリマと税金

 フリマで稼いだお金って、税金を払わなくていいのでしょうか? 年に数回の出店だったらたいした金額にはならないでしょうが、中には毎月何回も出店している方もおられます。それに加えてネットオークションに出品したりする人もいて、相当な金額になっている人がいると思うのですが、さて、どうなんでしょうね?
 プロや業者の人たちは、営利目的でフリマや市に出店しているのですから、当然、税務署へに開業届と、儲かっても儲からなくても事業所得として確定申告しなければなりません。お店をしていたりして副業的にフリマにたくさん出店している人は雑所得としての確定申告が必要です。
 それでは、専業主婦やお勤めをしながら出店を繰り返す一般人の家庭の不要品販売はどうなのでしょうか? 
基本的には、自分の家の家具や衣類、雑貨や什器、趣向品など、通常の生活に必要とされるもののリサイクル販売は非課税扱いです。だから確定申告する必要はありません。ただし、宝石・貴金属や書画・骨董品・美術品みたいな、通常の生活に必ず必要でない物で、1個もしくは1セットの価格が30万円を超えるものを売ると確定申告が必要です。
確定申告が必要かどうかは「利益が発生するかどうか」がポイントです。雑収入(おこずかい稼ぎ、生活費補てんのための出店など)の場合は、「総収入金額(売上)−必要経費(仕入れ額や出店料・交通費など)」で計算して、利益が出た場合は確定申告、無い場合は申告の必要はありません。また、リサイクル目的の家庭の不要品販売の売上げは譲渡所得となり、「総収入金額(売上)−(譲渡資産の取得費+譲渡経費))−50万円(特別控除)」の値がプラスの場合は申告が必要、マイナスならば申告の必要はありません。でも、とっても面倒ですが赤字の場合などは、申告した方が他で払った税金が戻ってくることがあります。
サラリーマンであるかそうでないかということも、申告の判断に影響します。正社員・パート・アルバイトなど勤めている人の場合は、給与の額とフリマで稼いだ金額が年間20万円以上あれば申告が必要です。
給与所得者以外(勤めしてない人)の場合は、その年の各種所得の金額の総合計額が38万円(基礎控除)を超えると申告が必要となります。
 手作り市で販売している人は、材料を仕入れ加工販売しているので製造販売業者となります。フリマプロと同じ、開業届けと確定申告が必要でしょうね。商品によっては許認可の必要なもの、法律で規制されたものがたくさんありますので要注意!
 さて、税金をいっぱい請求されるほどフリマで売れたらパッピーなことですね。

 

≪2011年8月号≫    いよいよ完全地デジ化スタート

 7月24日からいよいよ地デジ化完全移行となります。皆さんのご家庭は、いかがでしょうか? 最近の情報では、普及率は95%を越えたとのこと。でも、実際のところ、一軒が3台買ったり、薄型テレビと録画機、チューナーを買うと3世帯にカウントされたり、80歳以上の単身家庭はカウントされていないなど、実際の普及率は明確ではありません。大地震の影響もあり、普及率80%とすると、推定1000万世帯の地デジ化難民がいることに。7/.24以降の混乱が目に見えるようです。
 今頃なんですが、そもそもなんで地デジ化だったのか覚えていますか? 地デジ化決定時の説明は、確かこんなのでしたね。
@高画質・高音質 
A双方向通信
B電波の有効利用 
C電波障害の軽減
D世界的に地デジ化への流れがある

@は、確かにテレビの画質は良くなりました。それは高いテレビを買わされたのですから当然ですよね。でも、それほど高画質・高音質で見なければならない番組が放送されていないように思います。お笑い番組トテレビショッピングに、古〜い映画、再放送番組も目立ちます。NHKにいたっては「BSハイビジョン」のチャンネルもなくなった。今後に期待できるのでしょうか?
Aは、クイズ番組に参加したり、テレビで買物ができたり、視聴者参加番組というやつ。でも、これってインターネットで昔からやっていることで、地デジ化されても、テレビにインターネットや電話回線の接続が必要。ほとんどの家庭では「やらない」って感じ。
Bは、携帯電話の普及で、電波帯が飽和状態になりつつあり、電波帯の幅を狭くしても映像の質を落とさないデジタル波にすれば電波の有効利用が図れるというもの。空いた電波帯を携帯電話事業者などに配分したり(電波オークション)、新規事業者にも電波を開放するというようなことを、民主党のマニフェストに電波オークションの導入を掲げていましたが、大ウソ、国会に提出された電波法改正案にはまったく見当たりません。すでに不用になっている周波数帯は開放されることはなくテレビ局が利権を独占し続けていますね。
Cは、アナログ波に比べ、デジタル波は電波障害を受けにくく、映りの悪い地域がなくなるというものでした。これは直接人工衛星から電波を飛ばすBS・CSの話で、日本が選択したのは「地上デジタル」という中途半端なデジタル化、解消されません。
Dも、まったくのウソ。アメリカでは半分がケーブルテレビ、衛星が3割で地上波は2割に過ぎません。ドイツもケーブルテレビが主流で、地上波は僅か5%。ヨーロッパ各国でデジタル化といえば、「BSデジタル」のこと。地上波と違い、何万もの中継局を建てる必要もなく、衛星1波で全国カバーができ、映像に劣化が起こることはありません。なぜ、日本は「地上デジタル」なのでしょうね??? 既得、利権の匂いがプンプンします。とにもかくにも7月24日、日本は、地デジ化に完全移行されます。

 

20117月号》            風評被害

 風評被害とは、在りもしない事、不確かなことを誤って報道したり、良くない噂が世間に流され、意味もなく、まったく関係のない他人が損害を受けること。
 まさに今、福島第一原発事故の放射能漏れの風評は、福島県のみならず東北・関東一円の農作物、海産物などの一次産業生産品に壊滅的な被害を与えています。直接畑から収穫する作物のみならず、放射能被害と無縁のトマトやキノコといった施設野菜までが、未だに多くの大手スーパーの店頭に並ばないという現状があります。JA全農福島県本部は、屋内退避指示が出ている福島第1原発から20〜30キロ圏内で食用に飼育する子牛を、競り市への出荷することを断念した。乳牛農家は、毎日しぼった牛乳を捨てているという状況。ついに自殺者も出はじめています。
観光業界に至っては、福島から遠く離れた栃木県までが、団体旅行、個人旅行のキャンセルが相次ぎ、休業、廃業、倒産するホテル、旅館が相次いでいます。
 さらにこんな情けないことも起こっています。いわき市の運送会社では、「放射能の問題があるので、いわきナンバーで来ないでほしい」との取引先からの依頼で、東京や埼玉のトラックを借りての運搬を余儀なくされました。また、他県で「福島県民お断り」の貼り紙を出すガソリンスタンド、福島県民であることを理由に、レストランの入店が断られたり、ホテルに宿泊できなかったり、車に誹謗・中傷の落書きがされるなどの事件も発生しました。
 経済・生産以外でも、さらに信じられないような腹立たしいことも起こっている。福島県から県外へ避難してきた児童の転校先の教師から「福島県から来たことを隠しますか?」と聞かれた。児童が教室に入ると「用意された机は教卓の前で、左右空席だった」と、何の罪もない子どもの心を踏みにじむ心ない仕打ちに大人が関わっています。南相馬市から群馬県へ避難した女子児童は、「福島県から来た」とクラスの子どもから避けられたり、陰口を言われたり、嫌がらせを受けたりして不登校になってしまったという事態も報告されている。一部の無知で心ない人達の風評被害が「差別」へのエスカレートが危惧されます。
 さて、フリーマーケット。フリーマーケットにも、次元は違いますが、「風評被害」ってありますよね。たわいのないものが多いのですが、「あそこのフリマは売れない」とか「あのフリマにくる客は渋い」、「お金持ちの客が多い」とか、「コピー商品を売っても主催者は見て見ぬふりをしてくれる」とか、「主催者は雨女だ」とか、こちらは笑えるものが多くて、少しホットします。でも、信じる人がいるのがコワイです。

 

20116月号》            食中毒に注意 !

 富山・福井県で起きた、焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」による大量食中毒事件は、死者4名、入院患者100名を超え、その内約4割が重症者という大惨事となりました。原因は、腸管出血性大腸菌O-111によるもので、これまでに有名なO-157と同種の大腸菌。数字は発見された順番を意味し、O-026やO-128など、過去に食中毒事件を起こした菌が数字の分だけあります。
 感染は、食品や飲料水を媒体とするものが最も多く、食品は牛生肉や野菜がダントツです。今回はまさに典型的、生肉ユッケが原因と見られており、想定内、起こるべきして起きた食中毒事件と言えます。
 直接の発生要因としては、焼肉店が、「細菌検査をしても一度も見つからなかった」と2年前に検査をやめてしまったこと。細菌の付着しやすい肉の表面を切り取るトリミングという作業を、「肉がもったいない」とマニュアルから工程を削除し、全チェーン店でやめてしまったことが推測されます。また食肉卸業者も、取引先に販売する肉を加工する際に使う調理器具を各社毎に使い分けるというルールが無視されていたり、販路拡大のためか「焼肉店でのトリミング作業は不要」というメールをしたとかしないとか。食中毒とは関係ありませんが、「純国産牛」という表示にも嘘が発見され、過去の北海道で起こったミートホープ事件を彷彿させる胡散臭さが漂って来ます。
 他人の安全よりお金儲けを優先する経営者と、胡散臭い経営者が出会い、1+1が+2にもならず、−2かそれ以下になったという負の連鎖事件のような気がします。
 最も理解に苦しむことは、日本中にこれだけ多くの焼肉店があり、そのほとんどの店でユッケは人気メニューとして客に提供されているという事実があり、そして「生食用」の牛肉など市場に流通していないことを最も知っている厚生労働省が、何も対処してこなかったこと。そして、「人気メニューでよく売れるから」、「生肉の提供は業界の慣習」と、業界全体で生食の危険性を認識しながら目をつぶってきた全国焼肉協会とは、今回の食中毒事件の真の加害者と言っても過言ではないのではないでしょうか。ここにも正数足し算がマイナスの答えを出す構図が見え隠れします。
 さてフリマ。縁日市や手作り市で食べ物の出店をよく見かけます。縁日市の的屋さんは、だいたいその日で売り切るので、保存や賞味期限などの管理がない分安全かもしれません。容器も使い捨てですね。心配なのは素人が管理する手作り市など。現場で調理したり、家庭の台所で家族と同じ調理器具を使って仕込みをしてきてそうな出店、露天営業許可なく毎月飲食物を販売する飲食出店、臨時許可も取っていない模擬店、法律があることすら知らない人もいるようです。 無知な出店者と管理しない主催者、知らない方が無難の会場主、地域の保健所、どこか似た仕組みが不気味ですね。

