宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第18話「裏切りと暗殺の旅路(後編)」

ストーリー

 自分を暗殺しようとした男の口から首謀者は月影長官と聞き動揺するマリン。アルデバロンのデグラスは、マリンに仲間になれと勧める。マリンはとりあえずガットラー総統と会うことを了承し、デグラスとともに亜空間要塞アルゴルへと向かう。
 デグラスは、マリンを引き込むことに成功した勢いで、領土返還協定を破棄する。世界連盟はこれに対しガムジャードを出撃させるが、本気を出したアルデバロンの前にガムジャードはあっけない最期を遂げる。

 一方、マリンはアルゴル内でガットラー総統と対面し、アルデバロン側につく証拠としてブルーフィクサー基地の所在地を教える。ガットラーはさっそくデグラスに出撃を命ずる。だが、アフロディアだけはマリンの言葉を信じなかった。
 やがてデグラス率いるアルデバロン戦隊は、マリンから聞き出した地点にある基地を攻撃し、その基地から出撃してきたバルディプライズ、キャタレンジャーを破壊に成功する。意気揚揚となったデグラスはガットラー総統にこの事を報告する。ガットラー総統はこの勝利を喜ぶ反面、マリン抜きとはいえ、敵があっけなく敗れ去ったことに疑問を抱く。実はデグラスが破壊したのは途中で建設中止になった第2基地であった。マリンがアルデバロンに連れて行かれたことで、マリンが裏切ったのではと心配されていたが、この事を知った月影長官とクインシュタイン博士は、マリンが裏切っていないことを確信するとともに、マリンの身を案ずる。

 アフロディアはこの手で弟の仇を討つため、かつ、マリンの真意を探り出すために、マリンを見張っていた兵士達をパラライザで眠らせてしまう。そして、マリンに向けて銃口を向けるが、マリンはうまく交わし、アフロディアに当身をあてて気絶させると、この時とばかりに監禁室(?)から脱走する。その時、アフロディアの眼が開く。実はアフロディアは気絶させられた振りをしていたのであった。
 マリンは、アルゴル内の巨大メカ製造工場を破壊すると、その影響で警備が薄くなったガットラー総統の前に現れ、ガットラー総統を射殺しようとする。しかし、ガットラー総統の前にアフロディアが立ちはだかったため、マリンはガットラー総統を倒すのをやめアフロディアを人質にすることでアルゴルを脱出する。デグラスはこの責任を取らされ、ガットラー総統に処刑される。

 ブルーフィクサー基地に戻ったマリンは、再びバルディオスチームの一員として迎えられるのであった。

感想

・お馬鹿なデグラス
 マリンの情報を信じて、ブルフィクサー基地(実は途中で建設中止の第2基地)を攻撃し、その戦闘の勝利で指令長官の座を手に入れようとしたデグラス。あんた、その前にブルフィクサー基地から月影長官の指示する隠れ家への移行中のマリンを襲ってるでしょうが。なのにマリンにだまされちゃって。ブルフィクサー基地のありかを知っているからマリンを襲えたんじゃ・・・。こんなわけのわからん行動するから、ガットラーに処刑されるんだな。マリン引き込みのために、アルデバロン側も多くの犠牲を払っているし。

・職権乱用のアフロディア
 勝手な行動は死刑という戒律を作りながら、実は本人が一番勝手な行動をしていることを実証する話でした。おかげで、マリンに巨大メカ工場は破壊されて、結果的に脱走のお手伝いまで。本来ならアフロディアにも責任が生じるはずだが、全部、ガットラーがデグラスのせいにしてしまっているに違いない。眠らされた兵士達はガットラーから固く口止めされたか、もしくは眠っているうちに・・・。
 ストーリー紹介では書いていませんが、ガットラーから後でマリンを処刑すると聞いているので、そんな形でマリンを終わらせたくないという気持ちが彼女をこんな行動に走らせてしまったのでしょう。アフロディアとしては、戦場にてマリンを倒したいという気持ちがあるんでしょう。確かに弟の仇で憎むべき相手ではあるが、同時にマリンという男の器を認めています。

・マリンの判断
 ガットラーを欺くために建設中止となった第2基地をブルフィクサー基地だという嘘を言ったマリン。映像を御覧になった方は御存知かと思いますが、建設中止でも中には人が何人かいて逃げ惑っていましたね。マリンとしては、建設中止で放置されていて誰も中にいないとでも思ったんでしょう。でも、その判断は甘く何人かはわかりませんが、犠牲者が・・・。マリンはこの事を知っているんでしょうか。もしかしたら、クインシュタイン博士あたりが、またマリンの腕が動かなくなったら困ると周りの人間に口止めさせているかもしれません。
 でも、アルゴルでアフロディアを撃たなかった時の心境はどうだったんでしょうか?。弟を殺してしまった自責の念からか。それとも、一人の女として見ていたのでしょうか?。

・ガットラーの杖
 BBSとかでも、ちょっと話題になりましたガットラーのあの杖。デグラスの処刑で判明しましたが、実は光線がでるんですね。そのしくみはどうなっているんでしょうか?でも、杖の使い方を誤るとアフロディアでも危害を加えてしまうのでは?ガットラーが杖をどう扱おうとしているか要注意ですね。

・ガムジャード
 アルデバロンの空母に体当たりされて散ったガムジャード。用済みになったとはいえ、あっさりやられてしまいました。あのくらいよけられなかったんでしょうか。月影長官の言うとおり、パイロットが未熟だったんでしょうか?でも、バルディオスだったら、あの程度の体当たりをまともにくらっても踏ん張ってるんでしょうね(言わない約束?)。

・月影長官
 DVDの解説でも書いてありましたが、モーガン代表に対して、マリンが世界連盟の人たちよりも地球を愛していると言い切るシーンはほめてあげたいです。正直言って、長官らしからぬ頼りないシーンが多いですからね。

・クインシュタイン博士
 今回の影のMVPです。前話で、マリンにやけにならぬように諭したことが、マリンにとっては大きな支えになったはず。



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