宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第25話「ガットラー暗殺計画」

ストーリー

 アルデバロンの作戦会議内で、S1星を旅立って1年もたったため、兵士の士気を高めるために記念式典を開き、全兵士に対してガットラー総統のお言葉をいただきたいという意見が出される。アフロディアは反対するが、ガットラーはこれを受け入れる。アフロディアは何とか式典を中止させようとガットラーのいる部屋を訪ねる。そして、アルデバロン内に不穏分子がいれば命が危ないということを説く。しかし、ガットラーはアフロディアから帽子と眼鏡をはずしながら、お前は戦いに勝つことだけを考えろと言って、式典を開く考えを曲げなかった。

 アフロディアは自室に戻り、束の間の休息をとる。すると、謎の電波が入る。内容はガットラー暗殺計画があるというものであった。アフロディアは自分にもしものことがあった場合を考えて、部下にガットラー総統宛ての手紙を託すと、単身、指定の場所へ出かけていく。しかしエアカーでの移動中、何者かに狙撃され、その影響で事故をおこし、アフロディア自身も意識を失う。

 アフロディアが気づくと、そこは見知らぬ場所で、カイザーと名乗る男が目の前にいた。実はこのカイザーこそが、アフロディアにガットラー暗殺計画があることを密告し、かつ、アフロディアの載っていたエアカーを狙撃したのであった。カイザーはガットラーの手からアフロディアを解放したい一心で説得にあたる。ついには、ガットラーがアフロディアの両親を暗殺したのではという事まで話したが、アフロディアは聞かない。カイザーは仕方なくアフロディアを眠らせると、ガットラー暗殺へと向かう。

 式典直前、ガットラーはアフロディアからの手紙により、命を狙われているかもしれない事を知るが、総統としての義務を果たさんと式典会場へと向かう。一方、アフロディアはカイザーがつけていったモニターからの「ガットラー」の歓声とガットラーを救いたい一念から目を覚ます。そして、隠し持っていたパーツを組み合わせて銃を歓声させると、カイザーのアジトから脱出を図る。幾人もの反乱兵が襲い掛かってくるが、負傷しながらもこれを交わし、エアカーを奪うと式典会場へ向かう。

 式典会場についたガットラーは大勢の兵士の前で手を振りながら、演説場所へ赴く。カイザーはガットラーが立ち止まった位置で照準を合わせる。その時、アフロディアの運転するエアカーが窓をぶち破って入ってくる。そのため、ガットラー護衛兵が動き、カイザーはガットラーではなく、この護衛兵を撃ってしまう。これによりカイザーは遠くからの狙撃をあきらめ、ガットラーの目の前に立ち射殺しようとする。アフロディアはガットラーを守ろうとするが、ガットラーはアフロディアを制止し、自らカイザーの銃の前に立ち計るのであった。カイザーはこれに圧倒されひるんでいるうちに、背後から警備兵に撃たれて負傷する。

 ガットラーはカイザーに暗殺の首謀者を訊ねるが、黒幕のジョブとデレリは口封じにカイザーを射殺する。しかし、カイザーは息絶える直前でジョブとデレリの名を口にする。アフロディアはすばやく、裏切り者のジョブとデレリを射殺する。

 アフロディアはガットラーを守りきった安堵感とケガからか、3日も眠り続ける。やがて目覚めた彼女は、ガットラーに休暇の礼を言いいながら銃を向ける。アフロディアはガットラーに両親を殺したのは総統ですかと訊ねる。しかし、アフロディアはガットラーを撃てない。こうしているうちに、バルディオス出現の報が入る。アフロディアは元の戦闘司令官に戻っていった。

感想

・アフロディアのガットラーへの想い
 今回はアフロディアのガットラーに対する想いが描かれています。私はアフロディアのガットラーに対する想いはTV版では、彼女も言っているように、父であり、兄であり、尊敬に値する人物であり、決して一人の女として男を愛する感情ではなかったと思っています。でも、彼女が述べた想いが高じて、ちょっと特殊な恋愛感情(?)が生じるかもしれません。総統を差し置いて、私だけが幸せになることはできません何て言いそうだなあ。

・その他のアフロディア
 アフロディアの休憩シーンですが、もう秘書はいないから一人ですね。実はぽっかり心に穴が空いているかも。
 アフロディアの幼い(?)頃の回想シーンでの服装と、今の私服のデザインは同じですね。彼女はこのデザインの服がとってもお気に入り何でしょうか?それとも、おっと、これは言わない約束ですね。
 それにしても、カイザーのアジトからの脱出シーン。体調はあまり良くなかっただろうに、すごい戦闘能力。日頃から、かなり鍛えているのでしょうね。

・うぬぼれ?ガットラー
 自分が作り上げたアルデバロン内に不穏分子がいないなんて本気に思っていたのであろうか?アフロディアの前だから強がって見せたのかも。その証拠に、式典当日にアフロディアからの手紙を読んで自分が命を狙われていると知っていても、兵士の士気を上げるためには総統自らが動かねばならないと断言していますし。カイザーに銃を突きつけられても堂々としていましたから。

・ガットラーあなたは・・・。
 アフロディアが式典中止を進言した時のガットラーは・・・。もし、アフロディアの腕から作戦計画書が床に落ちなければどうなったんでしょうか。気になります。

・真実は?
 ガットラーはアフロディアの両親を本当に殺したのでしょうか?。これだけでは、どちらにも解釈ができ、真実はわかりません。事故は偶然かもしれませんし、本当にガットラーが仕組んだのかもしれないし。あなたはどう思いますか?。

・カイザー
 ここにもアフロディアを愛する男がいました。しかし、何度もアフロディアにラブレターを出しておきながら、射撃No,1としか覚えてもらえませんでした。でも、彼は負けていません。ガットラー暗殺でアフロディアが巻き込まれないようにと、非常に乱暴な手段(アフロディアが事故死してもおかしくない状況では?)で、アフロディアをガットラーから引き離し、そして、彼女がガットラーに忠誠を誓う必要の無いことを一生懸命に説いてました。
 彼の最大の敗因は、アフロディアを再度眠らせた時に、モニターをつけたことでしょう。兵士が「ガットラー」と叫ぶ声を聞いて、彼女は目覚めてしまったのですから。

・ジョブとデレリ
 こいつらは、なぜガットラーを暗殺しようなどと。はっきりいて、このふたりはとても総統の器ではないぞ。仮にガットラー暗殺に成功しても、このふたりならアルデバロンをまとめられず、冒頭でマリンが言っていたように、アルデバロンを崩壊に導いたことでしょう。



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