 

20115月号》       フリマで震災を支援しよう

 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。
 震災後の土曜・日曜日に開催予定だったフリーマーケットや、様々なイベントの多くが、東京を中心とした関東地方で中止となりました。また、他の地域でも「自粛」が相次いでいます。
 LIPS京都も3月21日に開催予定があり、その一週間ほど前から震災に関しての電話が何本かありました。その多くは、「フリマを開催しますか?」というもの。内容的には「あちこちで中止になっているのに」、「こんな状況で不謹慎だ」とのお怒りや、「気分が落ち込んでいて出店する気がしない」と精神状態を訴える人も。理屈は一理も二理もあり、気持もすごく理解できるものばかり。でも、ここでやめることは間違いだと思うのです。関東以北での中止は、まだ余震が頻繁に続き危険な状態であること、停電もあり、物流がおかしくなりと、まさに現在進行形での「中止」です。被害を免れた関西の私達は、今まで以上の元気を出さないといけないと思います。そして人が集まれば、いろんな「新しい元気」が生まれます。
 こんな電話もありました。「被災者にフリマで残った古着などをLIPSさんが集めて送ってあげてほしい」。・・・・・・・・。
 神戸の震災の時、こんな感覚で個人が直接、間接に古着や不用品を大量に被災地に送るということ起こりました。その結果、支援物資の整理と仕分けに膨大な時間と人手がとられ、本当に必要な物、事が滞り、大量の保管場所が必要となりました。過剰な物資支援が起こり、輸送ラインが混雑し、中には、不要品廃棄の絶好のチャンスとばかりに、汚れたまま、破損した物等を一方的に送り付けたり、支援事務所の前に置き去りにする一般の人、廃品業者、リサイクル業者まで現れ、支援の大きな妨げとなり、大量のゴミを被災地にばらまき、そして被災者の心をさらに傷つけました。
 それらの経験を踏まえ、今回の支援物資は新品で本当に必要なものを、そして行政やNPOを通しての募集となっています。フリマのリユースとは違います。
 支援で最も良いのは「お金」です。被災者が本当に必要な物を手に入れられるのがお金。また、被災者の自立、そして復興の原点となります。
 フリマ主催する方は、会場で募金活動をし、出来れば出店料に寄付を組み込んでほしい。人を集める仕事をする者の宿命と考えてほしい。人を集めて「元気」を創造してほしい。そんなフリマをしてほしい。

 

20114月号》        有機野菜は安全か??

 先月号の「間違った常識のスリコミ」は、私達がマスコミや周囲の噂などの影響で、知らないうちに事実でない知識を持ってしまうというお話でした。そういうことって結構あるものです。近頃ブームの「有機野菜」も同じようなことが言えるのではないでしょうか?
 手作り市やフリーマーケットで、「有機野菜」「無農薬」という看板の野菜販売をよく見かけます。栽培されたご本人が販売されているので、「生産者の顔が見える」という点では、デパートよりもすごいかもしれません。有機野菜と聞くと、ほとんどの人は「安全」という二文字が頭に浮かびます。不揃いで土まみれで虫でも這っていたら、なぜかますます納得してしまいます。でも、本当に有機野菜って安全なのでしょうか?
 有機野菜とは、「農薬や化学肥料を使わずに栽培した野菜」のこと。農薬には発がん性物質や遺伝・生殖毒性を含む化学物質が含まれていて、洗い具合や洗っても野菜に残留する危険性があるといいます。また化学肥料は、土の中の有益かつ必要な微生物を殺してしまうので、土壌が荒廃し作物の栄養価を下げ、有害物質を生成するということがあるそうです。生産性と農家の労力減少は補償されますが、野菜と田畑、そして人間にダメージを与える危険性が高いというのが、輸入品を含め私達が口にする農薬と化学肥料を使った野菜より有機野菜が優れているという理由です。
 しかし、ここで考えたいのは、「本当に今の時代に完全な有機栽培が可能なのか?」ということです。野菜の栽培には肥料が必要です。化学肥料の替わりに使う有機肥料は、人を含め牛や豚、鶏などの糞の肥溜めを堆肥とします。相当量の糞が必要で、足らなければ買ってこなくてはなりません。その糞をしているくれる家畜たちが何を食べているのか気になりませんか?
 たいていその多くは化学合成飼料を食べています。ご本人の生産者も、さらに添加物の入った様々なものを食べています。化学合成物を食べて出した肥溜めには、汚染物がより凝縮されていそうです。
 そして、自分の田畑だけ農薬を使わなくとも上流の田畑が農薬を使えば、下流の水田にも流れてきます。近くの田畑で農薬を散布すれば、当然風に乗って農薬は運ばれてきます。完全に隔離された地域・場所での栽培でなければ、完全無農薬、完全有機栽培は不可能なのではないでしょうか。
 作物の「有機栽培(オーガニック)」の表示は、平成11年度よりJAS法の認証受けたものでないと表示できなくなりました。また、「無農薬」の表示は、平成16年から「特別栽培」と統一して表示されることになります。
 さて、我々がフリマや市で目にするこだわり有機野菜達、合法かつ安全なものであることを祈るばかりです。

 

《2011年3月号》          間違った常識のすりこみ

 私達は結構、テレビや新聞などから間違った常識をすりこまれています。
フリーマーケットは、「市民のリサイクル活動の代表」と言われます。でも、リサイクルは一面、環境にとても有害なことなんです。例えば紙の再生一つ見ても、古紙をトラックで集め、運び、再生できない金属などがついたもの、表面加工されたものを除き、印刷インクを除去し再生します。費用は新しいパルプから製紙するより数倍かかり、その諸工程から大量の二酸化炭素を発生させます。リサイクルには、すべてこのリスクがつきまといます。
 二酸化炭素は、「地球温暖化の犯人」と報道されています。地球の温度が上昇し、南極や北極の氷が溶けて海面が上昇し、太平洋の島国ツバルや海抜の低い都市が水没の危機に瀕していると、テレビでは昔と現在の映像を繰り返し流します。学者や専門家と称する人達が水没の可能性がある地域を解説し書店に本が並べます。
 でも、これって本当でしょうか? 
南極や北極の氷は、地表にある大陸氷と海の凍った棚氷の二種類からなります。IPCC(気候変動に関する政府間バネル)の予想では、今後100年で気温が2.4〜6.4度上昇すると報告しています。もしこの予想の最大値6.4度上がってとして、南極はマイナス20度〜45度の世界、氷が溶ける温度にはほど遠いですよね。また海中の氷は海水と接しているので溶けることはありますが、アルキメデスの原理通り、溶けても海面が上昇することはないはず。氷入りのジュースの氷が全部溶けたからといってグラスからあふれ出るということがないのと同じ、小学生でも知っていることですね。そして現実、観測結果も際立った温度上昇はなく、ツバルも逆に面積が増えているという報告が後から小さく報道されました。陸が沈む(浸食)のは温暖化とは別の問題です。
 そして二酸化炭素の増加ばかりが話題になりますが、本当に人類に必要なものは酸素のはず。小学校で習った「空気は窒素が80%、酸素が20%」という数値は今も変わっていないのでしょうか。学者やマスコミが騒ぐのを見ません。世界に「二酸化炭素の排出量取引」という経済が出来てから益々語られなくなったような気がします。
 さて、フリマのリサイクルは環境に悪いのか? 誰が何時から言い出したのか「フリマのリサイクル」。フリマはリサイクルではありませんよね、リユースです。モノを大切に使う。自分が使わないものは、捨てないで使いたい人を見つけて使ってもらう。フリマのリユースは、個人で出来る地球レベルの環境活動です。

 

《2011年2月号》         製造と販売と許認可

 大晦日の大雪には驚きました。お正月の間も骨董市や縁日市が日本各地でたくさん開催されていましたが、さすがに出かける気は失せてしまいますよね。出店の方、さぞかし初売りは、露店ならではの天敵との戦いがあったのではないでしょうか? 
 前号は1月号ということで、「フリマの販売禁止」のお話はお休みさせていただきました。今年も続けていきたいと思います。
 フリマで売ってはいけないものを大別すると「違法なもの」と「許認可が必要なもの」に大別されます。前者の代表はコピー商品。著作権者の権利と利益の侵害行為です。中国のアミューズメントパークでのディズニーのキャラクター行進や偽ガンダム像などのニュースをみるたびに笑ってしまいますが、笑ってばかりもいられません。日本でも近い事をたくさん目にします。そんなのがフリマに押しかけたら大変、フリマが犯罪マーケットになってしまいます。そして権利の侵害だけでなく、確実に新しいモノを創造する文化が壊れてしまいます。
 後者は、消費者の安全を保護するためにその製造・販売に許認可が必要なもの。
具体的には、「食品」では食品衛生法に係るもの。この食品衛生法は、直接人の口に入る食べ物だけでなく、食器や子どもの口に入る可能性があるベビー用品や子ども向けの玩具を販売する際にも関連します。手づくりの市などでも、子どもの玩具や乗り物、積み木などが出ています。そしてケーキを筆頭とした食べ物類をよく見かけます。さて出店者は正規の手続きをしているのか、主催者もちゃんと理解して管理しているのか、多くの問題が横たわっていそうです。
仕入れた「中古品」の販売には、古物営業法が係ってきます。自分が使っていた家庭の不用品は必要ありませんが、厳密には、販売する場所を管轄する公安委員会より「古物商免許」を取得する必要があります。
しっかり管理しないとフリマが無法販売の場所になってしまいます。
 他にも「酒類」、「医療機器」、12月号で書いた手作り石鹸・香水を含む「化粧品」、最近増えた個人の「輸入品」なども、商用輸入であれば税関検査が必要、食品を輸入する場合は食品輸入届、化粧品の輸入販売は化粧品製造販売業許可が必要です。
 フリマでも個人輸入やネットで仕入れて販売する人達が年々増えています。企業の販売施設では、国や役所が管理していますが、フリマでは主催者の手腕に委ねられているのです。

 

