宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第36話「アフロディアに花束を(後編)」

ストーリー

 ネグロスの罠にはまり、負傷しながらも地球へ逃れたアフロディアは、マリンの腕の中に。彼女にとって、マリンは弟の仇であるはずだったが、一時の安らぎを得る。二人は、単なるS1星人同士以上の感情が芽生えていた。

 だが、ブルーフィクサー基地内では、アフロディアは捕虜としての扱いを受ける。ブルーフィクサー隊員達の多くは、アルデバロンによって愛するもの達を失っている。当然、処刑の声があがる。クインシュタイン博士は、アフロディアを脳波探査装置にかける。それは拷問に等しいものであった。

 そうこうしているうちに、アフロディアはマリンとジェミーを人質にとり、ガットラーへブルーフィクサー基地の所在を知らせる通信を行って脱走する。だが、その通信内容はまったくの嘘で、アフロディアがネグロスと対決するために流したものであった。そんなアフロディアだが、ネグロスの配下の透明円盤群には勝てず、マリンの腕の中で息を引き取った。

感想

・アフロディア
 ネグロスの罠にはめられた時に、地球に逃れたのは、もしかしてマリンと出会うためだったのでしょうか?。彼女は意識してなかったとしても、心のどこかで求めていたかも。
 いくらヒロインといっても、多くの地球人の命を奪ってしまっている彼女です。生きていて欲しかったというのが私の本音ですが、やっぱり、ストーリー上、死ぬしかなかったのでしょうか。たとえ最後まで生きていたとしても、少なくともマリンとは結ばれていないだろう思います。罪を償うために、マリンと結ばれるなどということは、彼女は考えないような気がしています。ただ、マリンが心の大きな支えにはなると思います。
 アフロディアの最期ですが、私は描かれるはずだったTV版の方が好きです。手元の資料によれば、マリンとアフロディアの会話が。第1話のエンディングを見た時から期待していたものがそこに。それだけに、どうしても映像で見たかったです。

・マリン
 ようやくアフロディアと心を通じ合わせることが出来たと思ったら、彼女は・・・。でも、これで良かったのかもという考えもあります。そのまま、ブルーフィクサー基地で捕虜でいたら、早かれ遅かれ、処刑されていたでしょう。でも、その局面になったら、マリンはアフロディアが処刑される寸前に彼女を脱走させてしまうかも。こうなったら、本当にどうなってしまうんだろ。これはこれで、一つの展開として見てみたい気も。

・ガットラー
 彼はアフロディアの死に対して、どう思っただろう?まあ、いつ戦死してもおかしくない状況に常に彼女を追いやっていた反面、どんなに失敗してもかばい続け、最高司令官として限界かと感じれば女に戻れと。私だったら、アフロディアを一人の女性として見る部分が少しでもあったら、もっと安全な職につけるなあ。
 ガットラーはこの時点でも、多くのS1星人の命を預かっている身。アフロディアの死を悲しんでいる暇もなく、地球征服のために突き進むのみのような気がします。

・クインシュタイン博士
 アフロディアに対して脳波探査装置で実質的に拷問を。でも立場上は当然ですね。命を奪っちゃまずいけど、アフロディアは地球人から見れば拷問されても仕方のない事をしているし。

・ネグロス
 アフロディアが死んだことで、ネグロスの高笑いが聞こえてきそうで、いやです。

・アラン
 手元の資料にはアランに関する記述はありません。しかし、皆様からの情報により、当話でコールドスリープから目覚めたアランが登場するということを知りました。ですが、家族の仇とばかりにアフロディアを撃とうとして返り討ちにあったらしいです。何のために目覚めたのか・・・。まあ、長年の疑問が解けたので、不謹慎ながら、ちょっとうれしいです。なぜかと言うと、アランは最終回でマリンを迎えた御一行(マリンが見た幻?)の中にいるからです。たしか、亡くなった方ばかりのはずなので、いつ、アランが死んだのか疑問に思っていました。

第35話へ 全話レビューメニューへ 第37話へ