宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第26話「謎の宇宙生命体」

ストーリー

 ブルーフィクサー設立10周年記念パーティーが、ブルーフィクサー基地内で行われる。雷太はパーティー参加準備をしているとき、ペンダントを見て友人(?)のジルのことを思い出す。

 やがてパーティーが始まり、盛り上がってきたころ、緊急事態発生の報が入る。全滅したと思われた宇宙船が宇宙空間を漂っていたのだ。雷太はその宇宙船にジルが乗っているかもしれないと思い、自ら船内調査を買って出る。マリンとオリバーも雷太の援護のため、ともに出撃する。
 やがて宇宙船に到着し、雷太は潜入して調査を開始する。そこで雷太が見たものは何とミイラ化したジルの死体であった。雷太は何とかジルの亡骸を地球に連れて帰りたいと願うが、クインシュタイン博士はアルデバロンの罠かもしれないと反対する。しかし、雷太の必死の呼びかけに、月影長官はジルの亡骸を宇宙船ごとブルーフィクサー基地に運ぶことを許可してしまう。

 ブルーフィクサー基地内では、宇宙船内に何者かが潜んでいるかもしれないとのことで、念のため、光線を照射した後、遺体を運び出す。しかし、それと同時に異次元生物アメーダスが活動を開始する。手始めに遺体を運んでいるブルーフィクサー隊員ボブをエレベータ内でミイラにする。そして、プールではリンダを、その他、基地内のあちらこちらで次々と隊員達をミイラ化する。ジェミーもシャワーを浴びている最中に襲われそうになるが雷太の活躍で難を逃れる。

 一方、アルデバロンでは、アフロディアがアメーダスにより基地内が混乱している今がチャンスとばかりに、ガットラーの命令もあり、ハル隊長にガメバリウスでレーダー基地破壊を命ずる。

 クインシュタイン博士は、アメーダスを倒すにはアメーダスが吸収しきれないエネルギーを与えるしかないと判断し、基地内の核エネルギーを利用してアメーダスを倒す作戦を立てる。雷太はその作戦の実行役を買って出て、見事、アメーダスの誘導に成功し、アメーダスを倒すことに成功したかと思われた。しかし、アメーダスのエネルギー吸収力は想像を超えていて、更に巨大化し、ついにはバルディオスメカに侵入してしまう。そこへ、バルディオス出撃要請が入る。マリン達、3名はアメーダスを恐れず、レーダー基地を守るためバルディオスで出撃する。

 バルディオスは亜空間飛行により現場へ直行しようとするが、アメーダスのために三次元復帰を余儀なくされる。するとガメバリウスが目の前に。アメーダスのおかげで思うように戦えないバルディオスだが、雷太がアメーダスをミサイルに誘導したことを機会に反撃を開始。圧倒的な力でガメバリウスを攻撃し、最後はアメーダスが付着したミサイルをぶち込んで見事勝利する。

 雷太はジルの墓にペンダントをかけ、アルデバロン打倒の新たなる決意をするのであった。

感想

・雷太
 さすがの雷太も大切な友人を殺されたとあっては、冷静ではいられなかったようです。殺されたのがジルでなければ、素直にクインシュタイン博士の言葉を聞けたのでしょうけど。親は雷太が赤ちゃんの時に事故で亡くなっています(第13話参照)。それだけに、余計に友人との絆を大切にしていたのでしょう。
 対アメーダス戦では、非常に大活躍します。危険な任務も自ら買って出て行きます。これもジルの仇討ちと、自分のわがままで大勢のブルーフィクサー隊員を死に追いやってしまった責任感とが彼に力を与えたのでしょう。
 雷太がジルを地球の大地で眠らせてあげたい気持ちは十分わかります。でも彼はブルーフィクサーの隊員でしかも、バルディオスチーム。他にも大勢の人の命を背負っているのです。ここはがまんしてほしかった・・・。