《2011年1月号》            世界の十二支と卯年

 2011年は卯年。年を12の動物で表現する、十二支は、『昔々ある年の暮れに神様が「元日の朝、新年の挨拶に出かけて来い。一番早く来た者から十二番目の者までは、順にそれぞれ一年の間、動物の大将にしてやろう」ということで行われたレースで順番が決まった』というお話。日本では6世紀頃に大陸から伝わり定着したとのことです。他から伝わってきたものだから、当然、他の国にも十二支があるということになります。これが結構面白いのです。
 中国、台湾、韓国、ロシアでは、動物の種類、順番は同じです。ただ、これらの国々では猪と言っても実は豚のこと。日本の「猪突猛進」なんてイメージでなく、太った豚は「豊かさと富」を象徴しているとのこと。ベラルーシでは、はっきりと豚になっています。十二支が伝わった頃の日本にはまだ、猪だけで食用に家畜化した豚がいなかったということが推測されます。
 モンゴルでは虎が豹になっている。面白いのはベトナムで、猪は豚、牛は水牛、羊は山羊、そして兎は猫と4つも日本と異なっています。チベットとタイも兎に替わって猫が入っている国です。
 なぜ兎がまったく違う猫になったのかの理由はわかりませんが、伝わった地域に兎がいなかったのか、神様のレースでネズミにだまされた猫に同情が集まったのか、はたまた、たまたま猫大好きの人が一生懸命広めたのか、伝わった順番、年代、その国々の環境や文化の状況で変化したようです。
 さて兎。卯年の人の特徴は、「楽観的で陽気。平和であることを愛するタイプが多い。明るく温和で優しい性格なので、ひ弱に見られがち。穏やかそうに見えて実は我が強い人が多い。争いごとが苦手で、柔軟で従順な対応をする。野心などが無く目上の人から引き立てられかわいがられる。愛嬌があり誰からも好かれるが、損得勘定で動く面がある。親切なのですが意思が強く負けず嫌い」とのこと。そして「飛び跳ねる=飛躍」「子沢山=豊穣」「長い耳=良く聞き福を集める」という連想から、出世運や財運を招くとされています。また昔からうさぎは月からの使者や、神様の使いとも言われ 「ツキを招く」ともいわれています。
読者の皆様の良い卯年をお祈りします。

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201012月号》          手作り石鹸の販売

 先月号の、フリマで「売ってはいけないモノ再チェック!」、トライしていただきましたか? 今月号よりひとつずつ答え合わせをしていこうと思います。第一回は「手作り石鹸」について考えてみたいと思います。
 手作りイベントなどでよく見かける手作り石鹸ですが、さすが作家さんが作っただけに、形・色・香り3拍子揃っていたり、効能書きも素敵で、とっても欲しくなる魅力的な商品ですよね。
フリマと手づくり石鹸のご縁は、琵琶湖の水質汚染の問題が高まった
20年ほど前、環境生協さんが中心になって、廃油を原料にした石鹸作りを広められ、婦人会や小学校の授業にまで広まりました。家庭に無料配布されたり、廃油と交換だったり、お店やデパートでも販売されていました。 琵琶湖への環境意識が高まり、みごとな成果がありました。
しかしその石鹸自体はというと、原料の「廃油のバラつき」、作る人の「技術・知識レベル」がバラバラで、一定の品質が保てず、広まれば広まるほど粗悪なものが出回り、またその期間に洗剤メーカーが環境にやさしい製品の開発が進み、「手作り廃油石鹸の方が、かえってダメージを与える」ということになり、
10年ほど前に殆ど廃れてしまいました。
 最近ではあちこちで増殖している「手作り市」で、癒しや高級志向の製品販売が増えました。でもこれも同じで、作り手さん個々の「材料・知識・技術レベル、品質ものさし」のバラツキがあるのです。とても良いものもあるし、とても良くないものもあるようです。説明書のあるものないもの、密封されているもの、裸のままで日向や砂埃のたつところで売られているもの…。石鹸は人間の皮膚に直接触れるものなので、イベント主催という観点からしますと、食べ物と同じで、安全性に疑問が多々ある危険な商品ということになります。
法律的には、身体を洗う「化粧石鹸・薬用石鹸」は、医薬品、医薬部外品、化粧品となり厚生労働省の管轄。「薬事法」が適用され、製造・販売には厚生大臣の認可が必要です。市版の石鹸材料を仕入れ再成型したものも同じ扱いになります。
身体を洗わない洗濯用石鹸・台所用石鹸は「雑貨石鹸」という分類になり、こちらは経済産業省の管轄。雑貨工業品として
「家庭用品品質表示法」の適用を受け、成分、用途、使用法、製造者などの表示義務が定められており、遵守すれば誰でも製造・販売が可能です。そして製造物責任法(PL法)は当然適用されます。
 こんな手作り石鹸、素敵なモノを作る方がたくさんおられますが、法的に違法な製造・販売が多いです。食品と同じで不特定多数の人が直接触れるもの、厳しい規則がなければ大変ですよね。さて、こんな手作り石鹸の製造・販売、皆さんの目にどのように映っていることでしょうか
?

201011月号》     売ってはいけないもの、再チェック

 先日の新聞に「偽ブランドかばん販売目的所持疑いで露店商夫婦逮捕」の記事が載っていました。商店街の露店でレスポートサックの偽かばん2個販売していて、自宅からも偽ブランドのカバンが41個も見つかり夫婦共逮捕されたということです。
 まさかと思いつつ(願いつつ)、念のためこちらの出店者名簿を調べてみると…、なんとなんとありました、出店していました。カバンばかりのちょっと怪しい店だったのと、以前に他の出店者が偽ブランドカバンを何度か持ち込んだことがあったので、開催中にスタッフが商品のチェックを入念に行い、商品確認や注意の声かけもしたという記録が残っていました。さて、その時は違法なものは持っていなかったのか、こちらが発見できなかったのか、それともチェックの時は隠していて客の顔を見て出すという手口なのか、今はもうわかりません。ただ、何もなかったと願うばかりです。
 違法商品だけでなく、フリマで売ってはいけないものはたくさんあります。先月、スタッフが三重県松阪で開催しました「初級フリマ開催講座」の時に作った「フリマの疑問チェック」をご紹介します。何問説明できるか試してみてください。

【問】フリマでして良いものには○、よくないものには
× 注意が必要なものには△をつけてみて下さい
@家で作ったクッキーの販売
A自分で作っていない既製品の食品の販売
Bお中元でもらいすぎたビールやお酒の販売
C海外からのお土産でもらったタバコの販売
D香水を小分けして販売
E手作り石鹸を販売
F家にあった薬や漢方薬の販売
Gビール券や図書券を販売
Hペットの里親探し
I家にあった骨董品の染付の鉢の販売
J売上向上のため、骨董品やリサイクル品を仕入れて販売
K
Tシャツにドラエモンの絵を描いて販売
L本物と言う事で買ったが、どうもニセモノかもしれないと思いつつ販売
Mブランド物のレプリカを「ニセモノですよ」と告げて納得の上で販売
Nルイヴィトンの包装リボンでストラップを作って販売

Oブランドショップでもらった紙袋を販売
P自分で録音して聞いていた音楽のカセットテープを販売
Q家庭で
TV放送を録画したビデオテープをまだ使えるので「空テープ」として販売
R手作りシルバーアクセサリーの販売
S料理自慢の腕を活かして、フリマで飲食ブースを開店

 主催者の無知や管理能力の不足で、危険や犯罪が簡単に起こってしまう要素を多分に含むフリーマーケット開催。運営・主催する人は常に研鑽が必要です。
 答えは敢て掲載しませんが、ぜひご自分調べてみてくださいね。

201010月号》               猛暑の夏

 気象学でいう猛暑日とは、一日の最高気温が35度を超えた日のこと。
気象庁は
9月に入り、この今年の猛暑を「30年に1度の異常気象と認定」したと宣言しました。
秋風が吹き始めるはずの
95日に京田辺市で、9月の国内観測史上最高の39.9度を観測しました。
気象庁の無人温度観測機器(アメダス)に、つる草が巻き付いていたという目が点になる話もありましたが、「適正な状態での観測ではなかったが、過去の記録や、ほかの地点と比べて極端に高い気温ということはなかった」として、記録として更新されるようです。

 今年の気象はすべて記録ずくめです。8月の平均気温は、全国154の気象観測所の半分に当たる77カ所で記録が更新されました。北日本を中心に平年値より3℃以上高くなったところが多いとのこと。また、大阪市、岡山市で30.5℃、高松市で30.4℃、広島市、福岡市で30.3℃、京都市、福山市で30.1℃と7カ所で平均気温が30℃を超えたとのこと。平均30度というのは、朝も昼も晩も、晴れの日も雨の日も風の日も全部加えて平均で30度を超えていたということです。日本の気候そのものが変わってしまおうとしているのではないでしょうか?
 この猛暑で、熱中症で亡くなった人は717日から830日までで最低でも496人に達し、戦後最悪の記録を更新。 病院に搬送された人も829日までで46728人に達したとのこと。温暖化や気候変化に日本人の意識改革や生活様式の対応が間に合ってないのではないでしょうか?
 さて、フリーマーケット。こちらも今年は大変でした。始まって以来の影響を受けたのではないでしょうか。首都圏を中心に各地で中止が相次いだとか。さすがにこの猛暑の中出店しようという人は命がけで少なく、どこのフリマも定員割れの開催が多かったようです。 プロやプロに近い人の出店のおかげでそこそこ形になったという感じです。この危険な暑さの中でリサイクル運動どころではありません。高齢の方、子ども連れの出店は避けた方がいい。
 この猛暑、本当に「
30年に一度の異常」でしょうか? 温暖化や亜熱帯化という地球レベルの話なら100年異常は続くもの。異常は通常ということになるのでしょうね。

《2010年8月号》    フリマの違法を管理せよ!

