宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第34話「地球の長い午後」

ストーリー

 北極、南極の氷を溶かしたことにより変わってしまった地球の地形を見て、ガットラーは愕然とする。自分達の故郷S1星の地形と瓜二つだからだ。だが、ガットラーは地球とS1星の地形が同じ理由の調査は地球侵略完了後という方針をうちだす
 ブルーフィクサー側も、マリンが新しい地球の地形を見て、ガットラーと同じくS1星と同じ地形に愕然としていた。地球とS1星はお互い遠く離れた惑星のはず。マリンに地球=S1星の疑念がわく。そして、アルデバロンが総攻撃をかけてきたとの報が入る。敵の旗艦スピリットガットラーを見て、マリンはガットラー自ら出陣してきたことを知る。

 アルデバロンがガットラー自ら出陣してきたのに対し、地球側は世界連盟の残存部隊(潜水艦部隊)を指揮するハーマンが、ゲリラ戦を展開する。海底から世界各地のアルデバロンの地球基地や透明円盤の編隊を攻撃するのである。そして敵が戦力分散等で隙を見せた瞬間にバルディオスでスピリットガットラーに挑むというもの。しかし、ガットラーはその手に乗らず、アフロディアに海底基地の場所を推理させる。アフロディアは攻撃を受けた箇所と時刻から、ハーマンの基地の位置を割り出し、その基地を叩くため出撃する。

 そのころマリンは、クインシュタイン博士から地球=S1星の仮説が成り立つことの説明を受けていた。前の戦いで水星と金星を失ったためS1星と同じ第1惑星になったこと。重力のバランスも崩れ、地球はS1星と同じ軌道をまわる惑星になったこと。マリンとクインシュタイン博士は時を超えて、同じ人類が戦っているかもしれないということにショックを受ける。

 戦いの方は、善戦してきたハーマンもアフロディアの攻撃を受けてからはピンチにたたされる。しかも、核物質が基地外に露出し溶解を開始する。そのことを知ったブルーフィクサーは、地球の海が核で汚染されるのを防ぐため、バルディオスが出動する。月影長官も、マリン達には内緒で、核の脅威を取り去るのと、敵の旗艦を叩く、それに何よりもマリン達を死なせないために、ミニパルサバーンで出撃する。

 ハーマンは海底基地を自爆させると同時に無事脱出する。その直後にバルディオスが到着し、一刻も早く核物質を処理するため、マリンはアフロディアに停戦を呼びかける。アフロディアも地球を核で汚したくない気持ちはいっしょであり、マリンの申し出を受けバルディオスへの攻撃をやめさせる。マリンはアフロディアに礼を言うと、核物質のある場所へと向かう。その時、背後からミニパルサバーンが現れバルディオスと合体する。それ以後のバルディオスは月影長官の意のままに核物質を処理する。そして、核物質とともに亜空間へ突入、敵の旗艦近くでバルディオスと分離し、その直後に三次元へ復帰し、核物質とともに敵旗艦に特攻する。

 月影長官の犠牲で、地球は一時的に救われたのであった。

感想

・月影長官
 今まで誉めたり批判したりしてきた感のある月影長官ですが、この第34話のラストで最期を迎えます。第32話での人工太陽に対する作戦ミスを償う意味もあったかと思います。家族も失ってしまい何も思い残すことはないという気持ちと、マリン達若者に未来を託す気持ちが伝わってきました。
 また彼がクインシュタイン博士をいかに信頼していたかも改めて認識させられました。クインシュタイン博士がいれば、ブルーフィクサーは安泰だと信じてたわけで(元々、ブルーフィクサーの実質の長官はクインシュタイン博士のような感じでしたが)。

・クインシュタイン博士
 ネルド博士、デビットとは違った意味で、親しかったと思える月影長官を失ってしまいました。戦争とはいえ、悲しいですね。でも、それをひきづっていない感じが彼女の魅力かもしれません。

・ガットラー
 今回は勝利を確信して浮き足立っている側近とは違い、あくまでも冷静に戦況分析を行い、的確な指示をする指揮官という感じがしていました。しかし、月影長官が特攻してきたシーンを見ると、あの状況でよく無事に脱出できたなあと思いました。それは、今までのアフロディアにもいえることですが。
 あとは冒頭のシーンですが、地球とS1星の地形がそっくりな理由の調査は、地球侵略完了後というのは彼らしいと思って見てました。

・アフロディア
 今回のアフロディアで印象に残っているのは、ガットラーに総攻撃準備の命令を受けたあとで、地形が変わった地球を見てマリンに生きていてほしいと心の中でつぶやくシーンです。第28話まではマリンを殺すことに執念を燃やしていたようなところもあったのですが、未放映の第31話では逆にマリンを助けてしまっているし。もっと、彼女のやさしい部分が芽生えるシーンを観たかったと、あらためて思いました。

・マリン
 地球=S1星の可能性がでてきたところで、マリンはますます地球の青い海、緑の大地等を守る決意を固めたかと思います。それゆえ、アルデバロンとの戦闘よりも核物質処理の方を選んだのでしょう。
 あらためて思うに、なぜマリンはアフロディアを信じられるのだろうか。実際、アフロディアを信じて正解なわけだが、あれだけのことがあったのだから、いくら弟を殺した負い目があるといってもなあ。第1話での初顔合わせは、実は一目ぼれというやつかなと。

・ハーマン
 ハーマンの部隊は潜水艦部隊だったとは。世界連盟は対異星人用に設立されたという設定もあるので、これは意外でした。しかし、ハーマンをはじめとして、世界連盟の残存部隊の人たちの心境はどうでしょう。勝てぬ勝負を挑むわけで、これもすべてわずかに生き残った人類のため。頭が下がる思いです。

・地球とS1星  水星と金星がなくなった場合、地球の軌道は本当に太陽寄りになるのでしょうか?そしたら、気温も上がるのでは?。そうすると、人工太陽が無くてもいずれは南極の氷が溶けて・・・。
 ちなみに当話で、ようやく地球=S1星ではないかと明言されました。私自身はパラレルワールドとの解釈ですが・・・。

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