・月影長官
 今回は筆者も月影長官の責任問題を追及したいです。今までは、情に流される長官ではありますが、いい面が出たときもありました。しかし、今回は月影長官の判断ミスで大勢のブルーフィクサー隊員が命を。「これ以上の犠牲が出れば〜。」というセリフには、筆者もガックリです。一人でも犠牲が出た時点で過ちを認めるべきでは?。この後、処分されなかったのが不思議です。

・ジェミー
 シャワーを浴びている最中に、あわやアメーダスに。そのジェミーを救ったのはマリンでもオリバーでもなく雷太でした。まあ、今回は雷太が主役だから仕方ないか。ところで、雷太にベットに放り投げられたときの彼女の心境はいかに。

・ハル隊長
 威勢よく、新型メカ「ガメバリウス」で出撃しましたが、結果的にバルディオスを助ける羽目になってしまいました。バルディオスが体内にアメーダスの侵入を許してなければ瞬殺されてたのではと思うぐらい情けないです。最期はアメーダスの処分を手伝うような形で、ガメバリウスと運命をともにしました。アルデバロンも人手不足か。

・ジル
 よくある、宇宙に飛び出して行って、そこで不幸にも生涯を終えてしまうというキャラですね。殺され方がミイラ化というのが、ある意味でよけいにかわいそうですね。若い女性で美人なのに、あのような姿で・・・。ところで彼女は雷太のことはどう思ってたんでしょう?やはり、良き友人ですかね?。

・異次元生物アメーダス
 なぜ異次元生物だと、三次元では殺されにくいのでしょうか?三次元の生物が異次元へ行くと、どうなるのでしょう?まあ、宇宙空間ではなく地球上でも、映画「エイリアン」と同様の恐怖を与えられることを証明したような。

・コーヒー
 オリバーが雷太の部屋に入ったシーンで、クラシックなコーヒーの煎れ方をしていると言っていましたが、この時代のコーヒーはどのように煎れるんでしょうか?

・ヘンダーソン
 ブルーフィクサー10周年を祝いに世界連盟からわざわざ来たのに、月影長官から紹介を受けた直後に緊急事態発生で一言のセリフすらもらえなかったかわいそうな人です。

・その他のブルーフィクサー隊員
 今回限りの登場ですが、バルディオスチームを影で支えている方々をご紹介しましょう。

   ボブ     ブルフィクサー基地内における、アメーダスの最初の犠牲者です。体内に入り込まれて一瞬のうちに
         ミイラ化されました。これでは、手の打ち用がありません。

   エド     雷太が機転を働かせてくれたおかげで、かろうじて助かりました。いくらブルーフィクサーといっても
         基地内勤務の隊員では、実戦経験はほとんどないでしょうから、エレベーターから逃げるとき、銃を放り
         出してしまいました。

   ターナー   アメーダスがジェミーの部屋に向かっていることを報告してくれたのが、ターナーだと思います。

   アーサー   アメーダスがエレベーターから通気孔から移動するところを報告してくれたのが、アーサーだと思います。

   サム     どのシーンに出てたかは、今度、暇なときに再度、確認します。

   リンダ    基地内のプールで休憩していたところをアメーダスに襲われて、無惨な最期を遂げてしまいました。
         館内放送を聞きながら、プールから上がれば助かったかもしれません。ジル同様かわいそうな殺され方
         です。

   コリン    リンダの同僚と思われますが、こちらは水からはほとんど出ていたため、助かりました。しかし、リンダ
         が目の前であのような殺され方をしたのです。トラウマとなって、もう2度とプールには入れないかもしれ
         ません。
          今更ですが、リンダと二人で活躍するシーンを見てみたかった気も(ジェミーを超えれるか)。

 今回、生き残った隊員達は最後まで生き残り、クインシュタイン博士の指揮のもと、放射能汚染された地球で、生き残った人々救出に全力を尽くしてくれていると、筆者は勝手に思い込んでいます。


第25話へ 全話レビューメニューへ 第27話へ