 フリマには地域活性や環境問題、福祉など、様々な社会的効果があって、その成果には驚かされるものがあります。しかしその反面、物を販売するマーケットという性格上、ひとつ間違うと裏マーケット的な反社会的効果をまき散らす媒体になりうる性格も持ち合わせています。
 コピー商品の販売に代表される「違法商品販売」は有名ですが、他にもたくさんの「違法」があります。銃刀法がらみの刃物の販売や医薬品・化粧品・酒・タバコ・金券類の販売、無資格と衛生が問題な美容・理容・マッサージ、保険所の規則を満たさない飲食物、著作権を侵害する音楽・映像・パソコンソフトのダビング販売などなど。
 そしてさらに違法行為は「幽霊商品の販売」。「プロ・セミプロ可」などと業者出店を認めているフリマでは、仕入れ実態のない商品の販売が行われる危険があります。骨董やリサイクル業者には古物商免許が必要で、古物の出入りの記帳が義務付けられていますが、業者や企業の販売でありながら帳面に記載されない幽霊商品の処分の場としてフリマが利用される可能性は高い。
 手作り品は「売るために材料を仕入れ製作して販売する」ことなので、製造販売業です。アマチュアの手づくり…というのは基本としてありえません。税務署に起業届けを出し屋号を掲げて出店すべきもの。作る時は作家でも、売れば販売業者です。他の作家の盗作商品、有名キャラクターのコピー、安全性の問題や粗悪品など、法に定められた品質の表示、損害や事故責任を謳うPL法の問題もからみます。
 このような現状の中で、主催の能力がお粗末という状況があります。特に市町村などが祭りの一環で開催するにわか主催者、担当者によるフリマ、NPOなどが他の社会目的を掲げて資金作りを目的に開催するフリマ、出店者や主婦が「売るより儲かる」「フリマ大好き」と安易に始めるフリマなどはその最たるもの。
「コピー商品禁止!」は、どのフリマの要項にも必ず書かれていますが、受付段階、現場でチェックできる主催者はほとんどいない。商品と人、人の行動の管理するのが主催者の一番大事な仕事です。
 管理知識がない、管理しない、管理出来ない主催者のフリマ開催は、社会に反社会的効果と犯罪を垂れ流すことになります。

《2010年7月号》        早く来る人達

 フリマの開催日、朝早〜くから会場にやって来る人達がいます。
 受付開始時間よりうんと早くから来る出店者、主催者より早く来ていることも。「道が空いていてメチャメチャ早く着いた」というのは仕方ないのですが、「出店要項を読まずの適当な来場」だったり、「早く来て良い場所を占領」とか、「とっとと準備を済ませて時間前に買物」が目的だったりすると、出店者にもお客さんにも公平な立場であらねばならぬ、かつ会場主に責任のある主催者は仕方ないでは済ませられないことに。
 販売開始時間より随分早くからやってくるお客さんがいます。「昨日から楽しみで寝つかれなくて早く来てしもた」なんていうカワイイ人もいますが、「時間前に自分の欲しい物を手に入れる」や「営利目的の業者の仕入れ」だったりすると情けなくなります。中には封鎖されているドアを無理矢理開けて侵入するこそ泥みたいな人がいたり、出店者になりすまして紛れ込んだり、堂々と「〜さんのお手伝い」などと嘘をついて入りこもうとする人も現れます。よくあるフリマの悲しくなる朝の風景です。
 「早く来る人達」が増えることは、主催者に大きなリスクです。会場主と打ち合わせた使用時間の契約が違反になるからです。それが出店者だったらなおさら、契約時間より前に敷地に入り込む、トイレなどの施設を使う、先に無断で搬入などされると、主催者の管理能力が問われ、信用をなくすことに。早朝からの車のアイドリング、荷運びの音、大声での会話、喫煙など、周辺地域からのクレームに繋がります。
 時間前の客や出店者に買い占められるフリマに良い客は来ません。「10時スタート」のバーゲンが時間前から始まっていたら二度と行きませんよね。行ったとしても次はもっと早く行くことに。「早く来る」は「もっと早く来る」にエスカレートします。
 そして「早く来る人」が、規則を守らない人、平気で嘘をつく人、自分だけ良ければいいという人、不正を不正とも思わない人達だったらもう最悪。フリマはそういう人達の集合場所、溜まり場と思われてしまいます。フリマの質が低下するだけでなく、地域や施設に悪い評判が立ちます。そしてフリマの存在価値が薄らいで行きます。

《2010年6月号》   テント出店 風にもっと注意を!

 平成20年に福井県敦賀市の金ケ崎緑地公園でのイベント開催中に強風で大型テントが飛ばされ1人が死亡、9人が重軽傷を負う事故がおきました。主催者とテント設置業者は業務上過失致死傷容疑で警察の調査を受けていましたが、このたび刑事事件としての立件見送りの発表がありました。強風は警報も出ていない予見不可能な突風だったこと、テント設置に300キロのコンクリート製のおもりを16個もつけていたなど、普通の風に対する措置は充分とられており、過失を問えないというのが不起訴の理由。フリテンにも掲載していたイベントなので気になっていましたが、主催する立場側としてホッとしています。
 最近のフリマでもテントの利用が増えました。2〜2.5m角程度の簡易テント、ターフテントなどで、アルミ製で軽量、一人でも数分で立てられます。本来の雨や日除け対策のみならず、商品展示の用具化して、冬でも曇りでも立っている風景が日常化しつつあります。そして、ほとんどの人が風を甘く見ているように見えます。
 簡易テントを購入すると「ペグ」や「杭」がセットでついていますが、こちらも簡易。短か目だったり、見るからに弱々しそうなものが多いです。しかも、フリマ会場でペグを打てる環境は少ない。そこでひもで縛るか重石に頼るしかない。商品をいっぱいぶら下げ重石だと言う人、パラソルスタンドやキャンプ机、健康鉄アレイまで登場し、どうみても気休めな状況です。フリマプロ達は車のミラーやドアノブなどにロープで括っている人が多い。さすがだがまだまだ不十分。車と離れた手荷物出店の会場もある。
テントをレンタルすると20キロの鉄の丸型ウェイトをテントの1足に2個すすめられる。もしくは1足に30キロ程の砂袋。それでも恐るべし飛んで行ったのが前述の事故だ。
 市版の砂袋、丸型ウエイト、ブロックくらいは用意したいもの。材木を車で踏んで縛るという方法もある。とにかく4つ足押えたい。風の強さと向きを見て天井の「風抜き」も必要だ。完全というものはない。しかしフリマのテントに吹く風は超危険。だから風の強い日はテントを使用しないこと。そしてそれを主催者が指導・管理するのが大切です。良い方法があれば教えて広めよう。

《2010年5月号》       フリマとタバコ

 フリマ会場で、「タバコはどこで吸ったらいいの?」と出店者、お客さん両方から尋ねられることがあります。「どこもダメ、ガマンしなさい!」と言いたいのが本心ですが、それではよけいに勝手な喫煙が増えるので、「人のいないところを探してください」とやさしくお茶を濁します。タバコが有害だと分かっていて吸っている人の多くは、ニコチン依存性や中毒患者さんが多いからです。
 タバコの有害性について知らない人はいないと思います。タバコの主成分「ニコチン」は脳、手、足の血管を縮めてしまい脳血管疾患、高血圧などをもたらす物質です。肺や歯の裏を真っ黒にするヤニともいわれる「タール」は発癌性物質。「一酸化炭素」は体内の酸素と結合して全身に運ばれる酸素量を減少させます。そうなると心臓が酸素を多く送り込もうと無理をして心臓疾患を引き起こす可能性が大きくなります。また体内の酸素が少なくなると記憶力や思考能力が低下し脳の働きを悪くします。酸素欠乏は当然、身体の動きが鈍くし、疲れやすくなります。その他にも200種類もの有害物質が含まれているとのこと。
 依存症で吸っている本人は自業自得ですが傍にいる者はたまりません。主にタバコの先からあがる副流煙にはタール34.5mg、ニコチン1.27mg、一酸化炭素148mgが含まれていて、実に吸っている本人よりタールで3.4倍、ニコチンで2.8倍、一酸化炭素で4.7倍になるそうです。他にもカドミウム、ベンゼンなどの身体に悪い物質が数倍から数十倍含くまれていて、副流煙のほうがはるかに人畜有毒なのです。
 夫がタバコを吸う家庭で妻が受動喫煙により肺がんになる確率は2倍、子供が喘息などの気管支炎になる確率が3.4倍、その他に目、鼻の疾患、頭痛、咳などの症状を起こす確率は高い。最もガンになりやすいのは気管支で、非喫煙者の200倍だそうです。
 吸わない人や子どもがたくさんくるフリマ会場での喫煙は禁止にしたいものです。喫煙する人、特に車で喫煙する出店者の商品にタバコの臭いがしみついていることが多い。人ごみで平気で吸ったり、吸いがらの始末もしないだらしなさ、マナー不足のタバコ依存症の人が、まだまだたくさんいるのも事実です。

《2010年4月号》       聞かれても…困る質問

 出店者募集の受付をしていると、その時にいろんな質問をされることがあります。時間のこと、会場や商品、規則のことなど基本的なことはいいのですが、中にはどう答えればいいのか困ってしまうものがあります。その最たるものが「売れますか?」。「どれくらい売れますか?」と金額まで求めたり、出店するかどうかはそれ次第だといわんばかりの人も。後で責任取れと言われそうなので「よく売れますよ」なんて言えません。かといって「あまり売れない」とも言えません。「そんなもんわかるかー」と言うのが本心ですが、それでは喧嘩を売っているみたいです。本当に困って質問です。
 お答えするにもこちらには、その人がどんな商品をどれくらいの量持って来て、どんな売り方をするのか分かりません。もちろん教えてもらっても、売れそうにないダメ商品くらいならわかるかもしれませんが、幾ら売れるなど誰にも分かるわけがない。でも聞いてくる。本人の販売能力の問題もあります。その人の容姿や格好、言葉使い。無愛想だったり偉そうだったり、ディスプレイのセンス、清潔感、季節や天気、客層、ニーズなどなど、いろんな要素が売上げにからみます。一度売れたから次も売れるというものでもありません。若者の多い会場にお年寄りのグッズを並べても売れにくい。同じ物を売るなら場所を変える、同じ場所で売るなら品を変えることも大事です。
 「お客さんは多いですか?」という質問も多い。これは単純に数が多いか少ないかを聞いている場合と、「客が多ければよく売れる」との思い込んでいる人が結構いるので厄介です。でも、客が百人でも多いという人もいれば、千人でも少ないという人もいます。一万人来ても売れない人は売れないし、百人でもすごく売る方もおられます。客は数ではなく質と運の要素が大きいようです。フリマといえど個々のリサーチと研究は大切なことです。
 そんな答えのない話を長々と電話で説明するのもバカバカしい。だから「売れる時もあれば売れない時もありますねー、こんなややこしい時代やし、もっとフリマを楽しみましょうよ」っていうのが、大多数の人が納得してくれそうな答えなのもかもしれませんね。

