宇宙戦士バルディオス全話レビュー
第31話「失われた惑星」
ストーリー
アルデバロンの作戦会議において、エネルギー問題が深刻であるという話が出て、そこから、アフロディアの責任問題に発展する。ガットラーもアフロディアの限界が見えたとの発言をして、1ヶ月ほど特殊な部屋に篭ってしまう。
一方、地球では流星群による天体ショーが行われていて、マリンとジェミーは、その流星群を見ていた。マリンはジェミーに、父のレイガン博士から聞いた「S1星」の名前の由来を話した。「ソル」という恒星の第一惑星という意味でつけられたのだ。マリンはジェミーが流れ星に願いをかけたのを見て、その真似をして地球がS1星の二の舞にならないように願いをかけた。
亜空間エネルギーの星、「アルデタイト」が太陽系に接近していることが観測された。地球側もアルデバロン側も今後の戦況を有利に進めるために、この「アルデタイト」確保を目的に出撃した。
先に到着したのはバルディオスチームであった。ジェミーがクインシュタイン博士に開発してもらった「ジェミーメカ」で「アルデタイト」をうまく誘導する。だが、後から現れたアルデバロンの巨大メカ「ドルカ」の奇襲攻撃により、ジェミーメカは大破し、マリンはジェミー救出に向かう。
アルデバロンの兵士は、マリンがジェミーの救出に気を取られている今がチャンスとばかりに、アフロディアに攻撃許可をもとめるが、なぜかアフロディアは「亜空間エネルギー」吸収を優先させる。バルディプライズとキャタレンジャーは必死に、亜空間エネルギー吸収を阻止しようとするが、「ドルカ」の「亜空間エネルギー」吸収は続く。その間に、マリンはジェミー救出を完了し、他の2機に合流してバルディオスになる。
バルディオスとなってからは、その力で「ドルカ」を圧倒する。アフロディアは部下と共に「ドルカ」を離脱するが、亜空間エネルギーが敵の手に渡るくらいならと、「アルデタイト」に光破爆弾を発射してしまう。すると、その影響で超吸収空間が出現し、バルディオスもアフロディアの搭乗機も吸い込まれそうになる。さらに、悪いことに水星と金星も軌道から離れ、超吸収空間に向かう。この状況を見たマリンとアフロディアはこのままでは地球も危険と判断し、アフロディアの申し出もあり、協力し合って超吸収空間に対処する。そのかいあって地球は救われるが、水星と金星は残念ながら消滅してしまう。
アフロディアはマリンに敵として戦いたくなかったことを話すと撤退していった。
地球は今、S1星と同じく、恒星を廻る第一惑星となったのだった。
感想
・失われた惑星
水星と金星が無くなるなんて、すごい話ですね。スケールが大きいです。でも、あっさり水星と金星がなくなるように描かれているので、見た目は全然スケールが大きく感じません。しかし、水星と金星が軌道を変えるほどの超吸収空間なのに、バルディオスやアフロディアのメカは抵抗できましたね。あのままいけば、最後は吸収されてしまったかもしれませんが、この両メカのしぶとさには脱帽です。
・流星群
日本でも最近、獅子座流星群が話題になりました。私は見ていませんが、さすがにこの話のような流星群ではなかったでしょう。でも、澄んだ空であれば、ある程度、今回の話のような流星群が地球で見れるんだろうなと。
・アフロディア
冒頭の作戦会議終了後のアフロディアの屈辱に満ちた顔を見ると、地球と徹底抗戦を挑むのかと思えば、何とマリンを助けるような行動をとってしまいました。マリンさえ始末してしまえば、アルデタイトの亜空間エネルギーなど、吸収し放題のはずなのに。アフロディアのマリンに対する憎しみは実質、ほとんど消え去ったと言っても過言ではないかもしれません。
しかし、アフロディアの心境の変化をもっと細かく描いて欲しかったとういのが、私の見解です。確かにマリンとアフロディアの絡みの話は何話か間にありましたが、その後は再び元のアフロディアに(ガットラーの発言では変わったと言ってる場面もあるが)。
・マリン
マリンがジェミーに話していたS1星の名前の由来の話は、S1星=地球だったという伏線になるわけですが、この時のマリンは真剣に地球の青い空を守ることを考えています。さすがに、この時点でS1星=地球であるとは思いませんからね。でも、私はS1星と地球はパラレルワールドの関係であると思っています。この話はまた別のコーナーで。
あとは、マリンがジェミーに対して、流れ星にした願いは「メカを操縦すること」と言うのには笑いました。オリバーはわかっているようですが、マリンは気づいていません(気づいていないふり?)。
最後は、マリンがジェミーを救出するために、アルデバロンの攻撃に対して無防備になってしまうシーンも印象に残っています。アフロディアが以前のように、復讐の鬼のままであれば完全に撃墜されていたでしょうが、そうではなかったために助かりました。仲間のためには我が身を振り返らないマリンらしいですが、地球全体のことを考えれば、軽はずみな行動かもしれません。でも、そうするとジェミーが・・・。難しいですね。
・ジェミー
マリンと二人きりで流星群の観賞。ジェミーの方はデート気分だったでしょう。でも、マリンはあくまでも大切な仲間としてしか見てくれないんですよね。だからマリンに、流れ星にした願いは「メカを操縦すること」としか言ってもらえない。
ジェミーメカで出撃してアルデタイトを誘導するジェミー。パイロットとしての腕もなかなかのものです(以前にもバルコプターの操縦シーンがありましたが、なかなかのものだったような)。でも、アルデバロンの攻撃でジェミーメカは大破。再び、留守番要員に?。
・ガットラー
さすがのガットラーも、ここまでくるとアフロディアをかばいきれない状況になりました。そのため、「アフロディア、お前の限界・・・」という発言が。でも、アルデタイト争奪戦で失敗したアフロディアが次の話でも最高司令官のままで登場したところを見ると、またかばったんでしょう。
宇宙空間に浮かんでいるような気分になる部屋で、ガットラーは非常に恐ろしい作戦を考えているんですよね。それは、次の第32話で明らかに・・・。
・ジェミーメカ
せっかく、クインシュタイン博士に開発してもらったのに、あっさり破壊されてしまいました。しかし、破壊されるにもコックピットはうまく難を逃れたので、その後のマリンの活躍でジェミーの命は助かりました。
パルサバーン、バルディプライズ、キャタレンジャーの方はアルデタイトを前にして、その処理に困っていましたが、ジェミーメカは難なく処理していました。クインシュタイン博士はこの日が来ることを予想していたのでしょうか。それにしても、もっとましなネーミングはなかったんでしょうか?
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