宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第22話「特攻メカ・ブロリラーの挑戦」

ストーリー

 地球とアルデバロンとの戦闘は、地球に多大の被害をもたらした。しかし、アルデバロン側の戦死者も多く、そのため、アフロディアは冷凍冬眠をしている兵士を大量に目覚めさせようとする。冷凍局長、食料局長を交えた会議の結果、民間人は全員、冷凍冬眠させることを条件に、2000万人の兵士を目覚めさせることが決定した。民間人を冷凍冬眠させるのは、食料等による問題のためである。

 アフロディアは会議後、秘書のリスルに、次の予定まで少し時間があることを知らせると、ゆっくり入浴する。そして、リスルと会話をする。ある意味、アフロディアが女に戻ったひと時かもしれない。ところが、移民局長が民間人をすべて冷凍冬眠させることに反対していることを知ると、親衛隊長のラトピとともに事の対処にあたる。

 親衛隊長のラトピが移民局長を射殺後、アフロディアはガットラー総統の招待で共に食事をする。その間に、秘書のリスルとラトピはこっそり会う。そう、二人は恋人同士。リスルが冷凍冬眠することになったため、別れを惜しんでいたのである。だが、二人はアルデバロンが兵力増強により、近い将来、地球を手に入れられる。そして、そこで結ばれることを固く信じていた。

 やがて、リスルはアフロディアを迎えに行く時間になったため、食事の間に行く。そこで、リスルが聞いたものは冷凍冬眠をすると100年は目覚められないということだった。ショックを受けたリスルはこのことをラトピに話し、そして二人は脱走を決意する。だが、脱走途中であっさりと捕まってしまう。

 牢の中で処刑を待つラトピ。そこへアフロディアはリスルの命を助ける条件を提示する。それは、特攻メカ・ブロリラーで見事、バルディオスを倒すことができたらということであった。ラトピはリスルの命が助かるのならではと承諾する。

 ラトピはさっそく、ブロリラーで出撃。バルディオスを標的に定めると、果敢に特攻を仕掛ける。マリンたちは、特攻メカと気づき、何とか逃れようとするがブロリラーに突っ込まれてしまう。だが、ブロリラー内部の反光波爆弾が不発だったため、かろうじてマリンたちは難を逃れる。

 ラトピは奇跡的に一命を取り留め、リスル救出のためマリン達と共にバルディオスで亜空間要塞を目指す。途中、再び、ブロリラーが現れ、中の人間を倒すか標的を変えさせる以外、逃れる術はないとして、マリンとラトピはブロリラー内部に潜入する。そして、内部の人間を確認したとき、ラトピは驚愕する。なんと恋人のリスルがブロリラーの操縦者になっているではないか。マリンとラトピは力を合わせてリスルを救出しようとする。だが、どれもうまくいかず、ついにラトピは一つの決意をする。マリンを気絶させると、ブロリラーの外へ運び出す。リスルはラトピに見守られながら、ブロリラーをバルディオスから離れた場所へ誘導させた。

 気がついたマリンは、宇宙の向こうでブロリラーが爆発するのを見て、二人を救えなかったことを悔やむ。一方、アフロディアは二人の遺品を切なそうに見つめていた。

感想

・リスルとラトピ
 特攻メカ・ブロリラーの爆発で宇宙に散った二人ですが、ある意味、幸せだったかもしれません。それは、二人がいっしょだったからです。恐らく、この戦闘で愛する人と最後の別れも告げられずに散っていった人は大勢いたでしょう。
 ところで、アフロディアがガットラーとの食事中に、二人で密会していたシーンですが、地球人にとっては物騒な会話ですね。二人が地球で結ばれるということは、地球人は皆殺し、または奴隷。う〜ん、戦争とは残酷ですね。
 あと、もう一つ。リスルは最高司令官の秘書だから、冷凍冬眠しなくてもいいような気がするが。兵力増強で、ますますアフロディアは忙しくなるわけだから、なおさら秘書は必要では?

・アフロディア
 アフロディアには秘書がいたんですね。それも若い娘を。リスルとは、どんな関係なんでしょうか?でも、本当にラトピとの関係はわからなかったんでしょうか?親衛隊長を呼べと指示したときのリスルのうれしそうな顔を見れば、何かあると気づきそうな・・・。
 ところで、TV版のアフロディアはちゃんとバスユニットに。他の方はシャワーのみだったような。でも、入浴中にもお仕事が。最高司令官は忙しいですね。
 私が思うに、アフロディアはリスルは死なせたくはなかったのでは。最初のブロリラーが失敗した直後のガットラーの言葉に驚いていましたし、ラストシーンの表情何かも。何年かいっしょに共に生活してたようなものみたいだし。でも、ガットラーには逆らえません。結局、ラトピをダシにして死なせる羽目に。反面、ラトピには冷たいような気がする。もしかして、私のリスルをという思いもあったりして。

・ガットラー
 アフロディアが食事会に少し遅れただけで、ちょっとご機嫌斜め(?)のガットラー。ガットラーはどんな思いで食事をしたんでしょうか?やはり部下ではなく、一人の女性を見る感じだったんでしょうか?
 あと、お二人はさすがに軍人さんだけあって、よく食べますね。結構、たくさんの皿が平らげてありましたから。

・冷凍冬眠
 亜空間内で冷凍冬眠を開始すると、なぜ、次の目覚めに100年?兵士はほとんど男だよな。どうやって、種族を生き延びさせるんだ?。仮に地球侵略成功かつ、自動制御で100年後に民間人が目覚めても・・・・。

・食料
 亜空間要塞アルゴル基地内で生産されている食料は大丈夫なんでしょうか?機械で生産されるため、今の日本だったら、消費者の猛反対がおきそうですね。ところで、S1星=地球なら、S1星の食料生産の原点はクインシュタイン博士?(第30話参照)。

・ブロリラー
 最初の特攻ですが、すごい量の反光波爆弾を積んでいて、さらにバルディオスとぶつかった時の衝撃はすさまじかったと思うのですが不発です。今でもたまに不発弾処理が行われることがありますが、同じ事なのでしょうか?



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