《2010年3月号》    フリマとネットオークション

 昔はこんな寒い季節に屋外で出店しているのは、骨董屋さんか露天商の方達くらいでしたが、昨今のフリマは、温暖化や世の中の加減もあってか、けっこう開催するようになりました。でも、寒い時は売る気も買う気もあまり湧き上がらないのが事実・・。
 こんな季節に便利なのがパソコン前でのお買い物(オールシーズン便利ですが)。ネットショッピングはフリマに比べて大きいものから食べるもの・飲む物、新しいもの・古いもの、相当遠くまで行かないと手に入いらないもの、珍しいものまで、何でもかんでも売っていてとても便利。おまけに家まで届けてくれます。保証書もあって、気にいらなければ返品も可能。ただ・・フリマに比べ残念なのが、店売りよりは安いのですが定価がしっかりしていて値引き交渉できません。フリマフリークにはストレスが溜まるかもしれません。
 こんな時、こんな人にはネットオークション。ネットオークションは「自分が欲しいと思う値段」のショッピングです。例えば同一商品が5個オークションに出品されていたら5番目までの値段を付けていたら(入札)手に入るということ。1円でも入札できますが、気分の悪い値切り魔みたいなメチャクチャな値段をつける客はフリマと同じクールに除外されます。多くの欲しい人達の相場で値段が決まります。一番の入札者が1万円をつけているのに2番目の入札者は2000円ということも。中にはよほど欲しかったのか定価以上の値段を入札している人も。パソコンの前に座っているのだから世間相場や商品のクチコミもその場で調べられます。5個出品されていたら5番目の値段で落札するのが一番賢い消費者です。買えても一番落札だと何か悔しい。その日の入札メンバー次第で相場よりかなり安く落札できることも。最安値を推測するのがゲーム感覚で楽しい。落札発表までのワクワク感もあります。ダメだったらまた今度チャレンジすればいい。ついつい要らないものまで入札してしまいます。フリマにも、こんなワクワク感が欲しいものです。 でもこの落札しすぎた物達の処分は、フリマほど便利なところはありませんね。

《2010年2月号》     室内フリマと野外フリマ

 昨年の秋、1000を超えていたフリテンのフリマ掲載数も今月号では500開催代とほぼ半減。年に1、2度開催のフリマのほとんどは気候の良い春と秋の開催で、スポット開催もまた同じ。毎月開催のフリマも、冬場休むところが多く、北に行くほど長く、11月から4月まで半年お休みというところもあります。「冬」は、最強のフリマの天敵です。
 この季節になると室内フリマにあこがれます。屋根があるだけでもありがたいのに暖房まで入っている。フリマの天敵、雨にもまけず風にもまけず、お年寄りの方、持病を持つ方、子ども連れのお母さんも心配なく出店できます。そんな室内のフリマが少しですが増えているのがうれしい。へそまがりな人は、有料の貸し会場は別にして、「暇な箱モノ施設の最終の使い道」などといらんこという人もいてはりますが、それだけフリマの集客・活性効果がすごいということなのでしょう。何はともあれ室内フリマは、多くのフリマフリークにとってありがた〜い越冬場所、もっともっと増えてほしいものです。
 しかし、こんな室内フリマも良いことばかりではありません。欠点もあります。出店する側から見ると屋外に比べブースがどうしても狭くなるため、商品をたくさん持って来られない、大きいものも限られる、テントやハンガーラックなどの什器類が思いっきり使えないので商品ディスプレイがしにくい。通路や隣ブースとの隙間も狭いところが多くてお客さんが集まると他のブースの営業妨害になる、搬入・搬出が重労働で時間もかかる、ペットを連れてこられない、空気が汚い感じ、インフルエンザが超心配。雨でも風でも開催はあるが客が同じだけ来てくれるとは限らないなどなど。主催する側から見ると、会場によっては電機代(電灯・空調など)、床の養生費など経費がかかる、ブース数の割りに誘導などのスタッフが多く要る、ブースの線引きがたいへん、会場にキズがつかないかドキドキ、ヒヤヒヤ・・。
 でもフリマ、アウドドアも良し、インドアも良し、冬が厳しいほど、素敵な春がやって来る。

《2010年1月号》         寅年の話

 オバマ大統領の就任で幕を開けた2009年の丑年は、8月の衆議院選挙で日本では半世紀ぶりの「政権交代」が起こり、2009年はまさに「change」の年となりました。
 明けて2010年は寅年。西暦を12で割って余りが6になるのが寅年。トラというと「虎」のイメージがあり「荒れる年」といわれますが、「寅」の本来の意味は、季節でいえば春の始まり2月頃、時刻でいえば夜明け前(2時か3時頃)、人間でいえば胎児、植物でいえば地中の種と、「物事が始まる直前の少し形が定まり始めた状態」をいうのだそうです。安定に慣れた人には混沌とした様子が「荒れる」と目に映るのかもしれません。
 昔の人はこうした意味をよく知っていて、何か物事を始める時は「寅の時刻・寅月・寅日」から着手するというジンクスを活用していました。聖徳太子が物部氏討伐を毘沙門天に祈ったのが、寅年の寅の日の寅の刻だったので、寅が特別な意味を持つようになったようです。宮本武蔵は「五輪書」を書き始めるさい、「寅の一てんよりしるすなり」とわざわざ書きつけています。太平洋戦争の真珠湾攻撃は、寅日(昭和16年12月8日)に開始しています。「ワレ奇襲ニ成功セリ」という意味の「トラ・トラ・トラ」は、午前3時22分の寅時に打電されています。
 でも「寅年」がよく荒れているのも事実です。1914年に第一次世界大戦、1938年は日中戦争、1950年の朝鮮戦争、1962年にはアメリカのキューバ封鎖。古くは1614年に豊臣家が滅亡した大阪の役が起きている。
「寅年の大洪水」「寅年の大水」「寅年の大噴火」という文字も歴史書に踊ります。
イエスの誕生年の紀元前7年(イギリスの天文学者D・ヒューズ説)は寅年・・。
 「寅年現象」という言葉があります。これは参議院選挙で投票率が上ることをいいます。寅年は参議院選挙が行われ統一地方選挙を1年後に控える年です。1947年に両選挙が同じ年に行われて以降、統一地方選は4年に1度、参議院選は3年に1度行われるので4と3の最小公倍数である12年に1度、夏の参議院選と来春の統一地方選が行われ、それが寅年にあたります。
 新しい時代と歴史が始まる時、すべてが混乱から始まるのは当たり前。新たな安定を目指した新しい時代に踏み出すスタートとしては今年の寅年は最適の年ということができるのではないでしょうか。

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《2009年12月号》    あれこれなフリマ part.4  


 フリマは社会効果抜群で、参加する人や地域をハッピーにしてくれるイベントなのですが、フリマにモンスターが現れると一瞬にして悲しくなってしまうのも事実。フリマの悪い評判がたったり、犯罪や事故が起こったり、フリマ存続の危機に陥るといっても過言ではありません。今年出会ったモンスター達をご紹介したいと思います。
《公私の区別がつかないモンスターの出店》
 指定した搬入・搬出の場所を無視してわざわざ禁止している公共の自動車道路で荷物を積み込み出した出店者。「道交法の問題もあるし決められた指定の場所に行ってください」と注意すると「一時停車して荷物を積むのは道交法に違反しない」と逆ギレする始末。ルールは守らないし指示にも従わないし、こんなモンスターの出店はお断り。
☆要項で禁止している公共道路での停車や荷積みを一台でもさせると、参加者全台数を認めるのと同じことになります。主催者の立場から「この人が良くてこの人が悪い」などという区別はできませんよね。またそんなことをしたら、他の人が黙っていません。イベント主催という立場から言うと、多数の車が一定時間公共道路を占有する場合は警察の道路占有許可を受ける必要があります。許可されない場合や交通量、人通りが多ければ、そのエリアをコーンで囲むなどの安全策、ガードマンの監視を条件にされることもあります。大変!
 自分一人個人がしていることと、フリマに参加してしている自分の区別がつかない人って案外多いので困ってしまいます。フリマ出店は団体行動が要求されるイベントです。自分の勝手な行動が他にどんな影響を及ぼすか想像できないことが怖い。トラブルが起こらないように主催者が前もって調べたり、様々な方面と話し合い調整したり、事故の起こりそうな部分をチェックして対策を立てまとめたものが出店要項の規則や出店手順、禁止事項です。これを読んでも来ない人、守ろうとしない人は出店させてはいけない人達です。何かトラブルを起こす可能性が非常に高い人達ではないでしょうか。
規則の順守、団体行動、公私の区別ができないモンスター出店者はチョー危険です。

《2009年11月号》    あれこれなフリマ part.3

 今月は出店【条件】の「飲食物の販売禁止」について。
フリーマーケットの販売禁止商品の代表は「違法なもの」と「危険なもの」。
 「家に貰いものの海苔やら缶詰がたくさんあるからフリマで売りたい!」という要望がたまにあります。贈答品ならほぼメーカー品でしょうし、安くで販売してもらえたらお客さんも大喜び、アッという間に完売すること間違いなしです。でも食品は規約で販売禁止なのでお断り。すると、「賞味期間もあるし、バッタもん売るわけでもないのに何であかんねんこのバカたれがー」と声を荒げられることも。最後は食品よりもルールも守ってくれそうもないのとお行儀とが心配で、そちらの理由でご遠慮願います。
 飲食品は、ほとんどのフリーマーケットが販売禁止にしています。その理由はやはり危険だからではないでしょうか。
 たとえ見かけはきれいで賞味期限内であっても、炎天下のフリマブースに並べられていたり、夏場の高温の車内に何日も積まれたままであったり、会場で砂やほこりや排気ガスをかぶっていたり、そしてそれが何ケ月も長期間繰り返されているかもしれません。もともとがワケあり商品の処分品などで何人もを転々としていて、何がワケありだったのかも分からなかったりしているものも。
 倉庫や冷蔵庫から出してきて並べられたものではなく、保管記録も出庫記録もなければ盗品の可能性も。
 さて、あなたがフリマの主催者だったら、知らない人から食品を販売したいと電話してきたら、どうしますか?
 ほとんどは家庭で食べきれなくての処分で問題はないものと思います。しかし前述のような可能性があるかぎり、「すべての食品をチェックする」か「販売禁止」にするしか主催者には道がありません。チェックには限界があります。主催者にはお客さんに対して安全・安心の責任があります。
 食品は直接人の口に入るもの、十二分の注意が必要です。ペットフードもしかり。食べ物だけでなく化粧品や貼り薬など直接人の肌に触れるものも同じ理由から危険です。異常が起こったら、売った人より出品させた主催者の方が責任は重いのかも・・

