宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第20話「甦った悪魔(前編)」

ストーリー

 ベリシア平原のどこかに眠っているという水爆ミサイル基地。それをめぐって、世界連盟とアルデバロンは激しい戦闘を繰り返していた。そして、双方とも多大な被害を出しながらも、水爆ミサイル基地は発見されなかった。そんなある日、世界連盟軍とアルデバロンの一部の兵士達は、自分達が地上で戦闘中にもかかわらず味方からの空爆で危うく命を落としそうになったことから、お互い、自分達は消耗品扱いということで嫌気がさしていた。ところが、その空爆により、偶然にも水爆ミサイル基地が発見される。世界連盟軍とアルデバロンの兵士達は、互いに手を結んで「第三帝国」を名乗り、この水爆ミサイルを使って、世界連盟とアルデバロンを脅迫するのであった。

 世界連盟は水爆ミサイルの使用を阻止するため、マリンと、死刑直前のマシンガンやナイフといった旧式の武器を使う殺し屋達を使って暗殺部隊を組織し、ベリシア平原に派遣する。旧式の武器の殺し屋を集めたのは、近代兵器を使用すると、そのエネルギーが敵に探知される恐れがあるからだ。一方、アルデバロンはアフロディアを中心とした特殊部隊を組織し、やはりベリシア平原に向かったのであった。

 ベリシア平原に潜入したマリンと殺し屋達だが、アルデバロンの特殊部隊と狼のために、一人また一人と減っていく。そのため、殺し屋より、「第三帝国」より先にアルデバロンを片付けるという提案が持ち上がり、マリンも了解する。

 アルデバロンのキャンプ地を発見したマリンと殺し屋達だが、殺し屋達はマリンの静止も聞かずに奇襲戦を挑む。マリンも戦いが始まってしまったため、殺し屋達といっしょにアルデバロンの特殊部隊を攻撃する。そして、マリンがやっとアルデバロンの特殊部隊を全滅させたと思ったその時、ともに戦った殺し屋達も相討ちとなって死んでいるのに気づく。ナイフ使いの殺し屋だけが、かすかに息をしていたが、テントの影から狙い撃ちをしてきたアルデバロンの生き残りを負傷させると息を引き取る。マリンはケガで動けないアルデバロンの生き残りを確認すると、何と、あのアフロディアであった。

感想

・殺し屋達
 「甦った悪魔(前編)」では、任務を果たす前に命を終えた殺し屋達にスポットをあてたいと思います。

  ビンズ  弓矢の使い手で、殺し屋の中で一番最初にアルデバロンの手で殺された人。活躍の場がまったくありませんでした。
       ところで、いくら旧式の武器と言っても、旧式過ぎる気がします。この時代、弓矢で殺しができるんでしょうか?
       まあ、ジャングルとかなら使えるかもしれませんが。世界連盟は、今回の場所が何もない平原が舞台となるので、
       意外と使えると思ったのかもしれません。

  キール  殺し屋6人の中で唯一、アルデバロンではなく、狼に殺された人。銃の使い手なので、大きな戦力となるはずだと
       思ったのですが・・・。きっと油断していたのでしょう。
  ダン   キールと同じく銃の殺し屋です。仲間を逃がすために、自らを犠牲にしてしまいました。キールが先に死んで
       しまったため、アルデバロンを足止めにできる唯一の人物になってしまったのが災いしました。

  ジョン  6人の殺し屋一番の巨体で、トマホークの使い手です。アルデバロンのキャンプ地を襲撃したときの動きから、
       さすがに死刑囚という感じです(?)。しかし、敵の数が多すぎたのか、最期は何人かを道連れにして散って
       しまいました(何人かのアルデバロン兵を抱かえながら息絶えていたのでそう判断しました)。

  マンソン サーベルの使い手です。アルデバロンのキャンプ地では、敵から奪った機関銃も乱射していました。
       接近戦では強そうですが、多勢に無勢。やはり、命を落としてしまいました。
  クロス  ナイフの使い手。6人の殺し屋の中では、最後に息を引き取りました。マリンとの初顔合わせでは、ナイフ投げの
       妙技争いで、マリンに敗れました。ジョン、マンソンとともにアルデバロンのキャンプ地を襲いましたが、やはり、
       多勢に無勢ですね。なお、息を引き取る直前で、アフロディアに適度のケガを負わせています。

 殺し屋というと、ゴルゴ13のような人物を思いうかべますが、そのイメージとほど遠い連中ばかりです。どちらかというと、ギャングの用心棒または、文明未開地なら通用するであろう連中と見ました。反論のある方は御指摘ください。

・マリン
 クロスの項でも書きましたが、マリンはナイフ投げの達人でもあったんですね。クロスが吸っていたタバコをマリンの投げナイフで見事にクロスの背中へ。ところで、アルデバロンのキャンプ地での戦闘だが、ブルフィクサーの銃は使ってはまずいのでは。敵のセンサーに探知されても知りませんぞ。

・アフロディア
 自分の部下に「第三帝国」を名乗られてしまったために、汚名返上で乗り込んできたアフロディア。特殊訓練を受けてきているはずの部下は、奇襲を受けたとはいえ、あっさり全滅。情けないぞアルデバロン。
 ところで、クロスに適度にケガをさせてもらって良かったのでは。そうでなきゃ、マリンとの死闘開始または、任務続行不可能になっていたはず。当話終了時点で、次回は素顔のアフロディアをたっぷり楽しめるぞと思ったものです。



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