《2009年10月号》     あれこれなフリマ part.2

 記念すべき第150号をお届けします。
フリテンの歴史は、1996年7月に出版した「KANSAIフリーマーケット天国」という120頁の単行本がはじまり。好評だったので月刊誌にしょうということになり、翌年1997年3月号から「月刊フリテン」を発行しました。
 フリマ会場販売から書店・スーパー・生協での販売になり、表紙も薄紙のスミ一色が厚紙の色一色となり、カラーへと次々変身しながらの発行しました。12年間も続けると知らない間に「フリーマーケットを社会に広めよう」という当初の目的も社会的に薄らぎ、2007年の12月号で廃刊を決めました。しかしその時点で、購読契約の残る読者がまだたくさんおられたため書店販売をやめ通販にし、情報だけの「新聞版」として暫定発行を続けました。それから2年・・、相変わらず「欲しいー送ってー」と言ってくる人、「載せてねー」と情報を送ってくる主催者が後を絶たす・・、ついに第150号の発行に至りました。はからずも記念号は、ナントナント発行以来2回目の4ケタ、1058開催掲載という新記録号となりました。
 まっ、こんな感じで発行していますので、今後ともよろしくお願いいたします。

では本題に戻り、ここから前号からのタイトル「あれこれなフリマ」の続きです。

 フリマの募集事項の【条件】中に「プロ・業者不可」を謳っている開催がたくさんあります。フリテンではこの項目も主催者からの原稿どおりそのまま掲載しています。プロ・業者の判断は主催者によってかなり差があるみたいです。普通、販売商品が「自分の家庭の物か仕入れた物か」、「同一商品をたくさん持っている」というところは誰もが考える共通の認識だと思うのですか、「毎月・毎週出店している」不思議なアマチュアがいます。「どれだけ家に不用品がたまっているのー?」と突っ込みたくなります。「他人からもらった物」という言い訳も聞こえてきます。プロ・業者でないという理由は、「他の仕事もしている」だったり、「それだけで食べているわけではない」だったりで、そして主催者も現場で「そこまでチェックしない」というと・・難しい・・。

《2009年9月号》    あれこれなフリマ part.1

 フリテンを購読していただいて、様々な部分で「表記や表現がまちまち」だったり、「ええかげんやんかー」と突っ込みを入れたいところがたくさんあると思います。その通りでお詫びのところも多々ありますが、結構面白いのでわざと主催者からの原稿をそのまま載せているものもあります。
 たとえば雨天時の表現など。本来「雨天決行」「雨天中止」だけなのですが、「小雨決行」「悪天候中止」などというのもあります。これはどちらもそれなりの雨が降れば中止。が、「ちょっとくらい降っても頑張ってやろうよ!」という主催者の正直な気持が垣間見られてそのまま掲載しています。フリマはアウトドア、陽も照れば雨も降ります。お天気のことだからどうなるか判からないことも多々あります。「みんなフリマをやりたくて集まっているのだから、ちょっとくらい降ったってしょうがない、出来なくなるほど降るまでやろうよ!」というふうに読んでみてはいかがでしょうか。
 出店数も同じく主催者の原稿通り掲載しています。同じ『【店】100店』でも「100店出店している」と「100店募集している」があります。もっと厳密にいうと「100店が出店できる場所がある」だったり、「1000店くらいの場所があるけど100店くらいしか集まらない」だったり、「かつて100店くらい出てたかなー」だったり、「100店くらい来て欲しいなー」だったりと、あまり突っ込んで聞いてはいけない様々な理由があるようです。いずれにしても出店数は季節や地域の行事、他のフリマの開催状況で大きく変わるもの。詳しい出店数を知りたいシビアな人はフリテンではダメ。開催前日に主催者に電話してください。
 開催時間もフリテンの掲載は建前時間。「10時〜15時」と書かれていても。厳密に管理できているフリマは半分もないかもしれません。室内や、周囲が塀などで囲われている会場では管理できますが、そうでないところは四方八方から客が時間を問わず侵入してきます。1時間も前から販売が自然発生的に始まっていることも。出店者、お客さんもがどんどん早くから来るようになったり、時間を守る真面目な方に不利益が生じたり、違法販売、万引きが横行したり問題は多い。発表の開催時間が建前かどうかも直接主催者に確認していただくより仕方ありません。

《2009年8月号》       フリマとペット

 ペット飼育人口が増えています。ある統計では日本人の3人に1人がペット飼育家庭だそうです。禁止が当たり前だったマンションも首都圏では、ペット可マンションの建築率は2000年度がわずか9%だったのが2008年度には90%を越えたとのこと。この10年の間に日本では、すごい勢いでペットとの共存をはたしています。その背景に少子・高齢化や核家族化といった日本の重た〜い現実も見え隠れし、単なるブームでない新しいライフスタイルの定着性も感じます。
 フリーマーケットでも、ペットと一緒に出店したい人はたくさんいます。でも残念なことにフリーマーケットでは「ペット禁止」のところが多いようです。これは主催者が借りている会場が元からペット禁止であることが多いからです。建物内では、多くの人が集まるので危険性と衛生面の問題。飲食のお店などがあれば禁止が普通。公園なども解禁にすると、犬の運動場化だけでなく、ペットのトイレ化など、ペット飼育が増えても、飼い主のマナーレベルはそれほど向上していないという現実もあります。競馬場は「ペット持ち込み禁止」。馬を驚かせたりしたら競馬は成り立ちません。このような公共の場でのペット禁止は納得です。
 ペット禁止でない場所でのフリーマーケットの開催では、ルールが明確でないものが多いようです。場所が禁止でなければお客さんはペットを連れてきます。出店者も出店要項に禁止と書かれてなければペットを連れてきます。こんな場合に、飼い主のマナーレベルで様々なトラブルが起こります。
 フリーマーケットでは日頃以上にマナーの順守が必要です。お隣や周囲には必ず声をかけ嫌いな人がいたらブースに置かないのがマナー、アレルギーの人もいます。他人のブースで糞尿をしたり商品を汚したり。子どもたちの攻撃にイライラして勇敢に戦うかもしれません。ペット自身のことを考えてあげたら、フリマ会場はペットにとってあまり良い環境とはいえませんね。「ペットを連れていた方がお客さんが集まってよく売れる」なんて身勝手な理由の出店者も。
 ペット禁止でないフリマほど、常識レベルとマナーを遵守できる人間性が強く試されます。そして、日本のペット同伴文化の進展も、同じことが言えるのではないでしょうか。

《2009年7月号》      勝手作り品の管理

 フリマで売ってはいけないモノの代表選手はコピー商品。どんな理由があっても販売は犯罪で、見つけてしまうと心が悲しくなります。当たり前ですが、どこのフリマも禁止のハズ。警察に通報するというところも。しかし、この犯罪者の方の殆どが深く考えていないか無知によるもの。
 警察に通報すると即逮捕、入手経路、販売先などが調べられ、関係者の芋づる式逮捕につながるのですが・・。ちなみに捕まった場合、個人なら「5年以下の懲役、500万円以下の罰金」、法人なら「1億5000万円以下の罰金」、もちろん本物メーカーが訴えるので民事訴訟で莫大な損害賠償額が請求されることに。刑罰的にかなり重い罪にランキングされます。「そんなことで人生潰してどうするの!」と言いたいです。
 ブランド品だけでなく、勝手に他人の真似した手作り品を売っても同じこと。最近、手作り市が増殖していて、イベント管理をあまりご存知でない素人主催者が急増中。
 手作り市で売っていけないものの代表選手は勝手作り品。絵やイラスト、造形の盗作は困ったものです。「家庭用品品質表示法」で材質、使用法、取り扱い、アレルギーの可能性、分別種類などの表示が義務付けられているものがたくさんあります。特に薬品を使用した衣類や雑貨、アクセサリーなど人の体に直接触れるもの、家具などの強度には結構細かい決め事があります。
 例えばフリマでよく見る手作り石鹸は化粧品、または医薬部外品に該当するので、販売・譲渡を目的に作るのは薬事法違反です。その製造・販売には厚生労働大臣の許可が必要です。すなわち手作り石鹸は違法商品。原料の苛性ソーダって劇薬ですよね。市販商品を造り変えて販売するのもダメ、香水の小分け販売と同じです。何よりもそんなデリケートなものを日向で売るなんて非常識。
 製品を製造するには多くの法律やルールがあります。もちろん、何か事故を起こせば個人の手作り品であってもPL法(生産物責任法)が適用されます。「設計・製造の欠陥」、「標示・警告の欠陥」のある製品製造者は処罰され、賠償責任が発生します。
作る人のみならず、販売させている主催者もそんな法律知識が要求されます。

《2009年6月号》       フリマの活性効果

 リサイクルやチャリティー・ボランティアなど、フリマは社会的効果のデバートです。そして、それらの中でも、「活性」はひときわ大きな位置をしめるフリマの効果です。
 家庭で使っていたモノを本人が販売するというマーケット。何千、何万円もしたモノが、「要らなくなった」ということで、数百円、数千円で販売される超安値市。そこには今もお店で売られているモノから、もう売られていない懐かしいモノ、新品店とリサイクル店と骨董店がフリマという空間の中で肩を並べて出品される。またひとつのお店の中にも、子どものモノからお父さんお母さんのモノ、おじいちゃんおばあちゃんのモノ、ご先祖様のモノまで、時空を超えたモノ達が当前のように並ぶワンダーランド。こんな「行ってみないと何があるかわからない」というわくわく感と利益を度外視した商人と商品、雰囲気を求めて賑わいが創造されます。
 フリマの名前にはその会場の場所や施設などの名が入っているものがたくさんあります。人が集まり賑わうと、その場所名がフリマの代名詞となります。昔から天神さん、弘法さんのように神様、仏様のお名前までが縁日市の代名詞になっているものも。
フリマも万博、南港、ポーアイなど、フリマの代名詞化したものがたくさんあります。これは、その場所でフリマを長年に渡り成功させ、人々が認知し、活性化した勲章の代名詞です。主催者の努力と血と汗の結果であることは言うまでもありません。無名の場所を多くの人が集まる場所に変える。その苦労は計り知れないものがあります。
 そんな先人の苦労も知らずか無視してか、他人が開催する場所で自分の開催をしようとする心ない人がいることは嘆かわしいことです。他人が苦労して開拓した場所の恩恵だけをを横取りするような卑劣さも感じます。常識だけでなく知識も経験も少ない人達の仕業が多く、自分の商品を売りながら「ながら開催」して、管理の稚拙さから必然的にさまざまな問題が起こり、せっかくの輝かしかった代名詞が一瞬にして負の代名詞に変わり、フリマそのものが出来なくなってしまうということも・・・。悲しいことです。

《2009年5月号》       フリマと古物営業法

 フリーマーケットで、家庭の不用品の販売だけなら問題はないのですが、販売目的で仕入れた古物を販売するという行為は基本として古物営業法に抵触し、販売には公安委員会の「古物商」の許可が必要です。無許可で営業した場合は、「懲役3年以下又は罰金100万円以下」と厳しい罰則が適応されます。
 古物には、美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自転車、写真機類、ミシン、事務機類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類の13種類の区分があって、扱う品物により初回申請時は6区分まで取得でき、1年経てば他区分の追加が可能です。「古物商許可証」と取得した区分の、例えば「衣類商」、「自動車商」などの鑑札が公布され商売する場所に掲示が義務づけられています。これらは誰でも警察の生活安全課に申請すれば取得することができます。(有料)
 古物商がフリマで販売する場合は、これらの区分に合致した品物の販売は当然のことですが、古物免許申請時に「行商する」という項目が登録されていないと自分の住所地だけでしか古物の販売行為はできません。
 古物商を営む場合は、古物の仕入れ、販売取引の帳簿記載が義務付けられています。帳簿記載を怠ると「一年以下の懲役もしくは罰金50万円以下」の罰則が科されることに。
 古物販売の入り口にこのような登録・許可制度があるわけですが、これは盗品売買などの犯罪や不適切なものの流通を監視するのが目的。フリーマーケットやネットオークションでの販売も、仕入れて営業すればその取得は必要ということになります。
 さてさて、フリーマーケット。どれだけの開催が、これらに該当しそうな出店者に古物商免許の提示・確認を義務付けているでしょうか? 市町村等が開催するフリマ、NPOの開催、開催業者、個人開催、このシステムとどれくらい真剣にお付き合いをしているのでしょうね?
 フリーマーケットが盗品や違法商品の販売場所にならないことを願うばかりです。

《2009年4月号》       無料フリマ

 出店無料のフリマって魅力的ですよね。商品があまりなくても出店できそうだし、急用で行けなくなっても出店料が無駄になるわけでもなし、出店する方から見ると、サイコー! なフリマかもしれません。でも待って、ちょっとじっくり考えると、良いことばかりじゃないのですよね・・・これが。
 少しの商品しかないお店を喜ぶ客はまずいない。買わない、売れない。何の為出てるの? せめてブースの大きさに見合った分量は持ってくるのは常識ですよね。
 急な用事で行かないのは、いわゆるドタキャン。出店数は減るわ、計画変更が起こるわ、ブースに穴が空くわ、主催者、お客さん、周囲の出店者などみんなに迷惑なこと。 満員で出たくても断られた人もいる。迷惑で無責任な行為です。
 無料フリマで起こる問題は結構多く、大きく深い。出店のしやすさは商品の量だけでなく質の低下を招くことが多い。少しの商品で出店して、時間前に仕入れするのが目的だったというやからも登場したりします。
 無料であることがキャンセル行為の敷居を下げ、暑い、寒い、邪魔くさいなど些細な理由でキャンセルする人が増えることに(連絡なしか、もっともらしい理由を聞かされるのが微妙)。抽選で決まるフリマのすべりどめに利用されることも。ドタキャンが増える原因となります。
 無計画に同じ出店者の申込みを受け付けると、「いつでも、どこでも同じ店ばかりのフリマだ」との噂がたち、お客さんの減少の原因になります。
 ほとんどの人はちゃんとした出店者なのですが、一握りの非常識で無責任な人の行為のために、様々な「素敵」が壊されてしまうという現実があります。
 無料フリマは、主催者がその問題点をしっかり把握し、募集の時から手を売っておかないとと、マーケットの最も大切な「お客さんと出店者が楽しく一日を過ごす」というあたりまえの原則がなりたたなくなるという危険をはらんでいます。

《2009年3月号》   いろんなものが飛んでくる春

 「♪春よ来い、早く来い」と待ちわびた春が来た。空青く、暖かで、花が咲き、何かが始まる期待でウキウキした気分になります。でも春になると、いろんなものが飛んできて憂鬱になることも多い季節です。
 花粉が飛んで来ると花粉症。日本人の20%が患っていて、すっかり国民病。スギを筆頭にヒノキやイネ科植物など約80種類の花粉が飛びまくります。
 フリマでも花粉症の人はもちろん、でない人も突然かかることもあるので要注意。予防としては、普段からテレビや新聞の花粉情報をチェックしておくこと。外出する時はマスク(鼻まですっぽりと隠れるもの)や、メガネやサングラスを着用。帽子も効果的で、服も同様、表面がツルツルした花粉のつきにくい化学繊維のような材質のもの着るのがいいとのことです。
 フリマから帰ってきたら、家に入る前に衣類や帽子に付いた花粉をよくはたき落とし花粉を室内に運び込まないように。必ずうがい、洗顔。シャワーはもっと効果的。行き帰りの車の中では窓を開けず空気は内気循環に。エアコンには花粉用フィルターを付けたいものです。
 もうひとつ春に飛んでくるのが「黄砂」。中国大陸ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠で巻き上げられた細かい砂が、偏西風に乗って日本全土に降り注ぎます。しかも経済発展は著しくても環境対策が随分後進国の中国の工業地帯を飛んできて、汚染物質を砂にたっぷり絡めているから始末に悪い。「雄大な地球の大自然の営み」などと感心していられなくなりました。こちらも花粉と同じ対策が必要です。
 そしてフリマの商品に、これら飛んできたもの達がいっぱい降り注ぎます。売る人は袋詰めにしたり、商品カバーをかけるなどの対策を。買う人は、よくはたく、洗ってから使用することが大事です。
 さらに強い春風で、パラソルやテントが飛んでくるかも。お気をつけ下さい。

《2009年2月号》    コピー商品がフリマをつぶす

 大不況突入の様相で幕を開けた2009年、反面今年はフリーマーケットの大盛況が予想されます。
 リサイクル、リユースといった元来の環境の命題はさておき、買い物上手な人にはウルトラ節約デパートみたいなフリマ、入場料払ってでもお客はやって来ます。売る方も、そんじょそこらの町中のテナントと違い、フリマは大勢の人が集まっているところにお店を担いで行くみたいなものだから、魅力的な商品を持って行けばよく売れる可能性は非常に高い。
 不況のせいで、おこづかい稼ぎだったものがフリマを本職としたり、本格的な生活補填の手段にする人が増えるのが不況社会の現状かもしれません。今年のフリマは、売り・買いともに生活防衛に大きな役割を荷いそうです。
 そのような状況の中で心配なのが、フリマが違法商品の販売の場にならないかということ。特にコピー商品は、売っても買っても犯罪行為です。昨年も会場でたくさんのコピー商品の販売を目にしました。偽物かどうかの判定は素人では難しいのですが、あり得ない値段で売っているブランド商品はたいてい偽物、コピー商品、犯罪商品です。
 年末、レスポートサックの偽物を売る出店者を見つけて問い詰めたら、「ネットオークションで買ったものだから大丈夫です」という呆れた返事が返ってきました。そうです、ネットでそんなものが簡単に仕入れ出来てしまう時代なんです。コピーのDVDもたくさん出回っています。偽物とわかって売っている人、偽物と知らず売っている人。だまされて偽物を買った客、おもしろがって偽物を買い、それを自慢するバカ、そんな見たくない風景が片目をつむっていても会場で見えてきます。
 これ以上増えたらフリマはつぶれてしまいます・・・
 今年は今までにまして主催者の管理能力が問われる年になりそうです。主催者同志が連携を図り横の繋がり深め、コピー商品と売人達の情報を共有できるシステムの構築が必要な時期に来ているように思います。

《2009年1月号》     あけましておめでとうございます

十二支の2番目、丑のお話
 2009年は、十二支の2番目「丑」の年。なぜ丑が2番目なのかご存知ですか?
中国の古い逸話をご紹介しましょう。
 はるか昔の年の暮れのこと、神様が動物達に、「新年の挨拶に来た早いもの順に1番から12番目までを1年間ずつ、その年の大将にしてあげよう」 というお触れを出されました。動物達はみんな、「来年は自分の年にするぞ」と元日の来るのを待ちわびます。牛だけは足が遅いので、「おら、のろまだべ。今夜のうちに出かけるだ」と、大晦日の暗い夜道を、霜をふみふみ神様の御殿へと向かいます。それを見ていた鼠は、気づかれないようにちゃっかり牛の背中に飛び乗りました。元日の朝、牛は自分が一番だと喜こび神様の門をくぐろうとした時、背中の鼠がぴょんと飛び降り門をくぐり、神様に新年の挨拶して一番に、牛は2番になってしまいました。
 次に朝に出発して千里の道をひゅーっと駆けてきた虎が実力の3番。続いて兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪が入ったところで、門は閉められて、これが子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥という十二支になったとのことです。
 猫は神様の所へ行く日を忘れてしまい、仲良しの鼠に尋ねると、「二日の朝」」と嘘をつかれ、二日に神様の門を叩くと、「お前は今まで寝てたのか。寝ぼけとらんで、顔でも洗って来い」と叱られ、それから猫は毎日顔を洗うようになり、鼠の姿を見ると追いかけ回すようになったとのこと。
 鶏が猿と犬の間なのは仲の悪い両者を仲裁していたからだといいます。
 さてさて、このアジア全域にひろがる中国のお話、嘘つきのズルい鼠が一等賞になるというのは感心できないお話です。悪事や善良を見抜かない神様も、なんとも頼りない神様ですよね。
 2009年こそは、嘘や不正がまかり通る世の中でないことをえら〜い神様にお願いしたいものです。そして、牛のように、己の力を把握し、地道に計画をたて、辛抱強く一歩一歩ゴールをめざしせる、良い「丑年」になることを望みたいものです。

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《2008年12月号》     古着輸入禁止の国々  

 毎年、卒業論文の題材に「フリーマーケット」を選ぶ大学生が何人か編集部を訪ねてきます。若い人とのお話は一生懸命なのと、何か新しい発見、刺激があるので絶対に断らないことに決めています。
 今年の発見は、「チリに留学している友達が、チリのフリーマーケットで古着を販売しようとしたら販売禁止商品だった」というもの。知らなかった。てっきり後進国には、アメリカや日本から大量の古着が輸出されているものと思っていたので聞いてびっくり。チリだけでなく中国をはじめアジアの国々やアフリカ諸国も古着の輸入を禁止している国が多いのです。
 チリの場合は、古着の多くはアメリカから年間8千トン(4千万ドル)も入っていて、国内の紡績工業部門で3億1千万ドル、関連商業で1億1千万ドルの損失が出て輸入禁止に踏み切ったとのこと。国内産業の保護が大きな理由です。チリの法律では中古車の輸入も禁止となっている。他国の禁止理由もほぼ同じだが、フィリピンでは1960年代の早くから禁止になっていて、その理由は衛生上の問題と国の尊厳を損なうという理由からだそうです。
 しかし安くて品質の良い、デザイン性に優れた先進国の古着はどこでもニーズが高く、禁止すれば逆に密輸が増えます。そしてその入手の手段として日本などから慈善事業で贈られた古着が闇のマーケットに流れていく実態は悲しいものですね。

《2008年11月号》    ○○の秋とフリーマーケット  

 読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋・・・・。芽吹き花咲く春も、何をするにも心地よい季節なのですが、「○○の春」というのはあまり聞きません。なんで秋なのでしょうね?
 冬は寒くて外に出るのも億劫です。夏は暑くて頭が働かず、何をするにも気力と体力が続きません。働き者はひたすら春と秋を待ち望み、怠け者は暑さ寒さを言いわけにますます動きません。厳しい季節が終わったら働き者は「ああうれしいな、何でも思い切り活動できる」と歓喜し、怠け者も怠ける理由がなくなり「しゃーない仕事でもするか」と動き出す。
 エアコンのなかった時代、冬の寒さは囲炉裏やストーブでなんとかなりますが、夏の暑さだけはどうする術もなく、冬から春になることに比べ、夏から秋になることが現代の私たちが想像できないくらい、嬉しくて楽しくて、労働や勉学に意欲が満ち溢れる季節だったのでしょうね。
 このことをすごく知っているのが、フリーマーケットを愛する人達。特に今年の暑さは異常でした。暑さの恐怖から出店の取りやめた方、体調をこわした方、開催を中止した主催者の方が多くおられました。フリマプロの皆さんには「命がけの夏」と言っておられた方もいらっしゃいました。
 さて待望の秋。やる気の人もやる気がいまいちの人も、冬が来るまでの間、それぞれの何かを目一杯やる○○の秋です。

《2008年10月号》     フリマの電化製品 

 テレビにラジオ、CDプレイヤー、ゲーム機、パソコン、健康器具などなど、飽きたり新製品が出てつい買い替えてしまう家電製品。冷蔵庫や洗濯機のような大きいものはさすがにフリマに担いでくる人はいませんが、使わなくなった小型家電製品はフリマの人気商品です。ですがその反面、何かとトラブルが多いのも事実です。「動かない」との返品や苦情がよくあります。
 電気的なもの、ICの故障などは動かしてみないと分かりません。通電設備があるフリマ会場では確認して売買できますが、野外の会場では難しいのが現状です。確認できないからと販売禁止にしているところ、主催者がバッテリーを準備しているところもあります。しかしよく考えると何かヘンじゃありませんか。売っている人の努力が見えません。これは本末顛倒としかいいようがないと思うのです。
 販売商品の品質は販売する人自身が保障するもの。いくらフリマ価格だとはいえ、お金を取って人様にお渡しするものが、「壊れている」「使ってみないと分からない」などということ自体が無責任極まりないこと。そんな売り方している人は出店させるべきじゃないと思うのですが・・・。
 壊れた家電製品が販売される背景には、「何ヶ月も車に積んだままのものをチェックもせず売った」、「雨に濡れたもの砂をかぶったものを手入れもせずに販売した」、「搬入・搬出で乱暴に運んだり落とした」、「仕入れてきたものをそのままブースに並べた」など、出店者自身が動作確認をせず売ったというのがほとんどでは。出店者の品質意識レベルの問題です。電気製品だけでなく古着などでは「ちょっとここに穴があります」、「ボタンが一個足りません」みたいな説明できる販売者にぜひなってほしいものです。
 そして主催者は、無責任な販売を排除すること、自分が販売するものは自分が責任を持つということをが出店者に厳しく徹底する姿勢を見せない限り、フリマの商品品質は悪くなるばかりです。

《2008年9月号》    しっかり読もうよ出店要項!  


 出店を申込むと送ってくる出店要項。ちゃんと読んでますかー? 読まない人が、様々な問題を起こしているのご存知ですか?
 出店要項には、当日の「タイムスケジュール」や「搬入・搬出の方法」などが書かれています。
 とんでもなく早い時間にやってきて、準備でいそがしい運営の邪魔をしたり、トイレを使わせろなど会場側の方に面倒をかけたりします。休みの日の早朝から大声を出したり車の音をたてたりして周辺住人から会場主にクレームが来ることも。
 搬出時間の無視は、会場レンタルの時間オーバーや運営スタッフの残業代にも跳ね返ります。
 出店要項の「禁止・注意事項」は、してはいけないこと、危険なこと、お願い事などが書かれている。商品のはみだし、ペットの可否、喫煙、音楽、テント・パラソル、展示方法など、読んでないと知らないうちにルール違反し、他の人に迷惑をかけたり、怪我をさせたりすることにもつながります。
 「販売禁止商品」は、法律で禁止されているものや危険物はあたりまえ、フリマによって「これも禁止だった」というものがたくさんあります。飲食品は全面禁止のところ、野菜や果物、保存食品、堅焼きケーキなどは認めていることろもある。ブランド品、昆虫など生き物、くじ・あてもの、香水・化粧品・・・などもフリマによって様々です。リサイクルを目的とするフリマでは「手作り品禁止」というのが普通。売りたいものが販売禁止でないか出店の確認くらいすべきですよね。
 こんなことくらいはいいだろうと思っていたら主催側と会場主との間の契約で禁止ということもある。周辺商店に気を遣って禁止商品にしているということも。禁止にしていることは、必ず禁止にしなければならないだけの理由がある。しっかり読んでないと他人に迷惑をかけたり、フリマが続けられなくなるという事態にも。代表者だけでなく参加メンバー全員が理解して欲しいものです。

《2008年8月号》     夏フリマのご用心

 先日フリマで、搬出終了時間近くになっても動く様子のない車が4台。見に行くと、2台は熱中症でダウン。一人は女性で、旦那さんに連絡して来るのを待っているとのこと。もう一人は55才の男性で、荷物をしまえず回復を待っているとのこと。熱中症で倒れる人が年々増えていますね。温暖化のせいか5月、6月でも結構暑い時があります。
 熱中症とは、体の中と外の"あつさ"によって引き起こされる様々な体の不調で、熱射病・日射病・熱ケイレン・熱失神・熱疲労など。体温上昇、発汗停止とともに虚脱・けいれん・精神錯乱・昏睡などを起こし、生命の危険を伴うこともある恐ろしい病気です。
フリマ出店での予防は、
 ☆こまめに水分補給をすること
 ☆テントやパラソルなどを用意すること
 ☆風通しのいい服装と帽子
 ☆疲労・睡眠不足に注意
かかったかなーっと思ったら
 ☆水分を補給する
 ☆日陰やクーラーのある室内に移動
 ☆体を冷やす
 ☆衣類をゆるめて休む
 ☆重症時は救急車を呼ぶ
 フリマ会場は舗装した駐車場などのところが多く、たぶん40℃くらいになっていると思われます。夏の暑さとアウトドアを侮ってはいけません。
 もう一人はバッテリーを上げてJAF待ち。暑くなると増えます。クーラーをはじめとして、最近の車は電気機器がいっぱいでバッテリーに負担がかかります。特にフリマで多いのは、ドアランプのスイッチを切らずにドアを開けっ放していたり、車販売をしていたり。子どもがラジオを点けたということも多いです。
 残りの一人は、片付けるのが遅いおっちゃんでした。時間がかかるんだったら、その分見越して早い目から片付けを始めるのがマナーなんですがねー。

《2008年7月号》   販売禁止商品売買 誰が悪いの

 先日フリマの買い物客からクレームのメールが届きました。フリマでコンタクトレンズの洗浄液を買ったら消費期限が4年も前に切れた商品だったことを家に帰ってから気づいたとのこと。直接眼に入れる商品だけに、メーカーのお客様相談窓口に問い合わせたら「期限を過ぎているので使用できない」と言われた。定価は2000円以上するもので販売者の勧誘もあり300円にしてもらってなんと5本も買ってしまったとのこと。メールには、「販売者を特定して謝罪と返返金せよ」、「主催者がなぜこんなものを売らせたのかー」と言葉が踊っています。
 とりあえず、どのあたりのブースかどんな人だったか確認して出店者を絞込み犯人探し。きっとこの人かなーということで問合せの電話をいれます。この電話にちょっとコツがいります。「あなたですね、この商品を売ったのは!」とできるだけ断定的に話すこと。なぜなら人間だれしも悪い話から逃げようとするし、まして弁償や損害が発生するとなると「知らん」と嘘をいう人が結構います。「違いますかー?」とやさしく尋ねて「違います!」といわれたら、話はそこで終わってしまう。そこで確定でなかってもブースの場所・様子・服装・商品なども話し「全部知ってる」みたいな感じで「あなたでしょ!」と言うとたいてい「はい」ということになることが多いです。
 この時もちょっと抵抗はありましたがすんなり認めてくれて犯人を特定。売買のトラブルについては当事者間で解決してもらうのがルールなので、連絡先を教え話し合いの結果、販売者は謝罪し返金して一件落着ということになりました。
 主催者側としてはこの商品は「直接肌につけるもの」にあたり販売禁止商品。消費期限切れというものは禁止を文字にするまでもなく売ってはいけないもの。開催のはじめ、中間に違反商品が販売されていないか商品チェックの見回りをしますが、危険物・アダルト・コピー商品・不良電気製品などの違反の定番を見るのがやっとで、一点一点を手にとってたり、ましてや消費期限の文字を全部読むということは出来ません。販売者には、禁止商品を知らずに売る人とわざと犯罪や違反を犯しても売る輩がいます。知らずに売る人は堂々と売るのですぐ発見出来ますが、隠れて売る人はなかなか見つけられません。
 さてこの事件、被害者やケガ人が出なくてよかったのですが大変恐ろしい話です。まず買った方、どうしてその場で消費期限を見なかったのでしょうね。メーカーの窓口への相談は警察官に拾ったお金を「貰っといていいですか?」ときく様なもの。1日期限を過ぎていてもダメというしかない立場の人です。日向で売っている、何時のものか分からない、直接眼に入れる薬品を、いくら安いからと買うのも危険すぎて解せません。そして、そんなものが売られていたら、どうして現場で主催者に連絡してくれなかったのでしょうね。そして売った人、間違えば失明などにつながることは考えなかったのでしょうか。売る方も買う方も、どこかものさしが狂ってますよね。。

 

 

 

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